「ヒミコなーんで置いてこーとしたのー」
「ヒイロ君はお友達作った方がいいです」
「むぐー」
そんな軽口叩きながらも帰宅した俺達。結局俺の携帯には
「んふふー♪梅雨ちゃんと芦戸ちゃんとってもイイ子でした♪」
「そりゃ良かった」
ヒミコも中々良い友達が出来たようで何より。
そして次の日。
「んじゃ次の英文のうち間違っているのは?…おらエビバディヘンズアップ盛り上がれー!!!」
(金髪トサカサングラスのおっさん頑張ってんなー答えは4番だな)
午前中は普通の授業、まぁ高校で習うような内容は小さい頃に半分ジジイの押し付け半分知的好奇心で履修済みなので復習程度の物としておく。
…そして。
「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!」
(帰れ…)
午後の授業はヒーロー基礎学…つまり客寄せゴリラタイムだこんちきしょうがよ。
「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!」
という事で本日は戦闘訓練、ちと早い気もするが恐らく現段階でどのくらいやれるかを測るためだろう。
「そしてそいつに伴って…こちら!!!入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿ってあつらえた
教室の壁が変形し、中から他のクラスメイト達の
「まぁ俺のは手元にあるんだけどね」
そしてグラウンド・β。緑谷が遅れて来たが全員
「母さん特製の戦闘服の初陣だな」
俺の
「ヒイロ君のコスチューム全体的に赤いです」
ヒミコの
「ヒミコ凄く似合ってる最高に可愛いその可愛さだけで世界救える」
「んふふ♪ありがとう♪」
なんて話をしていると、白いロボみたいな奴が喋りだす。
「先生!ここは入試の演習場ですがまた市街地演習を行うでしょうか!?」
この声は…確か…いい…だ?だったよな。
「いいや!もう二歩先に踏み込む!屋内での対人戦闘訓練さ!!!」
はいそれからの話を纏めると、今から『敵組』と『ヒーロー組』に分かれての基本2対2の屋内戦をする。
状況は『敵組』がアジトに核兵器(のハリボテ)を隠してるから『ヒーロー組』はそれを処理する。
『ヒーロー組』の勝利条件は制限時間内の『敵組』全員の確保、もしくは核兵器の回収。
『敵組』の勝利条件は制限時間までの核兵器の防衛、もしくは『ヒーロー組』全員の確保。
「コンビ及び対戦相手はくじだ!そして今年の生徒数は21人だから1チームのみ3人組になるぞ!」
「適当かつ人数差もあるのですか!?」
「プロは他事務所のヒーローと急増チームアップする事が多いし人数差も含めてそういう事じゃないかな…」
そんな話もありながらもくじ引きの結果は、
緑谷・麗日 VS 飯田・爆豪
轟・障子 VS 葉隠・尾白
耳郎・上鳴 VS 芦戸・俺
蛙吹・常闇・ヒミコ VS 八百万・峰田
青山・口田 VS 切島・瀬呂
となりましたと。
「げぇーっ!新頭とかよキビシーッ!」
「なんの縁だろうね」
まあ上鳴は適当にしばくとして…注目は最初の訓練の組み合わせだ。
「さぁて…緑谷君は少しは成長したかな?」
才能は感じる、後はそれを正しく発揮するだけだぜ?是非とも楽しませてくれよ。
〜〜〜〜〜
はい酷評の時間です。
「だいたい俺の言いたい事は八百万が言ってくれましたので俺からはノーコメントです」
緑谷は相変わらず身体ぶっ壊して解決しやがったし麗日はあまりにも緊張感無さすぎだし爆豪はただ喧嘩しに来てたようなもんだし酷すぎてこれ以上感想述べようとしたらただの罵倒になる。
「飯田、お前がナンバーワンだよ」
「あ、ありがとう!新頭君!」
その次の第二戦は轟って奴がビルごと凍らせて制圧。まさに瞬殺だったので…
「さ、行くか」
俺のターンだ。
〜〜〜〜〜
俺達は敵チームなので適当にハリボテ核兵器の設置を済ませた後、ヒーローチームを待っていると。
「ねぇ新頭の”個性”って何なの?把握テストの時とんでもなかったじゃん!」
そう芦戸…だよな?芦戸が俺に聞いてくる。
「…まず自分の”個性”を開示してからそういう事は聞くもんだと思うけど?」
「私身体から酸をだせる!以上!」
…こいつ上鳴と同じ匂いがするな。まぁ個性を教えてくれた事だ、こっちも開示するとしよう。
「…俺の”個性”は【操気】だ」
新頭 緋色、個性【操気】。カロリーを消費し”気”というエネルギーを生成、それを自由自在に操れる。どう扱うかは使用者の頭しだい。
「長期戦だったりで使いすぎると意識を失うが…だいたいその前にはケリがつけれるだろうな」
「…つまり何でも出来るって事?」
「俺がやりたい事の理屈をイメージ出来るならな」
本当の事をいうと複雑、もしくは強力な性能の技を使おうとすればそれ相応のカロリー消費が発生する…その事は別に言わなくとも大丈夫だろう。
「さーて、お相手さんの登場だ入って来ていーよ」
「え?急にどったの?」
「扉の向こうのボーイ&ガールを呼んでるの」
そう言うと扉が開き、上鳴と耳郎…だったかな?が入ってくる。
「…バレてないと思ったんだけど」
「それはゴメンね開始からの時間的にそろそろかなって思ったんだ」
「ならすぐに終わらせるぜ!」
上鳴が突っ込んで来たが…避けるまでもない素人丸出しな身のこなしだ。
「気壊閃」
「げっ!!」
そこそこの距離まで来たところで指を上鳴に向けるとそれだけでビビって体勢が崩れる、コイツは入試で俺の戦闘を見てたからこその反応だ。
「なんてね、
「マブっ!?」
「ほいっ」
「ぶべっ!」
閃光弾で目潰し、からの蹴りをお見舞い、気刻も使わないし手加減もしたがそれでも上鳴は無様に吹っ飛んでいく。
「騙し討ちっ!」
「卑怯で結構批判も上等、マジに戦う以上正々堂々は通じない物だよ…ほれ芦戸ちゃん確保しちゃってよ」
「…え、あ!オッケぃ!」
「くっ、させっか!」
芦戸が上鳴の確保に行くのを耳郎は止めにいく。これも簡単に止めれる。
「はい、そこ足元危ないよ」
「なっ!?」
「嘘だよ、ほれっ」
「ぐっ!?」
足元を注意しただけで耳郎の動きが一瞬止まる、そこを軽く足払いをかければ簡単に体勢を崩せた。すぐさま身体を抑え込み動けないようにする。
「さてと…耳郎ちゃんは扉の向こうで俺の話を聞いていた、いや割と聞こえるように言ったからそこは関係ないけど…俺がイメージ出来る事なら何でも出来る、そんな個性を持っている奴から足元注意なんてされたら何かあると一瞬でも思うわな」
「チッ…随分ズルいんだね」
「さっきも話してたように俺の個性は長期戦には向かないし無駄打ちもしたくないんだよ、頭脳プレイと呼んでほしいね」
「あっそ!」
ガキンッ
「痛っ!」
「残念でした」
耳郎の不意打ち耳たぶ攻撃も気装天鎧で防いで確保テープを巻き付け耳郎は脱落、向こうでは芦戸が上鳴にテープを巻けたようで。
『ヴィランチーム
第三戦も瞬殺だったな。
〜〜〜〜〜
「まぁ皆様色々言いたい事あるでしょうね」
講評のお時間だがぶっちゃけるとだいぶ問題がある戦い方したなとは思っている。
「戦闘開始すぐの騙し討ちは大前提上鳴が俺が何出来るかを知っている事前提の戦法だし、耳郎ちゃんがあそこで引っかからない可能性も全然あり得たからだいぶナメたやり口だったから…簡単にいったら本当にズルした」
「そうですわ、相手がこちらの手の内を知っている、というのは実戦ではほぼあり得ない事…実戦を想定とされた今回の訓練では褒められる物ではございませんわ」
マジでそう。ただ情報として持っているのならそれを活かすってのも有りかなとは思ったが…こうして振り返ってみると中々にひどい。
「まぁしかし!敵側がヒーロー側の手の内を知っている状況もゼロでは無し!そしてその逆もしかり!派手な戦闘を避け最低限の労力で相手を鎮圧する判断も必要だぞ!」
客寄せゴリラにフォローされたよクソ。
「なら次私ですね」
「ヒミコなら絶対に勝てるよなんなら微笑むだけでも全ての敵対する奴ら全員が見惚れて(早口)」
「んじゃ行ってきます」
「あ、うん」
次はヒミコのチームの番なのでヒミコを応援しようとしたら軽く流されました。
「なんか本当にベタ惚れなんだな新頭」
「もちろんヒミコは俺にとっての女神、命より大切で尊くもうそれはそれは…もう本当に可愛くて、どこが可愛いかって言ったらそりゃもちろん全部なんだけど説明するとしたら(早口)」
「おぉ…そっちはまた今度聞いてやっからよ!それよりトガちゃんは強いの?」
上鳴のそんな疑問に俺は色眼鏡盛り沢山の評価をしたい気持ちを抑えて答える。
「強いよ、特に今回みたいなシチュエーションだと…下手すると俺より強いかも」
「…マジで?」
「マジで」
俺は画面越しに、常闇と蛙吹に何か話をしているヒミコを見つめながらそう答えた。
〜〜〜〜〜
「どうした渡我、そんなに改まって…それほどの頼みたのか?」
「ケロ、ヒミコちゃんそんなに畏まらないで、私達に出来る事なら協力するわ」
「そうですか…でしたら」
私はヒイロ君以外にこのお願いをするのは初めてです。だからとても怖いのです。
もしかしたらこのお願いで、常闇君と梅雨ちゃんは私を嫌いになっちゃうかも…それでも。
「お二人の血…チウチウさせてください」
新頭 緋色 個性【操気】
カロリーを消費して"気"と呼ばれるエネルギーを生成し、それを自在に操る。
どう操るかは完全使用者の思考依存であり個人個人の個性が出る。何も考えずに操ろうとしても何も起きない。
大掛かりな事や複雑な事を行おうとすればその分消費するカロリーも多くなり、使いすぎるとカロリー不足となり強い眠気に襲われぶっ倒れる事になる。
新頭緋色は非常に高い知性と思考能力によりこの個性を使いこなしており、大体の事は出来る上に上手いことカロリー消費を抑えている。ただし限度はある。