え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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前回の感想でエンデヴァーさん大人気だったなあ(白目)
エンデヴァーならどれだけ虐めてもいいと思ってないかね皆様方。


ちなみに私はいいと思ってる。





情報量が多い第三勢力

 

 

 

 最近のスマートフォンって想像してたよりもずっと高性能なことが多い。二年前のスマホがもう型落ち扱いになっていたってこともある程に凄まじい速度で進化していってる。

 そうした端末は平気でTB(テラバイト)単位の容量を有していることが多く、俺のスマホも金に物を言わせて購入した最新機種だったりするんだが。

 

 そんな端末を持ってるとネットで拾った画像やら何の気なしに撮った写真とか全部そのまま残してしまうようになる。だって態々消さなくても余裕だし。

 

 そのせいで俺のスマホにはやたら友人と撮った写真が詰め込まれている。お陰でパッと見リア充陽キャのスマホに見えなくもないが、写真の中には元々ヴィラン連合だった奴らも結構写ってるわけで。

 

『………………』

「これは……ああ、燈矢と焦凍並ばせて背比べさせた時のヤツか。ギリギリで兄としての体裁を保てたってガッツポーズまでしてたぜ」

『…………』

「こっちはトガちと燈矢と一緒に酒飲みに行った時の写真集だな。アイツ酔っ払うと『クソ親父ィ……』としか言わなくなって滅茶苦茶面白かったぞ」

 

 ヒーローの方々、特にエンデヴァーには悪いが連合の奴らが真っ当に生きられていたらどうなっていたのかを見せる事ができるんだけど……エンデヴァー息してるか?反応が帰ってこないんだが。

 

 や、別に嫌がらせというわけじゃないんだ。ちょいと胸糞悪い話だが、この写真はこの世界のヴィラン連合を知る人間ほど有り得ない光景(・・・・・・・)に見えるから一番の証拠になるんだよ。

 何故有り得ないって?そりゃあ写真の中にはヴィラン連合の奴らがヒーローや警察と一緒に写ってる物だってあるからだよ。

 

 現に燈矢だけでも焦凍を始めとした轟家の人達と一緒に写ってたりするし、何なら当のエンデヴァーとのツーショットだってある。そんで誰よりもこれを作り物だと否定できないのが電話の向こうで押し黙っているエンデヴァーだ。

 

「そろそろ返事してくんね?信じて貰えたのか分からねえとこのままアンタのメンタルがへし折れるまでこういうの見せ続ける羽目になるんだけど」

『…………』

「あのー……?」

 

 

『オイテメェ!!何モンだゴラァ!!!』

 

「グッバイ鼓膜ゥ!?」

 

 

 意外ッ!!それはミルコ!!

 

 痛ってェ!!?え!?エンデヴァーの近くにミルコもいたの!?滅茶苦茶耳痛ェし……!エンデヴァーはどこいったよ!?

 

「み、ミルコ!?エンデヴァーは?」

『うるせえ!質問に質問で返してンじゃねえ!』

「そりゃそっちだろうが!?返事を求めたら鼓膜やられると思わんかったわ!!」

『知るか!そもそも自分の正体すらろくに語ってねえ奴を信用出来るかよ!』

 

 いやだからそれを語ってる最中だったんですが!?

 

「じゃあ聞くけど自称平行世界から来た一般ヒーローって言ったら納得すんのかよ!?」

『あ゙!?つくならもっとマシな嘘をつきやがれ!』

「嘘じゃねえから一から説明しようとしてたんだろうが!!?」

 

 クッソ!ミルコの悪い所が出てやがる!?疑わしい奴相手だと基本話聞かなくなるのどうにかしてくれよマジで!!

 

 ……ミルコが喧しいから聞き取りにくいけど、後ろの方でドタバタしてるっぽいな。完全に独断での勝手な行動だろうしそりゃそうか。

 

『てかテメェ、マジで何を見せやがった?エンデヴァーが俯いたまま何も言わなくなったんだが』

「三回見たら死ぬ画像の九十倍ヤベーヤツ」

『一回見たら三十回死ぬじゃねえか。なんてもの見せてやがる』

 

 だってそうとしか言えないんだもの。俺のスマホにある証拠になりそうな写真はこの世界の誰かに見せるとSAN値直葬な代物ばっかりだし。

 今電話口でギャーギャー騒いでるミルコにだってこの【罰ゲームでギャンカワゆるふわ系メイド服を着させられたミルコの写真】を見せたら発狂したもんな。

 

 多分だけどこれで俺の話が真実扱いされるとまではいかずとも、これから先俺の話題が出る度に議論される程度には信頼されるだけの下地が出来た……と思いたい。最終的には一度顔を合わせる必要があるだろうが。

 

 理想としてはヒーローに事情を理解してもらいつつ連合と和解する事だがまず不可能だろう。ギリギリそれが叶いそうなのはトガちゃん一人だけだ。

 聞いた話では転孤と燈矢は……死柄木弔と荼毘はもう戻れない所まで突き進んでしまっている。俺に出来そうな事は精々被害を最小限に抑えるくらいしかない。

 

『……すまん、今戻った』

「ようやくか。目から劇物を摂取したことへの感想はあるか?」

『…………罪悪感で心臓を握り潰しそうになった。例えそれが作り物であったとしても“そうなる可能性があった”事を具体的な形にされると……な』

「悪いな。これが一番手っ取り早いと思ったんだ」

 

 うわぁ声から生気を感じねえ。死にかけのアルコールランプだってもうちょっと勢いがあるぞ。

 

 結論から言うとエンデヴァーは信用……とまではいかなくても平行世界から来た可能性を考慮する程度には分かってくれたらしい。

 かといって今すぐに味方側としてカウントしてくれるわけでもないので期待はしないように、と釘を刺された。まあだろうな。

 

 ホークスについては出来れば目が覚めるまで近くで待機していて欲しいとの事だが、コレが目を覚ましたら俺に攻撃してこない?大丈夫?

 

「あ」

『何だ』

「いや……そういえばあの緑谷は何があったんだ?えらいボロボロのコスチュームで戦ってたし一人で行動してたし……雄英は今どうなってんだよ?」

『…………それはこの場では話せない。機密情報の塊だ』

「お、おう……そうか……」

 

 これもしかしたら一回くらい緑谷と戦う羽目になるかもなあ……。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「……それで、結局その人は何者だったんですか?」

『ひとまず絶対に敵!ってわけではない事しか分かってないかな。エンデヴァーさんから聞いた話が真実なら平行世界の人間って事になるけど……ねえ?』

 

 『信じられると思う?』言葉に出さなかったけれど確かに伝わってくる。僕としても同じ感想になるだろう。

 

 【IXA】というヒーローネームらしきものを残したそうだが、そんなヒーローは僕も知らない。日本がこうなる直前にデビューしたヒーローとかだったらさすがにわかんないけど。

 

 現時点でどうこうする必要はないから対応は後回しにしておいていい、との事。ダツゴクを仕留めてくれてるし脅威度は低いどころか半分味方のようなものとして見てもいいのかもしれない。

 

『問題は複数個性っぽいってところなんだけどね』

「……やはりオール・フォー・ワンの関係者だったりしませんか」

『それはない!ってエンデヴァーさんが力強く断言したよ。俺もだけど』

「そ、そうですか……」

『オール・フォー・ワンの話題を出したら露骨に不機嫌になって『あの腐れ顔金玉め……』とか言ってたし』

 

 どうしよう。罵倒の語彙が完全にかっちゃんのソレなんだけど。ひょっとしてかっちゃんの知り合いだったりしないかな。

 

『んで、その複数個性。多分だけど【ワン・フォー・オール】クラスの超パワーになる個性と、一瞬で数百メートルの距離を食い潰せるワープ系の能力っぽい』

「超パワーとワープ……敵に回って欲しくない個性の組み合わせですね」

『いや本当にねえ……?万全には程遠いとはいえ俺が一方的に負けるとは思わなかったよ』

 

 ほ、ホークスでも負けた……!?

 

 聞けば不意打ちを避けられて逃げようとしたら背後にいたって話らしい。何そのホラーゲームみたいな戦い方。僕だったら絶叫するかも。

 

 ……え。サラッと流しちゃったけどホークスの不意打ちを避けたって言いました?速すぎる男の不意打ちを?

 

『そうなんだよー……完全に認識の外側から攻撃したはずなのに綺麗に回避されちゃってさあ!?マジでどうなってんのって話だよね!』

「……もしかしたらワープに伴って周囲の地形情報を把握出来る能力が備わっている可能性が?」

『あー……?あー……ある、かも?ワープ系個性のヒーローって意外と少ないからその辺よく知らないんだよね』

 

 でも可能性としては十分に有り得る。黒霧のように【ワープゲート】を作るのではなく点と点でのワープならワープ先をしっかり把握しておく必要があるはずだ。そうでなければ個性として不安定過ぎる。

 

 だとしたらダツゴクを仕留めるペースにも納得がいく。逃げようが隠れようがその感知範囲に入った瞬間に超パワーで襲いかかることが出来るのだから、そりゃあネームドヴィランであっても不意打ちで倒せるだろう。

 

『それとは関係ないんだけどさ……一個聞きたいことがあるんだけど、いい?』

「?はい」

『死柄木弔とショッピングモールで会った時さ、フラペ───』

 

 

 音声はそこでプッツリと途切れた。

 

 電波障害?否、連絡用の秘匿回線デバイスそのものをやられた。一瞬前まで耳元にあてがっていたデバイスはダークブルーとピンクの繊維で出来た弾丸によって向かいのビルに縫い止められるように撃ち抜かれていた。

 

『緑色の少年……お前を連れていく(・・・・・)

 

 明らかに突発的な犯行とは違う、確かな意思の乗った宣戦布告。偶然居合わせたヴィランではない。完全に僕を狙っての攻撃。

 

 とうとう現れた。この瞬間が来てしまった。

 

 

 オール・フォー・ワンに繋がるダツゴクが。

 

 

「大人しく従えば手足は残してやる」

 

「レディ……ナガン……!!」

 

 

 

 ところでホークス絶対フラペチーノって言おうとしてたよね???*1

 

 

 

 

*1
(シリアスが死ぬ音)






間飛「オラッ、証拠食らえ」

【平穏な環境で家族や友人と楽しそうに馬鹿なことしてる燈矢の写真】
【罰ゲームで幼稚園児が着てそうなスモックと黄色い帽子の格好をさせられてるミルコの写真】

エンデ「」
ミルコ「わあああ!!?テメェなんてモン持ってやがる!?消せ!消せこの野郎!?」
ジーニスト(すっごい効いてる……!)


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