本編更新分にギャグ成分が足りなさ過ぎて思わず書いちゃった……徹夜までして何してるんでしょうね私は。
本日二度の更新を予定しておりますので、この番外編と本編最新話をどうぞご覧下さい。
大抵の少年少女が待ち遠しいと感じる時間、昼休み。
小中学校ならボールを片手にグラウンドに飛び出し『ヒャッハー!ここは俺らのテリトリーだァ!』と人気のスポットの奪い合いとなるだろう。
じゃあ高校生は?という問いには答えられない。まずヒーロー科のある学校なら訓練施設を解放している所もあれば、自主的にトレーニングに励む生徒もいる。
ここ雄英ならば訓練施設の解放はもちろんの事、昼食もランチラッシュによる「美味しいyummy!」なご飯を食堂で食べられる。故に大半の生徒は親の弁当を断って食券機の前に殺到する。雄英高校に定まった昼休みの過ごし方など無いも等しい。
「さすがにおかしいだろ」
「俺に言うなよ」
「24時間の性転換を強制する個性……世の中は広いのですね」
「ん」*1
つまり被害者が増えるよ。やったねたえちy(自主規制)
改めて確認しようか。
今の間飛はヴィランの個性を受けたことで性別が反転し、男子の肉体はしっかり女子の物へと変化した。
身長180cmの黒髪目隠れ巨乳巨尻。*2オマケにオタクに優しい俺っ娘。属性過多にも程があるわ。
タッパとケツのデカい女になった間飛を見た心操達は呆然。チャットで話は聞いていたけれどまさかマジの話だとはこれっぽっちも想定しておらず。いつもの調子で「オイッス!」などと声をかけられても出てくるのは「誰だお前!?」だった事を責められる者はいまい。
開口一番の全否定にしょぼくれていた間飛だったが、同じく話を聞いていた小大と発目がすっ飛んできて慌てて間飛を宥めた。心操は「俺が悪いのか……?」と自問自答してた。
「……なんと言うか、アレですね」
「アレとは?」
「……おい何か嫌な予感がするから口を閉じてくれ。頼むから何も言うな」
「間飛さんエロいですね!」
「発目シャラップ」
とんでもねえ爆弾発言に心操が【洗脳】まで導入して黙らせる。元気に「嫌です!」と返事をしてくれるので変な駆け引きが要らなくて有難い。
発目のIQ3ぐらいの発言に対して小大は腕を組んでウンウン、と首を縦に振って全肯定。心操の味方はここにはいないらしい。
「ん」*3
「わかる〜。今の俺滅茶苦茶エロスが滲み出てるでしょ?」
「……中身がお前だからプラマイゼロだろ」
「なんでそんな事言うの?」
発目をどついて再起動させつつ小大からの評価に同意する間飛。*4所詮は一時的なアバター程度の捉え方をしている為か、むしろ今の自分を客観的に評価している。
ただし中身は色々と残念な雑食オタク。というか元が男な時点でどれだけ見目麗しくとも心操にはどうでもいい。
「……よし心操。ちょっと耳かせ」
「何?」
何か面白くない、と間飛は心操の耳元に口を近づける。そして一言───
「雑ァ魚♥雑ァ魚♥」
「ッッッ!?何考えてんだバーカ!!?」
「クリティカルしたみたいですねー」
「ん」*5
──間飛流即席メスガキASMR炸裂。相手(の性癖)は死ぬ。
完全に想定していなかったメスガキボイスでの囁き。脳に直接流し込まれたのかと錯覚するレベルのゾワゾワとした感覚に思わず飛び上がる。騒がしい食堂ではさほど注目も集まらないが、恥ずかしそうに席へと戻った。
心操の反応を見ていた二人はというと冷静に心操のリアクションを分析し、茶化すでもなく淡々と事実を口にする。やめてやれ。
「効いてて草」
「お前なあ……!?」
「ん」*6
「唯?どした?」
一発ぶん殴ってやろうかと思うくらいには間飛に怒っている心操。そこへ小大がフンスフンスと目を輝かせて割り込んだ。
「ん」*7
「正気か?」
「放課後でよければ」
「了承すんなよお前も」
「面白そうなので私も参加しますね!」
「誰かもう一人強めのブレーキになってくれる奴を呼んでくれ」*8
当たり前のように心操が不参加という選択肢は無く、帰りに胃薬を買おうと決意するのだった。
◇
放課後になると間飛と小大、心操は発目が占領している開発室へと集まっていた。一番物があって一番色んな事が出来そうだから、という理由なのだが既にろくな事にならない気配がしている。
「……間飛」
「なんでしょう」
「お前何してんの?」
「知らんのか。TSしたら一度は着るもんだぞ」
「女子制服着てる理由を聞いてるんじゃねえよ」
何で一切の抵抗がないんだコイツは。しかも何でサイズピッタリの制服があるんだよふざけんな。心操のツッコミは律儀にアチコチを指摘する。優しいやつめ。
腹立たしい事に何か似合ってやがる。何故か無性にアサルトライフルを持たせたくなるが気の所為だろう。*9
「間飛さんおっぱい大きいのでブラを着けるのも一苦労でした」
「ん」*10
「知りたくなかったなあ……永遠に」
「触る?」
「俺に恨みでもあったりする?」
どうせ一時的なものだし、と軽く考えている間飛。心操からすれば俺を処刑したいのかお前はと言いたくなる提案だ。本人はグニグニと好き放題に揉み倒しているが。
あまり長く残るのもあれだろうからと、早速間飛に言わせてみたいセリフやシチュエーションを考える。女子の今だからこそ出来ることを!なんて小大がやけに張り切っている。
「ここはやはり一度ヒーローらしく決めてみます?オールマイトの『私が来た!』みたいな」
「フレーズ的な?」
「ん」*11
「何でもいいから早く終わらせてくれ……」
最初に提案したのは発目。サポート科として乙女心とは程遠い日々を送っている彼女では、やはり胸きゅんなセリフやシチュエーションがパッと出てくるはずもなく。スタンダード(?)なところから試してみようと言うのだ。
セリフの内容を任せられた間飛はどうしよっかなー、とボヤきつつもしっかりと内容が決まったらしい。
そっと発目を横抱き──お姫様抱っこ──し、優しく微笑む。
「もう大丈夫。私が来た」
「─────」
「……あれ?発目?」
「ん?」*12
「フリーズしてないか?」
オールマイトのセリフをそのままに、言い方を自分なりにアレンジしただけの物。強いていうならお姫様抱っこという状況を追加したくらいでオリジナリティも何もあったもんじゃない。
それを聞いた発目は何故か目を剥いたままフリーズ。瞬きもせずに間飛♀の顔をガン見しているばかりだ。
数秒後にようやく発目が再起動した。
「っは!?何やらとんでもない爆弾を受けた気がします!」
「おお……戻ってきた」
「……アレ?夢じゃないですね?」
「おかえり」
「───」
「アレ!?また固まっちゃった!?」
「……もうそこに寝かせとけよ」
リスキルやめろ。
先程の演技から一変、いつもの調子で目を合わせて一言声をかけただけなのに何故かフリーズ。経年劣化したファミコンぐらいフリーズするなコイツ。
このままだと一生終わらないと判断した心操が放置を提案。発目の心臓は守られた。性癖?知らない子ですね。
続いて小大。今回の発案者ということもあり彼女の目は普段の三倍増しでキラキラしている。もうダメな気がするけれど心操は彼女を止める術を持たない。
「ん!」*13
「だいぶ詰め込んだな」
「そうだな。『ん』に滅茶苦茶詰め込んだな」
「ん!」*14
なんだコイツ……という視線も何のその。己の欲望に素直なリクエストを伝えると早速お願いしますと間飛の手を引く。
間飛としてもそのシチュエーションがいいと思う気持ちも分からなくもないので、その場に座るとポンポンと己の膝を軽く叩いて「おいで」と小大を呼ぶ。
「ん゙っ!」*15
「……心操、唯が壊れた」
「今更気づいたか?諦めろ」
もうコッチに振るんじゃねえとでも言いたげに答える。ただでさえ巻き込まれてる身なのだからこれ以上のストレスは本当に勘弁して欲しいのだ。
小大は恐る恐る間飛♀の足の上に頭を預ける。緊張して力んでいたはずの身体から、不意に力がカクンと抜けた。
えっ、柔らかっ。
まず最初に感じられるのは圧倒的な柔らかさ。クッションや枕とは違う、人体の脂肪や筋肉による絶妙な弾力。最高級枕なんて触れ込みの商品もこの感触の前では裸足で逃げ出すだろう。
次に来るのは匂い。そう、感触ではなく匂い。
新品同然のはずの女子用制服からほんのり甘い香りが漂ってくる。どういう匂いとは言語化が難しいけれど、どことなく安心する香りとしか表現出来ない。
最後に温かさ。人肌の体温が包み込むように小大を温めてくれる。もし今日の授業が実技訓練なんかであったなら、少し目を閉じれば容易く夢の中に落ちていっただろう。
つまり間飛の膝枕の評価は最高クラス。札束を積んでも手に入らない至高の枕がそこにはあった。
そして忘れてはならない。これは膝枕のリクエストではなくセリフとシチュエーションのリクエストだ。
「ふふ……気持ちいい?」
「──」
「いつもお疲れ様。貴女の頑張りは、ちゃんと見てるからね」
唯のリクエストは起きた時のヤツだけど、まず寝かしつけるところからやってみるか。何となく間飛なりにアドリブを入れて、小大の頭をポンポンと軽く撫でながら労うように話す。
じゃあ起きるところをやろうか───?
「ん゙ん゙ん゙っ゙!!」*16
「唯がぶっ飛んだあああ!?」
「有り得ねえだろ……人体の構造上……!?」
次の瞬間、小大は完全に無の状態から空中三回転半捻りを決めた。突如大量に供給された膨大なバブみを受け止めきれず、ああいう形で発散するしかなかったのだ。
まさかの奇行にギョッと驚きつつ、無事に着地したのを見届けてホッとした。心臓に悪すぎる。
発目、小大とリクエストが終わったのなら次は心操…なのだが。
「……俺はいいんだけど」
「えー。それじゃ面白くないじゃん」
「求めてないんだが?」
「じゃあ……俺が勝手にやっちゃっていいか?」
そもそも要らねえ。
心操の訴えは聞き入れて貰えず、何かしらをされる事は確定事項らしい。知らなかったのか、魔王からは逃げられないのだ。いや割とマジで逃げられないけども。
せめて比較的最小限の被害で済むものにしてくれと祈る心操を前に、間飛のアイデアはとうとう固まった。
今の自分と同じくらいの高さにある心操の頭を両手で挟むように掴み、グイッと間飛の胸元に抱き寄せた。胸に、抱き寄せた。
「──…………ッッッッッ!!?!?」
「コラコラ暴れんなよ……w」
一瞬何が起きたか理解出来ずに思考を放棄して、今自分が何を押し付けられているのかを理解した。
超ド級の胸部装甲に顔を埋めるという全世界の男の夢を、TSしたオタク男子の手で無理やりに叶えさせられる。何とか抜け出そうと藻掻くけれど間飛はニヤニヤと笑いながら逃がしてくれない。
何代にも渡って強化された身体能力がこんなところで無駄に性能を発揮。跳ね除けようとする手も、身体を捩って抜け出そうとしても何も出来ない。ムニュウ♡と脂肪の塊が心操の顔を押しつぶす。
一分ほど経ってようやく、間飛はその手を離した。
「ハァ……!ハァ……ッ!?」
「ンだよ盛ってんのか?」
「窒息寸前だよバカ!?」
「……下は正直みたいだが」
「不可抗力だろこんなもん!!」
顔が赤いのは久しぶりの酸素が供給されたからか、はたまた嬉し恥ずかしなサービスを受けたことによる物なのか。とりあえず心操のヒトシ君人形(意味深)は反応してしまっている。
心操も間飛もチェリーボーイ。あまり深入りはせずに話題を逸らす。女子もいるしな。
「もう……いいだろ?帰らせてくれ」
「……ん」*17
「…………?何やら記憶が飛んでいたような気がしますが……一体?」
「そうだな俺もさっさと帰るわ。何だかんだで疲れちまった」
バカ騒ぎもこれでおしまい。さっさといつもの間飛に戻ってくれることを望みながら四人は工房を後にした。
「心操さんどうでした?」
「……何が?」
「え?間飛さんのおっぱいですが」
「二度と聞くな」
心操(……柔らかかったな)
間飛(多分アイツの今日の
小大(定期的に性転換してくれないかなあ)
発目(間飛さんが着てた制服、持って帰っちゃってもいいですよね……?)