え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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前回だけで90件近くの感想を頂けて嬉しいより先に笑いが来ました。やっぱりみんな愉悦部なんやなって……。
初めて一話であんなに感想を貰えてとても嬉しかったです!ありがとうございます!





ミンチより酷ェや!

 

 

 

 どこで間違えた。*1

 

 

「欠伸が出るくらいにトロいなオール・フォー・ワン!!」

「合わせろミルコ!」

「私が防御を請け負おう!その為の【シールド】!!」

 

 

 何がダメだった。*2

 

 

「【赫灼熱拳:ジェットバーン】!!」

「ヘルスパイダーの方がいいだろ。パンチでオールマイト達に張り合ってんじゃねえぞエンデヴァー」

「やかまし燈矢!?貴様燈矢だな!!?」

「気づくの遅ェよ!?」

 

 

 何故こうなった!!?*3

 

 

「とうとう現れたかオール・フォー・ワ私がいるゥ!?」

「あ、本物のオールマイト!あっちのオールマイトは、ええと……」

「私はオール・フォー・ワンが奪った【二倍】の個性で生み出されたオールマイトだ!さあ、共に戦おう!」

「わー……若い頃の私ってばエネルギッシュ……」

 

 

 攻勢に転じる暇なんてない。絨毯爆撃を僕個人へと差し向けているかの如き攻撃の嵐。足を殴られたかと思えば拳を構えようとした左肩を打ち抜かれ、体勢が崩れた所に背中を蹴り飛ばされる。

 

 選りすぐりの個性を宿したギガントマキアの肉体ですら受け止めきれない。少しずつ、少しずつ僕という存在が壊されていくのが分かる。

 

 エンデヴァー、ミルコ、クラスト、エクスレス、荼毘、緑谷出久、間飛移、オールマイト、オールマイト!オールマイトォォォオオ!!

 

 何なんだコイツらは!?どこまでも僕の邪魔をする!防御も抵抗もさせてはくれない!逃走なんて以ての外!!

 まるで僕の動きが完全にバレているみたいだ!拳を握った瞬間に肩を攻撃されて止められる!蹴りを放とうとしたタイミングで膝を殴られて妨げられる!何故!どうして!?

 

「窮屈そうだな?オール・フォー・ワン」

「ッッッ……!?間飛、移ゥ……!!」

「テメェの図体がデカイお陰で探知しやすくて助かるよ。邪魔しやすくて楽しいぜ!?」

 

 ……まさか。まさか僕の身体を探知する事で次の動作を読み取っているとでも言うのか!?

 

 だとしたらマズイ!搦手に長けた個性を持たない今、ヒーロー達と殴り合いが出来なければ勝てない!!

 

「い、いっそ【巨大化】を───」

 

「させる訳ないでしょうが!!」

 

「ぐ、おおお!!?」

「Mt.レディ!ナイスです!」

 

 コイツ……!有象無象の分際で僕を踏みつけるだと!?何様だ!!

 

 

 

「そのまま押さえててくれ!!」

「ま、待て!?」

「覚悟しろオール・フォー・ワン……!!」

 

 何とか足の裏を押し返そうとするオール・フォー・ワンだが、10mで【巨大化】を止めていたせいで倍の体躯を誇るMt.レディを押し返せない。

 そこへ無防備となった土手っ腹に一直線。白い影が駆け抜け、全身全霊のドロップキックを放った。

 

「ッシャア!!いいの入った!」

「ぐおっ……!?」

「畳み掛けるぞ!【赫灼熱拳】……!!【プロミネンスバーン】!!!」

 

 ミルコの蹴りにぐらりと倒れかけた瞬間、Mt.レディの足が離れると同時に赤い炎が放たれた。全身を大の字に広げての超火力の放出がオール・フォー・ワンを襲う。

 頑丈に、頑強に作り替えられた肉体が焼き焦がされた端から【超再生】によって再生していくけれど、焔が途絶えた時には完全に再生することすらままならないレベルまで弱体化していた。

 

(せめて……!せめてあの全盛期のオールマイトだけでも消さねば!!)

「っ、トゥワイスに手ェだしてんじゃねェ!!」

「ぎぃあああああっ!!?」

 

 決死の思いで伸ばされた手が気を失ったトゥワイスを掴んだ瞬間、荼毘の蒼い炎が手首から先を外して焼き焦がす。

 

「ぐ……!?」

「お、オールマイト!?」

「これは……私が消えた時と同じ!?【二倍】を手放したか!」

 

 ギリギリで奪い取った【二倍】をトゥワイスに返すことで全盛期のオールマイトが崩れて消える。しかし、今更かつての最強の英雄に縋る必要はなくなっている。絶望はとっくに打ち砕かれた。

 

 焼かれた右腕の再生に躍起になっているオール・フォー・ワンの横顔を【巨大化】した青い拳が打ち抜く。覚えのない乱入者かと睨みつければそこに居るのはドクターによって作られたはずのハイエンド個体。

 貴様、と怒りを口にする前にIXAが顎を真上へと蹴り上げた。

 

「その汚ねえ口を開くなオール・フォー・ワン!!」

「グウッ……!!何故、ハイエンドが裏切る……!?」

(待遇が悪かったカらですが)

「開くなっつったろうが!!」

「理不じギャアッ!?」

 

 更にダメ押しでもう一発。最早言葉での抗議もさせてもらえない。

 

 既にボロボロの肉体はそれでも頑なに再生を諦めず、炭化した皮膚の下から新たな皮膚を生み出してへし折れた骨や断裂した筋繊維を繋げようとしている。

 そして治った端からミルコやらエンデヴァーやらがボコスカと殴るわ蹴るわ焼かれるわで状況は何一つ好転しない。昔のテレビアニメの尺伸ばしのように同じ光景が繰り返される。

 

「ま、まダ……!!まだ終わっテない!!僕は、マだ負けていナイ……!!」

「しぶとい野郎だなコイツ!?無駄に引っ張るタイプのラスボスかよ!」

「オールマイトから逃げ延びて100年以上生きてる化け物だ、そりゃしぶといだろうよ!」

 

 しかしそれも限界が近い。主の為に喜んでその身を捧げたマキアの肉体は極大のスタミナを有してはいても、いつかは限界を迎える。それが今訪れたと言うだけの話だ。

 パンチやキックとしての体を成していない乱暴に手足を振り回すだけの抵抗も、今となっては弱々しいものに変わってしまった。【巨大化】を持つはずの肉体も5mを切っている。

 

 それでも尚立ち上がるのは執念を超えたナニカを感じさせる。いっそどちらがヒーローか分からないほどにオール・フォー・ワンは立ち上がろうとし続けた。

 

「これで終わらせるぞ!!」

「ぼぼぼ僕はまダマけない終わらナいいぃい!!」

 

 

偽・月光閃(ルナ・ストライク)】!!!

 

 

 一撃目。クラウチングスタートから急激に速度を上げたIXAによる渾身のドロップキック。着弾から一瞬の間を置いて爆発音の如き衝撃波が炸裂する。

 

 鳩尾へと突き刺さる蹴りは異常な程に重く、オール・フォー・ワンの頭へと骨と内臓が砕ける音を響かせた。

 

「グ、ガ……!!」

「まだまだツメが甘いなIXAァ!蹴りってのはこうやるんだよ!!」

 

 

月堕蹴(ルナ・フォール)】ッ!!!

 

 

 二撃目。風すらも切り裂く後ろ回し蹴りがオール・フォー・ワンの右肩を砕く。肩にめり込み、そのままミシミシバキリと止まることを知らぬように骨を砕いていく。

 声にならない悲鳴を上げるけれど、砕かれた肩はピクリとも動かない。パンチはおろか、拳をまともに握ることさえ出来やしない。

 

「どっちの火力が上だろうな?」

「どっちでもいい……!!今ここで!コイツを仕留められればな!!」

 

 

 

【赫灼熱拳】!!!

 

 

 三撃目。青と赤の炎が殺到する。ひたすらに火力を追求した青とそれに並び立ちながら制御すらして見せる赤の奔流が5mの体を呑み込んだ。

 時間にすれば二秒も経っていない一瞬の炎だったが、極限まで引き出された高温の炎はオール・フォー・ワンから【超再生】の余裕を失わせた。

 

 そして、最後の一撃。

 

 

「長かった……!九代にも渡っての因縁!ここで終わりにしよう!」

「はいっ!!デトロイト……!!」

「ヨ……イ…………!」

 

 

 

SMASH!!!!

 

 

 【ワン・フォー・オール】100%。真っ直ぐに振り向かれた二つの拳がとうとうオール・フォー・ワンの全てをへし折った。

 全身を叩く衝撃。踏ん張ることなど出来るはずがなく、足の裏が地面を離れて三回ほど身体を跳ねさせながら転がっていった。

 

 停止した時、いくつもの無理を重ねて改造と戦闘を続行していた肉体は【超再生】を以てしても再生には至らず、それどころか無茶をしたことで個性因子が破損したのか【巨大化】を始めとした個性が次々と解けていく。

 

(嫌だ……僕が、ほどけていく……クローンだとわかってイても、怖い……!死にタくない……!)

 

「……終わ……った?のか?」

「多分。後は脳無達だけど……トゥワイスに個性が戻ったっぽいし、アイツ起こせばどうとでもなるだろ」

「とりあえず拘束するべきだろう。また立ち上がられても敵わん」

 

 指ひとつも動かすことが出来ない。今のオール・フォー・ワンに出来ることはせいぜい口を開くことだけ。それも残された時間は僅かだろう。

 

 せめて、せめて最後に一矢報いてやりたいと【超再生】を動員して頭を持ち上げたその時。

 

 

 

「ンだよ……もう終わってたのかよ」

「おう、転孤か。もう終わっちまったぞ」

「クソ……そこらの脳無潰しに時間をかけすぎたか?」

 

 

 得体の知れない恐怖を感じた。

 

 

「ヒッ……!?」

「あー……?マキアの肉体を奪ったのか。それでもこのザマたァ、笑えるな」

 

 怖い。死柄木弔の何が怖い?手だ。彼の手のひらが、五本の指が怖くて仕方ない。何故?どうして?僕は彼の何をそんなに恐れている?

 

 もし彼の疑問に答えられる者がいたのなら、人はそれを生存本能によるものだと結論づけただろう。

 

「や、やめろ……」

「もう死にかけ……てか死ぬ寸前じゃねえか。ったく……しゃーねえ」

「来るな……こっちに来るな……!」

 

 クローンの彼には与り知らぬ話だが、個性を覚醒させた転孤は『個性のみを【崩壊】させる技術』を会得していた。かつての神野区では彼の手によってオール・フォー・ワンの個性のほとんどを破壊した形で終わった。

 それを知らないはずのクローンが怯えているのは、きっと本能が彼の手に宿る危険性を感じ取ったから……だろう。

 

 ざり、ざり、と気だるげな歩調で近づいてくる。激しさも速度もない歩みが何よりも恐ろしい。死が死柄木弔という形を取って近づいているようにすら感じていた。

 

 そして、二人の距離がゼロになる。

 

 

 

「憂さ晴らしにコイツでも壊しておくか」

 

「僕のそばに近寄るなああ────ッ!!?」

 

 

 

 

 哀れなクローンの意識はそこで途絶えた。

 

 

 

*1
オールマイト増やした所……ですかね。

*2
オールマイト増やした所……ですかね。

*3
日頃の行い……ですかね。






相澤「やっと追いついた……!あの二人速すぎるだろ!AFOのクソ野郎はどこだ!?」
転孤「今死んだわ」
マイク「えっ」
相澤「えっ」
荼毘「跡形もなく消えたな」
相澤「えっ」
マイク「えっ」


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