転生した俺が歓楽街の帝王と呼ばれるようになるまで 作:色々残念
今回も短いです
鍛冶師でもある俺は今まで数えきれないほどの武器や防具に魔剣を作ってきたが、ここ数年で更に高まった現在の俺の技術ならこれまで以上に良い作品を作ることが出来そうだ。
そう考えて作成したのは手加減無しの俺の怪力で振るっても、絶対に折れることがない完全不壊の大剣。
大きく分厚い鉄塊のような大剣でありながら、斬れ味も第1等級武装以上である大剣は、かなりの業物だろう。
武器や防具に魔剣であるなら、どんなものでも作成することが可能だと感じるほどに、高まった鍛冶師としての俺の技術で、今度は様々な魔剣を作成してみることにした。
まずはミスリルを使って作成した魔剣は、魔法を装填することが可能な魔剣。
魔法を使える者が魔剣の柄を握って詠唱して魔法を唱えると、その魔法が放たれることなく魔剣に装填されるようになっていて、魔剣を振るえば装填した魔法が使えるという魔剣だ。
この魔剣には装填魔剣と名付けたが、装填魔剣は1回使うと装填した魔法が消えるようになっていて、連続使用は出来ない。
それでも完全不壊で壊れることがないので何回でも魔法を装填することが可能である。
装填魔剣は悪用されると問題がありそうなので、信頼できる相手以外には渡さない方が良さそうだ。
様々な魔法を装填することが出来る装填魔剣は、俺の全治魔法も装填することが可能だった
装填魔剣に全治魔法を装填できたことで、攻撃だけではなく誰かを治療する魔剣も作れるのではないかと思って、様々な素材で作成した新たな魔剣。
傷病の回復を可能とする回復魔剣と、毒の解毒が行える解毒魔剣に、呪詛の解呪が出来る解呪魔剣、そんな3種類の治療の為の魔剣を作成した俺は、その魔剣達に治療魔剣と名付けておく。
完全不壊で壊れることのない治療魔剣は、流通させるとポーションや解毒剤が使われなくなる可能性があるので、売り物にはしない方が良いかもしれない。
もし治療魔剣を商店で売り出すとするなら、使用限界があって壊れるものにするしかないだろうな。
攻撃が可能な魔剣は最初からあり、治療が可能な魔剣も作ったのなら、今度は防御が可能な魔剣を作ってみてもいいかもしれないと考えて、アダマンタイトで作成した魔剣。
防御用の魔剣の素材となったアダマンタイトを遥かに超える強度を持つ魔法の防御壁や防御結界を作り出して攻撃を防ぐ魔剣は、振るえば前方に防御壁を作り、地に突き刺せば半球状の防御結界を張る効果を持っている。
攻撃を防御する為だけに作り上げた魔剣には守護魔剣と名付けておき、様々な攻撃の属性に対応して防御が可能な守護魔剣を作成しておいた。
多種多様な魔剣を作っていると、魔剣で放つ魔法の威力を極大まで高めるとどうなるのかが気になった俺は、1振りの魔剣を作成してダンジョンに向かう。
今回作成したのは風属性の魔剣で、鍛冶師としての技術が高まったことで付与できるようになった魔法威力極大上昇の効果と完全不壊属性が付与してあり、精神力を込めることで魔法の威力を更に高めることも可能な魔剣。
オリハルコンの剣身を持つ風属性の魔剣を実際に使って、どの程度の威力なのかを試してみる相手に、ちょうどいいかと考えていたウダイオス。
ダンジョンの深層である37階層まで行き、発見したウダイオスへと、それなりに精神力を込めた魔剣を振るってみた。
魔剣から放たれた荒れ狂う暴風の砲弾がウダイオスに直撃すると、一撃で深層の階層主であるウダイオスの骨の身体を粉々に粉砕するだけではなく、ダンジョンの壁面すらも破壊して突き進んだ暴風の砲弾。
なんとなく嫌な予感がしていたので作成する魔剣を風属性の魔剣にしておいたが、他の属性の魔剣にしていたら大惨事になっていたかもしれないな。
放たれる魔法の威力が凄まじく高く、精神力を込めることで更に威力を高めることまで可能なこの魔剣には極大魔剣と名付けておき、使うべき時が来るまでは封印しておくことにした。
Lv6相当のウダイオスを一撃で倒せる魔剣ともなれば、欲しがる相手は沢山居そうだが、不用意にダンジョン内で極大魔剣を連発すれば同士討ちの危険性もある。
ウダイオスの身体を粉々に粉砕しただけでは止まらずに、ダンジョンまで破壊した威力がある風の砲弾に当たれば、Lv7以下の冒険者では間違いなく怪我だけでは済まない。
極大魔剣の属性が風以外であれば更に被害は甚大となりそうだな。
今回の俺のように単独であるなら問題はないが、基本的にダンジョンには何人かでパーティを組んで向かうものだ。
パーティを組んでいるなら仲間を攻撃に巻き込まないように気を付けるのは当然だが、普通の魔剣と同じように極大魔剣を使えば、誰かを魔剣の攻撃に巻き込んでしまう可能性は高いだろう。
極大魔剣も流通させてはいけない魔剣となりそうだが、上手く使えば強力な武器であるのは間違いない。
使うべき時にだけ使うと決めて、必要ではない時は極大魔剣を封印しておくと決めた俺の判断は間違いではない筈だ。
それはそれとして攻撃用ではない極大魔剣を念の為に用意しておくのも悪くはないと考えた俺は、極大治療魔剣と極大守護魔剣を作成する。
複数本作成した極大治療魔剣と極大守護魔剣は、何かあった時の為の備えとして信頼できるイシュタル・ファミリアの眷族達に渡しておくことにした。
とりあえずナイフ程度の大きさに作った極大守護魔剣も女神イシュタルに渡しておくと、魔剣を見た女神が「ステイタスの確認をするぞジーン」と言い出す。
女神に従って背中を晒し、現在の俺のステイタスを確認してもらったが、どうやらランクアップできるようになっていたらしい。
俺が鍛冶師として更に腕を上げたことで、ついに鍛冶神の神域の技術を上回ったことが偉業と判断されたようだ。
まあ、性的な技術で性愛の女神を上回ってランクアップした時に比べれば、だいぶマシな偉業だとは思えるな。
Lv8にランクアップすることが可能になった俺は、既に全てのステイタスがSの999まで極まっていたので、ランクアップすることに決めた。
ジーン・グライペル
Lv8
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
鍛冶:SSS
精癒:S
魔導:S
治療:A
彫金:C
拳打:E
治力:I
《魔法》
【ライト・オブ・ブレード】
【セイクリッド・ハイネスセラピア】
《スキル》
【天性肉体】
【鍛冶鍛錬】
【若年長期】
【斬拳走輝】
【極大治療】
【英雄錬鉄】
【超越名匠】
【夜帝王】
【魔書作成】
【完全破壊】
・完全不壊の物を壊そうと思えば破壊することが可能になる
・物を破壊する時、最高ランクの発展アビリティ破砕の一時発現
Lv8にランクアップすると鍛冶がSSSになり、新たな発展アビリティとスキルが発現していたが、新たなスキルである「完全破壊」があれば、もし完全不壊の武器や防具に魔剣が奪われたとしても破壊することが可能だ。
使い終わったら完全不壊であろうと壊しておくことができるようになったのは、悪いことではない。
処分したいと思った時に壊して処分することができるのも、とても助かるな。
そんなことを俺が考えていると「Lv8となったことを、このイシュタルが身体で祝ってやろう」と言ってきた性愛の女神。
とりあえず祝ってもらえるなら祝ってもらおうと思ったので、遠慮なく女神に相手をしてもらうと、性愛の女神は完全に腰砕けの状態となっていたみたいだ。
「こ、こんな!バカなッ!あ、脚に、力が、脚に力が入らんッ!たっ立ち上がれないッ!」
脚に力が入らない状態となっていた女神が、そんなことを言いながら身体を震わせている姿を見た俺は「移動したいなら運ぶぞ。何処に行きたいんだ?」と聞いてみる。
「風呂に入りたいところだな。運ぶ場所は、お前用の浴室で構わんぞ」
そう答えた女神を俺用の浴室に運んだ後に「今のイシュタルを1人で風呂に入らせるのは心配だから、俺も一緒に入るよ」と伝えて、立ち上がれない女神の身体と自分の身体を洗ってから一緒に風呂に入った。
風呂から上がって服を着替えたら、まだ立ち上がれない女神をお姫様抱っこで部屋まで運んでおき、部屋のベッドに性愛の女神を寝かせておく。
なんてことがあった日の翌日、歓楽街の治療所で俺が待機していると、現れた女神ヘラと護衛のヘラ・ファミリアの団員。
また部屋の予約かと思っていたが、どうやら今回は違うようで、ヘラ・ファミリアのホームに治療を頼みたい相手が居るようである。
「年齢が一桁の幼い姉妹を歓楽街に連れてくることには、流石にわたしも抵抗があってな」
そう言っていた女神の言葉が正しければ、ヘラ・ファミリアのホームで治療を待っている相手は幼い姉妹で間違いないようだ。
「怪我なら他の治療師でも治せるだろうし、病の治療か」
病の治療も可能な治療師は珍しいらしく、俺は病の治療を頼まれることが多かった。
「そうだ、不治の病だが、治せるか?下界の子よ」
不安気に聞いてきた女神の顔は暗く、女神が不治の病である姉妹を大切に思っていることが伝わってくる。
娯楽の為に下界に降りてきた神の中で、眷族を大切に思っている神は少ないが、全く居ない訳ではない。
不治の病の姉妹の病を治療する為に、自分が出来ることを行おうとしている女神の手伝いをしておくとしよう。
「確実に治せるとは断言出来ないが、その姉妹の病を治す為に、俺が治療師として出来ることは全てやらせてもらうさ」
そう女神に伝えた俺は歓楽街の治療所からヘラ・ファミリアのホームにまで移動して、不治の病の姉妹が居るという部屋まで案内された。
不治の病に蝕まれている姉妹は、姉がアルフィアで妹がメーテリアという名前らしい。
俺が治療師だと紹介した女神ヘラに疑うような視線を向けていたアルフィアとは違って「よろしくお願いしますね」と俺に笑いかけるメーテリアは肝が座っている。
とりあえず治療を始めてみることにした俺は、スキルを使用していない状態で【セイクリッド・ハイネスセラピア】の魔法を使ってみたが、症状が少し軽くなっただけで不治の病は完治していない。
今度はスキル「極大治療」の効果を発動して【セイクリッド・ハイネスセラピア】の治療効果を極大まで高めて、全治魔法を使ってみた。
「極大治療」を発動した状態で使用した【セイクリッド・ハイネスセラピア】で、かなりアルフィアとメーテリアの身体は楽になったみたいではある。
しかしそれでも完全に完治しておらず、全治魔法で治療する前より寿命が確実に伸びていたとしても、アルフィアとメーテリアの不治の病の症状が、まだ残っていることは確かだ。
「極大治療」だけでは足りないなら、使えるスキルは、もう1つあるだろう。
ついに「英雄錬鉄」のスキルを使う時が来たが、蓄力を可能とするこのスキルを発動することも「極大治療」と同時に使うことも初めてだった。
それでも目の前の姉妹を助けられる可能性があるなら迷うことはない。
「【全てを癒す聖なる力を此処に】【病めるものに光よ注げ】」
開始した詠唱と同時に発動した「英雄錬鉄」のスキルにより光輝く腕と、鳴り響く鎚で鉄を打つ音。
「【蝕むものをその輝きで退けよ】【放つ光は癒しの調べ】」
俺の身体から響き渡る錬鉄の音に戸惑っている様子の姉妹。
「【満ちる月は何よりも輝く】」
高速で詠唱することは可能だが、蓄力の完了に合わせる為に、ゆっくりと行う魔法の詠唱。
「【残らぬ傷】【癒える病】【消え失せる毒】【解かれる呪詛】」
止まることのない錬鉄の音は力強く鳴り響き、蓄力は続いていった。
「【光と共に聖なる癒しを与えよう】」
ついに完了した「英雄錬鉄」の蓄力に合わせて終わらせた詠唱と同時に「極大治療」の効果も発動する。
「【セイクリッド・ハイネスセラピア】」
発動した全治魔法は蓄力も加わって極大を超えた領域に到達し、放たれた魔法の光がアルフィアとメーテリアの姉妹を包んだ。
「極大治療」と「英雄錬鉄」の同時発動をして使用した全治魔法【セイクリッド・ハイネスセラピア】は、全てを治す全治の名に偽りなく、アルフィアとメーテリアの不治の病を完全に治す。
まさか姉妹の不治の病が治るとは思っていなかったのか、治療を見守っていた女神は驚愕を隠せていなかったが、それ以上に姉妹の不治の病が治ったことに喜んでいた女神。
そして部屋の外で様子を伺っていたヘラ・ファミリアの面々も、アルフィアとメーテリアの病が治ったことを知って部屋になだれ込んでくる。
一気に喧しくなったアルフィアとメーテリアの部屋で、病が完治したことに喜んでいた女神とヘラ・ファミリアの面々。
「治療代金は姉妹2人分で10万ヴァリスにしとくんで、支払いは忘れないでくれよ」
そう女神ヘラに伝えた俺は立ち去ろうとしたが「安過ぎるだろ!頑張ったんだから、もっと持ってけ!」と抗議するヘラ・ファミリアの面々に引き止められてしまう。
姉妹の病を治した俺に支払う治療代金が安過ぎることが、ヘラ・ファミリアの面々には不満だったらしい。
「俺に払うヴァリスがあったら、元気になったそこの姉妹に何か買ってやれ」
治療代金が安いことに文句を言うヘラ・ファミリアの面々に、それだけ言って強引にヘラ・ファミリアのホームから出た俺は、歓楽街に戻って治療所で治療師として働く。
そんなことがあった日から、歓楽街の治療所で俺が待機しているとアルフィアとメーテリアの姉妹と、護衛のヘラ・ファミリアの団員が、治療所にまで顔を出すようになった。
冒険者としての才能があるのは間違いなくアルフィアだが、芯が強いのはメーテリアの方かもしれない。
本気で怒ったメーテリアに謝っているアルフィアが、若干怯えているのを見ていると、そう思えたな。
ジーンが異世界に転生する話が見たいですか?
-
見たい
-
見たくない