え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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機動力は大事だけど危ないのはどうかと思う

『スタート!!』

 

 ミッドナイト先生の合図に全生徒が動き出す。将来への希望や野心をギラギラと輝かせる目が、前だけを見すえて。

 

 でも、スタート開始直後に大多数の足が止まった。

 1クラス20人前後。学科は4つ、11クラス。つまりこの場に最低でも220人の生徒が集まっている。狭いスタートゲートにそれだけの人数が殺到すれば──

 

「つまり、スタート地点(ここ)が……!」

 

「最初のふるい、か」

 

 ──先頭争いにさえ参加不可能となる。

 

 ただでさえ狭いスタートゲートの向こう側で、轟くんが個性を使用する。いつかのビルを凍らせた様な大規模なものでは無い、地面を伝って足元を凍らせるだけのささやかなもの。

 

 でも、僕は……僕達はそれがどれだけの脅威になるのか知っている!

 

「ってぇー!!何だ!?凍った!!?」

「う、動かねえ!」

「寒ー!!」

「ンノヤロオオオ!!!?」

 

 「「「そう上手くいかせねえよ!!」」」

 

「……クラス連中は当然(・・)として、思ったより避けられたな」

 

 凍結が足を縛り付ける前にA組全員が、それぞれ対応してみせる。個性を使わずとも、僕や峰田くんに麗日さんは跳んで回避したり、芦戸さんなんかは足元を酸性液で融解させて避けている。

 

 決して舐めていた訳では無かったけれど。やはり雄英と言うべきか、普通科やサポート科の人達の中にも回避している人はいる。この程度で脱落していては話にならない。

 

 何とかスタートダッシュを決めることが出来ても、まだ安心出来ない。なぜならこれは障害物競走。狭いスタートゲートなんか障害物にも数えられない。

 

「っ!コイツら入学試験の時の……!」

 

 

『さあ第一関門!!まずは手始め……ロボ・インフェルノ!!!』

 

 

 所狭しと並べられているのは、入学試験の時の仮想ヴィランロボット達。各会場に一体しか配置されていなかった0ポイントすらも複数体が待ち構えている。

 

 ……あの時、半ばヤケクソで打ち放ったスマッシュでさえ完全破壊には至らなかった。それどころか間飛くんに後始末を任せてしまう結果に終わっていた。

 でも、今は違う!あの時のように怯えても無ければ、何も出来ない僕じゃない!

 

「倒す必要は無い……!先に進めればいい!」

 

 さあ、どうして見せようか。

 

 

 

 

 

(……せっかくなら、もっとスゲェもんを出して欲しいぐらいだ)

 

 

「親父が見てるんだからな」

 

 瞬間、轟の個性が一息に0ポイントロボットの機体を凍りつかせる。急激な温度の低下と氷に覆われた事で、今にも攻撃を始めようとしていたロボットが停止する。

 

 その隙に轟が1人ロボットの足元をすり抜けて先へと進むのを見て、他の生徒たちも後に続こうとするも……

 

「やめとけ。不安定な体勢で凍らせたから──……倒れるぞ」

 

「「ッ!?やべ──」」

 

 

SMASH!!

 

 

「チッ」

 

 グラり、と1秒先の悲劇が見えた所を嘲笑うかの様に、パンチ1発で巨大な鉄の機体を粉砕していく。

 あれほどの威力の打撃を打てるのは2人。そしてこんな序盤から安定して打って来たならば……間飛だろう。

 

「オイオイ、危ねえよ。俺達ヒーロー科でさえまともに潰されたら大怪我すんぞ?」

「間飛ナイス!俺なら潰されても多分平気だけど!」

「ア゛ア゛!?俺も平気だっつーの!!」

「「……!?個性だだ被りしてんじゃねーか!!!?」」

「コントかな?」

 

 間飛の言葉に「まぁ、確かに」と納得して反省する轟。違う、そうだけどそうじゃない。

 あと潰されかけてた切島と鉄哲。今は一応障害物競走というレース中なので、さっさと走り出した方がいいと思う。

 

「テメェら誰を差し置いて行ってンだ!!!ぶち殺すぞ!!!」

 

「ヒートアップがはええよ」

「爆豪……!お前も来るよな」

 

 この時点で、トップ争いは轟、間飛、爆豪の3名が主役となった。単純なスピードだけならば間飛が上回る状況だが、させるものかと爆豪と轟による積極的な妨害が間飛の速度を奪っている。

 

 第2関門の『ザ・フォール』でさえも彼らの足を止めるには足りない。他の生徒達が足を止めて如何に対処すべきかと思考する所を、ノータイムで速度を緩める事無く駆け抜けて行く。

 

「死ねやオラァ!!」

「うおっ……!?」

 

 『おおっとぉ!?ここに来て爆豪が間飛をたたき落とした!!すぐに戻ってきたが、これは致命的な差になるぞォ!』

 

 このままではマズイと悟った爆豪は、轟がフリーになる事を覚悟の上で思い切り間飛を叩くことにした。ほんの一瞬足を止め、強めの爆撃をぶち込んでザ・フォールの谷底へと落とす。

 やられた、と理解した間飛は個性を発動し、すぐさま復帰。しかし戻ってきた時には2人は既に第3関門へと足を踏み入れていた。

 

「『怒りのアフガン』……地雷か。なら……!」

 

 よく見れば見える程度に隠された地雷塗れの道。ここから逆転する手は1つ。

 

 2人を押し留める事。

 

「オラァッ!!!」

 

「「──ッ!!?」」

 

『は、はァ!?間飛のやつ何した!?一気に大量の地雷が炸裂したァ!!?』

『なるほど……パンチの衝撃波で無理やり起爆させたのか』

 

 地面スレスレで真っ直ぐに振り抜かれた拳。そう、2人の近くにある地雷を纏めて爆発させる為に、パンチの衝撃波を飛ばしていた。

 ちょうど2人の間を駆け抜けた衝撃波は、一直線にほぼ全ての地雷を起爆させていた。

 

「お先〜」

「クソっ……!!」

「待ちやがれ陰キャ前髪ィ!!」

「ねえ失礼じゃない!?全国中継の場よコレ!?」

 

 先頭集団の争いはそのままに、間飛、爆豪、轟の順で決着が着いた。後続は地雷を利用して加速した緑谷が4位という結果になり、ますます爆豪の機嫌は悪化する一方となった。

 

 

『さあさあ序盤から大活躍!今1番にスタジアムに帰ってきたのはこの男!間飛移ゥー!!!』

 

「ッシャオラアアアアア!!!」

 

「ッ〜……!!クソがッ……!!また、また……!」

「クソッ……!最後、やられた……」

 

「間飛くん……やっぱり、僕よりも……いや、まだ終わってない!」

 

 第1予選勝者:間飛移

 

 まだ体育祭は始まったばかりだ。

 

 

 





ちなみに青山優雅が割を食って脱落しました。哀れ。

青山「オナカイタイ…」
リカ婆「ちゅ─────!!!」
青山「」


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