トレーナーが担当ウマ娘そっくりになっちゃう話   作:なめろう、ご期待ください

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生きてました。
元おじいちゃんなウマ娘、下着を買う。まぁそういう感じの話なので苦手かもと思ったら後ろを向いてバックステッポゥ


六日目

 六日目の朝。

 

 あの人が私と似た姿になって、気付けば一週間が経とうとしていた。結局アグネスタキオンの薬品は直接の関係はなかったらしいし、何もかもが判らずじまいだ。

 

 だけどそれでも、不謹慎にも現状を楽しんでいる自分がいるのも事実だ。現にあの姿のあの人と、会う相手が居るとはいえ一緒にお出掛けをすると考えるだけでも尻尾が揺れる。

 あの子には悪いと思うけれど、それでも同じ姿をした身近なウマ娘ともなれば魔が差してしまうのも仕方ないと信じたい。あの人も事情は知っているのだし、少なくとも拒絶はされないだろう。……否、あの人には出来ないだろう。

 

「……困ったわ、余計に魔が差してしまいそう」

 

「昨日焚き付けておいてなんですけど、大丈夫ですか? エレンさんの下着ちゃんと選べます?」

 

 今日の外出に際して準備を進めながら、そう言葉を洩らせば同室のカレンさんがそう心配そうに声をかけて来た。

 

「流石に同行者がいて、しかも片方は今のあの人の保護者役なのよ? 大丈夫……の筈よ」

 

「そこは断言してください……」

 

 言われなくとも分かっている事だ。しかし、断言できないのもまた事実なのでどうしようもない。

 あの子の事は自分の中で区切りをつけられた。そう思った矢先にこれだ。思っている以上に、私自身もいまだに動揺しているらしい。

 

「まあいいですけど、ちゃんと選んであげてくださいよ? 今のエレンさん、アヤベさんと同じで、かなり大きい方なんですから」

 

「一言余計。言われなくたって自分の身体なんだから、よく知ってるわよ」

 

 わざわざ口に出して言わないで欲しい事をカレンさんに指摘され、顔が熱くなるのを感じる。べつに好き好んで大きくなったわけではないし、なんならもっと小さくても良かった。

 もっと小さければ、過去に下手な下着を選んで痛い思いをすることもなかった。それに、走る時に生じる揺れを抑えるためとはいえ、強い締め付けに耐えるのだって幾らかマシだった筈なのだ。

 

「大丈夫、同じ失敗はしない。ちゃんとしたところで、必要に応じてオーダーメイドも辞さないわ」

 

「えっ? あ、あー……そうですね。そうしてあげてください。それで下着はちゃんとしたお店で買ってたんですね……」

 

「……昔の話よ。あの時、店の人が試着せずに買っていく私を不安そうに見てた理由が良く解ったわ……」

 

 身体に合わないインナーは、むしろ身体を壊しかねない。身に染みて勉強になった。まだ入学間もない頃の思い出だ。

 

 幸いなことに私の時は何事もなく済んだが、それでも痛いものは痛い。予防できる内に確りとした物を用意するのが良いだろう。

 

 なんであれ、今日の用事のメインはそちらではない。先に済ませるべき事をしてから、私の用事に付き合って貰うとしよう。

 そうして思考を整え、準備も忘れ物がないかの確認をして部屋を後にする。あの人と合流し、件の保護者役の人と会おうではないか。

 

 

 

───☆☆☆───

 

 

 

「初めまして、ソノンエルフィーと申します!」

 

 さて、トレーナーと合流してここまで来るのに小一時間。待ち合わせ場所のショッピングモール内の案内板前で彼女達と相対した私達は、一先ずの挨拶を交わしていた。

 そこで始めは私からと、元気に挨拶をしてくれたのが目の前の彼女だった。

 白く長い髪に、おでこの絆創膏が気になる活発そうなウマ娘。少なくとも、この時点での彼女への印象はそんな感じ。

 

「初めまして、アドマイヤベガです」

 

「俺は、エーレンフリートだ。よろしく、ソノンエルフィー」

 

 トレーナーが名乗る時に、一瞬だけ躊躇った気配がした。大方、元の名前とどちらを答えようかで悩みでもしたのだろう。まあ確かにそれなら私も悩みそうだし、これについては指摘する事もない。

 同席している都留岐さんも私とは初対面だったから挨拶を交わし、一先ずこれで全員が面識を持った形になる。

 

「しかし本当にそっくりですね。アドマイヤベガさんのご家族とか、混乱しちゃうんじゃないですか?」

 

 さて、早速容姿についてエルフィーさんから発言があった。そして指摘された事に、私もトレーナーもハッとする。確かに、ここ暫くは色々あって家族と連絡がとれていない。

 つまり、エーレンフリートという私のそっくりさんについて、私の家族は知らないということだ。

 

「……言われてみれば、失念していたな。今度説明をしに伺うとしよう」

 

「えっ、説明されてなかったんですか? ……いえ、失礼しました。ご本人が一番大変なのに、そこまで気も回りませんよね」

 

「実際、昨日からようやく固形物が食べられる状態になったらしいので。遠出がそもそも難しかったと思います」

 

 私がそう伝えれば、何とも言えない表情を浮かべる二人。まあ気持ちはわかる。

 

「うむ、まあなんだ。その辺りは追々対応するから、気にしないで欲しい」

 

 結局、トレーナーがそう言って場所を変えようと提案した事でこの話は区切られた。立ち話でする内容でもないし、彼としても話題は早々に変えたい所だったのだろう。

 ……そう考えると、そもそもそれを話題に出した私が悪いのではないだろうか。やはり浮かれているのだろうか、どうにも口が軽い。私らしくないと、自分でも思うぐらいだ。

 

 口にする言葉に気をつけようと反省しつつ、一先ずは彼が先導して動くのでそれについて行く。心なしか尻尾がソワソワしたように左右に揺れている気がするが、進む方向から美味しそうな匂いがして来ればそれも良く理解できた。

 

 

 

「どう考えてもいきなりこれは、重すぎるんじゃないかしら」

 

「同意見です、エレンさん。私も高齢の知人が居るのでお気持ちはお察ししますが、せめて段階は踏むべきです」

 

「ウマ娘ならたぶん問題無いと思いますが、ここは大事を取って止めておくべきだと思います。せめて普通の定食屋にしましょう」

 

 しかし残念ながら、それを許してやる程に私は甘くない。そしてそれは、同行者二人も同様だったらしい。

 ウマ娘にとってのご馳走、にんじんハンバーグを提供する大手レストランの支店。その店の前に連れられた私達は、言い方はどうあれそう否定の意見を答えたのだから。

 

「……やはりお前たちもそう思うか。いや、うむ……俺も少し浮かれていたらしい。恥ずかしい限りだが……」

 

 そして否定の言葉を前に、明らかに耳と尻尾を萎びさせて応答するトレーナー。

 少し可哀想な気もするがこればかりは仕方がない。変に甘やかしてこの後の予定を全て台無しにされるよりは、多少機嫌を損ねさせる程度マシな方だろう。

 そもそも、彼はこの程度でヘソを曲げる様な子供ではない。事実、自分でも薄々そう思ってはいたらしいし。

 

「また今度、普通の食事で慣らしてから来ましょう。……ね?」

 

「そう、だな。そうしよう」

 

 思いの外堪えているらしい。さりげなく、あやすような仕草をしてみたのだけど……それに対する指摘が来ない。エルフィーさん達は微笑まし気に見ているが、彼の事を知っている身としては少し心配になる状態だ。

 まあ確かに、彼からしてみれば何年かぶりのご馳走をお預けされた様な物だ。ましてここ数日は固形物すらろくに取れないでいたともなれば、たとえ無意識でも楽しみにしていて何ら不思議ではない。気を落とすのも仕方がないだろう。

 

 ……この件に関しては後日個人的に、改めて誘うとしよう。あまりにも不憫だ。

 

 何はともあれ、改めて店を探し直す事になった私達は洒落た喫茶店に落ち着いた。少なくとも昨晩は食堂で焼きホッケ定食を食べて何ともなかったのは確認済みなので、適当なファミレスも視野に入った。しかし流石に良心が働き、ハンバーグやステーキ等のメニューが存在する店を自然と避けてこうなった。

 まあサンドイッチぐらいなら問題は無いだろう。大事を取ってカツサンド等の油物は満場一致で避ける事となったが。

 

 

 

「恥ずかしい所を見せてしまったが、本題に戻ろう。ソノンエルフィー、君が俺の保護者役を名乗り出た理由を知りたい。それなりにリスクがあるだろうに何故?」

 

「お察しの事と思いますが、打算的な部分もあります。それもご指摘の通りリスクがある物ではありますが。僅かでも『U.A.F.』の発展に繋がるのならと、秋川理事長から打診を受けた次第です」

 

 やはりと言うべきか、理事長が関わっていた。しかも予想通りに『U.A.F.』が絡んでいる。

 

 聞けば彼がこうなったタイミングと、『U.A.F.』開催の打診タイミングが偶然にも重なったのも大きかったらしい。それを機に理事長達としても、僅かとはいえ多少のリスクを抱える事になる彼の保護者役としての立場を交換条件に出してみた所があったのだろう。

 もっとも彼の保護者役を買って出なかったとしても、理事長は『U.A.F.』の開催に協力していた筈だ。それでも受けたのは彼女の言った通り打算的な物があるのだろう。なにせ引き受けた方が、心象は良い。

 

 加えて先日タキオンさんが言っていた事だが、あわよくば彼が走りながら『U.A.F.』へ参加をし、そこで一定の活躍が出来ればそれだけで広告塔の出来上がりだ。

 タキオンさんの無実が証明された今、まさに『原因不明』の現象でウマ娘になってしまった彼を引き受ける傍ら一大イベントを主催。そのイベントでウマ娘として新たな人生を歩む彼が一定の活躍をしたならば、傍目から見ればある種の恩返しの様にすら見える。そこから更に他の競争ウマ娘からも協力者が増えたならば、まあバラエティ番組辺りで一定のウケは狙えそうなストーリーの出来上がりだ。どうせ走るとなれば、容姿の関係で明かさざるを得ないのだし。

 

 最終的に巡りめぐって、ソノンエルフィーというウマ娘とエーレンフリートが紡ぐ『U.A.F.』開催のドラマが生まれるのだ。第一回の開催さえ巧く行けば、これをネタにそんなドラマがあったと公表できる範囲だけ公表してしまえば後は番組側が勝手にセンセーショナルに仕立て上げてくれる事だろう。

 

 なので彼を受け入れたのは、兎に角長期的な目線での事。しかもあくまで、第一回の開催は自力で成功させなければならない事に変わりはない。

 少なくとも彼を受け入れた事の真価は第二回からが本番であり、第一回の時点では内々にしか影響は及ばない。そう考えるとリスクの方が大きい気もしたが、何としてもこの第一回を成功させて見せるという意気込みもまた窺えるのも事実。

 徹頭徹尾、彼を利用する心算であれば理事長含めて軽蔑する気でいた。が、話を聞く限りではそんな事は無さそうで安心だ。彼女達であれば任せられるだろう。

 

 そうして一通りの話を聞き終え、考えを整理し終えたらしい彼が口を開いた。

 

「……事情は分かった。覚悟のうえで決めた事なら、俺がとやかく言うのは違うだろう。なるべく手間はかけさせない心算だが、なにぶんこの身体になった原因はいまだ不明だからな……有事の際はよろしく頼む」

 

「はい、頼まれました。これからよろしくお願いします、エーレンフリートさん!」

 

 彼の言葉にエルフィーさんが応え、握手が交わされる。これで今日の主目的は概ね達成しただろう。

 

「そういえば、お話が纏まった所で確認をしたいんですが。この後のご予定とかって、考えていらっしゃいますか?」

 

 さて、そろそろ私の目的も進めていこう。一応この後に先方が何か考えていたら、それを優先しようと思うので確認を取る。

 

「いえ、特には。プライベートでも業務的にも予定はないので、折角ですから交遊でも深めようとは思っていましたが」

 

 しかし幸い、話が終わればそれで一区切り。何かあれば雑談がてら、お店を見て回ろうと思っていた旨を話される。であれば。

 

「その、彼……エレンの事で、ある買い物をするつもりなんです。良ければご一緒しませんか? 主に説得というか、……逃がさないように」

 

 そして私の言葉に、エルフィーさんと都留岐さんは揃って首をかしげた。当の彼は、ちょうどサンドイッチを咀嚼していたらしく聞こえなかった様だ。彼女達とは別の理由で首をかしげていた。

 その時にふと気づいたけれど、彼の目は私より少しだけ印象が違って見えた。なんだか彼女の方が、元気がある様に思えたのだ。何と言えばいいのだろう、目がぱっちりと開いていると言うのだろうか? 単に私が普段からこんなだから一見眠たげな目をしているだけで、ちゃんと開けば似たような目をしているのかもしれないけれど。ううん、もしかしたら目に生気が……それはそれで私に生気が無いみたいで嫌ね。

 

「なんでもないわよ。さ、それを食べたなら移動しましょう? 買いたいものがあるの」

 

 とはいえ、今気にする事でもないだろう。少しモヤモヤする考えまで浮かんでしまったし、思考を遮る意味でもそう言って彼に食事の続きを促す。

 そういえば、彼の若い頃の姿を見た事が無い。先ほどの印象の差異も、そういった物が関係しているのかもしれない。どの道今は関係無いから帰って聞こう、そう思いながら彼の食事を見守る事にした。

 

「……そう見られていると食べ辛いのだが?」

 

「気にしないで」

 

「……」

 

 見守る事にした。

 

 

 

───☆☆☆───

 

 

 

「……ここは?」

 

 やたらと食べ辛かった昼食を終え、アドマイヤベガに連れられて俺達はある店の前に来ていた。

 非常に。非常に、嫌な予感がする。頭の中で警鐘が鳴り響くが、彼女の事は良く知っている心算だ。俺がこの姿になってからという物、多少挙動不審が目立つようになりこそすれど無駄な行動はしない筈だ。しかしそれでも、解っていても、この場所はどう考えても俺にとって場違いなのではないかと感じてしまう。

 だからこそ、あえて見てわかる事を彼女に聞いてみた。

 

「見ての通り、ランジェリーショップ。まあ下着屋ね」

 

「……そう、だな」

 

 しかし帰ってきたのは、見た通りの答えであった。

 そして後ろの二人、折角だからと一緒に付いて来た都留岐涼花とソノンエルフィーはと言えば。

 

「ああ、確かに必要ですね……」

 

「酷かもしれませんが、必要ですねぇ……。あとアヤベさんが言ってた事、今分かりました……」

 

 悩まし気に、そして何処か憐れむような視線を俺に注いでいた。

 

「いつまでも私のお古を着けている訳にもいかないし、いい機会だから新しいのを買わないといけないわ。そもそも長く使っていたから捨てる予定だった物だもの、いつ壊れるとも知れない物を着けていて欲しくないし」

 

「まさかとは思うが、俺用に買うと?」

 

「他に誰が必要としてるのよ……。お古をあげてる以上、私が新調したのはつい最近なのよ?」

 

 確かに、新調していなければ廃棄予定の古着なんて物は発生しない。しかしそれならそれで、別の方法でも良い筈だ。そもそも俺が居る意味も無いだろう。

 

「体格はアヤベとほぼ変わらない筈だ、同じ物を同じサイズで買えば済むのではないか?」

 

「……気持ちはわかるのだけど、そうもいかないのよ。貴方もトレーナーなんだから、定期的に私の身体データは見ているでしょう? それで察して」

 

 ……確かに一定以上の学園からの評価——即ち信頼を得たトレーナーは、担当ウマ娘の合意の下で詳細な身体プロフィールを閲覧する事が出来る。

 そうでなくとも彼女達はトゥインクルシリーズデビュー登録時に、世間に身長とスリーサイズが公表されてしまう。その後はスリーサイズは更新されず、体重のみがレース出走毎に公表更新されるだけだが、要は基準となる数値を基に誰が身体の作りが良い・甘いの判断基準となるのだ。それを見て一部のファンは誰が一着になるのかを予想し投票、的中すれば景品を獲得するというシステムが古くからURAには存在する。

 

 話が逸れたが詰まる話、俺は一定期間毎にアドマイヤベガの詳細な身体プロフィールを閲覧できていた。即ち彼女のスリーサイズを常に最新の状態で知っていたのだが、まあ確かにあまり安定はしなかった気がする。もちろん身体の成長や筋肉の付き方、体質によっては余計な脂肪が付いてしまう等の要因こそあるが、なんであれ変動を続けるのがこのスリーサイズという物だった。

 これがまた難儀な物で、レース前の調整の一番の敵でもあった。特にバストなんて物は結局の所脂肪である為、先ずレースに向けた調整トレーニングでサイズダウンが発生する。そしてレース本番で、更に大幅にサイズダウンが発生するのだ。競争ウマ娘には付きもので、凄まじいエネルギー消費に追いつくために全身の脂肪がこれまた凄まじい勢いで燃焼される。ウマ娘の神秘ではあるのだが、勝負服やインナーのサイズ調整に直に影響するので体質次第ではここが一番の難所というウマ娘やトレーナーは多い。

 

 尤も、過去に担当した中には全くと言っていい程変化の無いウマ娘も居たには居たが。そういうウマ娘程、俺がその事を誉めると極めて攻撃的になったのは良い思い出だ。お互い管理のしやすい体質で良いだろうに。

 

「つまり、俺もまたこの身体でいる以上は成長が発生する。そして俺が俺であり、お前がお前である以上は同じように成長するとは限らない……か」

 

「ご明察。いくら瓜二つとはいえ、毎日同じ物を同じ量食べて、同じメニューを熟すなんて訳にもいかないんだから。必然的に今後大きな差異が出て来るはずよ、今後次第だけれどレースに出るなら猶更ね」

 

 確かに納得するしかない理由だ。俺がエーレンフリートとして生きて行くならば、どの道避けられない問題だった。仮に俺が走らない道を選んだとして、今度は走らない分アドマイヤベガよりは脂肪が付きやすくなるはず。そうなれば当然スリーサイズにも差異が出始め、結局は彼女とは別口で新調する必要が出て来ただろう。

 ……覚悟を決めるしか無いか。裸を見ておいて何を今更とも思うが、それとこれとはまた必要な覚悟が違うと思う。深呼吸を一つして、気持ちを強く持つ。

 

「わかった、それならば仕方がない。俺も覚悟を決めよう」

 

「……まあ、そうよね。ある意味別の覚悟が必要よね、それもそうか……」

 

 分析しないで欲しい。覚悟が揺らぐ。

 

 そうこうしていれば、ソノンエルフィーが思い出したように口を開いた。

 

「そういえば、スリーサイズって測って来てないですよね? これから測るんですか?」

 

 確かに俺は知らされていないし、そうである以上はアドマイヤベガも俺の今のスリーサイズを知る術は無い。しかし無用な心配だった。

 

「いや? だが担当を何人か持った経験があるトレーナーならば、大抵は一目見れば判る。誤差もベテラン以上ならプラスマイナス二センチあるか無いかだろう。鏡を見れば自分の物であってもある程度は判別できるさ」

 

「……へぇ? 初耳ですね、それって服を着てても判るんですか?」

 

 ……要らぬ事を言ったかも知れん。ややソノンエルフィーの声に棘を感じる。

 

「まあ、うむ。そうだな。職業柄そういったデータを見る事が多い上に、そう言った最新のデータと実物を見る機会が多い。担当のライバルや今後競う事になりそうなウマ娘等が良い例だ。そういった物を見ていると、自然と判別できてしまう様になる。ある種の職業病だな」

 

「それ、ウマ娘以外にも有効なんでしょうか……」

 

「……トレーニングで逐一変動する競争ウマ娘と比べれば、それ以外では容易と言えるだろう」

 

 都留岐涼花からも、同様の声音で問いが投げかけられる。まあ確かに、聞いて気持ちのいいものではない。仮に生粋の女性トレーナーであっても、同性とはいえ他人のスリーサイズを一目見てほぼ当てられるなんて特技を口にするのは憚られるだろう。

 俺は、口を滑らせたのだ。そして根幹となる部分を言ってしまった以上、その派生部分を誤魔化す事も出来ず答えるしか無かった。

 

「一応弁明をしておくが、これらは学園やURAも知っている事実だ。万が一にも悪用が無い様に、年に四回の頻度で全トレーナー向けの防犯講習受講が義務付けられている。今回は俺が口を滑らせてしまったが、通常であれば表ざたにならない情報だった程だ。……気を悪くした事は謝罪する。それはそれとして、この事は他言無用で頼む」

 

 一先ずは頭を下げ、誠意を込めて謝罪をする。正直俺がここで口を滑らせた事を学園やURAに報告されるのは良いが、下手に誰かに喋って無駄な尾鰭が付いて広まってはトレーナー全体への風評に関わる。

 中堅以上のトレーナーの下に付いているウマ娘は既に知っている場合や、察している場合もあるが基本的には知らないのが当然だ。新入生のウマ娘や、新人に付いたウマ娘達がトレーナーに対して疑惑の目を向けるなんて事態が起きる可能性だってある。

 

「頭を上げて。トレーナーさん達がそんな技能持ってるなんて今更でしょう? タキオンさんのトレーナーさんなんて気付けば光ってるなんてしょっちゅうだし、担当ウマ娘の着ぐるみ姿で過ごすトレーナーさんだって居るのよ? まして同期のハッピーミークさんの桐生院トレーナーだって、半分ウマ娘って言われた方が納得できるヒトだし。まだ理由がハッキリしてる分、そんな職業病でとやかく言わないわよ」

 

「いや、そのトレーナー達と比較されるのは心外なのだが」

 

 しかしアヤベのその言葉に、流石の俺も慌てて頭を上げる。というより、否定したさに声を上げる。

 何故かここ数年に入ってきた新人トレーナー達は、こぞって奇行に走る者が多い。それを補って余りある才覚を持ち合わせてこそいるが、逆にそれが『トレーナーは変人奇人揃い』だとか『変人奇人でなければ優れたトレーナーにはなれない』等といった風評を生みつつあるのだ。それと一緒にされるのは勘弁願いたい。

 

 そんなやり取りをしていれば、すぐにハッとした様子で二人が頭を下げた。元は俺が口を滑らせたのが発端だ、少々居心地が悪い。

 

「すみません、私達も少し取り乱しました。大人になったとはいえ、まだそういった話題へは羞恥心を持つ身……過剰に反応してしまいました」

 

「私も、一度はトレーナーに指導された身で気付ける機会はあった筈……失礼な態度を取りました」

 

「やめてくれ、そもそもデリカシーに欠ける事を洩らした俺の落ち度だ。当然の反応なのだから謝らないで欲しい……」

 

 なんなら今のやり取りの後で謝られると、変人奇人揃いの中この程度が何だという点を肯定されている様で非常に困る。

 それを抜きにしても、気持ち悪いと思うことはごく自然な感情だ。俺だって今はこの姿だ、そういう目で見られたともなれば、中身がどうこうを抜きにしても酷い嫌悪感を覚えるだろう。これはそういう話だ。

 

 第一、俺は普通のトレーナーのはずだ。普通の。そう、特別ではなかったからこそ……。

 

「……兎に角、俺のせいで話が脱線したが、早く事を済ませよう。選ぶのを手伝ってくれ」

 

 ふと、昔の嫌な記憶が脳裏を過る。それを誤魔化すように話を戻し、本来の目的を果たすべく目の前の下着屋に向き合う。

 

 改めて見れば、なるほど落ち着いた雰囲気じゃないか。アドマイヤベガと衣類の買い物に来るのは初めてではないが、流石に下着屋は来たことがない。しかし今日来たのは普段視界に入っていたようなカラフルで可愛らしい物が並ぶ店と違い、ややシックな印象を受ける落ち着いた雰囲気の店であった。

 何が違うのだろう。いや、カラフルな物を買わされるよりはずっと良いが。

 

「トレセンに来て間もない頃に知って、それ以来ずっと行きつけのお店だから任せなさい。とりあえずサイズを測りましょうか」

 

「……うん?」

 

 思わずアドマイヤベガを見る。さっきまでの俺の話は聞いていたのだろうか、それとも俺の聞き間違いだろうか?

 

「いや、仮に見て判ったとしてそれが何なの? そんな大雑把な方法で観測したサイズなんて当てにする訳無いじゃない。

 いい? ブラジャーはちゃんとしたものを選ばないと色々と痛い目を見るのよ、それはもう。キチンと正しく計測して選ばないといけないの。クーパー靱帯ぐらい貴方なら知っているでしょう? 私と同じ姿だからと理由付けて身だしなみに気を使うなら、下着もそうしてちょうだい。雑に扱うのは許さないわ」

 

「あ、アヤベ……?」

 

 何かを言う前に、アヤベはこちらの思惑を全て看破した上で、そう捲し立てる。珍しく、ここまで饒舌なアドマイヤベガを見た気がする。

 とりあえず、俺の目測なんて何の役にも立たないと一蹴されたのは分かった。そして、ちゃんと計測して選ばなければ痛い目を見る事についても、やたらと熱のこもった説明である。

 そしてクーパー靱帯についても、確かに聞き覚えがある。胸の形状を保つ一助をしている靭帯だった筈だ。支えている物と、その形状の関係で非常にもろい靭帯として有名ではある。ウマ娘の場合は普段から摂取している栄養素の総量が違う為、ヒトミミのそれよりはよほど頑丈な筈だが。

 

「……そんなに深刻な物なのか?」

 

 とはいえ、こちらはウマ娘以前に女性の身体の経験自体が初めてである。先ほどの話の流れで気は引けるが、同行者の二人に意見を聞いてみる。

 

「深刻か否かといわれたら、乙女心としては深刻な方かと……。気持ちは分かりますし……」

 

「えっと、そうですね。アスリートとしての立場からも、計測は別途行うべきだと進言します。走るだけでもその、かなり……『U.A.F.』の競技にも興味をお持ちであれば、余計に気にされた方がよろしいかと……」

 

 ……なるほど、女性にしか分からない問題なのだろう。そして二人は微妙に言葉を濁している辺り、こういった場でわざわざ口にする様な内容ではないのだと察する事も出来た。

 学園に戻ったら、アドマイヤベガと共にカレンチャンを交えて話を聞くとしよう。彼女の言う『カワイイ』は、女性の諸問題に関する知識も網羅している事が最近分かってきた。油断すると染め上げられる可能性を否定できないので、可能な限り手短に要点だけを聞き出すに抑えるが。

 

「……解った。煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」

 

 そう言って、アドマイヤベガに先導させる。店内に設けられたフィッティングルームに入り、服を脱ぐように指示される。

 そこまでは良いのだが。

 

「あの、何故エルフィーさん達まで?」

 

 アドマイヤベガが困った様に言う通り、何故か一緒にソノンエルフィーと都留岐涼花までもがこの狭い空間に入り込んできていた。本当に何故一緒に入って来たのか。

 しかしソノンエルフィーが次に言った言葉に、少なくとも俺は黙る他無かった訳だが。

 

「だって、エーレンフリートさんの言うトレーナーさんの特技がどのぐらいの精度か見て見たくて……。ちょっと気になるじゃないですか」

 

 自分で蒔いた種だ、それを言われると弱い。

 

「……まあ、確かに。そういう事なら、私も知りたいわ」

 

 そしてアドマイヤベガまでそれに同調してしまえば、もう俺の味方は居ない。煮るも焼くも好きにしろとは言ったが、これはある種の辱めなのではなかろうか。

 とはいえ言わなければ納得しないだろうし、そもそも計測も進まないのだろう事は容易に想像できる。仕方が無い、さっさと言ってしまおう。

 

「背に腹は代えられんか……、上から───」

 

「待ちなさい、まだ脱いで無いわよ。正確な数値が必要なんだから、脱いでから目測を出して」

 

「流石の俺にも恥じらいという物はあるぞ!?」

 

 まさかアドマイヤベガの口からその様な言葉が出るとは思わず、流石の俺も声を荒げてしまう。

 第一、いくらこの一週間程で見慣れたとはいえあくまで風呂に入る時などの状況下での話だ。そんな事、彼女も承知しているだろうに。こんな状況下で見るのは、ましてサイズの目測だなどと来ると罪悪感が凄まじい。

 

「確かに私も思う所はある。でも、実際に貴方がどれぐらい精確に目測で答えられるのかは知っておきたいのよ。聞いてしまった以上はね」

 

「む、むぅ……」

 

 そう言われてしまうと、本当に何も言い返せない。

 何もパッと見で計測できるわけでもないので、正直ソノンエルフィーや都留岐涼花に関しては何も気にしなくて良いのだが今それを話せる空気ではない。そもそもその理屈で言えば、普段から良く見られて計測される側のアドマイヤベガが聞く方に回っている時点で言った所で無駄だろう。

 

「……」

 

 何が悲しくて、女三人に囲まれてこんな事をしなければならないのか。

 

 

 

 口は禍の元とはよく言うが、今回ばかりは本当にその通りだなと痛感した出来事であった。

 

 

 

───☆☆☆───

 

 

 

「う~~~ん……。どっちも中々なセクハラをしてるからどっちが悪いとも言い切れない……ブクブクブク」

 

 そう言って頭を悩まし、口まで湯船に浸かって気泡を立てるのはカレンチャンだった。

 あの後無事に下着を購入したは良いが、やはり中々に耐え難い時間を過ごした為に誰かに言いたくなってしまったのだ。以前では考えられない行動ではあったが、それだけ今回の件が自分で思っているより耐えかねたのかも知れない。

 そんなこんなで結局、カレンチャンにも色々と打ち明けて裁決を下して貰おうという話になったのだ。何故場所が浴場なのかといえば、単に集まって話すのにちょうどいいからである。目のやり場は諦めた。

 

 ちなみに何故かソノンエルフィーも一緒である。一応彼女がトレセン生だった頃には既に俺もベテラントレーナーとして有名な方であったから、男の時の俺を知っている筈なのだが。

 そんな事はお構いなしにグイグイ来る辺り、このウマ娘も少し思い切りが良すぎる気がする。何故そうも元男の俺に裸体を見せる事への躊躇が無いのか、もう何も分からない。これ以上考えてもキリが無いので、考えるのを止めるのも手だ。しかしそれを止めては、色々とダメな気もしているので難しい所だ。

 

「片や職業病、片やそれを盾に。トレーナーとして必然的に身に付いてしまう上に、それが巡り巡って私達の役に立つ技術。それに対して思う所が無いと言えば嘘になるけど、それはそれとしてやり過ぎじゃないかなとは私は思うなぁ。うん、悪いけど私はエレンの味方かなぁ」

 

 そして当たり前の様に同伴しているフジキセキ。やはり考えるのを止めた方が楽になれるのではないだろうか?

 いや、しかし。ううむ……。

 

「……はい、決めました。今回はアヤベさん達がギルティです! 流石に寄って集ってはやり過ぎですよ~」

 

「まあ、冷静に考えればそうよね。反省はしているわ」

 

「はい、たぶん涼花さんも今頃反省している頃じゃないかなと。私もやり過ぎました……」

 

 カレンチャン的にも、ややトレーナーのそういう技能に対してあたりが強めの反応を示していた。しかしフジキセキがだいぶ中立的な意見を出してきたため、彼女はそれを採用したらしい。

 何故当たり前の様に居るのかはさておき、今回ばかりは居てくれて助かったと言えるだろう。後で何か礼をしておこうか。

 

「でもでも、エレンさんも今後は私達みたいな年頃のウマ娘と距離が近くなるんですから! 発言には気をつけないと、また今回みたいな事になっちゃいますよ~?」

 

「うっ、それは留意するとも……。俺も同じ目に遭うのは、もうごめんだからな……」

 

 それはそれとして、しっかりと俺にも釘を刺してくる辺りは抜かりが無い。ある意味、流石というべきか。誰かを一方的に悪いと言わず、原因となった部分にも指摘を怠らない。

 色々と心得ている娘だと思う。

 

「それにしても、トレーナーさんってそんな特技があるんですねぇ。もしトレーナーさんが付くなら新人さんがいいなぁ、だって太ったら一発でばれるじゃないですか~」

 

「いや、新人の内は特にウエストを意識する者が多いから、余計に悪手だな。狙うならサブトレーナーを経て、知識と目に見える情報が氾濫しやすい一人立ちしたての者が良い」

 

「なるほどぉ~」

 

 不意に飛んできた言葉に、思わずそう答える。

 もっとも、そんな者をわざわざ狙うのも逆に難しいのだが。それこそ十二分な実力を持つ癖に、勝てれば良いと必要分しか出力することをしない様な者しか狙えないだろう。

 

 そう指摘しようと口を開きかけて。

 

「待て、今のは誰だ?」

 

「あ、やっぱり気付いてなかったですね。どうも、私はヒシミラクルっていいます。実は皆さんが来る前からずっと一人風呂楽しんでたんですよ? 途中から端っこ寄って寝てましたけど」

 

 風呂場で眠るなどずいぶんと危険な事を。しかしそこは重要ではない。いや、それなり以上に危険な行為なので注意は後でするが。

 

「つまり、俺達が話していたことは……」

 

「まあ、はい。盗み聞きしてるみたいで申し訳ないなぁとは思ったんですよ? でももう良いタイミングがなくて、それなら混ざっちゃえってなりましてぇ」

 

「……」

 

 思わず天を仰ぐ。確かにこちらの落ち度もあるが、そんな理由で今までの話を聞かれていたと思うと流石の俺も恥ずかしいと感じる。

 しかし聞かれてしまった以上、それを忘れろという様な無茶ぶりをする心算も無い。一先ずは他言無用である事を念押ししておくが、どこまで効果があるやら。

 

「あ、その眼私の事信じてませんね? 流石に傷つきますよ? そりゃこんな所で寝落ちするぐうたら娘の自覚はありますけど、空気ぐらい読めますよ~。ちゃんと誰にも話しませんから」

 

「……そんな眼をしていたか? まあいい、そう言ってくれるなら十分だ。それと、湯船で寝るのは危険だからやめておけ。バスタオル姿で救急車に担ぎ込まれるなど、経験したくはないだろう」

 

 誤魔化したが、図星ではあった。少しのやり取りで得られた印象として、世間話のノリでクラスメイトに話しそうな娘だなと思ったのは事実であった。見た目の割に、そういった評価を持つ視線には敏感らしい。

 見た目に似合わずそういった能力を持っているのか、はたまた常日頃そういった視線を向けられているからこそ見分けられるようになったのか。……後者な気がしてきた。

 

「まあそれは、ハイ、気をつけます……。それにしてもアナタがエーレンフリートさんですか、なるほどなるほど……どこからどう見てもアドマイヤベガさんにしか見えませんね……。……そういえば、元は男のヒトでしたっけ。あれ、じゃあもしかして、今私って男のヒトに裸見られてる!?」

 

「いや、今更じゃないかしら……」

 

「何故だろうな、やっと普通らしい反応が見れて逆にホッとしている自分がいる。本来ならば俺は慌てるべきなんだろうが……」

 

 遅すぎるヒシミラクルのそんな反応に対し、アドマイヤベガのツッコミが入る。

 俺も俺で、その反応に対して慌てるべきなのだろうが口にした通りに逆にホッとしている。おかしな話だが。単に俺が、俺の姿が変わっただけなのに何故こうも受け入れられているのか?という疑問がちゃんと正常な疑問だった事に安堵しているだけな気もするが。

 

「ええ……? 普通は避けません?」

 

「うーん、ひととなりを知ってるからかな? うちのナベさんは恥じらってくれる分、こっちもつられて意識しちゃうけど……アヤベさんのトレーナーさんの場合は顔色一つ変えないから。ついね」

 

「だいぶ前に急な雨に降られて、アヤベさんとトレーナー室で着替えてる時に入ってこられた時とか実際そうでしたしね。そっと謝罪して扉を閉めて、閉まり切る前に『次からは何か連絡を一言入れてくれれば配慮する』なんて言われた時は呆気にとられちゃいましたよ。それでその後も何事もなく仕事始めるんですもん、逆にちょっと不満を覚えたりもしたなぁ~」

 

「カレン、あの時そんな事を思っていたのか? 妙に機嫌が悪いと思ったが、見られたから怒っていたわけでは無かったのか」

 

「……女の子の気持ちというのは、難しい物なのよ」

 

「ああ~、そういう感じのヒトですか」

 

 ヒシミラクルの疑問に、フジキセキにカレンチャンがそう答える。

 特にカレンチャンの発言には思う所があり、それを指摘すれば今度はアドマイヤベガからそう窘められた。可笑しい、俺はそんなに間違った対処をしただろうか。

 

 そして肝心なヒシミラクルからは、何とも言えない視線を投げかけられる。

 俺が何をしたというのだ……。

 

 

 

 そうこうしている内に、話にキリが無くなって来た為に早々に解散する事となった。実際には、俺がのぼせるからと言って逃げたのが正しいが。

 余談だが、風呂上がりの着替えで俺が今日新調した下着を見るなり「……元が男のヒトなのに私よりスタイル良くないですか?」とヒシミラクルが洩らした。その言葉が俺の胸に刺さり、余計な精神的なダメージを負う結果となった。

 俺だってどうせならば、凹凸が無い方が今よりは幾らかやりやすかっただろうと思ってはいるのだ。

 

 ……なってしまった以上、決してアドマイヤベガの前では言えない事ではあるが。

 

「そういえば、今日は同室で寝泊まりさせていただきますので。色々と教えてくださいね!」

 

 なお、ソノンエルフィーが今晩寝泊まりする場所は俺の部屋だったらしい。既に連絡済みで、フジキセキがベッドメイクを整えてくれているらしい。

 ……せめて、相談をして欲しいものだ。




なんやかんや続きました。あけましておめでとうございます
ここまで来たらせめて七日目ぐらいは出したい所。巧い事書けたらまた更新しますね
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