前回の感想がドラ○ンボールと鬼○の刃に分かれててちょっと面白かったです。作者もその二つをパロった形なのでどっちでも同じなんですけども。
皆さんはどちらを思い浮かべました?よかったら感想を書いていただける時に一緒に書いていただけると作者が嬉し過ぎて飛鳥文化アタックします。
「あっ……」
「まだ力んでるな」
パキリ、と乾いた音を立てて割り箸が中程で折れてしまう。軽く指をかけたつもりだったのにそれでもまだまだ強く負荷をかけてしまったようだ。まだ弁当の半分も食べてないのに……。
仕方なく予備の割り箸をもう一膳取り出し、再び昼食を再開する。唐揚げひとつ、白米一口に必死さを滲ませながら。
……思ってたよりもずっと難しいぞこれ。
間飛くんが僕に提示したトレーニングメニューは一つ。それは『常にフルカウル2%を発動し続ける』というもの。
最初は『5%まで出来るのに2%だけでいいの?』と思っていたけれど、僕の言う“常に”と間飛くんの言う“常に”は意味が違った。
僕はトレーニング中だけだと思っていたけど、間飛くんの言う“常に”とは日常生活全てにおいてという意味合いだった。食事中も入浴中も、最後には眠っている間にも2%を保つように言われた。
「まずスイッチのオンオフって考え方から間違ってる。個性はあくまで身体機能の一部……切島や爆豪が一々【硬化】や【爆破】する際に意識を切り替えてるか?」
「……そうか!わざわざ構えを取ったりもしないし力んだりもしない。細かい制御にああしようこうしようなんて考えないし、意識したりもしていない。それこそスイッチじゃなくて日が落ちたら点灯するセンサー付きライトみたいにシームレスに」ブツブツ
「ブツブツやめーや」
【ワン・フォー・オール】の出力を0か100……にしないように考えていたけど、視点を間違えていたのかもしれない。
普通は0から1、2……とギアを上げていくのが当たり前だった。それを僕はわざわざ100から2まで落とそうとしていたようなもの。2増やすのと98落とすのでは難易度がまるっきり変わってくる。
如何に暴発させないか、ではない。どこまでいったら暴発になるのかを知る。
「幸い5%の感覚はあるんだ、最初はその半分以下の2%をまず完璧にしろ」
「なるほど……考えたな?2%に慣れきったなら3も4も変わらねえ、なんなら10%まで余裕になるかもな」
「
「……?…………ああ!セ○編のヤツか!お前さんよくあんな古いもん知っとるな!」*1
鬼○の刃の全集中・常中*2にも近いやり方です、と間飛くんは言っていた。そういえば僕が読んだマンガの中にもそんなのがあったような気がする。ヒントは近くにあったのか……。
そういうわけで始まった『常にフルカウル2%』のトレーニング。最初はすぐにものにして見せる……!と意気込んでいたけれども、早々に難易度の高さに気づいてからはとにかく必死になるしかなかった。
何度も言うけれど“常に”だ。歩くだけ走るだけならさておきコップや箸を持ったりするだけで急激に難易度が上がり、トイレに行こうものなら気張り過ぎて2%を超えてしまいそうになる。
「小僧、紙コップを持つ手が震えてるぞ」
「ゆ、油断したらグシャッといきそうで……」
「既に一回やらかしたもんな」
ステインの件でグラントリノの教導を受けられないから、組手なんかはないけれど却って難しいかもしれない。握る指一本歩く足の一歩に意識を持っていかれる。
……でも、ちゃんと効果を実感出来る。時間が経てば経つほどリラックス出来るというか、意識しなくても保てるようになってきた。たった半日でここまで変わってくるなんて思いもしなかったよ。
パトロールに参加したりは出来ないけど、その代わり買い物や走り込みは出来る。その間も当然フルカウル2%を発動し続けて。
何となくで手に取ったプロヒーローチップスも中身をバリバリと砕くようなことも無くて、この短時間でドンドン制御能力が上がってきているのがわかる。
気がつけばすっかり日が暮れていた。雄英の授業に比べれば全然少ない運動量なのに、これ以上なく成長出来たかもしれない。
「……一日でここまで慣らすとはな」
「ちょっと予想外ですね。もう三日くらいは苦労すると思ってました」
「最後の方は生卵握らせても問題なかったしなあ。こりゃ本当に俊典の奴をシバかねえと」
「い、いやあ……あはは」
「緑谷」
「……うん。寝る時も、だよね」
ここからが一番の難関。寝ている間も寝具を壊したりせずに【ワン・フォー・オール】を絶やさずにいられるか。無意識下での制御が出来るようになれば大きく前進できる。
張り切りながら眠るという不思議な行為だけど、この勢いでいければ……!
……………………
…………
……
バキャアッ!!
「……」
「……」
「……」
……調子に乗ってすいませんでした。
◇
職場体験の期間が終わり、久しぶりに皆と会う日がやって来た。何かこういう間が空くと急に気不味くなる時あるよね。俺?俺は中学の時はそれどころじゃ無かったから(震え声)
友人方は何か大きな変化とかあったのかしらー……
「「アッハッハ!!マジか!!マジか爆豪!!!」」
「笑うな……!クセついちまって洗っても直んねえんだ。おい笑うなぶっ殺すぞ……!!」
「「やってみろよ
「…………ンフッ」
爆豪君大きく変化しましたね。主に髪型とか頭部とか印象とか。
はい。真面目に戻ります。
とは言ったものの、見た目の変化なんてものは早々起こるものじゃない。爆豪のお坊ちゃまはさておき他の皆はパッと見の変化は見られない。そりゃそうだよな。
しかし話を聞いてみれば避難誘導や後方支援……果てにはパトロールから隣国の密入国者を捕らえたなんて成果も。待って普通に凄くない??
まあ、中には波○の呼吸してる麗日さんとか絶望した吉良○影みたいに爪ガジガジしてる峰田とか、あんまり目を向けたくない方々もいらっしゃるけど。
「ま、一番変化というか、大変だったのはお前ら四人だよな!!」
「何が……あー、ステインの件か」
「そうそう!ヒーロー殺し。命あって何よりだぜマジでさ」
「ケロ。間飛ちゃんはいつも通りだったみたいだけど」
「恐怖、初見殺し……!」
ネットに動画上がりまくってるって言ってたな。皆もあれ見たのか。
後から見返すとあまりにも空気の読めてねえ陰キャ過ぎて泣けてくるから、できれば見ないで欲しいんだけども。シリアスムードをシリアルにするのは良くないのよマジで。
「やー……でもなあ。俺一瞬ヒーロー殺しの事カッケェ!って思っちゃったんだけどさあ」
「上鳴くん……」
「いや最後まで聞けよ緑谷。間飛が言ってたの聞いたら『そりゃそうだわ』ってなってさ、何で人を殺すような奴の言葉に感化されかけたんだろって」
「……!ああ、そうだな。確かに信念を持った様をクールだと思う人もいるだろう。しかし、粛清という手段を選んだ事だけは間違っている」
いや、あの。何か感銘受けてらっしゃるところ悪いんですが、アレ心の底から思った事を言っただけですよ?
オールマイトってか、プロヒーローならよっぽどの事でも無ければ基本的に殺すことはしないし。俺としては『何言ってんだオメー』ぐらいの感覚だったんだけど。
あ、そうだ。感覚と言えば。
脳無ぶっ飛ばしてから変な感覚があるんだよな。病気的なものなのか頭に熱を溜め込んでるような、思考力を削がれてるような感覚なんだが……ステインの個性は無関係らしいし何が原因なんだろうか。
「間飛さん!?鼻血が出てますわよ!?」
「……え?あ、マジだ」
「おいおい大丈夫か?」
「さてはエロい妄想してたな!」
してねえよ。一緒にすんなエロブドウ。
手に着いた分とまだ垂れてくる血をティッシュで拭う。別に俺鼻血体質じゃ無かったはずなんだが……どっかで鼻やられるような攻撃食らったかね。
どうやら鼻血自体は少量かつ出血が止まっているようで、幸い処理に時間はかからなかった。丸めたティッシュをゴミ箱に放り込んでいると峰田がしがみついて来た。おいやめろ。
「そういや間飛ィ……俺ァお前に聞かなきゃならねえ事があった…………!」
「……ろくでも無さそうだからパス」
「テメェミルコん家に泊まってたって聞いたぞコラアアアアア!!」*3
うるせえ。
「えっ、間飛くんミルコの自宅に泊まってたの……!?」
「……ミルコって事務所持たねえだろ。んで手続きとか迎えとか諸々面倒くさいからって事でそうなった。つかホテルも何も無かったしな」
「ぬァにが何も無えだ!シたんだな!?シたんだろ!ミルコとバニーコスセッ───」*4
「それ以上いけない」*5
至って健全なまま終わったわ阿呆。ド級の阿呆、ド阿呆めが。
なんなら途中で強制終了入ったんだぞこちとら。本当なら足技とか歩法とか教えて欲しかったってのに、不純異性がどうたらとか言われてこのザマだよ。クソが。
「おはよう。今日も──……間飛。峰田が白目剥いて気絶してるのは何故だ?」
「R-18ルートの話しようとしてたからです」*6
「なるほど。こっちは健全ルートだ。峰田が悪いな」*7
緑谷「あっ」バキッ
緑谷「あっ」グシャッ
緑谷「あっ」メキッ
グラントリノ(……一度業者入れてリフォームすっか?)