え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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最近誤字脱字が多くて申し訳ありません。
いつも皆様の誤字脱字の報告助かってます。
いつもありがとうございます。





解釈違いは割りと受け付けない人が多いらしい

 

 

 

 九州地方は福岡。少々日差しが強くランチの時間ということもあってあちらこちらから美味しそうな匂いが漂い始めた今日この頃。

 

 街中を悠然と歩いているのは先日のヒーロービルボードチャートで1位と2位を飾った二人の男性。片や全身に薄らと炎を立ち上らせたまま手を出す前に事件を解決するのを見届け、片や「何か食います?」と軽い調子で会話をしながら【剛翼】を駆使して片手間に事件を解決したり人助けをしている。

 

 エンデヴァーとホークス。これから怪獣退治にでも行くのかと尋ねたくなる超戦力の二人組だ。

 

「そこの水炊きスゲー美味いんスよ〜鳥の味がしっかりしてて。あ、ヨリトミってところの焼き鳥もいいですよ!あそこのレバーはクセになるんです」

「……(広い視野と素早い判断、適切な対応……どれほどの鍛錬を積めばここまで……)」

 

 ただ歩いて会話をしている最中にもホークスの手が……いや羽が止まることはない。露出狂扱いで終わったヴィラン未満を気絶させ、トラックに轢かれかけた小犬を救出し、歩道橋の階段に苦戦するご老人の荷物を上まで運んでしまう。

 それら全てを片手間にこなし、挙句の果てに会話に興じるだけの並列処理能力。この瞬間を見ているだけで彼の凄まじさというのは分かってしまうだろう。

 

 当然そんな事をしながら歩いていればファンに声もかけられるし取り囲まれもする。

 

「ホークスやん!!普通に歩いとうとか珍しか!!」

「どもー。俺だってたまにゃ歩くよー」

「見たぞ昨日の!謙虚にいかんと敵増やすだけぞ!」

「敵て」

「ホークスホークス!写真写真!」

「イエーイピースピース」

「あの!息子が大ファンでサインを……!」

「まーオシャレなバッグ!いいの?書いちゃって」

 

「……ファンサも速いのか」

 

 取り囲まれてファンサを強請られ、それら全てを一つずつ的確にさばいていく。一人数秒のファンサでスルスルと満足させてしまい、背中の翼に子供たちが群がってワサワサと触れられていても気にも留めない。

 

 一方でエンデヴァー。ホークスとは違って全体的に遠巻きというか、恐れ多くて近寄れないという空気が蔓延しているのか人混みの中に空間すら生まれてしまっている。

 挙句の果てに「ファンならサインくらい貰ってきたら?」という会話が聞こえてきたのでこちらから歩み寄ってみれば……。

 

「違う」

「違うのか!?」

「エンデヴァーはファンサとかせん……!!媚びん姿勢がカッコイイったい……!!」

「……!?」

「変わってしもた!!変わってしもたよあーた!!」

 

 ……何か解釈違いを起こして逃げられてしまっている。気持ちは分からんでもないが。

 

 

「エンデヴァーさん!ちっとここじゃ何なので飯食いながら話しましょ!」

「……ああ」

「エンデヴァーさん?何かありました?」

「何も……(違うのか……)」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 焼き鳥屋『ヨリトミミドリ』。行きつけという程ではないがホークスが気に入るくらいには美味な焼き鳥を提供してくれるお高い食事処。真昼間の仕事中でなければ酒が欲しくなるラインナップを食べ盛りの学生のように食していくホークス。

 

 アイスブレイクの話題は先程のファンサ云々での出来事。あまりにも不器用な歩み寄りはホークスから見ても滑稽というかシュールに映ったらしく、ケラケラと笑いながらいじり倒していた。

 

「……にしてもビルボードチャート、ビックリでしたよ」

「何がだ」

「俺と貴方の差ですよ。あと少し集計期間がズレてたら俺がNo.1になってた……なーんて話もあったんです。そのぐらい僅差だったんスよ」

 

 ビルボードチャートの1位と2位の差は極僅かなもの。常日頃オールマイトと比べて無愛想で近寄り難いエンデヴァーは例の記者会見もあって支持率がかなり低くなっていた。それでも積み上げた実績が勢いのある若者をほんの少しだけ上回ってくれたらしい。

 

 ホークスからすれば色んな意味で勘弁して欲しい事になりかけていたので冷や汗ものだったりする。それこそ解釈違いです、というやつだろうか。

 

「いい加減に本題に入ってもらおうか。こんな話をしに九州くんだりまで来たんじゃない」

「……改人脳無、連合が持ってたっていう操り人形ですね」

 

 ただ駄弁る為だけに呼んだ訳ではない。ホークスは軽薄な態度から一転して真剣な表情になり、本題に入った。

 

 まず神野区の戦いで格納されていた脳無数十体をオール・フォー・ワン諸共捕縛済み。死穢八斎會のような社会のハミ出しものが見逃した脳無を確保していたという話も何度か確認されている。

 しかし確保された脳無は死穢八斎會を除いて基本起動しておらず、それこそ死体同然の動かない肉袋を回収しただけに留まっていた。

 

「あれで全部だった……とは言い難いですね。それこそまだ隠し持ってる阿呆がいるかオール・フォー・ワンがどっか別のところに持ってるかしててもおかしくないんで」

「噂、とお前は言っていたが何かしら確証になるものはあったのか?俺にチームアップを頼んだからには何かしら得ているんだろう」

「いやあ、得てないんですよねそれが」

「会計だ!俺は帰る!!」

「ちょちょちょ、最後まで聞いてくださいよ」

 

 ふざけんな、と言いたくなるエンデヴァーを何とか引き留めてホークスは続ける。

 

 勿論ただの噂話だけでNo.1ヒーローを呼びつけたわけではない。問題はその噂話が人も場所も選ばなさ過ぎてるというのだ。

 

 ホークスが【剛翼】で全国を飛び回って得たのはあくまで噂話。確度ゼロの無根拠なものばかりだったけれど、それがマダムの井戸端会議から子供の登下校中の会話の中で……ひょっとすると有名な都市伝説かと聞きたくなるくらいには広まっていた。

 多少の違いはあれども似たような噂話、或いは都市伝説が全く関連のない地域で発生していた。

 

「雄英、保須、神野を経て改人っていう不気味なものが知れ渡った今、どっかの阿呆が不安を煽りたくて適当なホラを吹いて全国に伝播させようとしてるんじゃないかって」

「……そんな事をして何になる」

「さっきの露出狂ヴィランも叫んでたでしょ?異能解放バンザーイって。大昔の犯罪者の自伝に感化されたんじゃないっスかね」

 

 社会が不安な時ほどそういった悪意や陰謀論は蔓延りやすく、自衛のためだという使いやすい建前を得た市民は暴走しかねなくなる。そうなればビルボードチャートどころの騒ぎではない。

 

「俺の後輩にも優秀な子がいて探ってるらしいんですけど、どうも連合とはまた別のヤバいのが動き始めてるってんで」

「……?お前にサイドキックはいても諜報に長けた者がいるとは聞いていないが」

「そっちじゃないんですが……えーと、ほら、体育祭の一年の部で準優勝してた子と仲のいい子がいるんスよ」

「アイツと仲のいい……あまり関わりたくはないな」

 

 会話の流れで思い出したのは少々不快な記憶。自分の息子伝いにアドバイスを求められて逆に変なものを布教されたという苦い──

 

「……?」

「ホークス!構えろ!」

「ッ……!店員さん下がって!」

 

 

 CRASH!!!

 

 

 

 不意に日常が壊される。

 ビルの15階にいるというのに窓ガラスをぶち破り、黒い不気味な人型の化け物が侵入しようとして来た。

 

「どレが一番強イ?」

「ひっ……!?」

「ホークス!避難誘導を!」

「了解!エンデヴァーさんは!?」

 

 既のところで防御が間に合ったホークスに守られた店員は逃げ帰るように部屋の外へと駆け出し、目もくれずにエンデヴァーは炎を構える。

 

 破裂音を鳴らして着火する腕、ジェットエンジンを思わせる音を立てて放出される炎はエンデヴァーの腕に膨大な推進力を与える。

 

 

「【赫灼熱拳】───」

「ギ……!?」

 

 

 

「【ジェットバーン】!!!」

 

 

 

 超火力とハイスピードの左ストレートが怪物の土手っ腹を打ち抜いた。

 

 

「来い。No.1()を見せてやる」

 

 

 苛烈にして不穏な初陣。No.1ヒーローであると証明しなければならない、長い長い戦いの火蓋が切られた。

 

 






轟「親父ちょっといいか?」
エンデ「……何だ」
轟「間飛……俺の友達が『エンデヴァーならフィンガーフレアボ○ズ出来ないかな』って言ってたんだが、出来るのか?」
エンデ「……」(過去に真似しようとして失敗するのでやめたとは言えない顔のオッサン)
轟「俺も出来ねえか試したんだが上手くいかなくてな。何か圧縮がどうこうとか言われたんだがよく分からねえんだ」
エンデ「……何の事を言ってるのかさっぱり分からん。切るぞ」

エンデ「……」
エンデ「圧縮……試してみるか」

※ヤベー威力が出たので封印することになった模様



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