お待たせしました。原作介入編のリメイクです。
ぶっちゃけリメイク通り越してほぼ別物な仕上がりになりそうですがよろしくお願いします。
お前こっちでも勘違いされてない?
現代社会においての日本は世界中と比較してもトップクラスに治安がいい国家
基盤となる法律や社会制度は勿論のこと、オールマイトを始めとした優秀なヒーロー達の活躍もあって日本内でヴィランという悪が栄えることはなかった。
……そう、それら全てが過去形だ。
超常解放戦線VSヒーロー達。蛇腔病院と群訝山荘の二箇所で行われた作戦は両陣営のどちらにとっても思い通りに進むことはなく、十重二十重の予想外は
人員的被害は勿論のこと、荼毘改め轟燈矢によるエンデヴァーの虐待まがいな行いを明かされてしまいヒーローそのものへの信頼も致命的なまでに揺るがされてしまった。
これまで散々に持て囃されていたヒーローという肩書きは一転して非難轟々のレッテルに変わり、市民は自衛の為に使い慣れていない……或いは違法なアイテムに手を出し尚更破壊が広がるという悪循環に。
物の見事に【崩壊】した社会から秩序が消えた。誰もが隣人を疑い知人を切り捨て、長年の友情さえも疑心から生み出された暗がりの鬼に変わり果てた。安寧はない、信頼もない……自分以外の全てがヴィランにすら見える。
そして現在。破られる可能性すら考えられなかった最硬の刑務所『タルタロス』が陥落し、オール・フォー・ワン本体を筆頭に全国の刑務所から凶悪犯が解き放たれてしまっている。
【血狂い】に【ヒーロー殺し】……その手の情報に疎い者でさえ身が竦むネームドヴィランが再び自由を獲得し、今や日本中を脅かす【ダツゴク】として暴れ回っている。
それらへの対抗策はアイテムを持った市民、もしくは信頼を失って尚抗い続けるヒーロー達……そしてオールマイト・エンデヴァー・ホークスから支援を受けている緑谷出久だ。
「……単独でダツゴクを倒している誰かがいる?」
『ああ。てっきりヒーローの誰かとばかり思っていたが……民間人が聞いた名を調べてもそんなヒーローはいなかった』
『ヴィジランテの線も疑ったんだけどね。なんと言うか、ヴィジランテならヴィジランテでこんな奴が有名にならないワケないよね?ってレベルで強かったらしい』
「気になるね……もしかしたら味方に引き込めるかもしれない」
傍受対策が施されたスマートフォンでの連絡中、ふと話題に上がった謎の人物。
曰く、オールマイト以上の速度で駆けつけてヴィランを一撃で沈めた。
曰く、見えていないはずのヴィランを瞬く間に叩きのめした。
曰く、数十人のヴィラン達を腕の一振りで蹴散らしてみせた。
曰く、曰く、曰く……目撃者から手に入る情報全てが荒唐無稽。オールマイトならおかしくない事でも、無名の何者かがそれ以上のパワーを持っているとなれば話が変わってくる。
何とか情報に整合性を持たせた場合、その人物が持つ個性は【見えない場所も索敵出来て瞬間移動のような移動手段を持つ上に、オールマイトと同等以上の身体能力を強化する能力】という二郎系の全部のせチョモランマみたいな個性になる。そんな注文したらカロリーに殺されるわ。
なので彼らの見解としては『複数人の個性で支援された人物』という結論に落ち着いた。そうでなきゃとんでもないバケモノが野良で彷徨いている事になる。
「その人って、ダツゴクを倒した……んですよね?どのダツゴクを?」
『ええと、まず【ムーンフィッシュ】でしょ?それから【KUNIEDA】に【ギャシュリー】と……ひとまず有名所はそんな感じかな。全部瞬殺だってさ』
『……仮に単独ならばビルボードTOP10入り間違いなしだな』
『何なら一時的にでも一位になるんじゃないです?今のエンデヴァーさんよか信用されちゃいそうですし』
笑えない冗談だ。仮にその人物が市民を扇動しようとすれば無視できない影響力を持つこと間違いなしだろう。
何にせよ、その人物が敵であれ味方であれ大きな行動を起こす前に接触する必要があることは確かだ。
しかしそれには無視できない問題が一つだけあった。
『その人俺より速いらしいんですけど……どうやって接触します?』
「……ホークスさん頑張ってください!」
「……うん、任せるね?ごめんね?」
『最速の名が泣くぞホークス』
『流石に丸投げはやめてくれませんかね???』
何で青森で見つかった二日後に鳥取で発見されてんだ。秩序崩壊からご無沙汰していた上からの無茶ぶりにホークスは頭を抱えた。
◇
ヒーローや市民達が謎の人物に困惑している一方、勝ち逃げじみた痛み分けに終わった魔王もまた少しばかり首を傾げていた。
「はて……?一体どこの誰がそんな事をしてくれているんだい?」
『分からん……しかし、苦労して味方に引き込んだ名だたるネームドヴィラン達が何の役にも立たんとはな!苛立ちがおさまらんぞ!』
「……スケプティック君、だったかな?ひとまずはその人物が何者なのかを探って欲しい。杞憂だとは思うがもし……もしあの男が来ているのならばアメリカが動く可能性がある」
無線越しの困惑をブッツリと切り捨て、口回り以外の分かりやすい表情を失った男は心底面倒くさそうに溜息をついた。
この場にいる誰もが把握していないであろうオール・フォー・ワンにとってのもう一人の脅威。【ワン・フォー・オール】や【
「【ワン・フォー・オール】に【新秩序】だけでも勘弁して欲しいんだがね……【
「……【滑走】の何がそんなに怖いんだよ」
「ああ荼毘君。いたのか」
ボソリと零したヒーローネーム。かつて彼の戦いを目の当たりにしたオール・フォー・ワンに計画をも変更させた程の人物。
荼毘をしても目の前の弱りきった魔王は恐ろしいというのに、その魔王が恐れるヒーローとは何なのか。興味本位からの好奇心とヴィランとしての警戒心から荼毘はソレの正体を尋ねた。
「なぁに、生まれも育ちも特別じゃない……本当にありふれた家庭から出てきただけの人間さ」
「はあ?」
「君のように優れた個性の組み合わせを望まれて生み出されたわけでもなければ、特段飛び抜けた才能があるわけでもない……何食わぬ顔で街並みに紛れられれば誰にも分からない程度なんだよ」
それのどこが恐ろしいのか、と質問を重ねるよりも早くオール・フォー・ワンが言葉を続けた。
「信じられるかい?そんな男がオールマイトクラスの攻撃力を持ってるんだぜ?」
「……は?」
「僕もよく分からないけどね……彼の手からは無限のエネルギーが放出されるらしい」
具体的には斥力だけどね、と言うオール・フォー・ワンの言葉は荼毘には届かない。受け入れるにはあまりに荒唐無稽が過ぎる能力だ。
しかしオール・フォー・ワンの言葉に嘘偽りはない。彼が思い浮かべるあの人物はその破壊力故にヴィラン相手に使うことを躊躇う程の攻撃力を秘めていた。
何一つ特別な才能や環境が揃っていない人物でさえ、極めてしまえばこれ程の戦闘力になるものかと当時のオール・フォー・ワンは感動すら覚えた。
もっとも、ソレが敵に回るとなれば無視できない。アレは【新秩序】よりも組まれると厄介な事になるのが目に見えている。
「やれやれ……彼でないことを祈るしかないとは。僕も随分と弱ったものだ」
「……ちっ」
先んじて手を打てるかどうか。オール・フォー・ワンはわざとらしく肩を竦めてみせたけれど、荼毘には想像もつかない世界の話だ。苛立ちに塗れた舌打ちを残し、闇に溶けるようにその場を去っていった。
◇
オッス、オラ間飛!社会の歯車二年生!死んだ魚のような目になるまでのカウントダウンが止まらない哀れな成人男性だよー!!
はい。いや、はいじゃないけども。
それなりにデカい案件が一段落してようやく一息つけるってんで、一週間くらい休暇を取ろうか!って全員ではしゃぎ倒してから寝た記憶が最後だったんですが。
目を覚ますとあらビックリ。フカフカのオフトゥンらどこへやら、一周まわって怖さも感じないレベルでズタボロの廃墟の中でした。なんでやねん。
わぁ、知らない天井だぁ、とか言ってた俺も大概アホだとは思うけども。ドッキリだとしたら趣味が悪いにも程があるんよ。
まあ、ドッキリならドッキリでそれらしいリアクションが欲しいだろうなあと廃墟から出てみたんだけども。
「ここどこなんだマジで……治安終わってるにも程があるだろ……」
そこで見たものはあまりにも予想外だった。
廃墟だらけの光景に『海外はダメだろ……海外は……』とか思ってたけどそれも何か違うっぽい。そもそも寝てる俺をこっそり運べる人間なんていないだろうし。
とりあえずヒーローライセンスはあるから襲いかかってきた阿呆共は男女平等ドロップキック等でぶっ飛ばしておいたけども。あのナントカフィッシュって奴どっかで見たような気がしなくもない。
仕方ないので情報集めついでに物資も欲しかったので移動しつつヴィラン狩りをする事に。そこそこ強い奴もいたけどまあ何とかなった。
あのクニエダ?とかいう植物系の能力とギャシュリーとかいう趣味の悪い人形遊び野郎。あの二人は特に面倒だったな。面倒だったから背面ワープ&回し蹴りで沈めたけど。
「何か雄英がどうとかいう話もあったし……マジで何がどうなってんだ……?」
異世界転生なのか平行世界転生なのかしらんが、カミサマとかいるんなら説明はよ。じゃねえと最速で魔王に殴り込みかけんぞ。
緑谷達「「「一体何者なんだ……」」」
AFO「アイツだろうなあ……めんどくさ……」
間飛「うーっす」←完全に部外者