え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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少々遅れました。申し訳ありません。

この番外編3話で終わりそうになくて頭抱えてますが、最悪話数増えるだけなのでセーフ!……ってことにしておいて下さい。






パラドックス・2

 

 

 

 いつ魔王が動き出すかも分からず逼迫している現在、あまりにもイレギュラーな訪問者の為にA組を中心に雄英高校の主力が集められていた。

 その中にはエンデヴァーやオールマイトなどのプロヒーローも含まれており、その眼光は射殺さんばかりに鋭いものになっている。

 

 彼らの視線の先にいるのは三人。超常解放戦線の幹部と同じ姿の渡我被身子、同じく幹部と同じ姿の氷叢零治……そして見覚えのない筋肉モリモリマッチョマン。一人だけ濃いな。

 

 怪しさの塊でしかない三人に対し、半ば尋問のような質問責めが行われていたのだが……。

 

「いやだから……こっちの世界じゃまだオール・フォー・ワンはタルタロスでオギャッてるんだって」

「理解できん、いや理解したくないんだが」

「ンな事言われましても。オールマイトがぶちのめした後に面会したらオギャッたとしか聞いてないし」

 

 一つ情報が出る度に『ちょっと待てい!』と癖が強めのストップがかけられて中々話が進んでいなかった。

 

 まず最初に間飛が自分の個性について説明し、個性二つ持ちダヨーの所でストップ。やっぱりテメェオール・フォー・ワンの手先だろと疑惑が出てきたけれど、あまりにも特殊過ぎる個性に困惑の方が強かった。

 説明を聞いていくうちに『それもうワン・フォー・オールでは?』という感想に行き着いた何人かの生徒を責めることはできないだろう。

 

「実は継承者ってことを隠してるとかじゃなくて?」

「ちゃんと無関係だぞ九代目」

「くぁw背drftgyふじこlp;@:「」」

「緑谷がバグった!?」

 

 

 二つ目に話したのは時期の違い。間飛達が雄英文化祭が終わって間もない頃なのに対し、こちらの世界では本当ならば既にA組全員が二年生になっている時期だ。三年生に至っては卒業してヒーローデビューしていてもおかしくない。

 

 これはワールドシフターというアイテムの不具合である以上、間飛達にも何が原因なのか分からない。

 

「……文化祭楽しかったなあ」

「またやりたかったけど、難しそうだもんね」

「やめて?重たいんですが」

「まあまあ、気持ちは分かりますし」

 

 

 そして今話していた三つ目に魔王について……オール・フォー・ワンについての違いを確認した。

 合宿辺りから関わり出したのは同じだったが、何やらとんでもない人違いがあったとかで間飛によってボコボコにされていたりする。

 

 タルタロスにぶち込まれたのは同じでも、その中での末路があまりにも違い過ぎる。

 

「精神崩壊からの幼児退行……何をどうしたらそんな事になるんだ」

「お前が言ったような死柄木弔の裏切りで傷つくような奴でもないだろうに、何か知らないのか?」

「俺はオギャッたと聞かされただけなんで」

「まずオギャッたっていうのやめない?」

 

 宿敵の哀れな末路はオールマイト的にも同情してしまうらしい。そりゃそうか。

 

 

 

 オール・フォー・ワンの末路の違いについて語っていた間飛だったが、溢れる情報の波を処理しきったのか或いは放棄したのか。完結しない情報にお目目グルグルな人々の中からイレイザーが手を挙げて質問した。

 

「そもそもの話、こっちの世界だとお前が存在していないんだが……お前一人の存在でそんなに結果が変わるのか?」

「さあ?俺がいなかったらどうなってた、って話を俺にされても分かりませんし」

「でもよイレイザー。この男がいるだけで渡我被身子と外典……氷叢零治が味方についたって思えば無くは無いだろ」

 

 イレイザーの疑問。それは間飛一人いるだけでそこまで変化が起きるものかというもの。死柄木弔を筆頭にヴィラン連合がオール・フォー・ワンを裏切って、そもそもヴィランにすらなっていない者すらいる。これがたった一人の存在の有無で変わるのか。

 

 しかしそれを聞かれたとて間飛が答えられるわけでもない。そりゃ『お前がいたからってそんなに変わるもんなん?』と聞かれても知らんがなとしか言えないだろう。

 

 そこで間飛がやってきた事を一つずつ尋ねる事にした。彼にとって何かしらの変化の原因ではないかと思った事から洗い出そうという話に。

 

「ええ……じゃあここにいる二人と関わった時の話でいいです?」

「……そういえば僕達はこっちだとヴィランらしいしね」

「私に至っては幹部でしたっけ?一体何が……いや、一つ心当たりありますね」

 

 まずはトガから。

 間飛とトガが関わりを持ったのは中学生の頃。ざっくりまとめるとトガに『血を吸わせて!』と頼まれて二つ返事で了承し、ちょっとパーフェクトコミュニケーションをとっただけである。

 

 その後は高校に入るタイミングで両親と縁を切って公安に所属。間飛という理解者を得られた事を切っ掛けにヴィラン堕ちのルートが消えたのだ。

 

「こっちの私は……多分理解者がいなくて吐き出す先がなかったんでしょうねえ……」

「……ヴィランにはよくある話だ。苦しみの理解者や共感してくれる人間がいなくて追い詰められていた、というのはな」

「それがたまたま俺だったって事っスね」

 

 渡我被身子という人間が救われた話はプロヒーローにとって、そしてこちらの世界の麗日にとって耳が痛い話だった。

 どんなヴィランにもヴィランに堕ちた理由がある。それが単なる欲望だったり自己中心的な考えだったりする事もあるけれど、彼女のように個性そのものや個性の影響によって社会から弾かれたという者も多いのだ。

 

 間飛という少年はヒーローや社会が取りこぼし掛けた少女を救っていた。それは事実だ。

 

「んで零は……昔っからの知り合いだから今更どれがとか分からんな」

「幼稚園ぐらいの頃からの話だしね。というかこっちの僕は何がどうしたらヴィランになるんだ……?」

「異能解放軍のリーダーに養子同然に育てられたらしいぞ?」

「ええ……」

 

 一方で氷叢に対して間飛が何をしたかと言われても特筆すべきことは何もない。ただただ年齢差のある幼馴染として仲良く過ごしてきただけなので当然だろう。

 

 こちらの世界では異能解放という要は『個性を自由に使わせろ!』という思想の団体のリーダーに育てられた結果らしいが、氷叢からすればどうしてそうなるとしか言えない。

 家族はどうした、というか何処で何をしていればそんなのと接触するんだとか、色々と言いたいことしかない。

 

「後はさっきも話した俺の個性をオール・フォー・ワンが【ワン・フォー・オール】と勘違いしてたくらいかな?」

「待て。レディ・ナガンが投獄されていなかったのはお前が理由じゃないのか?」

「それがいつの話か知りませんが、うちの父ちゃんによく愚痴吐いてたとは聞いてます」

「……これ父親も何かやらかしてそうだな」*1

 

 それ以外にも細々とした変化が多すぎる。一旦情報を持ち帰って話し合いたいからとオールマイトを筆頭に大人達は戻って行った。

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 質問責めが終わったことでとりあえずヴィランではなさそうという判定を貰った三人。やることもないのでこちらの世界のA組とコミュニケーションを取る事にしたらしい。

 

「そっちの世界だと俺ら何か変わってる所あるのか?」

「見た目の変化は特にねェな……あ、俺が布教したマンガを読むようにはなったかも」

「マンガ?どんなの?」

「一昔前のやつ」

 

 瀬呂や峰田といった初対面にも臆すること無く話しかけられるコミュ強な男子が最初に声をかけており、並行世界の自分について尋ねている。

 話しているうちに悪い奴ではないかも?から徐々にコイツ面白い奴だ!に印象が変わっていき、話しかける人数も増えていく。

 

 男子の大半が間飛の方に話に行く中、トガはというと。

 

「…………」

「…………」

「あ、あの?さっきから無言で抱きしめてくるのはなんなんです!?私何かしましたか!?」

 

 麗日と梅雨ちゃんに無言で抱きしめられ、動けなくなっていた。あら可愛い。

 

 心当たりのない力強い抱擁には戸惑いしかなく、行き場のない手や感情がオロオロと彷徨ってしまう。その間も二人は特に何を言うでもなく離してくれそうにもない。

 

 頼むから何か説明をしてくれ!と切実な思いを何とか伝えようとしていると、ようやく麗日が口を開いた。

 

「……私、こっちの世界のあなたを拒絶しちゃったの」

「はい?」

「あなたがこうしたい、こうありたいって話してくれたのに……私は理解しようともせずにそれはダメな事だって、切り捨てちゃったんだ……」

「……ヴィラン堕ちした私に何を言われたんです?」

 

 沢山我慢して、それでも我慢出来なかったと語る渡我被身子を麗日お茶子は受け入れなかった。

 好きなように生きて他人を傷つけるのなら、その責任は取らなければならないという当たり前の話。しかし彼女は責任の取り方どころかひたすらに抑圧を繰り返されただけだった。

 

 今こうして目の前で幸せそうに生きているであろう少女を見て後悔したのだ。私は何故彼女を受け入れようとしなかったのか、努力しなかったのか、と。

 

「あなたとの対話を放棄して……一方的に悪いと決めつけちゃった……!」

「……」

「……分かってる。あなたには無関係な事だって」

 

 それでもこうしたかった、と麗日は涙を流しながら語った。それは梅雨ちゃんも同じ。

 

 何も事情を知らぬまま戦い、傷つけ、拒んだ。和解の道があったと知った今だからこその後悔だろう。

 

「……同じ名前で同じ見た目をしただけの無関係な私ですが、あなた達は間違ってなかったと思いますよ」

「……」

「どんな理由であれヴィランはヴィランですし、ヒーローはヒーローです。そこに感情論を持ち出して『こうしてあげればよかった』と語っても被害者は存在しているのですから」

「だけど……!」

「だからこそ、ヴィランに対してそう思ったのなら……同じようなヴィランが生まれないようにしてあげて欲しいのです」

 

 トガは自分がヴィランになったなら、衝動のままに何人もの人々を傷つけていただろうと想像していた。そしてこの世界ではそれが現実となってしまっている。

 

 麗日達がヴィランになった自分への対応を後悔しているというのなら、ヴィラン以外の道へと進めるようにしてあげて欲しいと。

 取り返しがつかなくなる(ヴィランに堕ちる)前にそうしてあげてくれと、トガは言った。

 

「……にしてもアレですね。こっちの私はどうもメンヘラっぽいというか」

「身も蓋もないやん!?」

 

 それはそれとしてこっちの私はどうなっとんだ。トガの感想はその一言に尽きるようだ。

 

 

 

 

*1
大正解






【AFOオギャバブRTA】

1.オリ主の父親にレディ・ナガンを救わせます
2.オリ主に幼稚園で外典くんちゃんさんと仲良くさせます
3.中学でトガちゃんを受け入れます
4.【フィジカルギフト】を継承します
5.死柄木弔と仲良くなります
6.AFOを倒します
7.オールマイトにAFOへ個性を伝えてもらいます
8.エンディング

ね?簡単でしょ?

緑谷「そうは」
相澤「ならんやろ」
間飛「なっとるやろがい」

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