え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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息抜きギャグ回です。
ぶっちゃけほぼ番外編に足突っ込んでます。
前回のサブタイトルつけ忘れてました。
話進められなくてごめんね。
ゆっくりしていってね。





存在そのものが罪

 

 

 

「「「間飛ィィィ!!?」」」

 

「……今度はどうした」

「いや……また分かんなかったッスよ!?アイツアチコチ行ってたけど、また急に……!」

「すいません、俺も分からないです。俺の近くに来た瞬間に固まってたのは見ましたが」

「えっ、ちょっと間飛くん!?大丈夫?」

 

 何やらデジャブな光景。ちょっと前にもぶっ倒れていた間飛が障子の近くに来た瞬間、どういう訳か再びビターン!!と倒れた。何かさっきより勢いついてるな。

 

 まさかの二度目というだけでも驚きなのにやたら勢いをつけて倒れたものだから、原因が分かっていても流石に心配になる。また相澤が近づこうとして、障子達の近くにいたラグドールが先に駆け寄った。

 

「今度はどうしたにゃん?また範囲広げ過ぎた?」

「…………」

「……おーい?」

「…………あの、先に言っておくと不可抗力でして」

「にゃんと?」

 

 出血までは至らずとも相当な負荷ではあったのか、間飛は顔を赤くしたままそっぽを向いて何故か謝ってきた。はて、謝られるようなことをされた覚えは無いのだがとラグドールはコミカルに首を傾げる。

 

 先程よりは軽症のようだが頑なに詳細を語らない。決して目を合わせようとはせず、それどころか出来れば相澤先生を呼んでくれと言い出す始末だ。

 このままでは埒が明かないか、とラグドールは諦めて相澤を呼ぶ。

 

「それで、何故わざわざ俺を呼んだ」

「……その前にもうちょっとラグドールも葉隠さんも離れて貰えます?」

「いいけど……何で?」

「まあまあとりあえず離れるにゃん。聞かれたくないのかも」

 

 間飛に言われるがまま五歩程後ずさる。指導者としては何があったのか聞いておきたいのだけれども、本人が聞いて欲しくないというのならそれを尊重するのもまた指導者の役目。不思議そうにしている葉隠にも声をかけて二人で距離を取った。

 

「……今の俺って普段の探知範囲を限定してより詳細な情報を獲得してるんですよね」

「そうだな、大体5mまで絞り込むと目を閉じていても把握できるとお前は言っていた」

「さっき俺、ピコハンのことをちゃんとピコハンだと認識してたのもそれでして。ほら、普通なら本物のハンマーとかと間違えそうでしょ?」

「……何が言いたいんだお前。さっさと結論を言え」

 

 妙に結論を引っ張る間飛にそろそろ苛立ち始めた相澤は結論を求めた。いらん例え話を長引かせるくらいなら答えをさっさと言葉にしろ、と。

 やはり間飛はモゴモゴと言葉を選ぼうとしていたけれど、とうとう観念してポツポツと話し始めた。

 

「…………俺から5mの範囲内にある物は手に取るように探知出来るわけで、ピコハンがピコハンだと分かったのも形状が正確に分かってたからなんです」

「……あ」

「お気づきになりました?」

 

 間飛がピコハンをピコハンと分かっていたのは、普通のハンマーにはまずないであろうプラスチックで出来たバネの部分を感じ取っていたからだ。そのバネ部分の凹凸は精々1cmもない小さなもの。

 

 ところで話は変わるのだが、つい先程まで間飛の近くには誰がいたかご存知だろうか。

 

 障子は【複製腕】の精製速度の上昇と感覚強化を目的としており、その相手として全裸の葉隠が隠密性能を高める為にコソコソと動いていた。

 また、倒れた間飛を心配してラグドールが駆け寄っていた。

 

「……」

「……つまり、そういう事か?」

「ええ…………

 

 

 お二人の体型を隅々まで把握してしまいましたッ……!!」

 

 

「え……えっ……!?」

「にゃ、にゃあ……ッ……にゃんと……」

 

 今、間飛の脳内には彼女らの全裸の姿が余裕で再現出来る程の情報がある。乙女の柔肌はおろか、オブラートを破り捨てるならば乳房の形状女性器までも。

 

 その発言を聞いていたマンダレイは咄嗟に【テレパス】を発動。普段はあまり使わないらしい、他人の考えているイメージを読み取ろうとして……。

 

「……ありゃ、マジみたい」

「え゙」

「葉隠さんはわかんないけど、間飛君の頭の中にあるラグドールの体型滅茶苦茶リアル。見えないところの傷跡まで再現されてるし」

 

 マンダレイによる事実の補強。隣にいたピクシーボブもそれにはギョッとした。身内しか知りえない情報をさらりと知っている事が明かされ、間飛の脳内イメージがより本物に近いとマンダレイの口から言ってしまった。

 

 何より困っているのは相澤だ。本人曰く「今範囲広げて情報の希釈をしてる最中です」との事で、つまりはもう二人の体型はしっかりバッチリ把握した後だと言うことになる。

 如何に自他ともに厳しい相澤であっても、性別というややアンタッチャブルな問題に自分から首を突っ込もうとは思えないし、そもそも突っ込みたくない。他所でやれ。

 

 周囲の空気が凍りつき、轟と爆豪以外が完全にフリーズしているこの状況。一体誰が何をどうすれば解決出来るのか────

 

 

「お前エエエエエ!!また、またァ……ッ!またお前だけいい思いしやがってエエエ!!?」

「やかましい」

「ノールックでピコハン叩き込んでる……」

 

 ───ごめん普通にいたわ。

 

 峰田があまりの羨ましさに血の涙を流しながら*1間飛に向かって突撃してきた……のはいいが、目を向けることも無く相澤がやたら頑丈なピコピコハンマーでエロブドウを撃墜。お得意の【もぎもぎ】に手を伸ばされる前に一撃で鎮圧した。

 

 とはいえ彼のお陰で死んでいた空気は復活。咎めるにせよ許すにせよ動きにくかった状況からようやく動き出せた。

 

「も、もう!何してくれるの間飛くん!」

「私、間飛移は腹を切ります」

「判断が早いにゃん。そりゃ恥ずかしいけど……悪気があった訳じゃにゃいし」

「熱々に熱した鉄板を用意してください」

「謝り方が全部物騒だよ?普通に謝ってくれればいいからね?」

 

 当然だが間飛に悪気はこれっぽっちもない。*2ならば個性伸ばしの一環で起こった事故の一つでしかないのだ、ここで眉を釣りあげて怒る理由にはならな……いや十分だわ。

 そこは優しい優しいお二人。深い謝意で行われたあまりにも美しい土下座を前に慈悲を与えた。別に美し過ぎる土下座に引いた訳では無い。無いったら無い。

 

 因みに相澤は口を開けては閉ざし、手を伸ばしては下ろしを繰り返している。フォローのしようも無ければ仲介のしようもなくてどうしようかと考えあぐねていると、いつの間にか解決していた。ならいいか。

 

「そ、それで何だけど……」

「如何なる処罰も謹んでお受け致します」

「そうじゃなくて!……どこまで、分かっちゃったの?」

「ッス───……」

 

 良かねえわ(反語)

 

 何故それを聞いた葉隠よ。丸く収める方向に持っていけていたのにUターンしてまた空気が死んでいるじゃないか。何だその空気を殺す一言(ゾルトラーク)は。

 ラグドールも同じく気にしないようにしていたのに、わざわざ葉隠が口にしたものだからこちらも頬を紅潮させてしまっている。カワイイ(思考放棄)

 

 間飛もそんな事を口にできるわけが無い。文字通り身体の隅から隅まで舐めまわすように確認したのと同じ事……つまり口にすればもれなく変態の称号をプレゼントされる。パーティー会場はタルタロス*3で決まりだ。

 

「……えっ……と、です、ね?」

「葉隠さんまだ間に合うから!絶対聞かない方がいいにゃん!」

「そそそ、そうですよね!?やっぱりいいや!ごめんね!!?」

「……はい」

 

 ぶっちゃけ全身余すところなく把握してます、と口に出す寸前でラグドールが遮った。ギリギリセーフ。

 三人とも顔を真っ赤にしながら各々の訓練と業務に戻ることにした。

 

 

 

 

 

「……あれ?うちら間飛がソレやってるか分からなくね?」

「やはり腹を切ります」

「間飛くんならしないはずだからいいって!?」

「何だかんだその辺はマトモだしね……」

 

 

 

 

*1
お前もかよ

*2
あってたまるか

*3
ヒロアカ世界の日本における最も厳重な刑務所。






間飛(次は障子ンとこ行くか)
間飛(ん?近くにも誰か……)

間飛(エッッッッッ!?)(全裸の葉隠を探知)

間飛(やべえ思わずぶっ倒れた……)
間飛(また迷惑かけてすんませ───)

間飛(エッッッッッッッッ!!?)(ラグドールの体型を探知)

大体こんな感じでした。
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