え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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本作の☆9評価が300に到達しました……!!
いつも皆様の感想と評価に五体投地しつつ執筆のモチベーションにさせていただいております!ありがとうございます!

かなりその場のノリと勢いとライブ感強めの本作ですが、これからも完結までよろしくお願いします!







ちょっと聞いてないんですがそれは

 

 

 

 デトネラット社とはここ最近飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けてきた企業の一つだ。

 ヒーロー向けとはまたことなるサポートアイテムを開発及び販売しており、生まれ持った個性で困っている事を解決してくれる……と企業や民間、国からも評価されていた。

 

 テレビやネット、果てはビルの看板にまでその姿を現す企業だが、その社長こそ四ツ橋力也。またの名をリ・デストロという。

 

 リ・デストロは今──……

 

 

「想定外にも程があるぞ全く……!!何故、何故何故何故!?何故ヒーロー達とヴィラン連合が手を組んでいる(・・・・・・・)!!?」

「車回しました!」

「ありがとう!さっさとここから離れるぞ!!」

 

 

 ──無様にも敵前逃亡を図ろうとしていた。

 

 

 

 

 数分前の事だった。リ・デストロが上機嫌で電話を終えてからそう経っていない頃。

 

 普段はネチネチと静かにキレる事が多い幹部の一人であるスケプティックがドタバタと足音を大きく立てながら部屋の中に駆け込んできた。

 

「リ・デストロォ!!まずいことになった!!」

「……?君ほどの人物がそこまで慌てるとは。一体何があったのかね?」

「連合が……っ!!連合の奴ら、ヒーローと手を組んでいた!!」

「…………何?」

 

 片手に抱えたノートパソコンに映っているのは衛星カメラまで使って監視しているヴィラン連合達の姿。何がどうすればヒーローと手を組むなどという妄言が出るのか、とリ・デストロも訝しげな顔をしていた。

 

 死柄木弔と共にいるオールマイトを見るまでは。

 

「な、ななな何故オールマイトが死柄木弔と共にいるぅ!!?」

「分からない……!!というかここにいる少女は確か公安の一員だ!!下手をすれば、いやしなくとも公安まで絡んでくることになる!!」

「…………っ!!?」

 

 解放軍にとってヴィラン連合など大した脅威ではないという扱いだった。大人気ない話だが11万もの軍勢とたかが両手で数えられる程度の人数では比べるべくもないだろう。

 

 これまで何度も姿を現し、果てはあのエンデヴァーすら仕留めかけた脳無が出てくるとなれば話は別。しかしこれまでヴィラン連合とほとんどイコールの関係にあった脳無はヴィラン連合以外からも姿を現し、とうとう連合の一員であるはずの荼毘は脳無を消そうとすらしていた。

 

 この事からリ・デストロは脳無を提供するスポンサーのような人物と何らかの形で決裂したのだと判断。今のヴィラン連合は精々有象無象が数名集まっただけの革命サークルだと。

 

 それが何をどうすれば元No.1ヒーローを引っ張り出してこれる立場になるのだ。

 

 如何に無数の軍勢があろうとも、サポートアイテムを揃えようとも。圧倒的な個人(オールマイト)の前には全てが無いも同然。ただただオールマイトの功績を増やすばかりだ。

 

「……ヴィラン連合が交戦していたアレは脳無の試験体とばかり思っていたが、まさか公安の依頼を受けて動く潜入捜査官だったのか?」

「それにしては被害が大き過ぎる!雄英の襲撃は授業の為と銘打つことが出来ても、保須や神野は言い逃れができない!」

「リ・デストロ様!それより早くここから離れた方がよいのでは……!?」

「っ、そうだ……!オールマイトならばいつでもここに殴り込める!!車を用意しろ!!」

 

 自ら喧嘩を吹っ掛けておきながらの逃走。これ以上ない屈辱にギシリと歯を鳴らしながら彼は正門まで慌てたように駆け出して行った。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 その頃自由連合はどこにいたのかというと。

 

「クソゲーがっ!!」

「落ち着け荼毘。スペ○ンカーってのはそういうゲームだ」*1

「この程度の段差で死んでんじゃねえ……!?こちとら全身大火傷しても生き返ってきたってのに!!」

「……気持ちはわかるが落ち着け」

 

「……うん、エンデヴァー君呼ばなくて正解だったね」*2

「死んだはずのガキが実は生きてた、なんざ今のヤツには猛毒だろ。アイツが満足するまでほっといてやれ」

 

 本当にどこにいるんですかね貴方達……?

 

 肩を並べて一つの画面を見ている荼毘とコンプレス。何か聞いた話と違って火傷のあとなんてどこにもないし、何ならあぐらかいてるところに推定誘拐被害者と聞いていた壊理ちゃんがちょこんと座ってるし。ただでさえスペックが低いオールマイト.exeはもう応答停止中だ。

 

 呆然とするオールマイトの肩を叩いてヤレヤレとでも言いたげな顔をしているのは死柄木弔改め志村転孤。おう、理解者みたいなツラしてるけどお前も大概やぞ。

 

「呼んでおいて遅くなってすみませ……そのゲームはどこから?」

「この前潰したカス共が持ってた」

「宗教がどうこう言ってた割には俗っぽかったよな。見てみこのゲーム機」

「うわあ……」

 

 サラッと略奪してました宣言をヒーローの前でするんじゃないお前ら。ほら、オールマイトも微妙な顔してるじゃん。

 

 彼らがいるのは近くのとあるビルの一室。具体的には公安の実働部隊に与えられるセーフティーハウスの一つだ。コンプレスによって【圧縮】された彼らをオールマイトが運んで解除するだけで新幹線も目じゃない移動速度が実現した。

 その時に衛星カメラにオールマイトの姿がバッチリ映り込んだ為にリ・デストロ達はひっくり返ったわけだが。

 

「……おい、間飛は来ないのか」

「残念ながら無理だそうです。私達からしても心強い味方なので出来れば来て欲しかったんですが……今日は小テストがあるから無理だそうで」

「ちっ、学生め……」

 

 忘れちゃいけない。本日は平日、故に間飛は授業を受けなければならない。ましてや学業に関係ないヴィラン連合の援軍として出向くなんて以ての外。

 

 しかし随分と親しげだなあと感じたオールマイトは何も考えずに頭に思った事を口にした。

 

「やけに間飛少年を気にするね?そんなに彼と仲良くなっていたのかい?」

「ああ……俺のヒーローなんでな」

 

 それに対する返事がどんなに重くなるかも想像できないまま。

 

 

「今なら全部、ハッキリと思い出せる」

「……転孤少年?」

「俺の原点……“オリジン”ってやつを」

 

 語られたのは彼がヴィランに堕ちるまでの話。闇に堕ちた彼が死柄木弔として何を望み、何を願って何の為にオール・フォー・ワンの手を取ったのかについて。

 

 そこにあるのは途方もない悪意によって捻じ曲げられた一人の人生と、彼の手にべっとりと染み付いた命のやり取りの痕跡。仮にオール・フォー・ワンの残党を完全に駆除しきったとしても、彼の行いは決して消えない。

 この戦いが終われば自分達の……いや、自分の役目は終わると何となく理解している。志村転孤の物語は大半を牢獄の中で過ごすのだと。

 

「…………すまなかった」

「いいんだ。俺はとっくに救われてんだよ……強いて言うならアレだ、もう一回ぐらいアレ飲みてえ」

「アレ?」

「キャラメルなんとか」

 

 トガはすぐにキャラメルフラペチーノかあ、と気づけたけれど、残念ながらオールマイトは立派なオジサン。若者文化の甘味など知るはずもないので『キャラメル味の飲み物……?ナニソレ……?』と首を傾げている。

 

 一方で他の連合メンバーからは『何一人だけ美味いもん飲んでやがる』だの『俺らにもいいもん食わせろ飲ませろ』だのと割と好き勝手に言われている。その人一応リーダーだよね?

 トガちはトガちで『二人きりでス○バ……!?まさか……!!』と何やら明後日の方向に思考が飛躍している。やめて差し上げろ。

 

 

 アイスブレイクの雑談もそこそこに、本題に入る。

 異能解放軍からの指示は『泥花市で待っている』という内容で、そこにタイムリミットは特に設けられていなかった。

 しかし時間をかければ義爛というブローカーの生命が危ういのは確か。待機時間だからとゲームこそしていたけれど、メンバーが揃ったのなら腰を据えて話し合うよりも動くべきだという意見が出る。

 

「落ち着いてくれ。分倍河原仁……君の言いたいことは分かるし、正直私だって一人で突貫したいくらいにはヤキモキしている」

「だったら!!」

「もし泥花市全てが敵だとしたら……“市”として扱われている以上、最低でも五万人の解放軍がいることになる。無論これは最悪の場合の話だけど、想定しておくべきことだろう?」*3

「……ぐぅ」

 

 如何にオールマイトとて一人で五万人全てを倒すのは……うん、頑張ればいけなくもないかもしれないけどちょっと怪しい。具体的には敵の戦力次第では難しいかな?くらい。

 

 もうあいつ一人でいいんじゃないかな、的な空気になりかけたがそこはさすがに活動時間や敵戦力が不明であることから万全を期すべきだという話になる。

 

 ……蛇足だがここに間飛が加わるとマジでオールマイトと間飛だけでなんとかならなくもない。

 

「私から声をかける事が出来たのはグラントリノとサー・ナイトアイ、それとレディ・ナガンの三名だった」

「……来てねえが?」

「うん……『ちょっと待ってろ』って言われてそれっきりなの……」

「先が思いやられるな、プロヒーロー?」

 

 人望があるんだがないんだか。転孤がため息をつくのも荼毘が皮肉ってくるのも無理はない。これはオールマイトが悪い。

 

 ところで先程から会議に参加しているのがほとんど転孤か荼毘かトゥワイスなんだが他のメンバーは?と思った皆様の為に少し触れておこう。

 コンプレスは度々カッとなるトゥワイスを宥めることに注力しており、マグネは壊理ちゃんの面倒を見てジャックガムは生オールマイトに漢女顔ではわわ……状態だ。そういや筋肉フェチかお前。

 

 これまともな会議になるのかよ……と荼毘が呆れたように呟くとほぼ同時にドアがノックされた。

 

 ああ、タイミングよく話にでてきたヒーロー達が来たのねと荼毘が少々乱暴にドアを開けると。

 

 

「オッスオラ間飛」

「小テストどうしたテメェ」

 

 荼毘違う。指摘するところそこじゃない。

 

 

 

*1
遠い目のMr.コンプレス

*2
例の記者会見を思い出しながら

*3
細かいことは省くが要は『市として扱われるには五万人以上の人口がいる』という法律がある。






転孤「甘いの美味い」
荼毘「甘過ぎなけりゃなんでもいい」
マグネ「スムージーいいわよ」
ガム「私珈琲派なのよね」
コンプレス「紅茶飲め紅茶」
トゥワイス「コーラプリーズ!!」

壊理「リンゴジュース……」
オカマ&トゥワイス「「「ハイヨロコンデー!!」」」
転孤「リンゴどこだ。絞るぞ」
荼毘「待て待て待て。市販のやつ買ってこいバカ」
コンプレス「バ○リースでいいか?」


脳筋「ええ……」
トガ「……保護者'sですね」

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