これは、少女達の何てことはない日常である。
「ねえ、パンツ見せて」
「はっ?」
放課後帰りの女子高生が言うような言葉ではないだろう、それ。突然の親友のセクハラ発言に困惑しかない。そもそもどうしてそんな発言が口から出るのだろう、あれか悩みごととかあるのかな。可哀想につらいことでもあったのだろう。
「い、いや、冗談で言っただけだから、そんな哀れみの目線は止めて、何か刺さるから」
長い付き合いだ、相談ぐらいは乗るとしよう、このままでは親友が公序良俗に反する犯罪をしかねんからな、うむ。
「ね、ねえ?本当に冗談だからね、マジで受け取らないでお願いだから、ね、ね?」
「うん、わかっているよ、私たち親友だからね、困っていることがあったら―――」
「だ・か・ら、違うから、というかわざとやっているでしょう!?」
「てへ♪バレたか、まあ、急にパンツ見せてって言われたらさすがに困惑するよ、で急に何でそんな発言したの」
「えーと、その妹に言われたんだけど――――――
日朝のアニメ見てるときに、洗濯物を妹が畳んでいた妹が唐突に私のパンツ持って突き出してきて、
『お姉ちゃんのパンツ、さすがにこれはやめたらどうなの?恥ずかしいよこれ』
『え~、うさぴょんパンツ可愛いじゃん、別に良いでしょ、どうせ見られないし』
そしたら妹が嫌そうな顔をしながらパンツを突然私にむかって投げてきたんだよ。
『可愛いとかの問題じゃないでしょ、お姉ちゃんもう高校生なんだし、もう少し色気あるパンツ履こうよ』
『へ、色気あるパンツ?』
『(絶句)』
「―――って、ことがあって」
「いや、そもそも、妹に洗濯任せて日朝見るのはどうよ、というかそれがなんであのパンツ発言に繋がるの」
「だってパンツ見せてくれそうなの、一華ちゃんしか思いつかなかったから、あときっと紐みたいなのはいてそうd」
おっと……ふう、つい手が出てしまったが、このセクハラ女を黙らせるには致し方ない。
……はあ、まったくこの親友セクハラ女は頭がどうかしている。
「いだあぃ、なんでぇ叩くの、というかクリティカルな右ストレートでめっちゃ痛い…」
「ねえ、二葉、さすがに親友だとしても限度があるから、ね」
「あ、はい」
さすがに言い過ぎただろうか、帰り道の道中の雰囲気がお通夜みたいになってしまった。けどあれは、いやでも女子高生なら普通、なのか。
「パンツ、だっけか、まだ時間はあるし、店に寄って一緒に探す位は付き合っても、いい」
「………お、おお、一華がデレた」
「何、嫌ならいいよ」
「いやいや、そんなことないよ、ほら早く行こ!」
やれやれ、現金な奴……意味あってるかなこれ、まあいいか。