他作品のネタを使った部分に対して、感想欄で沢山のご指摘を頂きました。
『レトロ好きでも無理がある』とか『お前本当に現地人かよ?』というツッコミを頂きましたが、ぶっちゃけ作者がネタをねじ込みたくて書いてるので許してください()
どうしても違和感がある、という方は残念ですが諦めて読んでください。
モニター室へと戻る頃には爆豪の頭も冷え、緑谷と麗日2人それぞれの一人反省会も終わっていた。
勝者はヴィランチーム。しかし爆豪の顔に喜色は見られず、それどころか敗者である緑谷と麗日よりも酷く落ち込んでいるように見える。
帰ってきたのは3名の敗者とたった1人の勝者、事情を知らなければ出てくる感想はそうなるだろう。
「さぁて、講評と行こうか!つっても、今回のMVPは言うまでもなく間飛少年だな!」
(((そりゃあ……うん……)))
「一応言っておくけど、1人で2人とも倒したからだけじゃないからね?何でかなぁ〜!わかる人!」
「はい、オールマイト先生」
オールマイトの問いに手を挙げたのは八百万百。正直昨今のヒーローと比較してもそれなりに危うい露出度なのだが、指摘するべきなのか迷いつつもオールマイトは八百万を指名する。
八百万の回答は『唯一マトモな立ち回りをしていた&対応速度の速さ』だった。
爆豪の無謀な単独行動は論外として、気の緩みが見られた麗日と最後の一撃がほぼ賭けだった緑谷とは比較しようも無い。
緑谷の不穏な動きに対し、ほぼ暴走状態の爆豪に任せ切りにせず対処。最上階に戻ると麗日によるやけくその突撃を冷静に流して対処した。
コミュニケーションを取る姿勢を見せ、連携や連絡があり間に合わないと判断すれば独断で最適解を取る。戦闘力を抜きにしても優秀と言っていいだろう。
「あー……褒めていただいて嬉しいんですけど、ね?俺は俺で結構博打だったんだよ」
「あら、そうでしたの?」
「目視出来てない位置への転移はどうしても精度が落ちるから、間に合わない距離に転移してたらヤバかった」
本人としては不確定要素がゼロというわけでも無ければ、そもそも『最適解…?近づいて殴り倒しただけなのに?』という感想しか出てこない結果だった。
つまるところ間飛は優秀さ故にMVPに輝いたのではなく、他のメンバーがあまりにも酷かった為相対的にまともな動きが褒められているだけだ。
「(お、思ったよりも言われた……!)うん、その通りだね!とは言えこれは訓練!チャレンジする事も悪くは無いからね!」
そのチャレンジに到るまでの下地を確かめる授業じゃ無かったんですか、というツッコミはやめてあげよう。オールマイトも新米教師としててんやわんやしているところなのだから。
……これは蛇足だが、この場にいたのがオールマイトではなく相澤先生だった場合、間飛以外はボロクソに貶されていた事を記しておく。
その後も順調に授業は進んだ。
気合を入れて手袋と靴を脱いだせいで負けた女子や、粘着性のもぎもぎでくっつけられて嬉し恥ずかしな雷&耳たぶ男女が出来上がったり。トラブルは多かったものの、緑谷を含めて大きな怪我をした生徒はいなかった。
(……それはそれとして、爆豪少年と緑谷少年。やはり気落ちしているな)
クラスメイト同士で誰が強かった、あの動きが良かったと会話をしている中で特にその2人だけが、勝敗に関わらずメンタルを崩している。
原因など分かりきったこと。緑谷は間飛という己の上位互換を見て、爆豪は己が緑谷に負けかけていた事を理解してしまったからだ。
総評もそこそこに終わらせてさっさと戻るつもりでいたのだが、痛々しいその姿が目に留まってしまい後ろ髪を引かれる思いである。
無情にもタイムリミットが来たことを悟り、今度こそオールマイトは慌てて生徒達から離れるのだった。
◇
授業も終わってコスチュームから着替えて、放課後になると話題はやっぱり戦闘訓練になった。
授業中だからと、講評では真面目に分析して考察をしていたけれど。そこはまだ高校1年生、キャイキャイとカッコ良さだとか強さだとかを語りたくなるものだ。
「そういやお前の個性何だったんだ!?」
「急な質問 is why!?」
「あ、わりぃ」
となれば、話題に上がりやすいのは個性についての質問。もれなく間飛にもそれは向けられる。
クラスメイトの中でも彼の個性に向けられる興味は強く、身体能力だけでは説明のつかないパワーとワープ能力はどんな理屈で両立されているのか気になって仕方がない。
切島の言葉をトリガーに教室内の視線のほぼ全てが間飛に向けられる。陰キャの心臓にはオーバーキルにも程がある弾幕に、喉の奥でヒュッ…と掠れるような音がした。ダメみたいですね。
「えーと……まず前提として、俺には今2つの個性があってな?」
「「「個性が2つぅ!!??」」」
「うるせぇー……」
観念して口に出せば、やはりと言うかド派手に大声でリアクションを取られる。中学の頃には慣れてしまった間飛だが、雄英高校ともなれば人一倍リアクションの声もデカいらしく耳を押えている。
全員が落ち着いたところで改めて個性について語り始める。
1つ目の個性は【瞬間移動】というもの。
転移する為のゲートや手順等はなく、ノーモーションで何時如何なる体勢であろうと発動が可能。
障害物の有無や視認可能といった条件が整っていれば、最大射程は300mにも到達する。
「つっても安定して使える距離はせいぜい30…目視出来てりゃ60mぐらいが限界だけどな」
「いや十分強くね?」
「個性ありでも4秒はかかる距離を0.1秒で移動出来るって……そう考えるとやべぇな!?」
実際ヤベーのである。
個性の相性によっては一方的に殴り倒せる事もあって、【瞬間移動】単体でプロにも通用するレベルの強個性だ。
(色んな意味で)問題の2つ目。
【フィジカルギフト】というあまりにもイレギュラーな個性。
身体能力や技巧をコピー&ペーストの形式で上乗せ、及び【フィジカルギフト】の個性を継承するという異質な能力。
既に世代を重ねた【フィジカルギフト】には4名の身体能力と技巧が積み重ねられ、間飛の肉体へと受け継がれている。
「そんなんありかよ……!?」
「そっか、あの威力は4人分のパワーの上乗せか……いや、それにしてもヤバくない?」
「……父ちゃんが身体強化系個性だったから、もしかしたら上乗せされたのかもな*1」
「個性の強化も乗ってるのかよ!*2」
【瞬間移動】と【フィジカルギフト】による超パワーと機動力の両立。ヒットアンドアウェイという戦法にはこれ以上無い組み合わせと言えるだろう。
欠点らしい欠点と言えば、自分以外の物体は10kgまでという制限があることと遠距離攻撃の手段を持たない事ぐらいか。
ちなみに戦闘訓練で緑谷の付近にワープしていたが、運が悪ければ3mはズレていた可能性があるのでかなりの博打だった。たまたま影響のない位置に転移出来ただけだったのだ。
「アレが1番近いぞ、ドラ○ンボールの『ピシュン』とか」
「……すまん、ドラ○ンボールってなんだ?」
「…………忘れてください」
上手い例えを思いついた!と口にしたけれど、自分が好むサブカルチャーのほとんどがレトロであることを思い出すだけに終わった。陰キャの心はガラスだぞ。
※原作を見返してたらロッ○マンXとか書いてあって、どこからどこまでがレトロなのかわからなくなっちゃった……
間飛
性別:男・間飛移の父親
個性:【猛化】
思考力や理性を削って身体能力を上昇させる。長時間連続使用すると暴走しかねないリスキーな個性。
ちなみにワープ系統個性は父方の祖父母辺りから遺伝してきた。