え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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番外編のスケベレポートを投稿してからR18版がランキング1位になってたと聞いて変な笑いが出ました。どうしてそうなるのか。
とりあえずありがとうございます……?

感想欄で色んな方から『零治くんちゃんさんは?』と頂いたのでここで纏めてお答えします。




ぶっちゃけ昔からの付き合いなので探知能力を使うまでもなく裸体を知ってるのでレポートに載りませんでした。





伸ばされた手は掴みたくなる

 

 

 

 訓練(リンチ)四日目。インターンという割にはヒーローっぽいことを何一つしていない間飛に『これをインターンと呼んでいいものか……?』とどうでもいい事を心配していたサー・ナイトアイ。

 

 思えばかなり強引かつ断りにくい状況で提案していたので罪悪感がない訳では無いのだけれど、間飛本人が愚痴は吐いても逃げたりやめたりはしないので訓練は続けられている。

 

 本日二回目の組手が終わったところでナイトアイが尋ね──ようとしてラグドールに遮られた。

 

「間飛君はさ、ぶっちゃけ嫌になったりしないの?」

「……はい?」

「正直、あちき達から見ても虐めみたいな訓練だし……ほとんど騙し討ちみたいな形で連れてきちゃってるから、気になっちゃうにゃん」

 

 ナイトアイが尋ねようとしていたことをほぼそのままラグドールが尋ねた。どうやら他のヒーロー達も同じことを心配していたようで、ちらりと視線だけを動かして不自然にならない程度に聞き耳を立てた。

 

 間飛は「えー……」だの「あー……」だのと気の抜けたような、言葉を選ぶような声を発して汗を拭うと結論が出たのかラグドールに向き直った。

 

「まあぶっちゃけ何してくれとんじゃいって話ですが」

「……デスヨネ」

「俺一人にプロヒーローが10人も期待してくれてるんです。応えなきゃ……とまでは追い詰められてませんが、せめて皆さんに『無駄な時間を過ごした』と思わせたくないんで……?」

 

 何だかんだ楽しいんで気にしてませんよ、と言う彼の顔を直視出来る者はいなかった。後ろめたさからではなく、少し滲んだ涙を隠す為だ。

 

 一人真正面から見ているラグドールだけはそれも叶わず、じわりと滲んでしまったのが見られてしまった。

 

「何かやらかしました!?すんません!!」

「あ、いやそうじゃなくて……その、すんごいいい子だなあって……」

「久しぶりに会った親戚みたいな感情してます??」

 

 別に雄英高校は問題児まみれというわけではない。むしろその逆で優等生ばかりだ。

 

 しかし雄英高校の優等生とは真面目で素直で優しいという意味では無い。我が強くて自己主張が激しい者も一癖も二癖もある者でも、実力と成績がよろしければ優等生扱いなのだ。入試一位だから、で爆豪に選手宣誓をやらせていたのが記憶に新しい。

 

 で、ココ最近は特に世間がザワついているので名前が売れているほど心がささくれだってしまう。マスゴミもSNSも滅びろと願う程度には疲れてしまっている。

 

 そこに純粋無垢とは程遠いけれど、真っ直ぐに信頼に応えようとしてくれる子供というのは思っているよりもずっと心にくるのだ。確かな尊敬と信頼があるので尚更染みる。

 

「……これはリューキュウが言ってた事もわかるにゃん」

「そうだな。ああいう子に応援して貰いたいとヒーローなら誰もが思うだろうな……新人ヒーローが応援されたらどっちがファンの立場なのか分からなくなりそうだ」

「俺ァ世間の評判なんざどーでもいいが……こんだけ可愛げのある後輩がいると張り切っちまうな。俊典は可愛げ無かったし」*1

 

 ヒーローの間でひっそり議論されていた『リューキュウが大事と言ってはばからない古参ファンの正体』が雄英高校の生徒と知った時は驚いたが、なるほど納得した、とその場の誰もが頷いた。

 

 唯一ミルコだけは「嬉しいこと言ってくれるじゃねえか!!」と豪快に笑いながら間飛の背中をベシベシと叩いている。噎せるからやめたれ。

 

 彼の知らないところでちょっと好感度が上がった間飛。それでも訓練の手は一切緩められないので頑張ってね。

 

 

「……ワイプシだと誰推しなんだ?」

「えっ何急に……ラグドールッスけど?」

 

「ッシャ!!」

「チィッ!!」

「何をしとるんだ……」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「クソっ、クソっ……!!どうする……!?」

「リ・デストロ……お労しや……」

 

 日本中にあるセーフティーハウスの一つで四ツ橋力也……異能解放軍最高指導者、リ・デストロは頭を抱えて唸り声を上げていた。

 

 彼の個性である【ストレス】はその名の通りストレスを溜め込むことで効果を発揮する。溜め込んだストレスはパワーに変換され、時にはあの血狂いマスキュラーすら凌駕するほどのパワーを生み出す。

 

 【ストレス】が溜まっている時特有の黒い痣が常に発現しており、全身とまではいかないけれど顔のどこかしらが黒く染まってしまっている。

 そのストレス源は言うまでもなくヴィラン連合……と、何故か協力関係にあったオールマイト筆頭の表の連中だ。

 

「自ら吹っかけた戦いに敵前逃亡……!!しかしオールマイトが出てきた以上アレが最善策だったが……その結果がコレだ!!異能解放軍の歴史に泥を塗っただけだった……!!」

 

 いつかはオールマイトを筆頭としたプロヒーローとも戦う事は覚悟していた。しかしそれは慎重に慎重を重ねた上で万全の準備が出来て初めて手を伸ばせる領域。革命家気取りの連合を潰そうとしたタイミングでかち合っていい相手じゃない。

 

 泥花市を落とされたことで十万以上いた構成員の半分以上をゴッソリ持っていかれた。五万人もの犯罪者をどう収容しているのかと現実逃避じみた疑問も湧いてくるが、 五万人という具体的な被害状況はソレにかまける時間すら許してくれない。

 

 それでもまだ五万人以上の戦力が……と楽観視は出来ない。

 異能解放軍の戦力としてカウントされている人間全てがリ・デストロに忠誠を誓っているわけではない。利になるからという理由で組んでいる者も少なくないのだ。それが今回の泥花市の壊滅というニュースによって見限られていてもおかしくはない。

 

「……スケプティック」

「ああ、酷い有様だとも。幸いデトネラット社にはなんの影響もないが、対照的に異能解放軍としての株価は大暴落……いくつかの連中には提携を切られてしまっている」

「現時点で同士はどれほど残っている?」

「……多く見積っても三万、現実的に見れば二万いるかどうか」

 

 事実日本中にいた解放の戦士達の中には見限ったという者や諦めた者が多く、現在の異能解放軍の人員は一万八千人程度まで落ち込んでしまっている。それだけ泥花市の陥落による影響は大きい。

 

 特に異能解放軍に希望を持っていた者ほど諦めてしまったものが多い。異形型と呼ばれる個性を持って生まれた者は差別撤廃への意欲が強かっただけに、失敗の可能性が膨らめば心が折れてしまうのだ。

 

「結局連合は捕まっておらず、我々がただただ被害を受けただけ。私はどこで間違えた……?」

 

 ヴィラン連合とオールマイトの関係を知らなかった、では済まされないレベルの損失。そんなのズルだと騒ぎ立てても泥花市は戻らないし異能解放軍の人員は増えない。

 

 消えるのか。革命を成し遂げるどころか歴史に名を連ねることも出来ずに終わるのか。リ・デストロの脳裏に敗北の二文字が過ぎった。

 

 

 その時だった。

 

 

 

「ふむ……君達もそれなりの痛手を受けたみたいだね?」

「っ……何者だ!!」

 

 ベチャリ、と黒い泥の中から現れた何者かに声をかけられた。咄嗟にスケプティックとリ・デストロが後ろに下がり、信用のできる護衛達が前に出た。

 

 しかし声の主はそれを気にも留めず、粘ついた怒りや欲望を滲ませて言葉を続ける。

 

「君達と同じだよ!同じ。僕も彼らから随分と酷い目に遭わされた……殺したいくらいに憎んでいるのさ」

「……ヴィラン連合に、か?」

「ヴィラン連合と……オールマイト、それからとある雄英生に、ね」

 

 脳味噌を剥き出しにした人間どころか真っ当な生物にすら思えない漆黒の怪物。裏社会で脳無として伝わっている姿の何者かは口と思われる部分を歪めて呪詛を吐く。

 

「……ではどうする気だ?貴様が何者なのかは知らないが、オールマイトに対抗する術があるのか?」

「勿論あるとも!しかし僕一人ではどうしたって限界というものがあってね」

 

 

 

 

 

「恐れることはない……友達になろう……!!」

 

「僕と、君達で!あの救世主気取りの愚か者に死をくれてやろうじゃないか!!」

 

 

 

 

 

 

「……いいだろう」

 

 

 

 黒い痣に飲まれた手が、漆黒の手を取った。

 

 魔王と解放者。今ここに、闇の世界の支配者二人による同盟が生まれてしまった。

 

 

 

*1
脳筋「だって怖いんですよ貴方……」






Q.そんなにファンの影響って強いの?
A.原作最後の方のデステゴロさんとか見てるとそれなりにヒーローのメンタルに響くっぽい。

マンダレイ「わかる」
リューキュウ「全然違うもんね……」
Mt.レディ「心の潤いとかそういうヤツ」
ミルコ「どーでもいい。やりたいようにやる!」

脳筋「背中を押される気分になるよ!」
エンデ「……イマイチ分からん」
ホークス「同じくー」


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