え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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広範囲攻撃は基本強い

 

 

 

「やあっと見つけたぞオラァ!!」

「おや?間飛さん!どうされました?」

 

 唯の試合を見届けた後、麗日と爆発さん太郎の試合観戦を諦めて探し回っていた発目をようやく見つけた。目撃情報がバラバラ過ぎて頭抱えたぞちくしょう。

 

 俺がコイツを探し回っていたのは他でもない、予め発目に頼んでおいた『俺VS上鳴』の試合の録画した映像を見ておきたかったから。

 俺の試合の後に発目だったからすぐ受け取れるとは思わなかったが、お前うろちょろし過ぎだろ。目撃情報辿ったら【瞬間移動】持ちの俺より不可解なルートで移動してる事になるぞ。

 

「そういえばそうでした!少々お待ちくださいね……何せ私の試合、もといドッ可愛いベイビー達の晴れ舞台を撮ったデータも多くてですね……」

「……そういや発目さんよ」

「はい?」

「お前……思ったより強かったな?」

「そう、ですかね?」

 

 いやそうだろうよ。罠に嵌めてテレビショッピングしてたイメージが強いけど、よくよく考えてみればサポートアイテムまで装備した飯田から制限時間目いっぱい逃げ切ってた。

 機動力と攻撃速度はA組でも随一の個性。同じヒーロー科でも一対一の勝負でアイツの全力を片手間に流せる奴がどれだけいるよ。少なくとも爆発さん太郎か轟ぐらいだろ。

 

 その当人はと言えばキョトンとした顔をしており、何も言っていないのに『何言ってんだオメー』みたいな視線を寄越してくる。

 

「私の個性は教えましたよね?【ズーム】という個性で……」

「望遠鏡の真似事が出来るとは聞いたが、10分間飯田の猛攻を凌げる個性じゃねえ。お前実はちゃんと強いだろ」

「……いやー強くは無いんですけどね?」

 

 発目のテンションにだいぶ順応してきたつもりだったが、まさか強さを褒められて照れるタイプとは思わなかった。急に美少女に戻らないでくれます?

 

 そういやコイツテンションの高さで誤魔化されるけど、口閉じて大人しくしてたらただの美少女だよな。なんでこんなトンチキ人格インストールしてんだよ勿体ねえ。

 

「私の個性のメイン機能は確かに名前の通り【ズーム】なのですが、それ以外にも副次効果がいくつかありまして」

「動体視力とかか?」

「ええ!あくまでサブ機能なのでさほど自慢できるものではありませんが、要約すると『とても目がいい』という事になるのです!」

 

 なるほど。飯田の攻撃を凌ぎ続けられたのはシンプルに『見切っていた』ということか。それはそれですげえな。

 普通に考えりゃあ目で追えるからと言って、身体が連動して動けるわけじゃない。発目の場合は目で追えるし、身体が連動して動けるらしい。

 

 てかそれよりも。

 

「いや十分自慢できる個性だろ」

「へ?」

「ヒーローには……いや戦闘面で活躍出来なかったとしても、他人の動きを観察、分析出来る個性って凄くね?お前ならそれに合わせたアイテムも作れるんだろ?」

「え、ええ!作れますとも!」

「ならやっぱりすげーじゃん。サポートとして天性の才能があるんだぞ?」

 

 雄英高校やっぱり無能か?こういう奴らにこそ力を入れて指導してやれよ。心操といい発目といいとんでもねえ原石ゴロゴロじゃねえか。

 あ、でも発目はパワーローダー先生が目をかけてるんだっけ?じゃあいいのか。ごめんね雄英高校。

 

 ……あれ?そういや発目が静かだな。まさかなんか企んでる?やめてくれ。お前がやらかすと絶対やばい気配がする。

 

 いや違うわ。何顔を赤くしとんだ。マジで美少女にしか見えないからやめてくれ。褒められ慣れてない方向で褒められたからって、真っ赤になって照れてるんじゃねえ!

 お前がマトモなリアクション取るだけで美少女に見えるから本当にやめて!?性癖壊れる!

 

「…………はっ!すいません、思ってもみない褒められ方をしたもので!!」

「……そのままの発目でいてくれ」

「?わかりました!それで、こちらがそのデータです」

「おっ、サンキュ。どれどれ……」

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

『さあさあドンマイコールもそこまでに!次の選手がうずうずしてるぜェ!?』

 

『まさかの大暴れ!今ンとこ間違いなくサイキョーの間飛移!!!(バーサス)!個性はド派手!活躍はなんか地味!!上鳴電気!!!』

 

「紹介に何か差がねえか!?ねえちょっと!」

「第2のドンマイ来たか?」

「ヤメテ!俺は活躍するの!ここで活躍してモテモテになるんだ!」

 

 開戦前だと言うのに、どこか緊張感のないやり取り。彼らのやり取りがマイクに拾われている為、それを聞いた観客達も笑い声をあげている。

 

 しかし1秒後には顔つきが変わる。お互いに相手の個性がどれだけ強いのかを知っているからこそ、普段の態度はなりを潜めて真剣な表情へと変わった。

 

「悪いけど、瞬殺させてもらうぜ」

「言ってろ。瞬殺してやるからよ」

 

『おっと、始まる前からバチバチだ!そんじゃバチバチの勝負も頼むぜ!START!!!』

 

 瞬間。上鳴の取った手段は『開幕ブッパ』。彼を中心に勢いよく放電が巻き起こる。逃れる場所は無いと言わんが如く、広く強い電気が輝く。

 

 時間にして約3秒。範囲を広げた代わりに威力を落とした為か、比較的上鳴にはまだ余裕がある。使いすぎて思考がままならない状態には程遠い。

 

「って……避けてるよなァ!?」

「……ッ!読まれたか!」

 

 思考が働くなら、簡単には終わらせない。舞台全てをカバーできた訳じゃなかった、なら間飛は回避している。上鳴が間飛の実力を理解しているが故の信頼とも言える作戦。

 一発目の放電で仕留めるフリをし、放電終わりの後隙を狩りに来た間飛に本命の放電をぶつける。馬鹿という自覚があるからこそ、精一杯考えた作戦だ。

 

 

BUZZZZZ!!!

 

 

 致命にはならずとも、意識を刈り取るには過剰な程の威力。一発目とは比較にならない輝きが舞台を、観客達を照らす。

 

『これはド派手!!まさに雷!!眩しすぎてヤベー!!』

 

「ッ……!どうッだあ!!」

 

 渾身。全身全霊の放電。思考回路が仕事を放棄する前に間飛の戦闘不能を確認しなければ。肩で息をしながら、ゆっくりと辺りを見渡し──

 

「あれ……いない?」

 

 舞台のどこにも間飛の姿が見当たらない。場外に逃げたかとも考えたが、それにしてはミッドナイトは口を閉ざしており、舞台の外にも間飛の姿は無い。

 

 一体どこに?という疑問は浮かぶと同時に掻き消えた。

 

「隙ありィ!ってなァ!!」

「痛ッ……!?後ろォ!?」

 

 ゴリッ……!と捩じ込まれる肘鉄。左の手のひらで後押しされた右肘が上鳴の背中にダメージを刻む。

 予想外の方向からの激痛に顔を歪め、舞台の真ん中で膝を着いて倒れ込む。ギリギリを狙われたらしい肘鉄は骨折には至らずとも、立ち上がる意志を削ぎ落とす痛みを残している。

 

 それでも立ち上がる事を要求されるのがヒーローだろうが!

 

「クッソ……!まだ終わらねえぞ……!」

「……お互い瞬殺ならず、だな」

「当たり前だ!」

 

 ノーダメージの間飛と既に大ダメージかつ消耗の大きい上鳴。ほぼ答えは出ているような状況だが、間飛に油断は無い。一発逆転が有り得る相手なのだから当然だ。

 上鳴もまた折れる気配は無い。ギラついた目で雄弁に『まだやれる』という意志を見せつけている。

 

 上鳴の武器は最初から最後まで同じ。ひたすらに放電をすることだけ。ならば逃れようのない至近距離で放電をすればいい。やることは決まっている。

 

「喰らえやッ!!」

「させるか!」

 

 既に回らなくなりつつある頭にムチを打って、真っ直ぐに間飛に接近する。対する間飛の行動はワープによる撤退……上鳴から距離を取った。

 

 距離にして2m未満の移動。これならまだ届く!

 グッ、と踏み込んだ上鳴が勢いよく駆け出した時、間飛の構えに妙な既視感を抱いた。

 あれは?何が引っかかる?何処かで見たような……全ての疑問も思考回路が弱っている上鳴では答えが出せるはずもなく。

 

「俺、緑谷の動きも参考にしてるんだよ」

「あ───」

 

 

BANG!!!

 

 

 間飛のデコピン(・・・・)が上鳴を撃ち抜いた。

 

 緑谷のソレとは明確に違う。無駄な破壊力が少なく、上鳴を最小限のダメージで吹き飛ばす威力の込められた、自傷することの無い砲撃。

 

 ここに来てまさかの威力に観客達すらも一瞬黙り込む。先の試合で見せた緑谷と同等の威力を、緑谷以上の精度で使いこなす間飛に誰もが目を奪われていた。

 

 

『は……か、上鳴電気場外!!ド派手に次ぐド派手な戦いの勝者は!間飛移ゥーッ!!2回戦進出だ!!』

 

「───シャアッ!!」

「うぇ〜い……」

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

「……やはり凄まじい一撃でしたね!」

「緑谷……同級生からパクった技だけどな」

 

 こうして見返すとやっぱり無駄が多かったな。放電中で見にくいとはいえ、放電中は無防備なんだから最初からデコピンを撃ち込むべきだった。

 それに本命を隠した一発目。アレはしてやられたと思った。後から見比べると明らかに一発目の放電は『抑えている』とわかる。焦りすぎたな。

 

 ただ一発目の放電は上鳴の作戦勝ちでもある。それを後からどうこう言うのは流石に傲慢な考えだろう。素直に上鳴を賞賛すべきだなこれは。

 

「やっぱ遠距離だよなあ……」

「あのー……正直間飛さんに遠距離攻撃は必要ないのでは?先程のデコピンもありますし」

「あれも射程には限界があるだろ?唯がデカくしてくれたナットは結構使い勝手良かったし、ああいうの探すか……」

 

 俺が一番確認したかったのはデコピンの有効射程。上鳴戦で試すつもりだったから録画してもらったんだが、見た感じ10m前後ってところか。それ以上は有効打にならない可能性が高そうだ。

 10mでは遠距離武器とは言い難い。それこそ上鳴のような自分を中心に広範囲の攻撃が出来る個性の相手をすると考えると、せめて20mぐらいは欲しい。

 

「むむむ!それなら私におまかせください!」

「お?何かいいアイテムでも?」

「ええ!思いつきました!威力と精度は十分、ならば射程を伸ばす方針のアイテムを作れば良いのです!」

「じゃあ採寸とかいるか。進捗報告も欲しいから連絡先交換してくれるか?」

「わかりました!ええっと私の携帯は……」

 

 どうやら発目に何かアイデアがあるらしい。ここはサポート科との繋がりも欲しいし、素直にお願いさせてもらおう。何より発目は大成するだろうし、女子の連絡先は欲しい!!

 

 ……あれ、体育祭中に女子二人の連絡先手に入れちゃったよ。もしや陽キャの仲間入りか?

 

 

 







えー……この度私フィジカル・ファンタジーは、肝心のオリ主の試合を書く順番を完全に間違えていたことをお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。
本来なら轟VS瀬呂の次に試合が来る筈だったのですが、まさかのオリ主の試合を忘れていたという愚行を犯しました。
なのでここでかなり不自然ではございますが、『実は既にオリ主の試合は終わってました』という事にしております。違和感を覚えた読者の皆様にはご迷惑をお掛けしました。

まさかのオリ主二次創作書いてる奴がオリ主の試合を忘れるというアホみたいな失敗をした事を反省し、次に活かして参りたいと思っております。

さーせん。


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