ヒーローアカデミア・人でなしの唄   作:ホネ星人

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お待たせしました。





人でなし・個性で体力テストする

 

「「「「個性把握…テストォ!?」」」」

「入学式は!?ガイダンスは!?」

「ヒーローになるならそんな悠長な行事でる時間ないよ」

 

体操服へと着替えグラウンドへ出た俺達、そこで相澤のおっさんが告げたのはテストの開始だった。

 

雄英は"自由"な校風が売り文句とは聞いていたが…これほど自由だとは。

 

「主席は新頭か…新頭、中学の時ソフトボール投げ何メートルだった」

「えっ、あー確か…65、程だったかと!(^-^)」

「はぁ…ちゃんと覚えておけよ…じゃあ"個性"を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいい早よ」

 

なんか俺がやることになった…あと俺が主席だと聞いてつり目のヤンキーみてぇな奴がこっち睨んでた、なんだやんのか。

 

「思いっ切りな」

 

思いっ切りと言われたので…あまり突飛な記録を残し変に目立つ事はしたくないが、手を抜いて舐めプするのも失礼だろうし。

 

「それでは…ふぅ…"気刻"」

 

全身に緋色のオーラが走る、それと共に俺はボールを振りかぶる。

 

「そぉっ…れぇっっ!!!」バシュッウゥゥゥン!!!

 

掛け声と共に放ったボールは風を巻き起こしながら空高く飛んでいく。

 

「…まず自分の「最大限」を知る、それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

相澤のおっさんの手元の端末には『973.5』と記録が出る…思ったよりか出たな。

 

「なんだこれ!!すげー面白そう(・・・・)!」

 

…あ?

 

「……面白そう…か…ヒーローになる為の3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのかい?」

 

相澤のおっさんの雰囲気が変わる。俺も言いたい事が出来たが一旦黙って話を聞く。

 

「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し…除籍処分としよう」

「「「「「はあああ!?」」」」」

「生徒の如何は先生(おれたち)の"自由"、ようこそこれが」

 

「雄英高校ヒーロー科だ」

 

相澤のおっさんの発言に他の生徒達からブーイングが上がる。

 

「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」

 

「なら乗り越えてみせろよ甘ちゃん共」

 

俺の放った言葉は一気に全員の視線を集めた。俺はそのまま続ける。

 

「お前ら…ヒーローになりに雄英に入ったんじゃねぇのか?ヒーローってのは理不尽乗り越える仕事だぞ?そんなのも分からねぇなら除籍されても文句言えねぇよ」

 

あーあ、いい子キャラやってくつもりだったが…思ったよりヒーローを舐めた連中がいるなら取り付くろうのはヤメだ。

 

「俺達は今日校門をくぐったその瞬間から…どんな理不尽をも乗り越えなきゃいけない立場になった…それなのにこのテストを面白そうなんて舐めた事よく言えるな」

「あ、新頭?なんか、キャラ変わってね?」

「はいそこうるさい…俺はその覚悟がある、理不尽を乗り越える覚悟が…悪いが今のお前らからはそんな覚悟、微塵も感じれねぇよ」

 

呆然としているクラスの連中を睨みつけながら俺は続ける。

 

「このテストは最初の関門、ここでどのくらい自分の個性を理解し、扱え、そして活かす事が出来るのかを見られるテスト…ただ自分の個性ブッパしていつもよりちょっと良い記録だせて良かったねなんて甘えた考えで挑んだなら…最下位じゃなくても除籍されて当然なんだよ」

「おい」

 

そこまで言ったところで相澤のおっさんから止められる。

 

「…すみません、ちっと熱くなってしまいました」

「いや良い…そうだこの程度で理不尽だと騒がれても困る…自然災害、大事故、身勝手な敵たち…いつどこから来るかわからない厄災、日本は理不尽にまみれてる」

 

「そういう理不尽(ピンチ)を覆していくのがヒーロー」

 

「放課後談笑したかったならお生憎、これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける…」

 

"plus・ultra"(更に 向こうへ)さ、全力で乗り越えて来い、こっから本番だ」

 

相澤のおっさんの話も終わり他の生徒の顔が真剣なものになった。

 

「おい新頭、随分色々言っていたが…それ相応の実力があるのか見させてもらうぞ」

「当然、言うだけはあるって事嫌って程見せてあげますよ」

 

第1種目:50メートル走

 

最初の種目の50メートル走、個性を使うなら馬鹿正直に走る必要は無い。

 

"猫跳気足"(ぼうちょうきそく)

 

俺の両足裏に緋色のバネが生える。それを反動が出るようにしっかりと踏みしめる。

 

「"気刻"」

 

全身に緋色のオーラが…今日2度目だし多分基本使っていく事になるだろうからこっからは描写を割愛する。

 

「ヨーイ、START!」

 

ダンッゴイーンッ!

 

「はいゴール」ザッ…

「「「えっはっや!?」」」

「…1秒37」

 

スタートとともに強化した両足で地面を思い切り蹴り、バネの反動も最大限活かした…走るというより跳ねたというのが正しいかな。

 

…ただ着地地点がゴールラインを少し越えた、ちょっとだけ調整ミスだな。

 

第2種目:握力

 

"気刻終襲"(きこくしゅうしゅう)

 

べキッ

 

「あ」

 

先から使っている"気刻"の上位版を試しに使ったら握力計が逝った。

 

「普通の"気刻"で良かったな…」

 

結果は測定不能。そりゃそうだ。

 

第3種目:立ち幅跳び

 

50メートル走の時と同じ組み合わせで大跳躍したら砂場の外に着地した。

 

これは狙った。大体6メートル程飛んだ。

 

第4種目:反復横跳び

 

「"気刻"」

 

これは"猫跳気足"を使ったら事故りそうだったので"気刻"のみでやる。なんか2頭身ぐらいの奴がめっちゃバインバイン跳ねてた。

 

俺の記録は150回、ただその2頭身の奴には負けてな…個性の使い方が上手いな。

 

第5種目:ボール投げ

 

これ自体は1回目と同じように投げて大体同じ結果で終了。ただ∞を出した奴がいたので少し順位が心配。

 

といったところで。

 

「46メートル」

「な…今確かに使おうって…」

 

この状況ではあまりにも見込みの無さすぎる記録、そしてそれを出したであろう本人の困惑が聞こえた。

 

「…あいつは」

「緑谷君ですって」

「ヒミコ、調子は?」

「なんとか、皆スゴイです」

 

そうヒミコと話ながらもその緑谷という奴に目を向けると、相澤のおっさんに詰められていた。はっきりと全部聞こえなかったがどうやら緑谷は個性を制御できていないらしい。

ついでに相澤のおっさんは他の人の個性を消す事が出来るみたいだ…"再現"出来るかな

 

「ヒイロ君、緑谷君の事どう思う?」

「…個性の制御が出来ないってのは致命的、消えるなら奴だな」

 

先の反応を見るに恐らく身体能力強化の個性…それが制御出来ないという事は自分の身体が壊れる程の強化をしてしまう、と考えるのが妥当か。

 

「2回目行くみたい」

「…だけどもあれは駄目だな」

 

見るからに追い詰められている…次の一投の後にあいつは病院送りと除籍が決定するだろう。

 

そして緑谷が投げる体勢に入った。

 

「見込み…ゼロ」

 

そんな相澤のおっさんの声が聞こえた…その時。

 

 

緑谷の空気が変わった。

 

 

「SMASH!!」

 

その叫び声と共に緑谷の放ったボールは高く空へと飛ぶ、先のしょぼい記録なんか比にならない…大体700メートルは飛んだ。

 

「あの痛み…程じゃない!!」

 

見ると緑谷の右手人差し指は赤紫に変色し出血もしている…確実に骨が逝っているだろう。しかし…

 

「先生……!まだ……動けます」

「こいつ……!」

 

出力の制御が効かないなら出力先を変えて最小限の被害で済ました…ボールを離すその瞬間、最後まで触れていた人差し指のみを最大出力で強化した、並の覚悟で出来る事じゃねぇ…全く勿体ない。

 

「”ソレ”が出来るならなんで普通の調整が出来ねぇんだよ」

「て言う癖に随分楽しそうですねヒイロくん♪」

 

あぁ、ヒミコに言われずとも今自分の口角がつり上がっているのが分かる。ああいうタイプの奴は嫌いじゃない。

 

「ま、自分で気づく時が来るだろ」

 

俺は残りの種目へと挑む。なんかつり目ヤンキーみたいなのが緑谷に突っ込んでいって相澤のおっさんに抑えられてたのは見なかった事にしよう。

 

 

第6種目:上体起こし

 

「ホイホイホイホイホイホイホイホイホイ」

「怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い」

 

”猫跳気足”を背中で発動しビョンビョンハネながらやったら脚押さえる役の上鳴がビビり散らかしていた。

 

記録は120回だが、殆ど反動の力なのでわりとズルだな。

 

第7種目:長座体前屈

 

”気剣苦逝”(きけんくいき)

 

俺の手に緋色の剣が現れる。

 

「よいしょっ」

 

前屈とともにその剣を出来るだけ伸ばす…と言ってもこの剣は認識出来る範囲なら無限に伸ばせるのでグラウンドの端まで伸ばしきったところで相澤のおっさんから∞の記録を出されました。やったぜ。

 

第8種目:持久走

 

待てや!?バイク持ち込んでいる奴いるぞ!反則だろ!何!?あれは個性で創った物だからセーフ!?物体創造の個性かよ!ちくしょうすげぇな!

 

とにかくバイク乗っていた八百万とかいう奴が1番を掻っ攫ていった…俺?2番手。個性でホバー移動した。

 

 

という事で全種目が終了した。

 

「じゃあパパっと結果発表…ちなみに除籍はウソな」

「………!?」

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽」

「「「「「「はーーーーーーーー!!!!??」」」」」」

「あんなのウソに決まってるじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」

 

あぁウソだ…ウソってのがウソだ。順位を見ると緑谷が最下位、あのおっさんが最下位除籍を言った時は本気の目をしていた。

 

「確かにあんなの見せられたらねぇ」

 

気に入ったんでしょう…緑谷を、だからウソをついたんだ。

 

「…ま!俺、1位なんですけどね!」

「私は12位でした」

「ヒミコもよく頑張ったねお疲れ!」

 

こうして個性把握テストは終わり、そして時間は過ぎ下校時間…

 

 

「さてと帰るか」

「なぁ!新頭!放課後空いてるか!?」

Get your act together, you brain leaking bastard.(いい加減にしろよこの頭漏電野郎)

「なんて?」

 

上鳴、こいつはよく朝とたいして変わらないテンションで俺に接せれるな。

 

「はぁ…あのな?朝の俺は演技してたんだ、ぶっちゃけ俺なこのクラスの誰とも仲良しこよしするつもりはない」

「そーいうなよ!なんてーかさ!今のお前のほうがなんか…こう、不気味な感じねぇから…もっと喋りたくてよ!」

「へーそんなに不気味だったかな?」

 

こいつ…面倒くさいなヒミコとデートの予定あるからってさっさと帰るか…ヒミコに声かけてと。

 

「あ、ヒイロくん今日私梅雨ちゃんと三奈ちゃんと恋バナしてから帰るのでお家で待っててください♪」

 

おっとヒミコぉ?

 

「え?もしかして…お前あのコと付き合ってんの?てかお家で待っててという事は…え?同棲してんのか?」

「許せねぇよなオイ?ここはヒーローになる為の場所って言ってた奴が彼女連れとかオイラ許せねぇよオイ…」

「上鳴待て、というか2頭身お前はどこから生えてきた」

 

その後上鳴と2頭身…峰田という奴に質問責めを食らって、いつもより帰りが遅くなったのは言うまでもない。

 

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