え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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馬鹿みたいなミスをしてしまったので上げ直しです。
本当に申し訳ありません。






クソゲーVSクソゲー

 

 

 

 

 

 

「まさか直接お出迎えが来るとはね……随分と自由な奴だ」

「『星条旗(スターアンドストライプ)』に自由な奴と言われてもな。それに……アンタには相応しい待遇だろう?」

「はっ……で?お前がオール・フォー・ワンってヴィランかい?」

 

 日本から離れた一面の雲の上。海と空に挟まれた世界で二人は対峙していた。

 

 片や科学技術の最先端から生み出された戦闘機の上で睨みつけながら。片や人の道から外れた倫理観から生み出された人造の怪物の上で不敵な笑みを浮かべながら。

 自国の象徴たる星の輝きと紅白のストライプを背負い、あの日憧れた二本の触覚を超える為の八本の触覚。どこで拾ったのかも覚えていないボロ布をマント替わりに纏いながら、魔王の配下に用意させられたキッチリとしたスーツにチープなスニーカーというチグハグな装い。

 

 どこまでも対極的な二人が会ってしまった。

 

 

『違うぜスター!ありゃトムラシガラキだ!EMP攻撃を使用するらしい。一応聞く!迎撃か?回避か?』

 

「勿論。SMASH(ぶっ飛ばす)!!」

 

「さあ始めようぜ。どっちが先に触れられるかだ!アメリカァ!!」

 

 

 先手を取ったのは死柄木弔。幽鬼の如き雰囲気のまま、ゆらりと右腕が動いた。

 

 

 【電波+押し出す+重荷】

 

 

 本来ならば一人につき一つが当たり前の個性。それをたった三つ掛け合わせただけで破壊の奔流が放たれる。

 分厚い雲をも散らしながら放たれた一撃は幸いにも誰一人として被害者を生まなかった。しかしあんなものをポンポンと放たれてしまえば戦闘機の群れであっても苦しいだろう。

 

 戦闘機から飛び跳ねたスターをまた別の戦闘機が受け止める。この兵器ですら勝てないからこそ、彼らはスターの為に全てを賭けるのだ。

 

「手の内が分かっていても、対策しようがないってのが最強なんだぜボーイ!」

 

 意趣返し、そして殺す気の反撃。スターの手が大気を握りしめる。

 

 

 「【大気】これより大気は私の100m先正面の空間には存在出来ない!!」

 

 

 絵空事でも唱えるように出されたオーダー。理不尽にして我儘な注文は、しかして世界を強制させる。

 

 文字通り彼女の正面から100mの空間から【大気】が消え失せたのだ。

 

「っ……!!(酷い個性だ!まるで子供の願いをそのまま形にしてしまうような……っ!!)」

「まァここまで出迎えに来る奴がこれでくたばるワケないか……Bros!!レーザー砲を!」

『FIRE!!』

 

 彼の手が口元に持っていかれた瞬間を狙い、複数のレーザー砲が撃ち抜いた。防御はもちろん回避も間に合わない。土手っ腹に着弾し、そのまま背中からレーザー砲が抜けていくのを確かに視認した。

 

 ファーストヒットを取ってやったと勢いづくパイロット達。しかしスターが彼らの喜びに待ったをかけた。

 

 

 【反射+拡散】

 

 「【レーザー】!!レーザーは掴める!!」

 

 普通ならばまず間違いなく致命傷足りうるダメージ。それを耐えるどころか一秒と経たずに反撃を返してきた。

 対するスターは跳ね返されたレーザーをその手で受け止めるという離れ業を見せる。ニヤリと笑う彼女に死柄木弔の苛立ちは増すばかりだ。

 

(真空状態が解けた……新秩序(ニューオーダー)の制限か)

 

 しかし同時に好機を見出した。何らかの制限に抵触したのか真空状態が解除され、口を押えていた両手が自由を取り戻す。

 

 幾多もの改造手術を経て強化された身体能力と無数の個性の重ねがけによる超スピードでの突貫。風を切って距離を食い潰さんとする死柄木弔に対し、スターは一切の躊躇なく迎え撃つように突貫。思い切り死柄木弔の顔面を殴り飛ばした。

 

「ぐがっ……!?」

「超パワーによる空中機動は望むところだ!!トムラシガラキィ!!」

 

 【新秩序】の数少ない不自由な点の一つ。ルールを新たに設定できる対象は一度に二つまで。

 そのうちの一つは常に自分自身に使用し、オールマイトにこそ及ばなくとも並大抵の増強系には劣らないほどの強化率を誇る。

 

 死柄木弔周辺を真空状態にしていたルールを解除し、跳ね返されたレーザーを掴み取る為にルールを再設定していたのだ。

 そして跳ね返されたレーザーは既に霧散し、今彼女の【新秩序】には空きスロットが一つ生まれている。

 

 戦闘機へと叩きつけられた死柄木弔を押さえつけながら、スターは勝ち誇るように告げた。

 

 

「【トムラシガラキ】はここから少しでも動いたら心臓が止まる」

「っ────」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 蛇腔病院で目覚めたあの日、既に兆候はあった。

 

 今ここにいるのが僕なのか俺なのか分からない。君と僕が、俺とお前の境界が曖昧になっていた。

 

『本来ならば二ヶ月の休養を経て、完全に“僕”となるはずだったが……凄いぞ弔!』

『ぐ、がぁ……!?』

『君の憎しみが!破壊衝動が!!僕やドクターの想定を凌駕し膨れ上がっている!!』

 

 植え付けられた憎しみが、移植された【オール・フォー・ワン】が。徐々に死柄木弔の意思と同化しつつあった。

 

 本来の予定を遥かに上回る速度で進行した計画はオール・フォー・ワンにとって嬉しい誤算だった。

 目的の為には決して避けては通れないファクター。イレギュラーが現れるまでは唯一と言ってもいいほどの不安要素が解決しつつあるのだ。

 

『パーセンテージで言えば97、98と言ったところか……!僕らはもうじき一つになる!』

『あ゙……!?』

『オール・フォー・ワンでも死柄木弔でもない……!融け合って新たな人格となりつつある!』

 

 いやだ。いいんだ。違う。これでいい。

 ぐちゃぐちゃの憎悪と憤怒が絡み合い、喰らい合う。これは僕の俺の僕俺俺僕僕───

 

 

「効いていない……!?トムラシガラキじゃないのか……!?」

 

 

『分かってきたぞ【新秩序】……最強だが、ルールもある』

 

 

 ──今は、どうでもいい。

 

 あの家から始まった、小さな小さな憎しみの積み重ねが身体を突き動かす。

 

 ぐちゃぐちゃになったはずの思考が冴え渡っている。目の前の怪物を見て尚自然と口角が上がっていく。

 

(発動条件は対象に触れて名を呼び、それから好きにルールを設定できる……といったところか)

 

 全てに『恐らく』という言葉がついてまわるが、彼女の個性にもルールが存在している。

 

 【大気】や【レーザー】にすらルールを付与する無法っぷりだが、付与されたルールそのものは大したことはなかった。可能ならば『指定した範囲の空気に触れたら死ぬ』とでも言っていただろう。

 

 では(ぼく)を殺せなかった理由は何か。

 

 生命とそうでないものの差……そこにあるのは『名前を呼ぶ』というプロセスから生じた認識のズレによるバグ。

 

 Ms.スターは(おれ)を【死柄木弔】と認識して触れたものの、今の(ぼく)は自分が死柄木弔なのかオール・フォー・ワンなのかはたまた志村転孤なのか。自分ですら自分の認識が曖昧だ。

 彼女が【死柄木弔】と思って触れた相手が【死柄木弔】でなかったのなら【新秩序】は十全に効果を発揮できるのだろうか?

 

(つまるところ【新秩序】を生命に使う時は互いの認識が合致しなければならない。触れられた瞬間に死ぬ……なんてことはないわけだ)

 

 本体も口にしていたことだが、これはギャンブルだ。勝ちの目があるならば多少のリスクなど踏み越えて行ける。ましてや理不尽なクソゲーに抜け穴を見出したのであれば尚更退く理由はない。

 

『っと……危ねェ』

 

 思考に集中し過ぎた。足場にしていた戦闘機が振り落とそうとしてきやがる……っ!!?

 

 

「【大気】は私の1000倍の大きさで固まる!!」

 

 

 何も見えない。居ないはずの空間に確かな気配を感じる!何か異様なものが──

 

 

 

SMASH!!!

 

 

 

 やっ……べぇ……!!?流石に死ぬか……!?

 

 ああ、いつもそうだ!(おれ)の道に立ちはだかる奴らはいつだって真正面からパワーだけで何もかもをぶっ壊しに来やがるんだ!

 

 単なるパワーだけならオールマイトどころか脳無並み。それにサイズが伴ったせいで破壊力が増していやがる……っ!

 

 

「【レーザー】は一本に固まる!」

 

『反則だろ、もう』

 

 

 明らかに物理法則を超越している。光を束ねて撃ち出すだけならまだしも、それを束ねて槍のようにして操るなんざどうしたら可能なんだ。

 

 (ぼく)がノックバックから抜け出すよりも早く、極光が振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 音が消えた。

 

 束ねたレーザーによる神の雷霆の名を冠した一撃をも前座とした大陸間巡航ミサイル【ティアマト】による極大の破壊力が叩きつけられた。

 

 その場の誰もが勝利の二文字を頭に過ぎらせた瞬間、スターだけがその一点を見つめていた。

 

 

「──Shit(クソが)

 

 

 この戦いに置ける二人の差を挙げるとなればいくらでも挙げられるが、その内の一つである『味方』は特に大きい差があった。

 

 片や飛行機代わりのニアハイエンド脳無一体。片や国からの戦闘機やミサイルによる支援。むしろ戦闘として成立している方がおかしな話だ。

 事実、死柄木弔がほぼ一方的に殴られるばかりでありスター達には被害と呼べるだけの被害はない。戦いが続いているのは彼が死んでいないから以上の理由はない。

 

 真空状態の空間に放り込んでもレーザー砲で撃ち抜いても、束ねたレーザー砲で焼き尽くそうとも巡航ミサイルを十発叩き込んでも。それでも死柄木弔は死ななかった。

 

 海底にすら到達するほどの破壊力をもって尚、死柄木弔を殺しきれなかった。

 

『賭けは(ぼく)の勝ちだアメリカ!!』

「【新秩序】は───!」

 

 全てを殺す五本の指が、全てを奪う手のひらがスターアンドストライプに到達───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「間に合ったァ!!!」

 

 

 

 





死柄木弔…触れられたら即死&個性奪われる
スター…触れられたらヤバい&攻撃の規模が兵器

AFO「なんやこのクソゲー!!」
スター「なんやこのクソゲー!!」

間飛「せやな」







ここからは蛇足な言い訳と謝罪文になります。

私は他の場所で執筆して書き終えたらコピーペーストして投稿する、という形を取っていたのですが一部をコピーし損ねていました。
既に読了された方々にも気づいていただけるよう、一度削除してから再度投稿しております。

読者の皆様にご不便をおかけし、本当に申し訳ございませんでした。


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