転生した俺が歓楽街の帝王と呼ばれるようになるまで   作:色々残念

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何か思いついたから書いてみた
たぶん5話か10話くらいで終わりそうな気がする


女神との出会い

転生というものを経験した俺は、どうやら現代日本からかけ離れた場所に生まれ変わったらしい。

 

最初は外国の村かと思っていたが、明らかに見たことのない文字や、モンスターまでもが実際に存在しているこの世界は完全に違う世界だろう。

 

そんな世界で生まれ育った俺は幼い頃から大人よりも力持ちであり、身体能力や肉体の強度が通常の人間に比べて並外れているようだ。

 

そんな俺に、まともに接してくれたのは俺を育ててくれた爺さんだけで、村に住まう他の人々は陰で俺のことを化け物と呼んでいる。

 

村の鍛冶師をしている爺さんは、年齢にしては体格が良くて結構力持ちだが、爺さんよりも遥かに力持ちな俺は異常な存在なのかもしれない。

 

爺さんの鍛冶仕事の手伝いをしたりして、鍛冶を覚えた俺はたまに爺さんの工房を借りて、様々なものを作ってみたりしたな。

 

そんな日々にも終わりというものは来て、結構な年齢だった爺さんが老衰で穏やかに亡くなり、爺さんを埋葬した俺が村に居る理由も無くなった。

 

今でも村の人々に避けられている俺が、村に残っても良い結果にはならないだろう。

 

腕の良い鍛冶師だった爺さんが、最期に俺の為に遺した肉厚で頑丈な短剣は形見として受け取っておき、手早く旅支度を整えた俺は村を出ていく。

 

村を出て旅をしていると何度かモンスターに襲われることがあったが、並外れた身体能力で問題なくモンスターを倒して旅を続けた。

 

旅の最中、モンスターに襲われていた行商人を助けると「報酬払うから護衛してくれ」と頼まれることになり、行商人の護衛として様々な村や町に立ち寄ることになる。

 

最後に立ち寄った町が行商人の本拠地のようで、行商人からそれなりに報酬を受け取った俺は町を探索してみることにしてみたが、生まれ育った村とは比べものにならないほど町は広い。

 

活気のある町は見ているだけで楽しくなってくるが、そんな町から少し離れた場所に光輝く何かが空から1つ降ってきていた。

 

「神様が、また1柱下界に降りてきたようだな」

 

その様子を見て、町の人々がそんなことを言っていたが、どうやらあの光景は珍しいものではないみたいだ。

 

この世界に天界から降りてきた神が存在していることは爺さんから教えられていたが、実際に神が下界に降りてくる瞬間を見たのは今回で初めてになる。

 

神が下界に降りてきてもそこまで驚いていない町の人々にとっては、もうとっくに見慣れた光景なのかもしれない。

 

とりあえずどんな神が下界に降りてきたのかが気になった俺は、落下地点まで行って確かめてみることにした。

 

町の出入り口から外に出て、少し離れた外の落下地点まで向かってみると褐色の肌をした露出が激しい女性を発見。

 

「町に降りる筈が目測を誤ったか」

 

なんてことを言っている褐色の肌をした女性が、女神なのは間違いなさそうだ。

 

町から離れた場所である此処にはモンスターが出現することもあるので、女神をこの場に放置しておくのも良くないだろう。

 

「そこの女神様、町まで行くなら護衛しますよ。此処はモンスターも出現するから危険なんでね」

 

そう話しかけた俺に気付いた女神は「ほう、嘘は言っていないようだな」と言うと「良いだろう。このイシュタルを護らせてやる」と言いながら笑った。

 

道中で現れる様々なモンスターを短剣で斬り裂いて倒し、女神イシュタルを護衛して進んだ町への道。

 

下界に降りてきた神には制限があるらしく、現在は女神イシュタルも常人並みの体力しかないようで、途中で体力に限界が来た女神イシュタル。

 

「お前に、このイシュタルを背負う栄誉をやろう」

 

息を切らしながらそんなことを言い出した偉そうな女神イシュタルを背負って移動することになったが、神とは皆こんな面倒なもんなのかと思わなくもない。

 

「お前の背中は安定感があって、なかなか悪くはないぞ」

 

俺に背負われた状態で、そう言った女神イシュタルは何処と無く満足気だ。

 

「そうですか、ほら町まで到着したんで降りて降りて」

 

町の入り口まで到着したので女神イシュタルに降りるように促すと「このまま私を運ぶがいい」と言い出す女神イシュタル。

 

更に続けて「私の足代わりとなれることを光栄だと思うのだな」とまで言ってきた女神イシュタルは全く俺の背中から降りる気配が無かった。

 

女神イシュタルは1度装備したら離れない呪いの装備か何かなのか、と思ったりはしたがそれを言葉にはしない。

 

「とりあえず町にある宿屋までは運んどくよ」

 

一応それだけ伝えた俺は、女神イシュタルを背負った状態で町の宿屋まで向かう。

 

「ふむ、下界の町にある宿は、こんなものか」

 

宿の質に若干不満気な女神イシュタルの宿代を1週間分ほど前払いで支払っておき、宿の1室にあるベッドに女神イシュタルを座らせてから立ち去ろうとすると「待て」と女神イシュタルに呼び止められた。

 

「宿代は1週間分前払いしといたんで、あと1週間は宿で過ごせますけど」

 

宿の代金についての話かと思ったので、そう言った俺に女神イシュタルは「違う、そうではない。お前に聞きたいことがあるのだ」と言うとベッドから立ち上がる。

 

「お前の名は何だ?」

 

真剣な眼差しで聞いてきた女神イシュタルは、俺の名前を知りたいらしい。

 

「ジーン・グライペル」

 

今生の俺の名前を誰かに名乗ることは初めてだったが、特に今まで名前を聞かれ無かったので、答えることも無かったのだろう。

 

「ジーン、お前に神の恩恵を授けた主神と話がしたい」

 

なんてことを言ってきた女神イシュタルは、俺が神の恩恵を受けていると思っているみたいだ。

 

「神の恩恵は授かっていないんで、主神は居ませんが」

 

嘘偽りなくそう言った俺の言葉を聞いた女神イシュタルは、目を見開いて驚いていた。

 

「神の恩恵無しであそこまでの力を持つだと」と驚きを隠せていない女神イシュタルに「それじゃあ、俺はこれで」と言いながら宿の1室を出ようとした俺の肩が掴まれる。

 

「逃さん、お前だけは!決めたぞジーン!私はお前を最初の眷族にしよう!」

 

明らかに妙なテンションになっている女神イシュタルは、俺の肩を掴んだまま離すことはない。

 

「何か面倒そうだから嫌です」

 

女神イシュタルに対して思った正直な気持ちを言葉にした俺は、今すぐにでもこの場を立ち去りたくなっていた。

 

「ならば私に逆らえなくなるように魅了してやる!」

 

そう言い放ち、露出が激しい服を脱ぎ捨てた女神イシュタル。

 

全裸で身体を押し当てて密着してきた女神イシュタルを引き剥がして、俺は女神イシュタルが脱ぎ捨てた服を拾った。

 

女神イシュタルに服を差し出した俺に「何故私の魅了が効かない!」と驚きながらも怒っていた女神イシュタルは、俺を魅了しようとしていたみたいだ。

 

「とりあえず服を着とかないと風邪をひくと思うが」

 

露出が激しい服でも着ないよりはマシだと考えて服を差し出し続ける俺に、根負けした女神イシュタルは服を着てくれたが「私は必ずお前を眷族にしてみせるぞジーン」と言ってくる。

 

どうやら女神イシュタルは俺を眷族にすることを諦めてはいないらしい。

 

やっぱり女神イシュタルは面倒な相手だな、と思ったりはしたが言葉にはしないで、これからどうしようかと考えていると町が騒がしくなってきた。

 

何事かと思えば町の近くにドラゴンの群れの姿が見えたようで、町の人々はドラゴンの町への侵入を警戒しているみたいだ。

 

ドラゴンを倒せるなら倒した方が良いんだろうが、現在の町の戦力では到底無理な相手であるらしく、町の人々は既に逃げることを考えているようである。

 

色々と世話になった行商人の本拠地の町なら護ってやりたいところだが、流石にドラゴン相手に戦ったことは俺でも無いし、1頭だけではなく群れが相手であるなら、勝てるかはわからない。

 

どうやってドラゴン相手に戦うかを考えていた俺に女神イシュタルが話しかけてきたが、その内容は神が与えることのできる恩恵についてだった。

 

「神血で背に神聖文字を刻み、神の眷族となったものは強くなることができる。幼くともモンスターを倒せるほどにな。ならば元より強いお前が神の恩恵を授かれば、どれだけ強くなれるかは私にもわからん」

 

落ち着いた様子で言葉を発する女神イシュタルは続けて言い放つ。

 

「だが私は断言しよう。神の恩恵を授かったお前なら、ドラゴンの群れなど相手になるまい」

 

不敵な笑みを浮かべた女神イシュタルは、俺から視線を外すことはない。

 

「更なる力を得たければ、私の眷族となれ」

 

確かにドラゴンを倒すなら神の恩恵が必要かもしれないと判断し、女神イシュタルからの提案を了承した俺は上半身の服を脱ぎ、背に女神イシュタルの神血で恩恵を刻まれることになった。

 

「喜べジーン、魔法が1つとスキルが2つ発現していたぞ」

 

満面の笑みで嬉しそうに言ってきた女神イシュタルが言うには、初めて恩恵を刻んだ時に魔法1つとスキル2つが発現するのは珍しいことであるようだ。

 

ジーン・グライペル

Lv1

 力:I0

耐久:I0

器用:I0

敏捷:I0

魔力:I0

 

《魔法》

 

【ライト・オブ・ブレード】

・付与魔法

・光属性

・詠唱式【光剣抜刀】

 

《スキル》

 

【天性肉体】

・鍛えれば鍛える程、肉体が頑強になり力強くなる

・状態異常無効

 

【鍛冶鍛錬】

・鍛冶をする度、全ステイタスの熟練度微上昇

 

口頭で女神イシュタルから説明された俺のステイタスとやらは、そんな感じらしい。

 

ドラゴンとの戦いに役立ちそうなのは、魔法の【ライト・オブ・ブレード】ぐらいだろう。

 

とりあえず、神の恩恵も授かったので、ドラゴンと戦ってみるかと考えた俺は町の外に出てみた。

 

確かに群れで存在していたドラゴンに、神の恩恵を授かったことで更に強化された身体能力で近付いた俺は、肉厚な短剣で斬りかかってみたが、あっさりと半ばまで斬れたドラゴンの首。

 

案外脆いな、と思いながらも魔法を使うまでもなくドラゴンの群れを殲滅した俺は、町の人々にドラゴンを倒したことを報告しにいく。

 

ドラゴンから逃げるしかないと思っていた町の人々には感謝されて、かなりの額の謝礼金も渡されたが、釈然としない気持ちになっていた俺は町で待っていた女神イシュタルに気になったことを聞いてみた。

 

「神の恩恵を授からなくても俺なら倒せる程度のドラゴンだったんだが、もしかしてそれに気付いてたんじゃないか?」

 

俺からの問いかけに笑みを深めた女神イシュタルは、楽しげに答える。

 

「私は何も嘘は言っておらんぞ。神の恩恵を授かったお前ならドラゴンなど相手になるまいとは言ったが、その通りであっただろう。私は1度も、恩恵を授からなければ勝てぬとは言っておらんしな」

 

物凄く楽しそうな顔をしている女神イシュタルは、とても機嫌が良さそうだ。

 

「詐欺にあった気分だ」

 

思わずそう言った俺に、嬉しそうに笑っている女神イシュタルは言う。

 

「確かに更なる力も得たであろう?ならば詐欺ではあるまい」

 

まあ、女神イシュタルの言う通りに、神の恩恵を授かって何も得ていない訳ではないので、詐欺ではないのは間違いないが、騙された気分になっても仕方ないような気がするな。

 

「授かったものは仕方ないし、恩恵を消してくれとは言わないが、これからも俺は旅は続けるんで、それじゃさようなら」と立ち去ろうとした俺を「待て待て、恩恵を授けた私を置いていくなジーン」と言いながら追いかけてきた女神イシュタル。

 

「いや普通に迷惑だからついて来ないでくれ。荷物を増やしたくないんだよ」

 

「ジーンのその軽装なら、もっと荷物を増やしても問題あるまい」

 

「女神というお荷物が増えるのはちょっと」

 

「誰がお荷物だ!私を運ぶ栄誉を与えてやっているだけだろうが!」

 

「俺に運ばれることを前提にしてるじゃないか」

 

「何処に問題がある」

 

「問題しかねえよ、お荷物女神」

 

歩きながら女神イシュタルと言い争いを続けている内に、体力に限界が来た女神イシュタルが倒れたので肩に担いで運ぶことにした。

 

やっぱりお荷物女神だったな、この女神様。

 

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