え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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お久〜(死ぬほど気楽な挨拶)
長いこと空けてすいませんでした(流れるような土下座)

ぶっちゃけこの先の展開に悩みまくっての難産なので許して……最近はR18版の更新頑張ったから許して……。







なんてことしてくれやがるクソ野郎

 

 

 

 リ・デストロ様が率いておられた異能解放軍。誰もが異能を自由に振るう弱肉強食の世界を望み、いつか来る戦いの日に備えて誰もが異能を鍛えていた。

 

 その中でも僕は飛び抜けていた。自惚れや驕りではなく、当然の事実として。

 

 氷叢の血は濃い。そして氷叢は名前に引っ張られでもしたのか『氷』の異能を発現し、僕も例に漏れず氷の……【氷を操る異能】を持って生まれた。

 ただでさえ強力な『氷叢』の氷。それを鍛え研ぎ澄ませたのだからリ・デストロ様以外の誰にも負けないと思っていた。

 

 

「こ、のっ……!」

「…………?」

「クソ……!何なんだアイツの異能は!?」

 

 氷の刃も棘も拳も塊も。全てが届かない。最初の一回を除いて掠りもしない。

 

 まるで相手にされていない。僕の攻撃を迎撃したり回避したりはするけれど、それ以上の事は……僕への攻撃は何もしてこない。どうでもいいとでも言わんばかりに目を向けたりもしない。

 

 苛立ちのままに氷の塊を操り、アイツに向かって思い切り投げつける。僕──ではなく氷塊を一瞥すると裏拳一発でバラバラにされた。ギガントマキアとの戦いのついでのように、片手間で対処される。

 

「死なねェ程度の加減が難しいな……向こうだとオール・フォー・ワンが入ってたから強度が分からん」

「ぐ……!」

「余計なことしねェだけまだマシだけど……なっ!!」

「ゲボォッ!?」

 

 そうこうしているうちにまた(・・)ギガントマキアが殴り倒される。奴の打たれ強さがなければ既に気を失っていてもおかしくない轟音と様相にゾッとする。

 

 僕だってリ・デストロ様の為なら戦えるし倒れても立ち上がるけれど、アレは無理だ。まるで次元が違う。それこそオールマイトを想起するような破壊力がある。

 それでも立ち上がれるマキアを賞賛すべきなんだろうが、一周回って不気味にすら感じてしまう。

 

 

 しかし一つ疑問も感じる。

 

 あれだけのパワーとワープ能力を併用出来るのならば、僕やギガントマキアの死角に転移して一撃で僕達を殺……さなくても無力化くらいは出来るはずだ。

 ソレがしてない(・・・・)だけなのか出来ない(・・・・)のかで話は変わってくる。前者ならともかく、後者なら付け入る隙がある。

 

 ……あるかなぁ、コレ。

 僕の氷どころかギガントマキアを殴り飛ばすような奴を相手にしてどうにか出来るだろうか。もし僕が氷じゃなく、鋼とかもっと硬い物を操れたとしても勝ち目がない気がするんだけど。

 

「……?ギガントマキアッ!!?」

「やっとダウンか……キッツい」

「……ぅ」

 

 しまった。思考に容量を割き過ぎた。

 死んではいない……ならば数時間後に立ち上がる事が出来るだろうが、その頃には全てが終わってしまう。もう奴に出来ることは何も無い。

 

 そうなると奴を止める役割が全て僕にのしかかる。キツイなんてものじゃない。正直奴を止めたからといってリ・デストロ様を助けられる保証もない今、逃げ出したくて仕方ない。

 じゃあ何故逃げないのかというと……そもそも逃げようが無い。奴の身体能力とワープは僕の異能では振り切る事が出来ない。

 

 氷を腕に纏わせ、巨大な篭手のようにして殴りかかる。勿論当たらない。下から氷を隆起させて刺し貫く。当然避けられる。薄皮一枚を裂くことさえなく、ほんの数ミリ違う場所を氷が通り過ぎる。

 

 ギリギリで回避してるんだから向こうも余裕が無い?違う。アレは必要最小限の動作で回避しているんだ。僕が何をどうやって使ってくるのか、どこからどんな風に攻撃して来るのかを完全に把握されてしまっている。

 

(こんな奴をどう止めろと……!?)

「……そろそろ諦めてくれねえかな。これ以上は不毛だろ」

「っ……うるさい!!」

 

 その目をやめろ。憐れむな。僕は負け犬なんかじゃない。

 

 小さな氷の刃で渦を生み出し、全力で叩きつける。ビルすら削り取ってしまう程の破壊力だ。これなら───!

 

 

 

「──ごめんな」

 

 

 返答は一発の手刀だった。

 

 それっきり僕の意識は暗闇に落ちていった。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 ……オール・フォー・ワンが消えた後で良かった。こんな状態の俺を見れば嬉々として嘲笑いに来るだろうから。

 

 ミズーリ・スマッシュ。オールマイト流の峰打ち的な一撃。教えて貰っててよかった。多分、本気で殴ってたらコイツを殺してた。

 

「……流石にクるものがあるよ。本っ当に」

 

 意識を失って自立出来なくなった零……じゃねえな。外典?を見てみる。目を閉じてグッタリとしているが、目つきというか顔つきが全く違っているのが分かる。

 

 育った環境や人との出会いが違うのだから当然だが、俺の知る『氷叢零治』とはまるで別人だ。この外典は冷たく刺々しい印象しかない。

 

 

 ギガントマキアは立ち上がれない。外典もしばらくは目覚めない。

 

 本当ならこのまま緑谷の所に駆けつけてやるべきなんだろうが……もう、疲れた。

 実際オール・フォー・ワンとの戦闘中は常に感知能力をフルで使い続けていたし、若返りが加速する度に焦りも強くなっていた。

 

 そこに外典だ。ぶっちゃけもう休みたい。寝て起きたら元の世界に戻ってたりしねえかな。

 

「さみしー……」

 

 A組はマンガもアニメも知らねえし敬語を使うし、先生達もヒーロー達もどこか疑心が晴れていないのか時折刺すような視線を感じた。

 トガちゃんには殺されそうになるし荼毘は燃え尽きるつもりだし、転孤はもう止まれない。零に至っては人格ごと別物過ぎて笑いすら込み上げてくる。

 

 平行世界に来てもうどれだけの時間が経過したのか。オール・フォー・ワンを消しても戻れないあたり原因はアイツじゃなかったっぽいし。

 

 あ、ヤバ。泣きそう。普通に悲しくなってきた。

 

 ……思ったより精神的な負荷が凄い。明も人使も唯もレイ子もいなけりゃ、ステラもトガちも零もいない。それがこんなに辛いとは思わなかった。

 

 今から走ればまだ間に合うんだろうけど、ちょっと立ち上がるのに時間がかかる。頑張る理由が消えかかってるせいでどうにも身体の動きが鈍い。

 

 

 ──お前の物語じゃない。

 

 

 ……またうるさくなってきた。オール・フォー・ワンとの戦闘中は聞こえなかったくせに、外典とマキアの相手し出したら騒ぎやがって。

 

 やっぱ納得したフリじゃダメか?無理やり飲み込もうとしたんじゃ意味がなかったのか?

 

 

 ──お前が戦う必要は無い。

 

 

 ……ん?何か違う言葉が聞こえ、た?

 こういう自責思考から来る幻聴って繰り返し同じことしか言わねェもんだと思ったんだが。

 

 それともあれだろうか。変化をつけてジワジワ殺そうとしてんのか。

 

 

 ──いや違ェよ!?

 

「冗談だよ、じょうだ───はあっ!?!!?」

 

 ──あれ?聞こえた?デジマ!?

 

 

 キェアアアェェェェアアアシャァベッタァァァァァァァ!!?

 

 

「おっ、お前!?幻聴じゃねえの!?」

 

 ──似たようなもんだけど違いマス。

 

「しかも聞こえとんのかい!?」

 

 

 えー……?幻聴じゃないならなによ?マンガで言うならキャラクターの心理描写だと思ってたモノローグが声掛けてきたようなもんだぞテメェ。一体どこの誰だよ。

 

 つか声がくたびれたオッサンなせいでホラーにもならねえし。こういうのってのじゃロリキツネっ子か歴戦の兵士的なイケおじじゃねえの?普通。

 

 ──悪かったなオッサンで。

 

「いやそれは別に……てか、マジでナニモン?個性か何かで語りかけてんの?」

 

 ──個性……と言えば、個性?かも?

 

「そこ曖昧なのかよ」

 

 えーっと、この幻聴(仮)曰く、だ。

 個性が有用だったせいでオール・フォー・ワンに狙われていたらしく、神野区の闘いでオール・フォー・ワンが捕まってホッとしていたチンピラらしい。

 

 それが先の決戦でオール・フォー・ワンが解き放たれ、無数の個性とダツゴク達のせいでとうとう捕まってしまった……と。

 

 問題はここから。

 

 ──何かしら一矢報いてやろうと思ってな?個性を使ってヤバそうな奴を【アポート】してやろうと思ってたんだわ。エンデヴァーとか。

 

「……それだとエンデヴァー死なねえかと思ったけどそこはスルーしてやる。それで?」

 

 ──個性って凄いね。死ぬ気で使ったら平行世界を捕捉できるんだね。

 

「もしやとは思ってたけどやっぱテメェかァ!!」

 

 話の流れで何となく察してたわ畜生。この幻聴野郎、個性で平行世界から俺を引き込みやがったって事かよ。

 

 ──結局失敗したのか、そこには誰も来なかったけど。

 

「いや、ここに立派な被害者がおりますが」

 

 ──違う違う。それもだけど、お前をコッチに持ってきたのはいいけど俺の方が引っ張られたって話よ。

 

「そんなことある?」

 

 コイツの個性の正体が分からないから何とも言えんが、要は俺を引っ張るパワーは平行世界を跨いだ時点で全部使い切った。で、代わりに個性の持ち主の方を引っ張らせて【アポート】を実現させようとした、と。

 

 そのせいか肉体は死んだはずなのに個性因子だけが数キロの距離をカッ飛んで俺に着地。文字通り生命を捨てて敢行された【アポート】は見事に俺とコイツを引き合わせ……?

 

「じゃあお前ずっと俺の中に居たの?」

 

 ──居るだけですけどね。こうやって語りかけるのがやっと。

 

「妙な疲労の原因テメェかよ……っ!?」

 

 ──フヒヒ、サーセン。

 

 殺してやりてえ。もう死んでるけど。

 

 そりゃ疲れるわ。精神的に参るわ。ただでさえ【フィジカルギフト】と【瞬間移動】でいっぱいいっぱいなのに、そこに見知らぬ他人の個性因子背負ってりゃ弱りもするよ。

 むしろ何でそれで済んでるんだよ。俺の家系さかのぼればワープ系の血筋とかあるのかもしれんが、個性実質三つは死ねるのよ普通は。

 

 ──まあ一つずつ教えてやるから落ち着け。どうせ動き出せばすぐに着くだろ?

 

「緑谷が死んでなきゃいいんだが……」

 

 ──大丈夫。アレは死なねえよ。

 

 

 うるせえ無責任幻聴野郎。寺生まれのTさん呼んでくるぞこの野郎。

 

 

 






外典「僕の出番これで終わり?」
作者「一応まだあるよ。多分」
外典「信じていいやつ?」
作者「数日後の私を信じろ」
外典(ダメかもしれない)

作者「あ、マキアは終わりね」
マキア「」

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