転生した俺が歓楽街の帝王と呼ばれるようになるまで 作:色々残念
あと1話で終わりそうではありますが、終らなかったらもう1話くらい追加するかもしれません
6歳だった頃に俺の全治魔法による治療で不治の病が完治し、才能を十全に生かせるようになったアルフィアは、年齢が12歳になる頃にはLv7にまで到達していたようだ。
才能溢れるアルフィアに負けじと、激しい鍛練と努力を続けていたゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアの面々。
たまに協力を頼まれた俺が休日にゼウスとヘラのそれぞれのホームに行って、ゼウスとヘラの眷族達と戦ったことも数え切れないほどあったな。
数え切れないほど戦った甲斐はあったようで、ゼウスとヘラのファミリアは、多数の眷族がランクアップしたらしい。
その中でもゼウス・ファミリアではマキシムがLv9、ザルドがLv8となり、ヘラ・ファミリアでは「女帝」がLv10となっていたようで、他のファミリアとは比べ物にならない戦力となっている。
ゼウスとヘラのファミリアは現在、三大冒険者依頼を達成する為に、数年がかりで準備を積み重ねている真っ最中だった。
三大冒険者依頼で討伐しなければいけない3体のモンスターに備えた装備一式の作成を頼まれることになった俺は、それぞれのモンスターについての情報を聞き、必要になりそうな装備一式を作成していく。
凄まじい毒を持つベヒーモスと戦うことになるゼウス・ファミリアに用意したのは、獣殺しの属性を付与した完全不壊の武器達と、猛毒耐性だけではなく毒を軽減する効果を付与した完全不壊の防具達。
それに加えて各種極大魔剣合計50本と、スキル「極大治療」と「英雄錬鉄」まで使用した全治魔法を装填した装填魔剣が20本。
海の覇王と言われるリヴァイアサンを相手に戦うことになるヘラ・ファミリアに用意したのは、水棲モンスター殺しの属性を付与した完全不壊の武器達と、水と氷への耐性と重量を極限まで軽減する効果を持つ完全不壊の防具達。
それに加えて極大氷魔剣を多目に揃えた各種魔剣を合計で50本に、同じくスキルを使用した全治魔法を装填した装填魔剣を20本ほど用意してある。
順番的には最後の戦いとなる隻眼の黒竜用にも装備を用意する必要があるんだろうが、黒竜との戦いがかなり先になるのは間違いないので、しばらく休んでおくように言われた俺は部屋で身体を休めていた。
静かに休んでいると俺の部屋までやって来た主神の女神が「たまには外でデートをするぞジーン」と言い出してデートに誘ってきたが、気分転換にはなりそうだな。
女神イシュタルとデートをすることにした俺が、上機嫌な女神と一緒にオラリオを歩いていると、Lv6のオッタルを従えて散歩していた女神フレイヤと遭遇する。
互いに美の神である女神イシュタルと女神フレイヤだが、ファミリアとしての格付けはイシュタル・ファミリアの方が上だ。
それが気に入らないフレイヤ・ファミリアの眷族達からは敵視されているイシュタル・ファミリア。
フレイヤ・ファミリアの団長であるオッタルは、特にイシュタル・ファミリアを敵視していたりはしないが、他の眷族と同じく女神フレイヤに従うことには変わりはない。
特に仲が良い訳ではない美の女神達は互いが連れている男を見ていたが、女神フレイヤは物凄く羨ましそうな顔をしていた。
自分が欲しかったものを手に入れた相手に対する羨望を確かに抱いていたフレイヤ・ファミリアの主神に、何かを思い付いたかのような顔をした女神は口を開く。
「フレイヤ、もう伴侶とやらは見つかったのか?まだだよなァ。伴侶を見つけたのは貴様ではないッ!このイシュタルだッ!」
自身を親指で指差しながら楽しげな顔で、挑発するかのように言い放った性愛の女神。
「ちょっとイシュタルをぶん殴って、ぶっ飛ばしてくれないかしらオッタル」
性愛の女神の言葉を聞いて明らかに怒っていた女神フレイヤは、眷族であるオッタルに対してそんな指示を出す。
どんな無茶ぶりでもフレイヤ・ファミリアの主神に従う眷族であるオッタルが、女神を殴ろうとしたので、間に割り込んでオッタルの腕を掴んだ俺は、かなり手加減した力でオッタルを投げ飛ばした。
飛んでいったオッタルがオラリオの地面を転がってから立ち上がると再び拳を握ったが、狙う相手は性愛の女神ではなく俺であり、まず最初に俺を排除するつもりらしい。
全力のオッタルが連続で放つ拳打を軽々と受け止めた俺は、かなり手加減した掌打をオッタルの腹部に打ち込んで吹き飛ばしておく。
「ジーンは我が最強の眷族だ。技を使わずともスピードとパワーとてお前のオッタルより上なのだ」
オッタルと俺の一方的な戦いを見ていたイシュタル・ファミリアの主神は、そんなことを言って自慢気にしているようだ。
「貴様の眷族より、どのぐらいジーンが強いか、ちょいと試してみたかった。ま、試すほどでもなかったようだが」
俺の手加減した攻撃が直撃して何度も吹き飛ぶオッタルを見て、続けてそう言った性愛の女神。
「試すって言うのは、キズにもならない撫でるだけのことを言うのかしら?」
俺がオッタルに手加減していることに気付いている女神フレイヤは、挑発するかのようにそんなことを言い出す。
「フン、くだらん挑発に乗ってやって、もうちょっとだけ試してやるか。直ぐには終わらせるなよジーン」
挑発に乗った女神イシュタルが言う言葉に従って、オッタルの相手をしていると、何度吹き飛ばされようと立ち上がってくるオッタルは、それなりに根性はあるらしい。
連続でオッタルが繰り出す拳に合わせるように、凄まじく手加減した拳を打ち込んでいると「ラッシュの速さ比べか」と言っていた性愛の女神が続けて「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」と言い始めた。
ラッシュの速さ比べに容易く勝利して、とてつもなく手加減した拳をオッタルの頬に叩き込んで吹き飛ばすと「フフフ、やはり我が眷族の方がパワー、精密さ、ともに上だ!」と喜んでいた性愛の女神。
「もうわかった、満足だ。ここらで遊びのサービス時間は終わりだ。一気にとどめを刺してやれジーン」
そんなことを言ってきた女神イシュタルの指示通りに手加減した一撃でオッタルを倒した俺は、一応全治魔法でオッタルを回復させてから、その場を立ち去った。
なんてことがあったりもしたが、三大冒険者依頼を達成する為の準備は続いていく。
ヘラ・ファミリアがリヴァイアサンと戦う為に用意される足場となる巨大な船。
そんな船に使われる金属部品などの加工を頼まれることもあり、とても忙しい日々となったが、戦いの日が近付いていたのは間違いない。
状態異常を無効にできる俺は凄まじい毒を持つベヒーモスとの戦いに参加することは決まっていて、自分用の装備一式も用意していた俺は、戦いの時を待つ。
三大冒険者依頼の為に準備を積み重ねていく月日が過ぎていくと、アルフィアが14歳になってLv8になった頃、遂にその時が来た。
陸の王者ベヒーモスの討伐に向かう、ゼウスのファミリアに合流して、デダインの黒い砂漠に移動した俺は、重量超軽減の効果を付与した鞘に納めていなければ馬車では運べない超重量の大剣を鞘から引き抜く。
鞘から抜けば俺以外には持ち上げることもできない超重量の大剣は、獣殺しの属性と完全不壊を宿している壊れない大剣だ。
ゼウスのファミリアに、俺1人を加えた戦力が陸の王者と戦うことになるが、これにヘラ・ファミリアを合わせた連合が今のオラリオの最高戦力だろう。
毒に汚染され黒に染まった砂漠で黒い巨獣を相手に、それぞれの武器を構えた俺達は、迷うことなく突撃していった。
真正面、側面、後方、様々な方向から黒い巨獣ベヒーモスへと襲いかかり、武器の刃を叩き込む面々と、移動しながら魔法の詠唱を行う魔導師達。
放たれる魔法や魔剣の射線上に立たないように気を付けて動きながら、超重量の大剣の一撃で黒い巨獣の肉を斬り裂いて、削ぎ落とす。
連続で繰り出した斬撃で分厚い肉を削いでいき、骨にまで刃が届くかというところで、巨獣を中心に発生した黒い暴風。
暴風に遮られるのは魔法と魔剣だけではなく、重量の軽い装備を身に付けている者は、暴風に吹き飛ばされそうになっていた。
更に黒い暴風には毒も含まれていたようで、毒の風を大量に吸い込んでしまったゼウスの眷族達は、明らかに顔色を悪くしている。
発展アビリティ耐異常と、猛毒耐性に毒軽減がある防具を装備していても、完全には防ぎきれていない毒を持つベヒーモスは確実に危険な生物だ。
顔色の悪いゼウスの眷族には一旦下がってもらって、全治魔法を装填した装填魔法で治療を行う必要があるかを俺が治療師として確認しておく。
耐異常が低いと毒への耐性も低くなるので、毒による症状もそれぞれ違っていたが、とりあえず極大治療魔剣を使えば問題ない状態だった面々には、極大回復と極大解毒の治療魔剣を使っておいた。
全治魔法を装填した装填魔剣による治療が必要だった面々は、治療後は後方支援に回ってもらうことになったが、毒への耐性が弱すぎたのなら仕方がない。
前線から下がって、治療師としての仕事をしていた俺が前線に戻ろうとしていると、俺が削いだベヒーモスの肉を拾っていたザルドが、その肉を喰らう瞬間を目撃。
ベヒーモスの毒を宿した肉を喰らったザルドの力は、凄まじく上昇していたが、身体は毒に蝕まれていくだろう。
治療が必要な相手が増えたが、陸の王者である黒い巨獣を倒すまで、ザルドが治療を受けることは無さそうだ。
それなら戦いを早めに終わらせて、ザルドを手早く治療しておきたいところではあるな。
黒い巨獣との激しい戦いは続き、俺の全治魔法を装填した装填魔剣を使いきった後も続いていた戦いは、まだ終わらない。
生命力の強い巨獣が放つ黒い暴風を突破し、振り下ろす獣殺しの大剣。
Lv8でもオラリオで最も怪力である俺の力と、超重量に獣殺しの属性まで宿した大剣による連撃。
肉を斬り裂く刃で、骨すらも断つ斬撃を連続で繰り出していくと、削れていった山のような巨獣の身体。
暴れ回る黒い巨獣の攻撃を避け、時には大剣を盾に受け止めながら、巨獣からの攻撃が俺に集中するように立ち回っておく。
怒りを叩きつけられるように振るわれた黒い巨獣の腕による攻撃を、大剣の腹で受け止めた俺は「悪いな陸の王者、敵は俺だけじゃない」と言うと笑った。
「【父神よ、許せ。神々の晩餐をも平らげることを】!【貪れ、炎獄の舌。喰らえ、灼熱の牙】!【レーア・アムプロシア】!!」
俺の後方で行われていた猛り吠えるかのようなザルドの詠唱が完了し、魔法名が唱えられると同時に顕現する極大の焰。
凄烈な猛火を纏う大剣を構えたザルドが巨獣に突撃し、その一撃を頭部に叩き込む。
猛火の一撃に絶叫を上げる黒い巨獣が晒した隙を逃さず俺は、スキル「英雄錬鉄」を発動して蓄力した状態で、光刃を付与する【ライト・オブ・ブレード】の詠唱式「【光剣抜刀】」を唱えた。
蓄力されて強化された【ライト・オブ・ブレード】の光刃は巨大で、黒い巨獣の首の太さよりも長い。
大剣から伸びている巨大な光刃は蓄力で威力も強化されており、ベヒーモスの首でも一撃で斬り落とすことが可能だろう。
振り下ろした光刃が黒い巨獣の骨肉を斬り裂いて、巨大な首を斬り落とす。
それがとどめとなって陸の王者を打ち倒したが、敵を倒したことで気が抜けたザルド達が疲れきった様子で黒い砂漠に倒れ込んだ。
その後はザルドの身体を蝕むベヒーモスの毒を、スキル「極大治療」と「英雄錬鉄」を同時に使用した俺の全治魔法で解毒しておき、他にも毒状態となっていた何人かを治療。
残ったベヒーモスのドロップアイテムをどうするかということになり、その場に残しておくのも問題がありそうだと思った俺は、ドロップアイテムで武器を作ることを決めた。
デダインの黒い砂漠で炉を作り、巨大なドロップアイテムを溶かして圧縮していきながら加工していく。
完成した大剣は、ベヒーモスの巨大なドロップアイテムを全て圧縮して加工した大剣であり、対峙した敵に応じて変幻自在に毒を変える毒剣だ。
完全不壊で壊れることなく変幻自在の毒という効果も付与した毒剣は、状態異常を無効にできる俺以外には扱えない危険な武器なのは間違いない。
普段は猛毒耐性と毒軽減の効果を付与した鞘を幾つか上から重ねた多重鞘に納めておけば、ある程度は毒を封印しておけるようである。
戦いの後始末も終わり、オラリオの歓楽街にあるホームに戻ると「お前が無事に帰ってくることを待っていたぞジーン!」と言いながら突撃してきた性愛の女神。
俺が無事に帰ってきたことを喜んでくれていた女神は「ステイタスの確認をする為に、私の部屋に行くぞ!」と言って俺の手を引きながら部屋まで移動していった。
主神である女神の部屋でステイタスの確認をしてもらうと、どうやらランクアップが可能になっていたようだ。
医療系の神々の技術でも治療が不可能だった不治の病を完治させたことと、ベヒーモスと戦ってとどめを刺したことに加えて、ベヒーモスの毒肉を食べたザルドの解毒も偉業となり、Lv9へのランクアップが可能になっていたのかもしれない。
とりあえずステイタスもSの999で極まっているので、ランクアップしておくとしよう。
ジーン・グライペル
Lv9
力:I0
耐久:I0
器用:I0
敏捷:I0
魔力:I0
鍛冶:SSS
精癒:S
魔導:S
治療:S
彫金:A
拳打:C
治力:G
堅守:I
《魔法》
【ライト・オブ・ブレード】
【セイクリッド・ハイネスセラピア】
【スターダスト・オーバーリミット】
・超絶強化魔法
・光属性
・強化対象は、自分自身を含めた1名のみ
・精神力の消費量により強化率増加
・使用者の階位に応じて強化率増加
・詠唱式【星屑よ】【その輝きを示せ】【放つ光は星の息吹】【進むべき道を切り開く道標となれ】【覆す力を】【折れぬ心を】【立ち上がる強さを】【星屑の輝きは宿す】【最果てに至る時】【鮮烈な光と共に限界を越えよ】【我が全身全霊を持って輝きと成す】【星の光よ降り注げ】
《スキル》
【天性肉体】
【鍛冶鍛錬】
【若年長期】
【斬拳走輝】
【極大治療】
【英雄錬鉄】
【超越名匠】
【夜帝王】
【魔書作成】
【完全破壊】
今回は新たにスキルが増えていたりはしなかったが、新たな発展アビリティ堅守と最後の魔法が発現していた。
【スターダスト・オーバーリミット】は超絶強化魔法とあるが、どの程度まで強化されるかは使ってみないとわからない。
実際に使ってみて問題がないようなら、ヘラ・ファミリアがリヴァイアサンと戦うまでの間に、この魔法を装填した装填魔剣を用意しておこう。
という訳で実際に超絶強化魔法を自分に使ってみたが、スキル「英雄錬鉄」まで使って蓄力し、かなりの精神力を注ぎ込んだ【スターダスト・オーバーリミット】は、まるでランクアップしたかのように、凄まじく強化することが可能なようだ。
海の覇王との戦いでも間違いなく役立つ魔法であるから、装填魔剣にスキル「英雄錬鉄」を使用した状態で発動した【スターダスト・オーバーリミット】を装填しておき、それを10本ほどヘラ・ファミリアに渡して、実際に魔法を使ってもらった。
何回か魔法を使って試してもらったことで【スターダスト・オーバーリミット】の魔法で強化された状態には慣れてもらったので、実戦で使うのも問題はない。
ちなみにヘラ・ファミリアが海の覇王と戦っている間にゼウス・ファミリアは、オラリオの闇派閥を潰しておくつもりのようである。
最後の黒竜にはゼウスとヘラの連合に、俺を加えて戦いに挑むことになるようだが、ゼウスとヘラのファミリアの主戦力と俺がオラリオに不在でも闇派閥に何もさせないように、今の内に潰しておくそうだ。
やる気に満ち溢れたゼウスのファミリアによる闇派閥掃除が行われている間は、俺は歓楽街を守ることに専念しておくことにする。
ゼウス・ファミリアによって闇派閥が掃除された頃に帰ってきたヘラ・ファミリアは、リヴァイアサンの討伐を達成しても誰1人欠けておらず、怪我人は何人か居ても無事に生きて帰ってきてくれた。
【スターダスト・オーバーリミット】が装填された装填魔剣も渡しておいたが、それなりに役立ったらしい。
陸の王者と海の覇王の討伐が終わり、残すところは隻眼の黒竜だけとなるが、気を引き締めて戦いの準備をしておかなければいけないな。
ちなみにゼウスとヘラのファミリアが三大冒険者依頼に挑む前に、オッタルがLv6になってたのはゼウスとヘラのファミリアの面々が強くなっていたことで、これまで以上にオッタルが自分を追い込んで強くなった結果です
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