「タ...大将がやられタ!」
自身の大将がやられた敵軍は顔を真っ青にし、すぐに退避の行動を取った。
「無駄だ。この母船は壊滅的な被害でもうじき爆発するだろう。他の2機はあまり損傷がないように見えるが、お前らの兵はほとんどやられたみたいだな」
「___ッ」
目に見えてわかる隊長の発言に敵兵らは言葉を発することが出来なかった。
「今回も我々ジェンツー隊の勝利だ!第1部隊、第2部隊も総員退避だ!急げ!」
「「「はい!!」」」
隊長の命令によって第1部隊、第2部隊は後方の大型の戦闘機に乗って退避を始めた。
「俺達も退避だ。行くぞ」
「「「はい!」」」
副隊長も退避命令を下し、兵衛左衛門達も中型の戦闘機に乗り込み、南極の基地へと戻った。その間、圧倒的な戦力差を見せつけた隊長の話題で持ち切りになったが___
「そういや、B班の奴らはどうなったんだろうな!」
B班の対に座っていたA班のカランが首を突っ込んできた。
「俺達A班は敵兵の討伐数なら1番だと思うぜ!」
「な、なによ!B班だって兵衛左衛門が副隊長に褒められたんだから!」
カランの自慢にエルダが負けじと対抗して兵衛左衛門に付いて話したが、兵衛左衛門は面倒事に付き合わされて困った様子だった。
「こうやって話したところで、結果はこの後の集会でわかるんだから別にいいんじゃねーか?」
エイダンが仲裁に入るが、エルダとカランに睨まれ何も言い返せなかった。
数時間後、対人戦闘部隊の大広場にて第35期生が集められ、集会が行われた。
「隊長のルイスだ。今回の防衛戦についてはご苦労だった。本来お前たち参加させないつもりだったが、以前話した通り数ヶ月前の大戦で隊員がかなり減ってしまってな。すまない」
集会は隊長からの今回の防衛戦についての労いと謝罪から始まった。
「今回の防衛戦についていくつか戦績を残した班を副隊長から報告を受けていてな。それを発表したいと思う」
ついに来たか、とA班とB班は緊張が走った。そして__
「まずはA班。敵兵の討伐数が一番多いとの報告が入った」
拍手と同時にA班がB班の方へ顔を振り向き、B班は苦い思いをしたが、次の発表に賭けた。
「次にB班。これは戦績というか、俺と副隊長の個人的な驚きで発表させてもらうが、B班の兵衛左衛門隊員が専用武器無しにエネルギー弾を放ったとの報告が入った」
拍手よりも驚きの声が上がり、隊員の多数が兵衛左衛門の方を見た。兵衛左衛門は以前エルダが言っていた事の重大さにようやく気付いた。
「簡易的だが今回の集会は以上だ。次もいつ防衛戦が始まるか分からない。腕が鈍らないよう日々の訓練にしっかり励んでくれ。それでは解散だ。」
「「「ありがとうございました!」」」
ルイスからの解散の命令が入り、集会にいた第35期生の隊員はあらかじめ指定されていた個人部屋に向かっていった。
「しっかし兵衛左衛門すごいな!隊長からも驚かれる程の才能を持っていたなんてよ!」
「いやあれはなんというか、咄嗟に思いついたというか...」
感心するエイダンに照れ気味に説明する兵衛左衛門だったが、自分にこんな能力があったと本人が一番驚いていた。
「お前兵衛左衛門か?今ちょっといいか?」
「ああ、今大丈夫だが___ッ!?」
振り向きながら返事を返した兵衛左衛門が目にしたのは、なんとルイス隊長の姿であった。