え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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前話の後書きの強さ比較にいくつかの感想を頂きました。
多分変に数字化したから違和感があるのかもしれません。数字を抜きにして番付けだけにすれば割とそれっぽい仕上がりになっていたのかも?

とりあえず最盛期オールマイトと本編語間飛&緑谷と原作緑谷のパワーバランスだけでも何となく理解していただけると嬉しいです。





これ最盛期オールマイトの扱いで数値バグってる説あります?





小さな波紋

 

 

 緑谷を止めることに成功してからはトントン拍子に話を進められる……とはいかなかった。

 

 雄英高校に避難させられた(・・・・・)人々が緑谷出久を、【ワン・フォー・オール】を受け入れることを拒んでいた。

 

 今まで守られてきただけのクセに、とは誰も口にしなかった。誰もが辛いことをわかっているから?否、それを口にすれば本当に人々はヒーローを見限ると分かっていたから。

 

 それでも【危機感知】が発動してしまうほどの不安や恐怖は緑谷を後退りさせた。やっぱり戻ってくるべきではなかったと、そう思ってしまう程に限界が近かった。

 

 

 でも、それは緑谷とて同じことだ。

 

 

 プレゼントマイクからメガホンを奪い取った麗日が声を上げた。彼は特別な力を持ってこそいるけれど、特別な人なんかじゃないと。

 

 緑谷がどんな気持ちで、何を思ってここを出て行ったと思っているのか。恐怖も緊張も踏み越えて声を張り上げた。

 

 

 そうして今、ようやく緑谷を休ませられると超特急で風呂場へ連行。芸術的な連携で脱衣から洗浄までを一通り終えた緑谷を湯船へと放り込んでいた。

 

 さすがの緑谷も疲れているのか怒涛の展開に着いてこれていないだけなのか、どこかぼんやりとしたまま湯船に身体を預けていたのだが。

 

 ふとある事を思い出した瀬呂が呟いた。

 

「……俺さ、麗日が説得してる時ちょっと安心してたんだわ」

「何でだ?」

「いや……あそこに間飛さんいたら全員シバいて回りそうだなって」

「否定できん。というか確実にやるだろうな」

 

 それはそう。実際あの時の人々は運が良かったと言う他ない。もしあの場に間飛がいればニッコリと笑っていただろう……頭に怒りマークを浮かべて。

 

「あの人怖えーもんな……」

「それな。真顔で淡々と理論詰めして来る時とか死ぬほど怖い」

「……?それ、誰のこと?」

「え?だから間飛って人のことだよ。お前も会ってたんだろ?」

「あの人そんなに怖いかなあ?」

「「お前が知らないだけだろ」」

「二人ともそんな力強く断言しなくても……」

 

 上鳴と峰田のシンクロ率120%な断言にはツッコまざるを得なかったらしい。というかお前ら何したんだ。

 

「考え無しに放電ブッパしたら滅茶苦茶怒られました。ゲンコツ痛かったです」

「考え無しに【もぎもぎ】撒いたら滅茶苦茶怒られた。デコピンクソ痛かったです」

「脳みそ使わねえテメェらが悪いンだろうが。アイツは間違ったこと言ってねェぞ」

「あ、あはは……」

 

 思ったより自業自得だった。そして思ってたよりも爆豪から間飛への評価は高いらしい。

 

 その理由はただ一つ。訓練の容赦のなさだ。

 

 

 間飛は平行世界のクラスメイトから大まかにそれぞれの傾向を把握している。例えば八百万ならばヒントを与えれば勝手に自分で開拓していくし、轟は明確に言語化してやれば感覚を掴むまでの時間が早くなる……等。

 

 その中でも間飛がハッキリと断言できるのが爆豪の【手加減とかいいから全力で潰しに来いや】というスタンス。最早ストイックを通り越してマゾヒストを疑うレベルだ。

 オールマイトや雄英の教職員ならば躊躇う所を平気で殴り抜いてくるという情け容赦ない訓練。しかしそれは裏を返せば最も実戦に近い訓練を積んでいることにもなる。

 

 要は爆豪にとって手加減とは手抜きと同義なのだ。その点において彼は爆豪と全身全霊で向き合っているともとれる。

 

 ……尚、間飛の感想を言葉にするなら『どうせコイツは何度ぶっ飛ばしても勝手に立ち上がってくるしちょっとくらい強めにやってもいけるいける』というものになることは内緒だ。

 

「そういうお前はリカバリーガールに怒られてただろ。もう少し身体を休めろって」

「けっ、そんな暇があるかよ」

「……ンなこと言ってっけどな、爆豪の奴一回間飛さんに無理やり休ませられてんだぜ。膝カックンで負けてた」

「クソ髪余計なこと喋ってんじゃねえ!?」

 

 まあ限度はあるのでそういう時は間飛から強制的に休息を取らされている。多分この先もやらかしそうになったら回避不可能な千年殺しとかが飛んでくるので早いとこ改めた方がいいぞ。

 

 

 

 

 

 

 

「……」

「あれ?青山もう上がるのか?」

「うん。のぼせちゃいそうだからね」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 緑谷出久は再び安らぎを得た。一時的なものでしかなく、またすぐに走り出さなければならないとしても構わない。どうせ彼は自ら走り出さずにはいられないのだから。

 

「まいった、の一言では済まされなくなってきたね」

 

 カビ臭い洞窟の中、漆黒の怪物達を侍らせながら魔王はつまらなそうに吐き捨てる。

 

 思い通りに行くはずだった全てがひっくり返されつつある。

 

 突如現れたIXAという男のせいで脱獄囚は想定よりもずっと早く数を減らしてしまった。虎の子のニアハイエンドも六体のうち二体を切り捨てる羽目になった。

 解放戦線の残党は着実に人数を減らされつつあり、どういうわけかトガヒミコにも離反の気配がある。

 

「……国外へ逃げるべきだったんじゃねえの」

「はは、それは短慮というものだよスピナー君。少なくともこの小さな島国でのかくれんぼには勝てたんだ」

 

 オール・フォー・ワンを睨みつけるのはトカゲのような男、スピナー。異形型の個性に対する差別や偏見の酷さに追いやられ、かつてはただの引きこもりだった男だ。

 

 それがステインのカリスマにあてられ、ステイン逮捕の報道を見てから動き出したミーハーだった自分が、いつの間にやら祭り上げられてヴィラン達の頂点に近しい立ち位置に来てしまった。

 

 こんな事を望んだわけではないとオール・フォー・ワンを責め立てるような視線を向けているものの、それをさして気にもせずオール・フォー・ワンは苛立ち混じりの気色を滲ませている。

 

「【ワン・フォー・オール】を手に入れる事がゴールじゃないんだ。長い人生設計を立てていたんだけどね、今最大の壁にして最大の好機が来ている」

「……壁と好機ってのは具体的に何だ」

「【スターアンドストライプ】……最強の女だ」

 

 ヒーローの本場、自由の国アメリカ。その国のトップに君臨するヒーローこそがスターアンドストライプだ。

 

 本来ならば海外からそう簡単にトップヒーローを派遣してもらえるはずがない。自国の為ならまだしも、他国の為に戦ってその結果トップヒーローを失いました、なんて結果になる事を恐れるのは当然だろう。

 

 おそらく今回の突発的な来日は独断専行によるものと思われる。自由の国に恥じない自由さだ。

 

「不安要素は多いが……ギャンブルだと思えば妥当だろう。彼女の個性を奪れたらあとは消化試合だ……!イレギュラーも【ワン・フォー・オール】も怖いもの無しさ!」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 緑谷出久が雄英に戻ることが叶った頃、オールマイトはダツゴクのうちの一人【ヒーロー殺し】ステインと遭遇し、タルタロスの警備記録を譲渡されていた。

 

 タルタロスは、日本最大の牢獄はシステムを外界からの接触を断つ為にスタンドアローンとなっていた。故にステインが持ち出した記録も本来は誰にも見られないまま瓦礫の山に沈むはずだった。

 

 記録されていたのはシステムダウンの原因。死柄木が使用していた【電波】による攻撃を外と内から立て続けに受けていたらしい。

 

 問題は如何にしてタルタロスの外にいた死柄木弔とオール・フォー・ワンの本体がタイミングを合わせられたのか。

 

 疑問を口にしたのはオールマイトだった。

 

 死柄木弔に【オール・フォー・ワン】が移植されていたとしても、だ。水深500mの檻へと幽閉されていた本体が死柄木弔の中にいるオール・フォー・ワンの意識から具体的な思考を受け取れるのか?

 

 答えは【電波】の個性によるやり取りだった。【電波】に思考を乗せて会話のようなことを可能としていたらしい。

 

 記録に残っていた【電波】の波形から解析されたやり取りの内容。それが───

 

 

『38日で完成させる』……その連絡からすぐに動き出してくれるのは有難いンスけど、スターさんの今後とか大丈夫なんですかね……」

「彼女のそういうところに助けられる身としては何も言えん。余裕があればゴールドラッシュ時代のお宝ヴィンテージデニムについて話したいと思っていた」

「……あの人そういうの頓着しない口じゃないですか?」

 

 残された猶予は三日。躊躇って当然の所を強い意志で押し通してくれたスターアンドストライプには感謝しかない。

 

 万が一の事態も考慮してイレギュラーな彼にも伝えてはいるものの、今日の彼は『試したいことがあるから』と言って雄英の外に出ている。何やらオールマイトと内緒話をしていたようだが……まあ、オールマイトが絡んでいるなら悪事ではないだろう。

 

 やっと見えてきた希望に気が緩みかけたその時、横っ面を殴りつけるような通信が入った。

 

『こちら塚内!エンデヴァー!ホークス!聞こえるか!?』

「っ、何かありました!?」

『今連絡があった!航路上着陸予定地より約50km!!奴だ!』

 

 

 

『死柄木弔が姿を現した!!』

 

 

 






緑谷「怖いというより……」
上鳴「より?」
緑谷「……頼もしい?」
峰田「それはそう」
瀬呂「多分ダツゴク10人くらい余裕だと思う」
上鳴「脳無20体一人で薙ぎ倒してそう」
峰田「ダツゴクに命乞いさせてそう」
緑谷「風評被害が酷い」

※実際はダツゴクを数十人仕留めてるしニアハイエンド二体持っていったしダツゴクが泣いて土下座して来てた。
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