え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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100話達成してたことに皆様からの感想で気づいた馬鹿はこの私でございましてよ。
本編だけだとまだ91話なので頭からすっぽ抜けておりました。反省。

ではとりあえず……
(番外編等含めて)100話達成しました!
これからも本作をよろしくお願いします!





ビッグ4は伊達じゃない!……かもしれない

 

 

 

 単なるインターンの説明や体験談を聞くだけのはずだった。

 それがどういう訳か雄英ビッグ4の1人、通形ミリオの提案によって21VS1という傲慢にも思える模擬戦を行うことになった。

 

 いや本当に何でだよ。ちょっと前に滅茶苦茶使ってた体育館γまで来てから言うのもなんだけど、どうしてそうなった。

 

 俺らも3年生の人達も体操服に着替えており、発案者の通形先輩はストレッチを行ってしっかりと身体を温めている。

 俺らもストレッチすっかあ、ってかしたいんだけどね?

 

「……何で俺だけハブなんです?」

「結果が見えている。お前とミリオはお互い相性が悪いからな。多分だが時間がかかるだけで無意味になる」

「まあ、そうですね。やるならタイマンじゃないとグダる可能性が高いかなあ……」

「マジで?」

 

 何故か俺だけ相澤先生から「お前は待機だ」と一人だけ離脱させられた。曰く個性の相性的に時間ばっかりかかって決着がつかないかもとのことだが……どんな個性なんだ?

 

 一方で天喰先輩と波動先輩は皆の事を心配そうにしている。それも怪我とかじゃなくて実力差を思い知って心が折れるんじゃないか、という方面での心配を。

 それに異議を唱えたのは常闇と切島。ハンデありとはいえ先生方と戦ったこともあれば、ヴィラン連合の襲撃によってヴィランとの戦闘も経験している。

 

 それでもそんなに心配されるほど、自分達は弱く見えるのか。切島は尋ねた。

 

「うん、いつどっから来てもいいよね。1番手は──」

「俺だァ!!!」

 

 

 BOMB!!

 

 

 ……うん、まあやるよね。

 でもさ、せめて通形先輩が全部言い切ってからにしない?お前あの夜に緑谷相手してた時のしおらしさどこいったよ。

 

 爆豪が真っ先に特大の爆撃をぶち込んだが、爆豪の顔色はよろしくない。どうした?

 

「……いいね!君、躊躇が無くて元気だね!!」

「なっ……!?」

「む、無傷!?マジかよ!」

 

 って、マジか。体操服が消し飛んではいるが、本人は全くのノーダメージ。なるほど手応えが無くて困惑してたのか。

 

 それにしたって何の個性だ?切島みたいな防御力というわけでも無さそうだが……あ。

 

「……そういう個性か」

「分かるの?」

「昨日話したろ?探知能力あるんだって」

「あ、そっか」

 

 意図せず個性の正体を暴いてしまった。

 俺の探知能力は周囲を3Dモデルのような感じで把握しているんだが、今の通形先輩は上半身がゴッソリと消えてる。その場に何も無いのか?

 

 幻覚……ってよりはアレだな、ゲームの当たり判定が消失しているような感じだ。某海賊漫画の自然系(ロギア)的な雰囲気がある。

 相澤先生が言ってたのはそれか。俺も先輩も攻撃が当たらなくて泥沼化するだけだから止められたのかよ。

 

 ってなると通り抜ける個性か?それか実体を持たない何かに身体を変化させてるのか……。

 今も爆豪に続いて放たれた皆の攻撃を仁王立ちのまま避ける素振りもなく、酸液も火炎もテープもモギモギも通形先輩をすり抜けてしまう。

 

「って、消えた!?」

 

「まずは遠距離持ちからだよね!!」

 

「ワープ!?」

「間飛とは違うタイプのワープか!!」

 

 おお?何だ今の。急に反応が消失したと思ったら遠距離攻撃組の後ろに回ってら。なんだアレ。

 

 テープやモギモギを的確に回避しつつ、上鳴と耳郎を耳たぶのコードでグルグル巻きに。時折『ヤベッ』とでも言いたげな顔をしながら駆け抜けるように全員を殴り倒していく。

 

「ふんっ!!……お?」

「ぐっ……おおおっ!!」

「!!」

 

 そのまま流れるように轟にも腹パンをカマしたが、まさかのガッツ発動。無理やり攻撃を耐えての至近距離氷結。周りに倒れてる奴がいるから全力ではないが、それでも一瞬にして生み出される巨大な氷塊はさすがに回避出来ないだろ。

 

「──いやあ、危ない危ない!」

「嘘だろ……!?」

「……アレも避けるのか」

「そうなんだよ!ミリオの奴あの距離でも避けられるようになっちゃって!!」

「あ、実践済み?」

 

 腹を押さえて倒れかけていた轟の前にはなんでもない顔で出てくる通形先輩が。至近距離かつほぼ不意打ちと言っていいレベルの攻撃でもダメなのか。

 隣で零が頬を膨らませて指をさしているが、確かに理不尽だな。どうやったら当たるんだ。

 

 ワープの応用ですり抜けてんのか、すり抜けの応用でワープしてんのか。緑谷あたりはカウンターを狙ってるっぽいから全部直接攻撃なのは確かか。

 

「探ってみなよ!」

「!!沈ん──……」

 

 駆け出すとほぼ同時に通形先輩の体が地面へと沈んでいく。これは……地面をすり抜けている?限界は無いのか?どこまですり抜けて行くんだ?疑問が次から次へと出てきやがる。

 

 髪の毛の先まで地面の中へと落ちていった瞬間、今度は全裸の姿で緑谷の背後へ回る。何故脱いだ。

 

 って、おお!?緑谷のやつ、先輩の動きを読んでないか!?迎撃が早い!

 

「だが必殺!ブラインドタッチ目潰し!!」

「うっ!?」

「デ、出久!!」

 

 ……が、ダメと。チョキの形を取った指で目を突く素振りで無理やり目を閉じさせ、すぐさまカウンターを叩き込まれた。

 

 それからも模擬戦はほぼ一方的。カウンターを狙った皆の攻撃を尽くスルりと避けてはカウンターのカウンターを叩き込まれていく。速さも巧さもヤベエが打たれ強い奴らまでノックアウトしてるあたり攻撃力も相当に高いぞあの人。

 

 

 

 

「POWER!!!」

 

「…………き〇に君?」

「ンフッ」

「き〇に君?誰それ?」

「昔のマッチョな有名人」

「天喰くんが笑ってる!どうしたの?」

「い、いや……なんでもフフッ……ない」*1

 

 そのうちパスタに粉チーズぶちまけるんじゃないだろうか。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 一人無傷な間飛の手でわっせわっせと端の方に運ばれたA組は殴られた腹や背中を摩りつつ恨めしそうにミリオを見ていた。訳も分からずグーパンを食らって沈められれば誰だってそうなるだろう。

 

 口々に「強すぎッス!」や「ズルいや私の事考えて!」だの「すり抜けるしワープだし!間飛や轟みたいなハイブリッド!?」と質問(と苦情)が投げかけられる。

 

 そんな彼の個性は【透過】。全身に発動すれば地面をも含めたあらゆる全てをすり抜けてしまう。

 その際、地中で個性を解除すると『質量のあるものは重なり合うことが出来ない』ルールが働くため、解除と同時に弾き出されるのだ。

 人によってはゲームのバグのような挙動をしている使用方法だが、これにたどり着くまでにミリオは相当の努力を重ねている。

 

「俺の個性は最初から強いんじゃなく、強い個性にしたんだよね」

「……っそうか!あらゆる物をすり抜けるということは──」

 

 真相に気づいた常闇が大きな声を出して驚愕した。

 

 そう、彼の個性は一切合切あらゆるものを透過してしまう。例えそれが生命活動に必要とされる酸素や、生物が当たり前に捉える鼓膜への揺れや目への光すらも。

 何もかもを感じることが出来ないまま、落ちていく感覚だけが彼に残されるのだ。

 

 当然そんな個性をまともに制御できるはずもなく、一度最底辺まで落ちこぼれた。

 

「出遅れない為には予測!予測が必要だった!!そしてその予測を可能にするのは経験!経験則から予測を立てる!」

「……経験」

 

 職場体験では知識を得られた。そしてインターンでは艱難辛苦をも含めた一線級の経験を得られる。そうしてミリオは今、雄英高校でトップの座にいる。

 

「じゃあ……アイツはどうなんすか?」

「……アハハハ」

 

 ところで経験と言えば我らがA組が誇る頭のおかしい超火力超機動力のバカがいるのだが……。

 

 

「氷が増える速度上がってンなあ……轟以上じゃねえか」

「ねえ!視線の前兆どこにやったの!?どこにワープしてくるのかわかんないんだけどおおお!!?」

「そこになければないですね」*2

「ちくしょう!ハードモードからクソゲーになってる!!」

 

「氷叢先輩もヤベエのに、間飛はもっとヤベー……」

「俺より強い氷結系……規模も精度もすげえ」

「……あれれ?氷叢くんの氷が全然当たらない?」

 

 氷叢零治の個性は【氷操】であり、元々は自ら氷を生み出せないけれど氷は操れるという能力だった。

 それが個性伸ばしを経て成長……を、通り越してぶっ飛んだ覚醒を果たした。

 

 いつの日か間飛から尋ねられた『氷を操れるってことはサイズとかも自由に変えられるのか?』という質問に天啓を得た彼はまさかの自力での氷の増殖に成功。

 創意工夫を重ねた果てに氷柱を大量展開して射出しつつ、フィールドを氷で満たすという荒業を獲得した。

 

 ……のだが。

 

 

「れーいじくーん……あーそびィましょお……!!」

「ギャアアア!?こっち来るなアアアアア!!!」

 

「ターミ〇ーターみてえ」

「タイラ〇トだろ」

「フリーホラゲーにいるよなああいうやつ」

 

 増やしても増やしても真っ向から砕かれては話にならない。1年生から逃げ惑っているのが3年生です。逆では?

 

 探知能力に目覚めたお陰で間飛の癖を見抜いていても役に立たず、氷による物量質量での攻めもちょいと右手を握りしめてパンチをすれば処理完了。攻撃は最大の防御とは言うがここまで脳筋な理論では無いはずだと信じたい。

 

 とはいえさすがは3年生。轟ならとっくに限界が来てそうなところを元気に悲鳴をあげながら逃げ回っている。的確に間飛のワープからのワンパンも回避しており、要所要所で技巧が光る。

 

 

 

「イレイザー!イレイザー!!ヘルプミー!!!」

「……3年生が1年生相手に逃げ腰になるわけないだろ?そろそろ手加減はやめてもらおうか」*3

「え?」

「マジ?手ェ抜かれてたのかーヤベー本気出さなきゃなー」

「ちょっとおおおおおお!!?」

 

 それはそれとして止めてあげろください。

 

 

 

*1
インターン先のヒーローに動画を見させられたので知ってる。

*2
百円均一ストア並感

*3
珍しい悪ノリ






氷叢「移!見て見て【王の〇宝】ごっこ!」
間飛「ファーwwww」
氷叢「そして喰らえ!」
間飛「それは嫌です」コオリバキー

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