この原作in間飛の番外編だけ独立させて章分けした方がいいですかね?番外編どころかアナザールートになりつつあるんですが……。
並行世界では未来にあたる現在だが、
今だって内通者バレした青山に頼んでオール・フォー・ワンを罠に嵌めることができないかと会議の真っ最中である。
来た当初こそ疑わしくて仕方ない並行世界の人間達も、ヴィランではないと分かった時点で大人しくしていてくれればなんでもいいや……程度の扱いに治まっている。
一方、その並行世界から来た客人達の実力を知ったA組やプロヒーローは組手の相手としてこれ以上なくうってつけな人材じゃないかと鍛錬を始めていた。
「んー……控えめに言って大雑把過ぎて草も生えねえ」
「つ、強過ぎない……!?」
「すげえな。緑谷を一方的にボコっちまった」
「パワーは緑谷と同じくらい、個性の数は緑谷が上なのになあ……」
真っ先に挑んだのは緑谷。彼の知る緑谷とは違ってほぼ全力を引き出された【ワン・フォー・オール】は間飛の【フィジカルギフト】と同等……或いは上廻るパワーを発揮していた。
だというのに立っているのは間飛であり、一方的に負けた緑谷が転がされている。
間飛の知らない【黒鞭】や【煙幕】を使った上での完全敗北。ちょっと最終決戦前に心を折るような差を見せるのはやめてあげて欲しい。
「お前なあ……全体的にパワーを出し惜しみ過ぎなんだよ」
「そ、そうかなあ……?結構バカスカ撃ってるつもりなんだけど」
「いや全然。切り札温存してそのまま負けるパターンのテンプレやんけ」
「わあボロクソ評価」
間飛曰くこちらの緑谷は並行世界の彼よりもずっと個性を『必殺技と思い込んでいる』節があるとの事。
「大体何で【フルカウル】の最大値スマッシュで使い方を固定してんだよ」
「えっ、ダメなの?」
「それ自体は別にいいんだが、巻き込みとか考慮して躊躇うくらいなら抑え気味に使えよ。あと基本的に全部大振りのスマッシュばっかりで隙だらけだぞ」
「うう……」
「他の個性と併用してても使い方が大体スマッシュを打ち込む補助でしかないのが勿体ねえ。その気になれば【黒鞭】だけでも勝てるだろうに……」
想像の数倍ボロカスな評価に凹んでいたが、いざ彼なりの使い方を提案されると目からウロコが落ちた気がした。戦ってきた相手が【ワン・フォー・オール】のパワーじゃないと倒せなかったと言われたらそれまでなんだけども。
並行世界ではまだ覚醒していない【ワン・フォー・オール】に眠っていた歴代継承者の個性。この世界の緑谷はそれら全てを【ワン・フォー・オール】で一撃を入れる為の補助や牽制にしか使っていないのだ。
間飛からすればそのような使い方は勿体ないとしか言えず、なんなら【黒鞭】単体でも滅茶苦茶強いとすら思っている。
間飛から見て緑谷に足りないのは“狡猾さ”だ。
パワーにかまけてかオールマイトへの憧れからか正面突破な攻撃を選びがちで、フェイントや牽制といった駆け引きや揺さぶりが拙い。
「頭に『俺なら』ってつくが、足払いとか目潰しとか挟む。それこそ弱めの【フルカウル】でも事足りる搦手だろ?」
「確かに……今まで僕は『どうやって近づくか』か『どうやって叩くか』ばかり考えて小技を疎かにしてたな。今の僕の手札として【煙幕】と【黒鞭】が一番向いてるはずだからそれなら【フルカウル】と組み合わせて……」
「ブツブツは変わらんのかい」
自分と同じ分析を好む理論派。ここぞとばかりに緑谷はいつものようにブツブツと分析の世界にのめり込み、間飛から与えられたインスピレーションを少しずつ理論として組み立て出した。
これで緑谷との組手は終わりとして……と次の相手を探していると、次に来たのは爆発さん太郎もとい爆豪。緑谷が挑んだのなら彼が挑まないはずがない。
「次は俺だ。出久があのザマなら俺が勝てば俺の方が強え事になンだろ」
「うっはー、変わんねェ。マジでこっちの爆発さん太郎と同じじゃん」
◇
「……どう?何か分かった?」
「んん……難しい、というかそちらの私は随分とベストを尽くしたみたいですね」
間飛がこちらのA組と鍛錬に励んでいる頃、氷叢は雄英のサポート科……現状最も重要ともされる工房に足を運んでいた。
彼が会いに来たのは発目明。彼らをこの世界へと転移させてしまったサポートアイテムを見せることで何かしら帰還する為のヒントが貰えないだろうかと思っての事だった。
間飛もトガも言及しなかったけれど、確実に元の世界に戻る手段がある訳では無い。念の為にと取り付けられた強制帰還のセーフティ装置が働くかも怪しい。
(間飛が信頼している)彼女が作った物だから大丈夫だろうとは思っているけれど、それでも帰還できるという確証が欲しいのは変わらない。
「私一人だと手に負えませんね。助手さんを呼んでいただけますか?」
「助手?」
「ええ。あなた達と同じタイミングで雄英に来られた避難者の中に技術者がおられまして。私よりも機械に詳しい方でしたので手伝っていただいているんです」
助手さーん!と大声でその助手とやらを呼びつける発目。まあ世界は広いしそんな人が避難者の中にいてもおかしくはないか……と思っていた。
が、その顔を見て氷叢はひっくり返った。
「うーっす。どした?」
「そちらの方が見て欲しいと持ってこられたアイテムなんですが、どうも私の知識だけでは仮説ばかり立って何も分からなくてですね……」
「んー?これって……ああ、君かぁ!」
「待て待て待って!?何で
「お久ー
顔見知りなんてものではない。見覚えしかないし何より昔から関わりがある人物だ、見間違えるはずもない。
同じ世界にいるはずの間飛移の父親、間飛猛勇がそこに立っていた。
「いやあ発目ちゃん……あ、こっちのじゃなくて向こうのね?から個性対象拡張についての解決方法を聞かれたから手伝ってあげてたのよ」
「は、はあ……道理で見覚えのあるカラーリングだと」
「そりゃ君と移用に作ったやつは全部その色にしてるからネ!……で、うちに置いていったプロトタイプのプロトタイプを試しに装着してたら巻き込まれちゃったみたいでさあ」
「つまり、完全にたまたまタイミングが噛み合って転移に巻き込まれたと?」
「そゆこと!」
この瞬間氷叢はあらゆる不安を捨てた。だってこの人がいたら技術面は大抵どうとでもなるし。
実は彼のコスチュームやそれに付随するアイテムは全て間飛パパお手製だったりする。結構無茶な要望を詰め込んだと思っていたのだが、何から何まで要望通りを通り越して『オマケで付けといた☆』が痒いところに手が届く仕様になっていた。
結果、彼がコスチュームを着ている時は【氷操】のデメリットである氷を無から生み出せないという点が解消され、両手足どころか身体のどこからでもいきなり氷塊を生み出せるという最早別物の個性にすら見えるレベルだ。
「おや?お知り合いでした?」
「イエース!オレちゃんも並行世界から来てたからネ!ワシ様の息子ちゃんのご友人様よ!」
「貴方も並行世界の方でしたか!」
「言ってなかったンかいッ!!」
「言う必要もないし、いっかなー!って」
「もしもし相澤先生?」
「待って待って。マジで怒られるからやめて」
「で、何だっけ?確実に帰還できるか分からなくて不安だー、って?」
「まあ、はい」
「結論から言うと“いつでも好きな時に帰れる”よ!」
「え……そうなんですか?」
「うん。移が帰ろうとしたら一緒に帰れるようになってる。これは間違いないから安心してくれていいよ」
そもそも転移事故の原因はサポートアイテムの不備だが、転移という現象の大元は間飛の持つ【瞬間移動】だ。彼が再び【瞬間移動】で並行世界へ戻ろうとすれば問題なく帰還できる。
それ故に間飛パパはさほど慌てもせずに助手としてここで働いており、少しでも多くのことを残そうとしていた。
しかし間飛パパがここまでする理由はないのでは?と普通なら思うだろう。知り合いでなければ氷叢とて同じ感想を抱いていた。
彼が発目に、この世界のヒーローに手を貸す理由はただ一つ。
「オール・フォー・ワンとかいうクソ野郎に腹が立ってないわけじゃないんだよね」
「……!」
「日本をこんな感じにしやがってさあ、いくらちゃらんぽらんの余とてちょーっとイラッとするわな」
「オジサン……」
「だからさあ……」
「オール・フォー・ワンとやらに死ぬほど嫌がらせしてやろうと思って!」
「知ってた」
……彼の子供が間飛移であることを忘れてはいけない。間飛猛勇とて性根はニチャニチャ笑うタイプの陰キャなのだから。
「見て見て!これ個性消失弾作っちゃった!」
「おお!素晴らしいですね!」
「あと携行型超電磁砲とブラ○クバレルとスケールダウンさせた自動操縦のアー○ード・コアも……」
「メカニック版のオール・フォー・ワンだろこれもう」
・個性消失弾
なんもかんも手がかりを残した死穢八斎會が悪い。この馬鹿に技術の塊を見せたらすぐにパクられるので諦めよう。……何か弾数増えてないか?
・携行型超電磁砲
例のアニメを参考に作り上げた化け物兵器。12時間の充電で最大10発、6発まで連続で撃てる。サイズと重さはミニガンよりちょっとデカイ程度。
・ブラ○クバレル
例のゲームを参考に作り上げた化け物兵器。とある個性因子を利用して弾丸を撃ち込んだ点を中心に空間ごと削り取ってしまう。さすがに残り寿命全殺しは再現できなかった。
・縮小版アー○ード・コア
例のゲームを参考に作り上げた化け物兵器。搭載したAIの自動操縦でしか動かせないが、ぶっちゃけゲーム本編レベルの動きが出来るので普通にヤベー代物。全てを燃やせ。