え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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またまた体育祭前の頃のお話です。
色んな小ネタぶち込んだので脚注がゴロゴロ転がっております。読みにくいかもしれませんが諦めてください。





番外編②誰もが一度は通る道

 

 

 

 

 心操と一緒に放課後トレーニングをするのも何回目だろうか。グラウンドが借りられなかったり俺に他の用事が無かったら毎回やってるような……あれ?もしかしてコイツ参加出来る時は全部参加してないか?

 

「そこんところどう思う?」

「……それって本人に聞くものなのか?」

「本人だからこそ聞いてるんだわ」

 

 呆れたようにため息をつくんじゃあない。

 というかこれでも心配してるんだぞ?もしかして普通科の友達と遊びたかったりしないのかなーって。まあお前が俺と同じ陰の者の可能性は大いに無きにしも非ずって感じだけども。

 

 そのまま心配事を伝えると、少し顔を顰めてそっぽを向いた……えっ、図星?

 

「まあ、普通に友達って言っていい人はいるとは思う。でも、俺はヒーロー科に編入するつもりだ」

「おう。で?」

「……仲良くなったら、何か罪悪感が出てくるから」

「…………はあ?」

 

 もしや心の柔らかいところを抉りとるような真似でもしちまったかと思ったってのに、この寝不足顔野郎はなーに言っとるんだ。

 てかそれを言うなら今のこの状況の方がよっぽど罪悪感出てくるだろ。同じクラスの生徒差し置いて他のクラスの奴と仲良くなってんだぞ。*1

 

 それに何よりも雄英高校は、ヒーロー科は特に弱肉強食が大前提だ。ちと言い方はキツいかもしれんが、お前と違って向上心の無い奴らに何時までも構ってはいられないぞ?

 

「そう、だけど……でも……」

「だったら一回そのまま話しちまえば?」

「はあ!?絶対怒るって!」

「どんな風に?」

「そりゃ……えっと…………」

 

 まあ怒るよな。『そんな事気にしてるのか』って。

 

 既に心操の人となりが分かってきたから言えるけど、コイツの【洗脳】という篩を超えて友達やってくれてる奴は間違いなくいいやつだろ。篩にかけられた奴が悪いとは言わんけども。

 そういう奴らが『裏切り者!』とか言ってくる方が想像つかんのだが。そもそもどの面でそんな事言ってんだオメーって感想しか出ないし。

 

「安心しろよ。お前が思ってる様な怒り方はしてないだろうから」

「……怒ってるのは確定なのかよ」

「確定も確定よ。ワンチャン一部のドノツラフレンズ*2でも無けりゃな」

「何だそのパワーワード」

 

 コヤ○スカヤ……蘆○道満……ラスプー○ン……うっ、頭が。*3

 

 さすがにあのドノツラフレンズみたいな奴はいないだろうけど、人によっては『なんでお前だけェ!』的な嫉妬を向けてきてもおかしくはない。逆恨みどころか八つ当たりもいいとこだけども。

 

 

 それよりも!俺は人生相談受けに来た訳じゃないんだよ。放課後トレーニングなんだから身体動かさないと。

 

 今日のテーマはズバリ!『マンガやアニメの必殺技』!

 

 個性持ちが少ない、或いは存在しない頃のフィクションはマジでよく考えられてるんだよ。能力の長短がハッキリしてると言うか、良い所も悪い所もしっかりと設定が作られている事が多い。

 それらの作中に出てくる必殺技を何とか俺用に落とし込めないか試したい。コレが今回の目的。

 

「というわけで、まずは『Dラゴンボール』の『瞬間移動かめ○め波』から」

「……これ普段お前がやってる事だろ」

「……確かに!」

 

 ええいならば次のやつだ。【瞬間移動】を上手いこと組み込める必殺技……コレだ!

 

「よし、じゃあちょっと俺に攻撃してみてくれ」

「攻撃……?蹴りとかでいいか?」

「なんでもいい。本気でやってくれ」

「じゃあ……」

 

 まだ躊躇とか姿勢とか色々改善点はあるけれど、今の心操にとってそれなりに強めの蹴り。当然速度もそれなりにあるが───

 

 

 ──ズギュゥゥゥン!!!!

 

「うわっ!?何だ今の音!そんで間飛は消えたし……」

「おー。出来た出来た」

「……後ろにワープしたのか」

 

 どうよ。JJの奇妙な冒険の『キング・ク○ムゾン』の時飛ばし回避を真似たやつ。

 やってる事は滅茶苦茶単純。蹴りのタイミングに合わせて心操の背後にワープしただけ。この技の利点はギリギリまで回避のモーションが無いから、空振りで体勢が崩れる期待が持てるということだ。

 

 名付けてバニシング・ディレイ!!どうよ!

 

「……これ何時でも使えんの?」

「咄嗟には難しいかも」

「じゃあダメじゃん」

 

 ダメか。

 

 じゃあ今度は心操にやらせてみようか。何させようかな。まず個性抜きで出来る純粋な体技である必要があるから、自ずと選択肢も結構絞られてくる。

 例えば『1ピース』の『六○』とか、もしくは『1パンマン』の『風○脚』とか。でもこれは肉体強度とか身体能力の要求値が高すぎるしなあ。

 

 ん?待てよ?そもそもコイツの身体能力の底を知らないまま考えても何にもならねえ気がする。スタミナはさておきパワーとかスピードとか全然知らんのだが。

 

「……なあ、ちょっとコレやって見てくれねえ?」

「?瓦割りか?」

「いやレンガ割り」

「レンガ……?」

 

 遠距離攻撃の精度向上訓練の為の的であるレンガ。勿論セメントス先生お手製の品なのでそれなりの硬さと重さは保証されてる。

 普通なら手の方が負ける……というか個性で強化してない限りはまずただただ痛いだけで終わると思われるがはたして。

 

 はい、まず肩幅の倍くらい足を開きまして。しっかり腰を落として構えて、気合いを入れる為に声を上げながら拳をドーンと……ドーン、と……?

 

「痛てて……全部は無理か」

「10個中7個割ってるのはなんで??」

「は?鍛えたからだろ?」

「いやいやいや」

 

 え?俺がおかしいの?正直かなり無茶振りした自覚はあったんだが。それとも最近はこれぐらいのパワーが人類のデフォルトだったりすんの?

 

 もうコイツならそのうち『連続普通のパンチ』とか出来てても驚かんぞ。

 

「……抜け毛には気をつけろよ」

「何を想像したのかはさておき、一発殴らせてくれないか?」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 同時刻、別の訓練場にて。間飛から放課後に訓練場を借りられることを知ったA組生徒達もまた、雄英体育祭に向けてのトレーニングをしていた。

 ただでさえ爆豪や轟、八百万という同級生にして高い壁がいるのだ。努力などいくら重ねてもやり過ぎなんて言えやしない。

 

 一人一人が血のにじむような特訓を───……

 

 

「二千万V(ボルト)──放電(ヴァーリー)!!」*4

「…………(ぬえ)!」*5

「うおおおお!武装色!硬化ァ!」*6

「…………氷河時代(アイスエイジ)*7

 

 

 ……血がにじむ、と言うよりは恥がにじむ特訓をしていた。

 

 ここにいる生徒達は、というかA組のほぼ全員が間飛からマンガやアニメの布教を受けた。そうするとヒーローを目指すような少年少女にとって、そうしたフィクションの中で作られた必殺技は眩く見えてしまう。

 

 つまるところ、トレーニングと称したキャラクター達の必殺技を再現できないか、という集いである。

 

 無論再現出来る技は限られてくるし、そもそもキャラクターと同じような個性を持っていたからとて『有り得ねぇだろ……!能力の性質上……!?』となることもよくある話だ。

 それはそれとしてカッコイイからやってみたい。こんな馬鹿げた原動力ほど、少年少女は爆発的に成長するきっかけになるのだ。

 

首肉(コリエ)……肩肉(エポール)……背肉(コートレット)……ッ!鞍下肉(セル)胸肉(ポワトリーヌ)ッ!もも肉(ジゴー)……うわっ!?」

「うおおい!?大丈夫か飯田!」

「ぐっ……想像以上に繋ぎにくい!一連の流れを身体に染み込ませなければ!」

「……半分は遊びなんだからもうちょい肩の力抜いていいんじゃね?」

「まあ飯田だし」

 

 実際は遊び感覚でやっている者がほとんどだ。上鳴なんていつもやっている事に大層な技名を付けているだけに過ぎないし。*8

 

 それに何かしら再現してみようかと試みたものの、再現出来そうな必殺技がない為に黙々と真っ当に励んでいる者も多い。

 

「ケロ……お茶子ちゃん、元気ないわね」

「えっ、そ、そうかなあ……?」

「アレでしょ!私と同じで再現出来そうなのが見つからなかったからでしょ?」

「そうね。【透明化】を使った必殺技はちょっと訳が違ったもの」

 

 【カエル】の個性を持つ梅雨ちゃんや【無重力】の麗日、そして【透明化】の葉隠にはあまり縁のない話だった。いや厳密には無いこともないのだが、どれもこれも殺傷力が高かったりと役立ちそうに無かったのであまり違いは無い。

 

 一方ヤオモモはと言うと、万能極まりない【創造】を駆使して様々な必殺技の再現に熱を上げていた。

 

 ……一つ気になる点があるとすれば、何故か【創造】を発動させる度に両手のひらをパァン!と勢いよく合わせている事だろうか。

 

「すげえ!マジで『神器ロ○トヴェイン』そのままだ!」

「『游雲』……実際に手に取って見ると使いにくいね」

「……むむむ、流石に『天候棒(クリマ・タクト)』の完全再現は難しいですわ」

 

 そしてさっきからマンガで見かけた武器を片っ端からリクエストされており、見た目だけではあるけれど【創造】してレプリカを出していた。遊ぶな。

 

「こうしてみるとアレだな、間飛の言ってたのはその場しのぎの言い訳でも無かったな」

「あー……個性の可能性を知る、ってヤツ?」

「確かに。轟の氷結とか青○ジを参考にするだけで少しくらい対策出来そう」

 

 そろそろ終わりの時間も近いからとクールダウンしつつ話している生徒達は、あの時の間飛の言葉を反芻していた。

 なるほど一理あると相澤先生が引き下がったのだから無意味ではないと思っていたけれど、こういった観点からのインスパイアというのも侮れないものだ。

 

 事実、中には単なるキャラクターの模倣をしていただけの何人かが真剣そうにしており、どうやら何かしら新しいものを掴んだらしい。

 轟は先程から氷で武器を作れないかと試していたり、常闇は黒影(ダークシャドウ)の形状を変えられないかと試行錯誤の領域に踏み込んでいた。

 

 想像もしていなかった分野からの成長のきっかけ。いつかは本当にフィクションを現実に持ち出せる日が来るのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「……それはそれとして、もう時間だ。オマエらさっさと帰れ」

「「「はーい!」」」

「『はい』は伸ばすな」

「「「はい!」」」

 

 

*1
お前が言うな

*2
『どの面下げて友達顔してんだお前』的な人物を指す造語

*3
作者はDOMANだけ未所持。クソが

*4
二千万Vもないです

*5
それっぽく手を広げる黒影

*6
ただの【硬化】です

*7
もうちょいねっとり言えオラァン

*8
ビック○ンアタックの悪口はそこまでだ





色んな作品から色んな名前持ってきました。
もし『これ何の何の何?』という質問が多かったら、後々後書きに追加で元ネタ書いておきます。


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