え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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前回の後書きで原作介入編を削除して書き直します!と言っておいてなんですが、感想欄で残しておいて欲しいという声がそれなりにあったので残すだけ残しておこうかなと思います。
ただ書き直そうとは思っているのでサブタイトルや章の名前は少し変えさせていただきます。





to be continued……?

 

 

 

 荼毘は燈矢に戻って轟家へ。明確に罪を犯していたか分かっていないトゥワイスとコンプレスは前科を調べ終わり次第、余程の事をしていない限りは情状酌量での解放の後にホークスの下で監視されながらサイドキックとしての活動が認められた。

 マグネはジャックガムと同様に冤罪が多いものの、罪を犯したことに変わりはないと一時的に投獄。それもすぐにオール・フォー・ワン討伐への貢献を認められて二人とも釈放されるだろう。

 

 残された志村転孤と黒霧については……。

 

 

 

「無様だなあ社長さん?俺らを革命サークルだとか言っておきながら……牢の中にいるのはお前で、牢の外にいるのは俺だ」

「くっ……!」

「泣けてくるぜ。こんなやつの為に何万もの人間が脳無にされたなんてな」

「貴様ァ……!リ・デストロを愚弄するか!!」

「現在進行形でバカにしてんのが分からねえか?随分と優秀な脳味噌をお持ちのようで」

 

「志村転孤……その辺りでやめておきましょう。皆様の視線が痛い」

「あー……?ちっ、しょうがねえ」

 

 

 有用過ぎる能力を持っていた為に取り合いが発生し、それが落ち着くまでは聞き取り調査やカウンセリングを盾にして匿われていた。

 

 取り合いは何もヒーロー事務所だけではない。研究所や企業、なんなら公安からも『出来ればうちに来て欲しい!』とやんわりと求められていた。

 さすがに金や権力にものを言わせた……な悪役丸出しなムーブをした者はいなかったが、彼らがどこに所属させるべきかとしばらくは会議続きになっていたとか。

 

 そして公安が出した結論は『どうせ監視は付けるのだから本人達の意思を尊重しよう』だった。個性の危険度に変わりはないし、洗脳教育を施されていたとはいえ元ヴィラン。すぐに自由にはしてやれない。

 

 

 あの日から一週間が経った。一番隠しやすいからとタルタロス内で職員のスペースを利用していた転孤がリ・デストロ達を煽り散らかしていると、ようやく取り合いが落ち着いたからと呼び出しを受けていた。

 

 少し気だるげにドアを開けると、そこにいたのは現ヒーロー公安委員会会長とホークス、そしてオールマイトだった。

 

「……磐石な布陣ってか?」

「いいえ。ホークスは私が連れてきましたがオールマイトは自分から同席したいと仰ったので」

「すいません……無茶を言いました」

 

 既に転孤にとってオールマイトはどうでもいい、とまではいかなくともあまり興味が無い存在だ。何か祖母と関わりがあったらしいとしか知らない。

 

 今回三人が来たのは転孤がこれからどうしたいかを確認する為。希望によってはオールマイトや会長が力になれるかもしれないし、転孤の行先はなるべく把握して起きたいというのもある。

 

 変にアイスブレイクを設ける必要もないだろうと会長は早速本題に入った。転孤が何をしたくてどこに行きたいのか、彼の将来に大きく関わる質問を投げかけた。

 

 対する転孤は考える素振りも見せず、会長の目を見て質問で返した。

 

「答える前に一つ聞かせろ」

「ええ、いいわよ」

「オール・フォー・ワンの残党はまだいるのか?」

「……日本国内に限れば潜伏中の組織がいくつか、海外は今回の件で大混乱になって半分以上は所在が割れてるわ」

 

 へえ、とどうでも良さげに……しかし僅かばかりの感情を隠しきれない呟きを漏らした。

 

 

 志村転孤は一度死柄木弔(ヴィラン)の世界に足を踏み入れた。物理的にだとか前科があるとかではなく、オール・フォー・ワンの洗脳教育を受けた事を指す。

 

 オール・フォー・ワンは特に“憎しみ”の感情を強く発露するように育てており、USJ時点ではその兆候として癇癪を起こした子供のような怒りを見せていた。

 それ以外にも行動の方針は己の快、不快に従っていた。気に入らないから、嫌いだからをトリガーにしてあっさりと一線を越えられるように仕立てあげられた。

 

 そして今。間飛との問答を経てオール・フォー・ワンに疑問を持ち、魔王に叛逆こそしてみせたけれどその在り方に変化は無い。僅かに獲得した理性や常識が枷としての役割を果たしてくれているに過ぎない。

 

 今も昔も彼の本質は破壊者なのだ。オール・フォー・ワンに後付けされた個性の【崩壊】を覚醒させてしまえるほどに。

 

「俺は公安に行きたいと思っている」

「!」

「だがお前らの仲間になりたいからじゃねえ。あのクソ野郎の全てを、アイツに連なる馬鹿共を終わらせたいんだ」

「……今の公安は超がつくほどの人手不足に加えて、貴方に対していい顔をしない人も多いわ」

「知るかよ。俺が気を遣ってやる理由がどこにある?」

 

 嫌われている?それがどうした。心を許せる良い仲間達を既に見つけている。人手不足?むしろ使い潰すくらいの勢いで自分を使え。そうすればより多くのクソ共を道連れにしてやれる。

 

 ヒーローにはなれないし、なろうとも思わない。かといって顔も名前も知らない研究者の言いなりになりたいとも思わない。

 だったら多少の不快を飲み込んででも本懐を果たす。とっくに終わった気もするが、あの魔王の全てにピリオドを打ってやりたい。転孤がいま最もしたいと思うことはそれだった。

 

 およそ治安側に立つ組織に入りたいとは思えない漆黒の意志。オールマイトやホークスですら冷や汗をかく中、顔色ひとつ変えずに会長は口を開いた。

 

「歓迎します。ようこそ公安委員会へ」

「はっ……何も考えてねえのかイカレてんのか……後悔しねえといいな」

 

 指を一つだけ浮かせて、転孤は会長の手を取った。

 

 

 

 

 

「……というわけだ。お前らついてこい」

「一言ぐらい相談しようぜリーダー!?」

「何してんだお前!ウケる!笑えねえよ!?」

 

 尚、公安に所属する意思表明の直後に燈矢以外の元ヴィラン連合だった者達を同じチームに配属してもらった模様。

 彼らは何一つ聞いてなかった為に文句も出たが、少し時間が経てばいつかのアジトの時のように下らない話で笑いあっていた。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 決戦やら後始末やらでヒーローも雄英高校もドタバタしていたこのひと月。ようやく全てが落ち着いた頃に学生の誰もが一度は通る別れの時が訪れた。

 

 ほとんどの学校では特に何かを思うでもなく、例年と同じように泣いて笑って……次に進んでいく子供達を見送っていた。

 しかしあの戦いを最も間近で見ていた、或いは参加していた雄英高校だけは少し異なる想いを抱いていた。

 

「……瓦礫の中での卒業式、なんて事にならなくてよかったよ」

「それな」

「何か一つでもボタンの掛け違いがあれば本当にそうなっていたかもしれないものね」

 

 無事に卒業式を開くことが出来てよかった。この一言に尽きる。

 

 いつもはボサボサの髪の毛をそのままにしている相澤も、勤務中はテンションを上げなきゃキツイからとヒーローコスチュームを着ているミッドナイトも。今日この時ばかりは正装をバッチリと決めている。

 

 彼らの視線の先にあるのは壇上で卒業証書を受け取る三年生。名前を呼ばれた生徒が壇上へと上がり、両手でしっかりと受けとって自分達の後輩(・・)になって降りていく。

 

 天喰が恥ずかしそうに、それでも自信を持って卒業証書を受け取る。ねじれは卒業証書を受け取るとニッコリと笑ってそれを掲げ、野郎共を沸かせる。

 ミリオが卒業証書を受け取り、壇上で『パワー!!』と叫んで妙にツボに入った者が多かったり、零治が卒業証書を受け取ってふんわりと笑うとどこかで性癖が捻じ曲がる音がしたり……。

 

「なあイレイザー……お前んとこの問題児達、先輩になるんだぜ?大丈夫そう?」

「ダメだろうな」

「あら即答&辛辣。どうして?」

「……アイツらを見習われたら手に負えんだろ」

 

 確かに。二人は口に出さずとも視線だけで同意を示した。

 

 卒業生代表として壇上に立つミリオ。プロを含めて最もNo.1に近いと言われた男がプロの世界へと足を踏み入れる。在校生達はその背中を見て何を思うだろうか。

 そしてそんなミリオさえも追い越してしまいそうな自分の教え子達。担任バカと言われれば否定できない相澤だが、その評価を受け入れてしまえる程度には気に入ってしまっているらしい。

 

 最後の最後で【透過】を発動してヒーローコスチュームに着替えたりサポート科の絢爛崎美々美のアンパ○号……じゃなかった、絢爛崎の顔面付き装甲車が飛び出して来たりとやはり雄英らしく騒がしいまま卒業式は終わった。

 

 

 

 

 

「ま゙だ離゙れ゙ば゙な゙れ゙ェ゙……!!」

「社会人になるなら時間に余裕あるだろ。そっちから顔出しゃあいいだろうに」

「気分的な問題だから……」

「気分的な問題か」

 

 ミ゙ャ゙ン゙!!とやっぱり卒業生の威厳を投げ捨てて泣きつく零治。涙と鼻水で結構ぐちゃぐちゃなのにハンカチで一拭きすればいつも通りの美麗な顔面に戻るのは描写バグかなんかだろうか。

 

 卒業後は二年ほどリューキュウの下でサイドキックをすることにしたらしく、四月からは彼も【カルドル】として社会の波に揉まれる事になる。

 それにようやく会えた幼馴染とまた引き離されるという事実に耐えきれなくなったのか、卒業式中よりも泣いていた。そんな理由でいいのかお前。

 

 ちなみにだが雄英高校でも所謂おまじないな“第二ボタン”の取り合いもあったりする。ただしそこに込められた意味は恋愛的なものに限らず『貰った人が良いヒーローになったら自分も良いヒーローになれるかもしれない』的なジンクスもある。

 

 零治はというとかなりの競争率を誇っていたのだが、自分から取った第二ボタンを間飛に渡していたわけだが。

 

「……で?この第二ボタンはどっちの意味で渡したんだ?」

「さ、さあ?移の好きな方で解釈していいんじゃない?」

 

 あざとい(確信)

 

 何で第二ボタンを貰えなくてガッカリしてる奴よりもキマシタワー!!してる奴の方が多いのか。温かい目を向けるのをやめて差し上げろ。

 

 間飛は手の中で受け取った第二ボタンを弄びつつ、ニヤリと笑いながら零治に問いかける。零治くんちゃんさんには刺激が強かったのか顔を背けて後退りされている。

 

「まあ大丈夫ですよ零治くん!私がちゃーんとお世話するので!」

「喧嘩なら買うよ?」

「あ、トガち。他の人の所行ってたんじゃ?」

「今年から来たのであまり親しい方もいないんですよねえ……特に三年生はインターンに行く人も多くて多くて」

「ああ、うん……ドンマイ」

 

 ちょっとインモラルな雰囲気になりかけたところへ待ったをかけたのは渡我被身子。赤面していた零治くんちゃんさんのハイライトをオフらせたあたり割と普通に煽りが突き刺さったらしい。

 

「……ちょっとお聞きしますが、まさか移くんが事務所立ち上げるまでサイドキックやるつもりだったりします?」

「そうだけど?(天下無双)」

「アッハイ」

「?」

 

 それはさておき。トガが尋ねたかったのは【カルドル】の活動予定。いやそんなまさかね!と思っていた事を聞いてみれば『そのつもりですが何か?』と言わんばかりの態度にトガはそれ以上何も言えなかった。

 

 間違いない。コイツ幼馴染のサイドキックに落ち着くつもりでいやがる。

 

 それにしたって二年先にプロデビューした後にデビューしたての後輩のサイドキックになるつもりとは。このトガちの目を以てしても見抜けなんだ。執念が凄い。

 

 話の流れで今度は間飛の方に質問が飛んでくる。

 

「まだ早いけど……移は卒業したらどうするの?やっぱり事務所立ち上げ?」

「んー……それでもいいんだけど。少し考えてる事があってな」

「……はい?」

 

「ちょっとやりたい事が増えたわ」

 

 

 これはちょっとした蛇足になるが、二年後にまた別の理由で離れ離れになる期間が伸びた事で発狂した零治がいたとかなんとか。

 

 

 

 






零治「」
リューキュウ(燃え尽きてる……)
零治「ヨロシクオネガイシマス…」
リューキュウ「ああ、うん……」

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