吾輩はセクレタリアトである。スキルはまだない。 作:わさビーフ過激派
親譲りの無教養で子供の頃から馬鹿ばかりしていた。
大学の頃には生活費を様々なソシャゲのガチャに注ぎ込んで一ヶ月ほど水ともやしで生活をしていたこともある。
なぜそんな馬鹿なことをしたかと聞く人もいるかもしれないが、推しのガチャだぞ、完凸させるもんじゃろがい。と答えたい。
あと、一回しか天井のないソシャゲは法律で無制限を義務づけろといいたい。
そんな馬鹿を大人になっても繰り返した結果、栄養不足で意識を失い、気がついたらゲームの世界にいた。
わけがわからないだろう?
安心してくれ、俺もわからない。
なにせ意識を取り戻した俺は、まず見知らぬ部屋にいることに驚き、次に小さくなった自分の体に驚き、その声を聞いて部屋に入ってきた顔面偏差値が恐ろしく高い獣耳コスプレイヤーに驚いた。
混乱して言葉にならず、マンモーニのようにアワアワしていると、コスプレイヤーに抱きかかえられ、「悪夢をみたのだろう」と、「お母さんがここにいるから安心しなさい」と、ASMR…違った、ワケのわからない事を言われたが、何故かその言葉に酷く安心してしまい、この人が母親なんだと「言葉」ではなく「心」で理解できた。
それから転生?憑依?したことを理解した俺は、コスプレ母とフツウノ父に怪しまれないように徐々に情報収集を行い、この世界がウマ娘プリティーダービーの世界だと気付いた。
前世ではウマ娘も嗜む(もやし生活する)程度にはプレイしていたので、せっかくだからとトレーナーを目指してみようと勉強し始めると、アプリのようにステータスや失敗率が見えることに気付いた。
この時は勝ったなガハハと喜んだものだ。
そのお陰で3度目のトレーナー試験で無事中央トレセン学園に採用されることとなり、これからチートでウハウハだと自信満々にサブトレーナの話を蹴り、意気揚々とスカウトのために模擬レースへ顔を出して、ウマ娘達のステータスを覗き見ていたところ、その化け物はいた。
[ゴールドハイアー]
セクレタリアト
スピード:280
スタミナ:320
パワー:306
根性:192
賢さ:79
芝:B ダート:S
短距離:F マイル:F
中距離:A 長距離:A
逃げ:B 先行:F
差し:F 追込:A
スピード+20% スタミナ+10% パワー+10%
根性+0% 賢さ-10%
デビュー前で300超が二つ!?!?
ダートが既にS!!???
成長率も30%超えてるし!!!
何だこのチートは!!!
はっ!もしやとんでもないデバフスキルで相殺とこそんなことでは?!
スキル
ん?あれ?スキルが見えない?
固有すらないとかありえるのか・・・?
いや、このステータスなら下手な固有持ちより育成の手間が省ける分スキルポイントに回せば全然デメリットじゃない。
距離と馬場が噛み合ってないが、芝も伸ばせないわけじゃないし、これは絶対スカウトせねば。
他のウマ娘は大体100前後でスキルも固有含めて1〜2個しかないし、芝とはいえあのステータスならセクレタリアトで決まりだな。
とりあえずゴール近くで誰よりも早く声をかけられるように移動しておこう。
[模擬レース開始]
スタートもスムーズに行ったが…逃げか。
脚質的に追込でいくかと思ったが、逃げを伸ばすか?
いやそこらへんは話し合って決めよう。
ん?急にブレたぞ?ラチに接触でもしたか?
まずいなどんどん速度が落ちていくぞ。
まさか怪我でもしたのか!???
…いや、足を庇ってる様子も見えないし、怪我ではなさそうか?
しかし、あのステータス的にスタミナ切れってことはないだろうが、顔に汗をかいて辛そうに見えるな。
スタミナ削る固有持ちはいなかったはずなんだが。
ステータスで見えない何かがあるのかもしれないし、これはレース後に直接確認する必要がありそうだなぁ。
[模擬レース後]
「あの、キミちょっとい「すまんが吾輩急いでいるのである!」」
えぇ…
因子継承って実際何やってるの?ウマぴょい?ウマぴょいなの?