正雪先生の隣に寄り添ってあげる人を置きたかった話 作:浪人Aです。なんか書いてる奴です
「サーヴァントキャスター、鷹の魔女キルケーだ。私を喚んだからには──」
「そうか。……お前、願いは?」
「なぜそれを最初に?」
「俺の願いは、ただ一人の願いの成就だ。俺の手に盈月は残らない」
「──まぁ、いいよ。どうせここじゃ叶わない願いだからね。でも、キミの願いも同じように叶わないと私は思うよ」
「…………何故だ」
「この聖杯……盈月は不完全だ。使えるとしても、しっかりとした形で願いを叶えてくれやしないと思う」
「──そうか、ならば、お前に頼みたいことがある。それは────」
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「先生、あなたはどうしてもこの儀に出ると仰るのですか。すでに土御門が死に、いつ異常が起こるかもわからぬこの儀に?」
「……怪しいと、そう思うのはわかる。だが、私はこのライダーと共に、この儀を勝ち抜き、世を正すのだ。わかってくれ、孤月」
正雪がそう返すと、孤月は諦めたような顔をした。
そして、正雪の前に跪くと
「あなたの意思が変わらぬのならば、この孤月はあなたの剣となりましょう。あなたの思うままに」
「ありがとう、頼りにさせてもらうぞ」
正雪はそう言って、自室に戻って行った。
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〜その日の夜、浅草にて〜
「やぁ、この大魔女が君たちの足止めをさせてもらうよ!」
ライダーの前から撤退したセイバーと伊織の前に立ちはだかったのは、翼の生えた少女。
その仕草は、誰かと会話しているように見える
「様子見だろう?わかっているさ!」
その言葉共にセイバーへと魔術が飛ぶ。
セイバーはそれを易々と弾き返すと剣を構えてキャスターへと迫る。
キャスターはそれをなんとか自らの杖で受け止めて、さらに後ろへと後退する。似たような流れを何度か繰り返した頃、キャスターは再び誰かと話すような仕草をする
「マスター、これまずいかも、思った以上に強い…………、了解!それじゃあまた会おう!」
「……っ!?念話か!待て!」
大魔女と名乗った少女はその翼で大きく舞い、そして撤退して行った。
「一体なんだったんだ?まぁいい、イオリ!先を急ぐぞ!」
「……あぁ、承知した」
その日は、大魔女と名乗った女はそれ以降姿を見せなかった。
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数日後、由井正雪の私塾のある神田を目指した伊織たち。
道中にタマモアリアが発した
「鋭い気配が致します、お気をつけなさって」
という言葉が引っかかりながらも、神田に続く道を塞いでいた小雪の手勢を退けた。
この先にはおそらく罠がある、セイバーと共に引き返そうとしたその時
(──っ殺気!)
伊織が反応できたその瞬間、鉄と鉄の打ち合う音が響き、火花が散る。
刀が首筋に迫るその時まで、気取ることすらできなかった。
刺客の刀は伊織の首へ突き刺さるすんでのところでセイバーによって阻まれた。
「……なるほど、これが英霊なるものか。我が剣も届かず、切るには骨が折れそうだ」
「何者だ?貴様」
セイバーが男を睨みつける。
「孤月。……由井正雪の剣として──その首、此処で落とす」
男はそう言って、刀を構えた。
一応補足を入れておくと、今のところ主人公の強さは伊織と同等レベルか少し上くらいです。
しかし、伊織は相手と正面から戦う「型」が基礎にあるのに対して
今作主人公は不意を打ってでも相手を殺すこと、そのために極めた速さが強みなので、不意打ちだと伊織すら一撃で殺しかねない、という感じです。