さすがに本編放置し過ぎたのでまたしばらく本編更新に戻ります。決して行き詰まってるわけではない。ということにしてください。
やー……文化祭は強敵でしたね。
朝の買い出しの時のジェントル・クリミナル以外は特に問題らしい問題もなく、平穏無事に雄英文化祭は終了!何かサポート科の人達から『お前あの野郎の息子ってマジ?』とか聞かれたけどオトンは何やらかしたんじゃ。
ああミスコンの結果は一位が波動先輩、二位が零だった。一位と二位が僅差だったらしく、差が一桁しかなかったとか。惜しい。
そんで現在11月も下旬に差しかかる頃になったが。
「煌めく眼でロックオン!」
「猫の手手助けやって来る!」
「どこからともなくやってくる……」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」」」*1
「プッシーキャッツだー!」
「お久しぶりです!」
ハイツアライアンスにお客様。それもお世話になったプロヒーロー四人組、プッシーキャッツの方々が来てくれた。でも何の用事だ?
あ、肉球まんじゅうスか。これはこれはご丁寧にどうも。
開口一番に言われたのは『あの時はすまなかったな』という謝罪の言葉。そういや神野区事件の時も拉致された俺を助ける為に現場に来てくれてたし、落ち着いた後でラグドールに泣きながら抱きしめられたんだよなあ……何とは言わないけど柔らかかったです。*2
おっ、洸汰もいるじゃーん。お久〜。
「間飛兄ちゃん……大丈夫だった?」
「余裕余裕。連れてかれた先で顔面金玉野郎をぶん殴って来ただけだし」
「何そのヴィラン……あっ、緑谷兄ちゃん」
「洸汰くん!手紙ありがとね!宝物だよ!!」
「えっ、あっ……う、うん……」
え、手紙貰ってたの?マジで?羨ま。何すかマンダレイさん。靴?赤くてカッチョイイの履いてるんですね……緑谷に憧れて?何この可愛い子。
……いやそれよりもだ。結局何しに来たんですかね。
「少し前に復帰したから挨拶をしておこうと思ってね。本当なら復帰する前に来るつもりだったんだけど……」
「仮免試験や文化祭とイベントが重なっているから中々タイミングが合わなかったの。ごめんなさいね」
「ああ、合宿所襲撃の責任をおっ被せられたんでしたっけ?」
「いやアレは普通にアチキらの責任にゃん。こっちのテリトリーに侵入された挙句、君を攫われたのはアチキらが弱かったからにゃんね」
あの事件からひと月の間プッシーキャッツは活動休止状態だった。ネットニュースじゃ色んな憶測が飛び交ってて心底不愉快だったが、世間からのバッシングもあっての事だとばかり思ってた。
ただ俺が思ってたよりも世間からの声は厳しくなかったらしい。応援のコメントが1万あってその中にアンチコメントが1つあるかどうか、ってくらいには支持されていたんだと。
そういう声に応える為にも予定より早めの復帰になってしまった……とマンダレイは語った。
「今度発表されるヒーロービルボードチャートJPの下半期……私達は78位だったの」
「前回は32位でしたよね?」*3
「……ん?ひと月活動休止してた割には高いっスね?」
ヒーロービルボードチャート……事件解決数だとか社会貢献度だとか、あと支持率もだっけ?その辺を集計してるヒーロー番付みたいなもの。
よく言われてるオールマイトがNo.1ヒーローってのもこのビルボードチャートで長い間1位の座に君臨し続けていたからだし。
ただこのビルボードチャート、全てのプロヒーローに適用されるから人数も多けりゃ順位の変動も激しい。15位から上はほぼメンバーが固定されてるようなもんだけど、そっから下は気を抜けばあっという間に転落するらしい。
プッシーキャッツのひと月の活動休止は致命的まではなくてもゴッソリ順位を落とすことになると思われていたはずだが、まだ2桁圏内にいるのは驚いたな。
当然プッシーキャッツも理解している。休止期間があったにも拘わらず2桁キープは予想外だったようだ。
「支持率の項目が突出していたのだ。我々を待ってくれている人がいる……ならば立ち止まっているわけにはいくまい」
「期待には応えなきゃね」
元は実績の方が強かったのに、支持率が突出って……神野区のアレコレと活動休止で根強いファンが声を上げていたんだろうな。2桁をキープ出来たのも普段の活動が実を結んだようなもんだし、やっぱプッシーキャッツ凄ぇな。
ん?何スかラグドールさん。
「あの時はありがとうにゃん」
「へ?いや……むしろ勝手なことしてすんませんでした、って感じなんですが」
「そんな事ないにゃん。あの時君が代わりに戦ってくれなかったらアチキは多分何も出来ずに負けてたと思う」
……酷な話だけどあの場に俺がいなかったらラグドールの個性を奪われてもおかしくなかったしなあ。実力だけ見ても多分オール・フォー・ワンの方が強かったっぽいし。
とはいえあの時の俺の行いは独断専行もいいところ。下手すりゃ活動休止どころか責任取って引退、なんて事にもなり得たと思うと自慢げに語る気にもならん。
だからそう褒められたり感謝されてもリアクションが出来ないんです。すんません。
「助けられたのは事実にゃん!だから何かお礼をしたいと思ってるんだけど……何かして欲しいことあるにゃん?」
「お礼って、ヒーローが個人から貰っていいもんじゃないんじゃ?」
「ヒーローならね。君はまだヒーローの卵、受け取ってももんだいないし……何よりアチキが個人的にお礼がしたいだけだから気にしにゃい気にしにゃい」
そうは言われてもなあ。恐れ多いというかなんというか、こういう場面で素直に欲望を吐き出せるやつなんていないでしょうよ。エロブドウならド直球に一発ヤらせてください!とか言いかねないけど。*4
して欲しい事、或いは何か欲しいもの……あ、いいの思い出した。
「じゃあひとつ思いついたんでそれで」
「何をすればいいにゃん?」
「するっていうか、欲しいものがあるんですよ」
「ほほう、何をお求めで?」
「プッシーキャッツの方々が付けてる肉球グローブ。あれ欲しいっス」
アレ可愛いし前から付けてみてえって思ってたんだ。全く同じのを貰えるかは分からんが、せっかく何かしてくれるって言ってくださってる事だし頼むだけ頼んでみようってことで。
で、どうでしょうか。
「……そんなのでいいにゃん?」
「アレそんな軽々と渡していいものなんです?」
「いや色んな機能がついてるからお高いはお高いけど、アチキらの収入でも予備を持っておけるくらいの物にゃん。だからそれでいいのかにゃあ、って」
「正直どこまで望んでいいのか分かんないですよ。あのグローブでもダメかなと思ったんで」
こういう時に『それだけでいいの?』とか言われると却って困るな。じゃあどこまで頼んでいいの?ってなるし。
ええー……もっと色々頼んでいいよ!と言われましても。多分今の俺を【サーチ】の個性で見てくださいとか言ったらラグドール確実に吐いちゃうと思うしなあ。
ラグドールだから、ないしプッシーキャッツだからこそできる事でお礼をしてもらおうかと考えてたけどグローブ以上の望みが思い浮かばん。
「ちょっと思いつかないので貸し一つくらいに思っていただければ……」
「むぅ、いきなり過ぎて思いつかなかったにゃん?」
「もう思いつくのって連絡先くださいとかそういうのしかないっスよ」
行き詰まったりした時とか卒業してから困った時に頼らせて欲しい、じゃダメですか。
「れ、連絡先にゃんか……いいよ!」
「えっ、それこそいいんスか?」
「さすがにアチキ以外のはあげられないけど、アチキのならいいよ?」
「じゃあグローブと連絡先ください」
連絡先いいんだ。さすがに無理って言われるかと思ってたのに。プッシーキャッツは何かあった時に頼る相手としてこれ以上なく適任だ。ここで繋がりを持てたのは滅茶苦茶大きいと思う……って、三つ?
すんません、何で三つも連絡先をくれたんですか?てかこれ、どれが何?
「コレがプッシーキャッツ事務所の同業者用のヤツで、コッチはアチキの仕事用のヤツにゃん」
「……じゃあコレは?」
「アチキのプライベートのヤツ」
「爆弾渡してません???」
待て待て待って。女性ヒーローのその手の話は下手すりゃ炎上しかねないとんでもねえ地雷案件でしてよ??さらっと渡していいもんじゃないでしょコレ。
「プッシーキャッツでもなくラグドールでもなく、知床知子に用事がある時はここにかけてくれるといいにゃん」
「ええ……これいいんスか?」
「ぶっちゃけこれでも対価としては釣り合わないにゃん!真面目な話それだけのことをしてるんだよ?」
実感湧かねえけどそういうもんなのか。よく分からん。
じゃあまあ、連絡先有難く頂きますね。
「ヘーイ、緑谷。コレ見てみ」
「ん?どうしたの間飛く──プッシーキャッツのグローブ!?えっ何で!?いいなあ……!」
「ラグドールから貰った。これ肉球プニプニしてて触り心地いいな」
「えーなになに!?あっ、猫の手だ!いーなー!」
「肉球スタンプ食らえ」
「ふぎゃっ!?……って痛くない。むしろ柔らかくて気持ちいい〜……」
二日後には肉球グローブも届けられた。女子全員と緑谷に滅茶苦茶ウケた。あっちょ、葉隠さん持ってかないで?
マンダレイ「で、何を要求されたの?」
ピクシーボブ「えっちなこと!?」
虎「彼の事だから過剰な要求はまず無いだろうが……」
ピクシーボブ「えっちなことなの!?」
マンダレイ「内容によっては相談してね」
ピクシーボブ「えっちなことなのね!?」
ラグドール「ちょ、ピクシーボブうるさい」
ピクシーボブ「アッハイ」