え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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柔軟性大事マジ大事

 

 

 

 第二セット終了後、第一セットよりも規模の大きい破壊跡が残ってしまったこともありステージの移動も兼ねてインターバルを挟むことになった。

 破壊の主な原因となったのは吹出と常闇の二人と、次いで拳藤だ。これにはさすがに相澤もブラドキングも注意を入れた。建物もパイプもベキベキに壊されているが、これが市街地で行われていたらどうなるか……など考えるまでもないだろう。

 

 降って湧いた休憩時間はやはり分析&反省会に充てられる。八百万のブレインとしての働きを評価する者や拳藤達がどうするべきだったのかなど、考察できる部分は幾らでもある。

 

「B組曲者多くね?」

「いやいやいや……コッチのセリフだって。真っ向から来ると思ったら、で透かされる事多いし」

「吹出君あんなデカイの出せるんだねー」

「喉がイガイガになるけどね!グッとこらえるのさ!」

「へーい黒色ー。斬魄○に興味無い?」

「詳しく」

 

 若干一名変なことについて話してる気がしなくもないが概ね雰囲気は良好。勝ち負けに拘わらずA組もB組もトゲトゲしさはなくコミュニケーションを取っている。

 

 一人分析ノートに書き記す緑谷にも麗日や間飛が声をかけていたり、会話不足で連携がとれませんでしたという事態は起こらなそうだ。

 

「当たり前だけど皆、個性だけじゃなくて精神面でも成長してる」

「そりゃあな。八百万さんは特に頭を使えば使うほどヤベエ個性だから、どんな状況でも頭を回さなきゃならねえし」

「間飛くんはアレ……いつも【瞬間移動】失敗しないよね。メンタルとか無関係な感じ?」

「んー……探知能力に覚醒してからは全然だな」

「アレ凄い強いよね!頼りにしてるぞー!」

「オイラはなんなら相手に同情してるぜ……」

 

 第五セットのチームメンバーで固まって話し合っている彼らだが、正直なところこのチームが一番ヤベー組み合わせになっている事をまだ誰も理解していない。

 

 少し離れた位置から彼らを見ている相澤、爆豪、オールマイトの三名はほんのりB組の第五チームに同情した。

 

 

 

「えー、ステージをちょっと移動させまして。次行くぞ!」

 

 第三セットの開始予告がされ、それぞれのチームが動き出す。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 A組のチームは轟、尾白、障子、飯田の四人。機動力も索敵力も戦闘力もバランスの取れたオールラウンダーなチームだ。

 

 障子の【複製腕】での索敵と飯田の【エンジン】による切り込み。そこに轟の【半冷半燃】で広範囲制圧攻撃まで畳み掛けられてしまえばそのままノックアウトしてもおかしくはない……尾白?ほら、全体のカバー役というか。

 

「……だってのにこっちは索敵も搦手もからっきしな奴ばっかだな!」

「確かになー」

「だから──更地にするよなァ!!?」*1

 

 遠くでブラドキングが頭を抱えてるぞ鉄哲。

 

 しかし言いたいことは分からなくもない。鉄哲は言わずもがな、角取も骨抜も回原にも索敵出来る能力はない。個性に索敵能力を持つ者が居ない以上、B組のチームは徒歩で気配を消しての索敵になる。それを障子に察知されてしまえばすぐに叩かれるだろう。

 ならばいっそ下手に人数を散らすくらいなら思い切って四人揃っての迎撃に出ようというわけだ。

 

 ……もっとも、鉄哲にそこまでの深い考えがあったかは不明だが。

 

 “俺はここに居るぞ”と言わんばかりの音を立てて周囲を砕く鉄哲。そんなことをすれば障子の索敵能力がなくとも響いた音や崩れる物を見たA組がこちらの位置を把握する。

 鉄哲の蛮行に思わず母国語の英語が出た角取と破壊行為を止めようとする回原を宥め、骨抜は冷静に頭を回す。

 

「普通に考えりゃ障子で状況把握してから轟を軸に攻めるのが一番強い。ひとかたまりでこんな開けた場所にいれば……っ!!」

 

 彼の予想に応えるように膨大な冷気が放出された。視界を遮ってしまわない、視界を確保する余裕のある形状の氷結攻撃が一気に解き放たれた。

 

 氷は徐々に地面と鉄哲達を覆い尽くさんと広がり、そのまま飲み込むかに思われた。

 

 

 GLOOP……

 

 

「ぬうっ……!?」

「これは……」

 

「氷結ブッパは安い手じゃん?火攻めでこられたら打つ手なかったけど」

 

 冷気と氷で動きが鈍ったB組を一網打尽にしようとした飯田達を踏みとどまらせたのは骨抜の個性【柔化】だ。あれだけの氷塊がたちまちドロリと崩れ落ち、鉄哲のような強度がなくとも容易く振り払える柔らかさを与えられてしまった。

 

 思いがけない反応速度と対応力。パイプの上から今にも飛び掛ろうとしていた尾白は一旦下がろうとするものの、グッと足に力を込めた途端にパイプがドロリと歪んだ。

 

「うわっ……!?」

「ああ、近辺適当に柔くしといたから足場信頼しない方がいいぜ」

「尾白く

    んっ!?」

 

 撤退を阻む骨抜のトラップにかかった尾白のフォローを、と動き出した飯田もまた骨抜のトラップにかかった。速度を生み出す強い脚力も地面を蹴れなければないも同然、速度を得ることも出来ずにそのまま【柔化】した氷の上へと落ちてしまう。

 

 轟と障子は【柔化】の範囲外にいたけれど、こちらもまた攻撃を受けている。

 

「oh!!見つけマシター!」

「ぐっ……!!これは、存外力強い……っ!!」

「障子!」

 

 【角砲(ホーンほう)】……角を飛ばし操る個性。現在は四本までしかコントロール出来ないという弱点を抱えているが、そのパワーは一方的に障子を運んでしまえるほどだ。

 

 そして氷結を盾にしていた轟にもB組の手が伸びている。

 

 バキバキと砕けた氷の先から現れたのは鉄哲。角取の【角砲】による後押しを受けて真っ向から氷塊を壊し抜けてきたのだ。

 

 尾白を回原の追撃が、障子と轟を鉄哲と角取の連携が、飯田を骨抜の柔軟さが追い詰めている。

 回原の【ドリル】が尾白の【尻尾】を削っていき、角取の【角砲】による支援を受けて鉄哲が力任せに轟達を捩じ伏せる。

 

 硬さを取り戻した氷に埋もれた飯田は放っておいて、落とせそうな相手から一人ずつ落としていくかと骨抜が味方の加勢に向かおうとし……。

 

 

 レシプロターボ!!!

 

 

「マジか」

「10分だ!10分間誰も俺を止められない!!」

 

 完全に拘束しきったはずの飯田が氷を砕き、強引さと超スピードを得て再び動き出す。

 インゲニウム……彼の兄から聞いた【エンジン】の“チューニング”を実践したことでレシプロの馬力が底上げされ、燃費を最小限に抑えた【エンジン】へと進化した。

 

 当然速度が上がれば攻撃力も上がる。ハイスピードの蹴りのラッシュは骨抜に対処できるものでは無い。

 

「いやこれはまずいな」

「お縄だマッドマン───!?」

 

 押し切られる。そう判断した骨抜きは氷の下へ水にでも潜るように潜航した。【柔化】によって柔らかくなった氷と地面を泳ぐように移動する緊急脱出手段だ。

 

 追いかけようにも潜った部分の氷はしっかりと硬さを取り戻しており、飯田の個性ではどう足掻いても追い切れない。

 骨抜への追撃を諦めた飯田はレシプロターボを起動させたまま再び走り出し───

 

 

「ふんっ!!」

「───は?がっ!!?」

「おわっ!?い、飯田か!」

 

 

 ──尾白の相手をしていた回原の脇腹へ思い切り飛び膝蹴りをぶちかました。

 

 完全に意識の外からの不意打ち。受ける寸前にギリギリで飯田の存在に気づいても彼のスピードに割り込める速度を持っておらず、ガードを挟むことも出来ずにクリーンヒットを甘んじて受けた。

 正直回原の攻撃を受け切れずにいた尾白からすればとてもありがたい一撃だ。

 

 重く速い蹴りは完全に回原の抵抗力を削ぎ落とし、ノックバックのままにグラりと倒れ崩れ落ちた。

 

「な、ナイス!?」

「俺はこのまま投獄して来る!!轟君、いや障子君のフォローを頼む!」

 

 矢継ぎ早に指示を出すと飯田は【エンジン】を吹かして駆け抜けて行く。

 

 

 

 

 一方轟と鉄哲の戦いだが。

 

 

 

「痛だだだだだ!!?」

「っっ……」

「ちょ、ヤベエ!?コイツ強え!」

「っ……!」

「せめてなんか言えよ!?怖ええよ!」

 

 アレ?何事?

 

 

*1
ブラキン「さっき注意してたの聞いてなかったの……?」






相澤(峰田と芦戸の搦手と麗日の【無重力】で遠距離も自在になる緑谷……そこに化け物の間飛か)
爆豪(アイツ、一番組ませるとヤベエ奴と組んでんな。せいぜい足引っ張ンなや出久)
脳筋(南無……)

物間「悪寒がッ……!?」
庄田「」(色々悟って顔が死んでる)
柳「どうしたの?」
小大「ね」
心操「……コレヤバいんじゃないか?」

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