え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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自重しろください

 

 

 

 

 オッスオラ間飛。身に覚えのない事でお礼がしたいとか言われただけでも困惑しかねえのに、腹を括って障子を開けたらゴリゴリに正装を決め込んだ記者会見スタイルのエンデヴァーがいました。帰っていい?

 

 百歩譲って俺が荼毘……じゃなかった、燈矢を助けたとしてだ。世間でNo.1ヒーローとして知られてる厳ついオッサンがビシッとスーツで決めて正座してたらどう思うよ?普通に怖いからね?

 

 しかもわざわざ轟(焦凍)まで呼んで……一家総出でお出迎えはヤバいって。燈矢も頭抱えてんじゃねえか。

 

「……間飛。とりあえず着替えさせたから入ってくれ」

「…………おう」

「だいぶ躊躇ったな」

 

 ンやかまし。誰でも躊躇うだろあんなもん。

 

 厚かましくもこっちから『頼むから普通の服装に着替えてくれませんかね……?』とか言う羽目になったわ。

 え?別にいいじゃんって?ハハッ、身長195cmの顔に傷跡があるガタイのいいオッサンに正座で待ち構えられた事のあるやつだけ言ってみろオラァン。

 

 一応要求には応えていただけたようで、もう一度開けた時にはポロシャツとチノパンというThe☆普通な服装になっていた。よし、まだ威圧感あるけど許容範囲内。

 

「……この度は我が子の」

「すいませんテイク3行ってもらっていいですか?」

「面倒くせえから少し待て。オラ、顔上げろクソ親父」

 

 だから!

 大袈裟だって!!

 言っとるやろがい!!?

 

 今燈矢がエンデヴァーに言ってくれてるけどさ。当事者にとってはどれだけすンごい事をして貰ったと思ってても、そう感じてない人間としては過剰に反応された気がして怖いんだって。

 

 よく二次元で見かける『貴方に救われた!なので貴方に生命を捧げます!』的なやり取りがあるけどさ、俺ああいうの割と疑問に思っちゃうタイプなんだよ。ステラ?うん、あの娘はあの娘でよく分からん。俺の何がどう刺さったんだアイツ。

 

 せめて転孤みたいに一から十まで事情を明かしてからにしてくれ。じゃなきゃいつかアゾられる*1気がして怖え。

 

 というか肝心の壊理ちゃんはどうしたん?え、オールマイトの養子扱いにして雄英で保護してんの?初めて聞いたんだが。

 

 というか。

 

「あのー……そろそろ話進めましょうか。もうなんでもいいんで。はい」

「あ、ああ……」

「すまん間飛。ちょっと親父が暴走気味で」

「焦凍!?」

 

 もう何でもいいから用事済ませて帰ろう……。

 

 

 

 

 

「お父さんがごめんなさいね?それと……燈矢の事、止めてくれて本当にありがとう……!」

「いやー……俺本当に何もしてないと思うんですけど」

「ううん、お父さんも言ってたけど……ヴィランになるかどうかというのは最初の一回があるか無いかが大きいみたい」

「う、うむ……一度でも人の命に手をかけたヴィランは二度目、三度目と繰り返す毎に抵抗感が薄れることが多い」

 

 まあよく聞く話だな。一回超えたハードルは二回目から滅茶苦茶低くなるってヤツ。裏社会で生きてりゃ尚更だろう。

 

 ただやっぱり俺が止めたかっていうと……どうしても心当たりがない。別にトドメを刺すところを止めたわけでもないし、俺が必死にヴィランにならないよう説得したわけでもない。

 強いて言うなら仲良くしたってだけだからなあ……感謝されても困るというかなんというか。

 

「……それに、だ。君は荼毘の友人でいてくれた」

「はい?」

「ちょっ……やめろクソ親父!?」

「わっ!?と、燈矢?」

「何故止める?お前が言ってたんじゃないか。『間飛の奴が───』」

「人の心とかねェのかテメェ!!?」

 

 ……オレ ナニモ キイテナイ。

 

 うんうん、燈矢君は友達が出来て嬉しかったんですね。それを嬉々として家族に話したから勘違いされて俺がここに連れてこられちゃったんですね。自業自得じゃねえか。

 

 そりゃあ、一人だけ皆から離れた所に立ってたりすることが多かったから声掛けたり誘ったりはしてたけども。アレ嬉しかったんかお前。

 考えてみれば初対面の神野区と死穢八斎會の時でかなり雰囲気違ったな。アレ若返ったからだと思ってたけど、もしかしてあの時点で俺友達認定されてた?

 

「とにかく!口閉じてろクソ野郎!?」

「し、しかし……」

「多分火種にしかならんので言わない方がいいッスよマジで」

「君もそう思うのか……ならば黙っておこう」

 

 息子に怒られて萎びてら。ウケる。

 

 じゃあお礼とやらを早速受け取って帰りますんで。お礼ってなんです?

 

「……実は少し前に家族から全て却下されてしまってな。今のやり取りからも視線が痛くて敵わん」

「まあ、はい。めっちゃジト目で睨まれてますし」

「一応聞くけど何用意したんだ?親父」

 

 えーと?現金5億円にー、最新技術を詰め込んだサポートアイテムにー、土地まで含めた一軒家!うーん大バカ!!

 

 そら却下されるわ。むしろ何故GOサインが貰えると思った。一番安そうなのが土地まで含めた一軒家っぽいのバグかなんかだろ。

 どうしてヒーロービルボードチャートのNo.1はその辺の感覚がとち狂っているのか。オールマイトでも同じことしてきそうだぞ。

 

「本っっ当にごめんなさい……」

「あー……いえ、大丈夫、です」

「おいクソ親父。とうとう間飛が哀れみの視線向け始めたじゃねえかどうしてくれんだ」

「そんなにダメだったのか……!?」

 

 ダメですよ?

 

 貴方にとっては大事な大事な子供を助けてもらった!かもしれませんが、だからといって最低でも不動産クラスの物を渡されたら怖いって。

 

「……とりあえず借りが出来たくらいに思ってくれてたらいいんで。想定外にもほどがある規模をお出しされてパニクってます」

「うん、間飛君ごめんね!?本当にごめんね!今日一日かけて親父怒っとくから!」

「な!?何故そうなる夏雄!!」

「妥当だろ」

「焦凍ォ!?」

「……貴方?」

「……うむ」

 

 アカンさっさと逃げよう。巻き込まれたくねえ。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 と、紆余曲折あった間飛だったが無事雄英高校に帰還。普通の授業や訓練よりもずっと疲れている気がするが気のせいだろうか。

 

 車内で待っている間に仲良くなったのか、零治とステラは手をブンブン振ってお別れ。彼女を連れたままハイツアライアンスに入り───

 

 

「もう殺すしかなくなっちゃったよ」

 

「敵ですカ!?私が相手になりまス!」

「ステイ。アイツ同級生。ノットヴィラン」

 

 

 ──第一雄英生、エロブドウにエンカウント。

 

 決して間飛の帰りを待っていたとかではなく、本当に偶然にも峰田が一階にいる時に帰ってきてしまったのだ。

 開口一番に殺意マシマシチョモランマな言葉を吐いたものだからステラさんがフェードイン。そのエロブドウ残念ながら味方なんです。

 

 青肌のデカイ美女が忠実な下僕のように動いたものだから峰田はますます嫉妬心が膨れ上がり、それを見たステラがまた警戒心を強めるという誰も得していない永久機関が完成した。イグ・ノーベル賞*2くらいなら取れるかもしれない。

 

 で、峰田がそんな事をしていれば他の生徒達にも騒ぎは伝わる。何事かと一階にいた生徒達が集まってステラを見て驚き、その声に気づいた生徒が上から降りてきて……と、結局ほぼ全員が共有スペースに集まってしまった。

 

 見た目こそ間飛のテレビ電話を見ていたから知ってはいたが、雄英高校に来たとなればどうしても興味が湧いてしまう。あっという間にステラは生徒達から囲まれてしまった。

 

「この人は?」

「えーっと……言っていいのかこれ」

「……訳アリか?」

「訳しかねェんだがどう説明したものか……」

「……間飛、帰ってきたなら連絡くらいしてくれ」

「あ、相澤先生!」

 

 生徒に囲まれてオロオロするステラと質問責めにあう間飛。そこに相澤という救世主が現れたことでひとまず騒動は落ち着きを見せた。

 

 ちなみに相澤は相澤で数十分前に戻ってきたばかりだ。あとこの場にいないのは燈矢と話がしたいからと一時的に帰宅した轟と、サー・ナイトアイの所に顔を出すと言って帰りは電車に乗るからと断った緑谷の二人だ。

 

 条件反射なのか間飛以外の生徒達は自然と相澤の話を聞く体勢になり、包囲網から抜け出せたステラは涙目で間飛の背後に隠れた。隠れきれてませんよステラさん。

 

「まず最初に彼女だが……彼女は先の戦いで鹵獲したハイエンドと呼ばれる上位個体の脳無だ」

「「「はあ!!?」」」

「改造された人間の人格が残っていたお陰で味方に出来てな。本人の強い希望もあって自分を助けてくれた間飛に着いていきたいとの事だ」

「は、初めましテ……ステラでス……」

 

 なんてこったという言葉すら出てこない情報量。唯一峰田だけがグギギ……!と人体から出ていい音ではない歯ぎしりを鳴らしている。

 

「しかし雄英生として編入させるわけにもいかない……ので、間飛の在学中は寮母を担当してもらうことになった」

「「ッシャオラァ!!」」

「おいまだ途中」

「「アッハイ」」

 

 健全な男子二人(峰田と上鳴)が揃って声を上げた。が、相澤の一睨みで沈黙。

 

 ステラの正体はなるべく漏らさないようにと箝口令が敷かれ、あまり騒ぎすぎないようにだけ注意すると相澤はまた書類の山と戦うべく職員室へと戻って行った。

 

「……なあ間飛」

「なんだよ」

「卒業した後は、ステラさんどうすんの?」

「んー……本人の意思次第?」

「はイ!ついて行きまス!」

「よし表出ろ間飛」

「やめとけよ峰田。勝てるわけねえだろお前」

 

 ここに無謀な助平が生まれた。

 

 

 尚、寮母とは言ったがステラに与えられる仕事は基本清掃ばかりなので清掃員の方が近いかもしれない。

 

「スゲェ!ステラさんの掃除したあとめっちゃ綺麗だ!?」

「頑張ってますかラ」*3

「夜食のおにぎりまで置いてあるやん……!」

「ランチラッシュ?という人に教わりながら作りましタ」

「やっぱ間飛一回シバくか?」

「やめとけ。峰田の二の舞だぞ」

 

 

 

*1
Fate/Zeroというアニメでとあるキャラが裏切る際に『アゾット剣』という武器で背中を刺したシーンから生まれた言葉。調べたら大量の顔芸コラが出てくるゾ☆

*2
ノーベル賞のパロディのようなもの。ざっくり言うと人々を笑わせた&考えさせた研究に送られる賞。

*3
ムフーなドヤ顔







少し大事なお知らせです。

五話まで投稿していた原作に介入したパラドックスシリーズを一度書き直そうかなと思ってます。というのも更新を停止してしばらく経ってから読み返したのですが、話を上手く続けられそうにないなと思ってしまったからです。
また更新を止めてから時間が経ったこともあって続きを書いても『え?今更?』という感じになりそうなので、いっそ一から書き直そうということにしました。
あのままがいい!という方には申し訳ありません。

今回を投稿してから二日後に該当部分のストーリーを削除させていただきます。ご理解の程よろしくお願いします。


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