Crossover Recoil   作:天羽々矢

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OP:新世界/南條 愛乃


#09

夕方・・・都市郊外に位置する廃車場の中は静寂に包まれていた。だが廃車場と道路を挟んだ反対側の倉庫に蠢く不審な影、乃亜とジュリウスだ。2人は周囲を警戒しながら廃車場を偵察する。

 

「警備は確認出来ただけでも5、6人。それに・・・恐らく警報装置もあるな」

 

ジュリウスからの報告に乃亜は頷く。そして続けた。

 

「よし、なら・・・俺が中に入って様子を探ってくる」

 

「・・・大丈夫なのか?」

 

ジュリウスが尋ねると乃亜は頷く。そして言った。

 

「任せてくれ」

 

「分かった・・・気をつけろよ」

 

「分かってるさ」

 

そんなやり取りの後、乃亜は道路を渡り廃車場の入り口へ。そして中に入って行く。

廃車場の中は夕暮れ時という事も相まって薄暗い。乃亜は慎重に歩を進めた。

廃車場の敷地内には工房があり、更にその奥に倉庫がある。恐らく工房で廃車を解体し、その中で使えそうなパーツを保存してあるのだろう。

乃亜は周囲を警戒しながら工房に足を踏み入れる。中では1人の男が解体作業を行っている最中だ。

しかしここにいるという以上、絶対に武装している。そう睨んだ乃亜は足音を立てないよう慎重に男の背後に回り込む。そして・・・

 

「動くな」

 

乃亜は男の首にナイフを突き付けた。すると男は両手を上げる。

 

「なっ!?何者だ!?」

 

「・・・答える必要はない」

 

乃亜はそう言うと男に手錠を掛け、更に目隠しと猿轡も噛ませる。そして工房内のロッカーに閉じ込めた。

 

(よし、後は警報装置を停止させるだけか)

 

乃亜は心の中で呟くと工房の外へ。外にいる男達の会話が自然と耳に入ってくる。

 

「しかし、こんな所まで来て仕事とはな・・・」

 

「ま、ボスの命令だ。仕方ねえ」

 

「そうだな・・・でもよ?俺達がわざわざ日本に来てまでやる必要あるのか?」

 

「さあな?まあ良いじゃねえか。金は貰えるんだしよ」

 

男達はそんな会話を交わしながら作業を続けている。どうやら乃亜の存在には気付いていないようだ。

 

(よし、なら・・・)

 

乃亜は工房の外に出る。警報装置は工房奥にある倉庫と対面する形で工房裏の壁に設置されていた。

乃亜は周囲に誰もいない事を確認するとカバーの隙間にナイフを差し込んでカバーを開けペンチで警報装置の電源コードを切る。そしてカバーを戻した。

これで警報装置は作動しない筈だ。乃亜は安堵の溜息を吐いた。

 

「よし、これで良いな。ジュリウス、OKだ」

 

懐からトランシーバーを取り出しジュリウスに報告する。スマホでは気付かれるリスクがあると判断し今回はトランシーバーを持参してきたのだ。

 

《分かった。すぐにそっちに行く》

 

ジュリウスの言葉に乃亜は頷くと、今度は腰のホルスターからワルサーP99を抜く。

これは乃亜の愛銃となりつつあるS&W PC M627は構造上サプレッサーを取り付けられないからだ。

乃亜はサプレッサーを取り付け、正面から廃車場に向かうジュリウスと対面する警備の男達の背後を取る形で工房の影から飛び出した。

 

「!?」

 

男達は突然の足音に驚き、背後を振り返る。そして乃亜の姿を見て目を見開いた。

 

「な!?何だおま・・・」

 

男の言葉は突然途切れる。乃亜が発砲したのだ。1発目は男の右肩を掠めるように命中し、2発目は左膝に命中した。男はその場に崩れ落ちる。

 

「・・・っ!」

 

他の男達は銃を構えながら周囲を見回すと・・・ジュリウスと目が合った。

 

「くっ!」

 

1人の男がジュリウスに銃を向けるものの、ジュリウスがサプレッサー付きSIG 1911 スコーピオンを抜く方が早く、放たれた45口径弾により男の銃は弾き飛ばされた。

 

「!?」

 

男は慌てて落とした銃を拾おうとするが、ジュリウスはそれを許さない。

1発発砲すると男の頭部に吸い込まれるように命中した。男はその場に倒れる。

 

「なっ!?」

 

もう1人の男がジュリウスに銃を向けるが、乃亜のワルサーP99から放たれた9mm弾が立て続けに3発男に命中、男はその場に崩れ落ちた。

その後は乃亜とジュリウス、たった2人に男達は成す術なく制圧され、5人が射殺、1人が拘束され工房内の空いている掃除用具入れに閉じ込められた。

 

「ふう・・・」

 

乃亜は溜息を吐きながらP99の空になったマガジンを交換する。するとジュリウスが口を開いた。

 

「・・・ここは見張っている、ノアは奥を見てきてくれ」

 

「ああ、分かった」

 

ジュリウスの言葉に乃亜は頷き、工房奥にある倉庫に向かうがここで1つ問題が発生した。

倉庫の入り口の金網メッシュ門扉にはカードキー式の電子ロックが掛けられており、乃亜はカードキーを持っていないのだ。

 

「参ったな・・・」

 

乃亜がそう呟くと背後からジュリウスの声が聞こえる。

 

「・・・ノア、どうしたんだ?」

 

「いや・・・実はな」

 

乃亜は事情を説明し、やがて諦めるかのように言う。

 

「・・・こうなったら、金網をよじ登るかな」

 

「待て、音で気づかれるぞ」

 

ジュリウスが乃亜を制止する。

 

「・・・なら、どうするんだ?」

 

「・・・」

 

腕を組み考える素振りを見せる当たり、ジュリウスも考えていなかったらしい。

2人揃って門扉の前でどうしようか考えている時だ。

 

「ちょっと!誰か!もしも~し!?」

 

ドンドンと叩く音と共に声が聞こえてくる。声質からして恐らく女性だ。

突然の事に2人は周囲を見渡し声の発生源を探す。そしてそれはジュリウスが発見した。

 

「・・・あれだ」

 

そう言ってジュリウスが指差したのはマグネット付きクレーン車に吊り上げられた車だった。

 

「・・・成る程」

 

乃亜はクレーン車に近付き運転席によじ登るとクレーンを操作して車を降ろす。

当然だが乃亜はクレーン車を操縦する為の講習は受けていない。しかし、クレーンの操縦自体はマニュアルを見ながら操作すれば素人でも動かす事は可能だ。

 

「よし・・・これで良いか」

 

乃亜は車を降ろし終える操縦席から降りる。

 

「助けてください!このままじゃ窒息しちゃいます!」

 

「ちょっと騒がないで!余計息が苦しくなっちゃうから!」

 

降ろしたにも関わらず車からは女性の声が聞こえてくる。しかも声質が違う女性の声も混ざっている事から先の女性と合わせ2人は車内に閉じ込められているという事になる。

だが騒がしくしてくれたお陰で車の何処から声が聞こえてくるのか特定出来た。トランクの中からだ。

 

「・・・」

 

乃亜は無言でトランクの鍵を開ける。すると中から2人の女性が顔を出した。

1人は白髪に見える薄くピンクがかった金髪ショートヘアで、袖口に白いダンダラ模様のある浅葱色の羽織を羽織った女性。

そしてもう1人は青紫の長髪を大きな黄色いリボンでポニーテールに結び、頭の前に触角のように突き出た2本のアホ毛を持った女性だ。

2人共高校生くらいの年齢に見える。

 

「はぁ~、空気が美味しい・・・」

 

「ホント・・・」

 

2人は深呼吸をするが、その様子をジト目で見る人物が1人。乃亜だ。

 

「・・・こんなとこで何してるんだ、セイバー、マイ?」

 

「あ、マスター!」

 

「ノア!良かったやっと会えた!それと助けてくれてありがとう」

 

2人・・・セイバーとマイは立ち上がると乃亜に礼を言う。

 

 

白髪に見える薄くピンクがかった金髪ショートヘアで、袖口に白いダンダラ模様のある浅葱色の羽織を羽織った女性はセイバー。本名は【沖田 総司】。

 

青紫の長髪を大きな黄色いリボンでポニーテールに結び、頭の前に触角のように突き出た2本のアホ毛を持った女性マイ。本名【マイ=ナツメ】。

 

 

2人ともフィギュア化を果たしたキャラクターであり、乃亜も前世にてそのフィギュアを持っていた。

 

「それで、どうしてお前達がここにいるんだ?」

 

乃亜は2人に尋ねる。するとマイが口を開いた。

 

「ノアを捜してたんだよ」

 

「・・・俺をか?」

 

首を傾げる乃亜にセイバーとマイは頷く。そしてセイバー言った。

 

「だって!マスターいないんですもん!」

 

セイバーはそう言うと頬を膨らませる。どうやらかなりご立腹のようだ。

 

「いや、だからって何でここに?」

 

だが何故2人がここにいるのかという明確な答えではない為、乃亜が再度尋ねるとマイが答えた。

 

「それは・・・」

 

マイは説明する。何でもセイバーが乃亜を捜して街を彷徨っていたところ、偶然にもマイと出会い同じ目的の為同行していたそうだ。そして2人は街の中を散策しているとこの廃車場に入っていく武装した人影を発見し、ノア捜しを中断して中に侵入し人影の正体を探る事にしたらしい。

 

「そこまでは良かったんだけど、見つかって捕まっちゃって・・・」

 

マイが呟きながら先程まで自分達が入れられていた車の方を見る。それを見て何かを察したのか乃亜が気まずそうに口を開く。

 

「・・・それで、車ごと潰されそうになったと?」

 

「・・・うん・・・」

 

マイは申し訳なさそうに頷く。するとセイバーが口を開いた。

 

「マスター!何で私達を置いて行っちゃうんですか!?私、悲しかったんですよ!?」

 

「いや・・・それはな?」

 

セイバーの言葉に乃亜は口籠る。そして・・・観念したように溜息を吐いた。

 

「・・・悪かったよ」

 

乃亜はそう言うとセイバーの頭を撫でる。するとセイバーは満足そうに笑った。

 

「えへへ~♪」

 

その様子を見ていたマイが口を開く。

 

「それで?ノアはどうしてここに?」

 

「ああ、ちょっとこの廃車場に用があってね」

 

「この廃車場に?」

 

首を傾げるマイに乃亜は頷く。そして続けた。

 

「ああ、実はな・・・」

 

乃亜は自分達がここに来た理由を説明する。するとセイバーとマイの2人は納得したように頷きやがて決心したかのようにお互い顔を見合わせると頷き合う。

2人の様子に今度は乃亜が首を傾げる番だ。しかしそんな乃亜を余所に2人は言う。

 

「分かったよ、私達も手伝う!」

 

「ええ!マスター1人じゃ大変でしょうから!」

 

「良いのか?」

 

2人の申し出に乃亜は尋ねる。すると2人は笑顔で頷いた。

 

「勿論!だって私達、仲間でしょ!」

 

「ええ、私達に任せてください!」

 

2人の笑顔と言葉に乃亜は頷く。そして言った。

 

「ありがとう」

 

こうしてセイバーとマイも加わり、4人は廃車場の調査を開始したのである。

だが昨今の問題は片付いていない。金網門扉を潜る為にカードキーが必要だ。

 

「・・・」

 

乃亜は無言で門扉を見つめるが結局方法が思いつかず、諦めて金網をよじ登ろうかとした時だ。

 

「マスター、ここは沖田さんにお任せください!」

 

「え?」

 

セイバーが自信満々に言う。乃亜は首を傾げるが、セイバーは笑みを浮かべるだけだ。

 

「・・・任せていいのか?」

 

「はい!」

 

「そうか、なら頼む」

 

乃亜はそう言うとセイバーが扉の前に立つ。

 

「・・・」

 

セイバーは深呼吸し無言で刀の柄に右手を添える。そして・・・

 

「はあ!」

 

気合いの声と共に抜刀、居合斬りで金網を両断した。

 

「・・・」

 

乃亜はその光景に唖然とする。セイバーが斬ったのは金網だけだ。だが、金網はまるで斬られた事に気付いてないかの如くそのままだ。

 

「・・・凄いな」

 

「え?そうですか?」

 

乃亜の言葉にセイバーは首を傾げる。そんな2人の会話を遮るようにマイが言った。

 

「そんな事より!早く行こう!」

 

2人は頷き倉庫内に入る事にしようとしたが、そこで乃亜が何かを思い出し待ったを掛けた。

 

「ちょっと待てマイ、お前・・・武器は?」

 

乃亜はマイに尋ねる。するとマイが固まった。

 

「・・・」

 

「マイ?」

 

「・・・あ、あはは」

 

笑って誤魔化すマイに乃亜は溜息を吐く。本来ならマイは[朱弾=アウトシール]という赤い槍のような武器を持っているはずなのだが、今は持っていない。

恐らく敵に取り上げられ紛失したのだろう。

 

・・・それならば何故セイバーの刀は取り上げられなかったのか謎だが。

 

「・・・」

 

乃亜は無言でマイを見つめる。その目には呆れの色が浮かんでいた。

 

「・・・マスター?」

 

セイバーが心配そうに声を掛けると、乃亜は溜息を吐きながら言った。

 

「仕方ない・・・連中の情報を探るついでにマイの武器もあれば取り返してくる」

 

そう言うと乃亜は倉庫に入っていく。そんな2人を見てセイバーとマイの2人は顔を見合わせた後、慌てて乃亜の後を追おうとしたがジュリウスがマイの服の襟首を掴んで止める。その際にマイから「グエッ」と女子にあるまじき声が聞こえた気がしたがジュリウスは気にしない事にした。

 

「ちょっと!何するのさ!?」

 

マイはジュリウスに抗議の声を上げるが、ジュリウスは無言で首を横に振る。

今のままのマイでは足手纏いになりかねない事を理解しているのだ。

 

「・・・」

 

マイは不満そうな顔をするが、やがて諦めたかのように溜息を吐く。そしてポツリと呟いた。

 

「・・・分かったよ」

 

そんなやり取りを余所に倉庫内に足を踏み入れた乃亜とセイバーの2人。

倉庫内には銃を所持していると見られる男が6人、それに大音量の音楽が流れている。

 

「おい、その曲はもう飽きたぜ!」

 

「勝手に言ってろ!」

 

「マジでそいつを止めろ!」

 

「だが断る、最後まで聞くぜ」

 

音楽に混ざってそんな会話が聞こえてくる。

 

「・・・マスター、どうします?」

 

セイバーが乃亜に尋ねる。すると乃亜は頷きながら口を開いた。

 

「俺が奴らの数を減らす、セイバーはタイミングを見て仕掛けてくれ」

 

「了解です」

 

セイバーは頷きながら答える。そして乃亜が静かに、だが素早く移動し倉庫内にいる男達に接近すると手近な男2人を銃床で殴りつけ気絶させた。

 

「なっ!?」

 

男達が驚きの声を上げる。だが、そんな隙を乃亜は見逃さない。

ホルスターから素早くP99を抜くと男2人の頭部に発砲。サプレッサーで音が抑えられていながらも弾丸の威力は健在で、男達は頭部から血を流しながら倒れた。

 

「このガキッ!」

 

残った男が乃亜に銃口を向けるた時だ。乃亜が叫ぶように言った。

 

「・・・今だ!セイバー!」

 

「はい!」

 

セイバーが倉庫内に駆け込んでくる。そしてセイバーは刀を鞘から引き抜くと男に向かって抜刀した。

 

「はあっ!」

 

「ぐわっ!?」

 

セイバーの一撃を喰らい男は倒れる。そして倉庫内にいた男達は全員床に倒れた。

 

「・・・終わったか」

 

乃亜はP99をホルスターに戻すと溜息を吐いた。すると・・・

 

「マスター!やりましたね!」

 

そんな声と共にセイバーが後ろから抱き着いてくる。乃亜は少し驚いた後言った。

 

「ああ、よくやったな」

 

「えへへ~」

 

セイバーは嬉しそうに笑うと乃亜に抱き着いたまま離れない。だが流石に身動きが取りにくい為に引き剝がす事に。

 

「ほら、離れてくれ」

 

「え~?良いじゃないですか~」

 

セイバーは不満そうな声を上げるが乃亜は無視する。するとセイバーは諦めたように離れた。

 

「さて、さっさとマイの武器を回収して戻ろう」

 

乃亜の言葉に2人は頷き倉庫内を物色する事にした。そして数分後・・・

 

「・・・あったぞ」

 

そう言って乃亜が見せたのは赤い槍。間違いなくマイの武器[朱弾=アウトシール]だ。

 

「良かったですね!」

 

「ああ、これで一安心だな」

 

セイバーと乃亜はそう言うとマイに槍を渡す。するとマイは嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「ありがとう!」

 

2人は頷くと、今度はジュリウスが口を開く。

 

「さて、そろそろ本来の仕事をするぞ」

 

「本来の仕事?」

 

首を傾げるセイバーにジュリウスは答えた。

 

「ああ、この廃車場を調査に来たんだろ?」

 

ジュリウスの言葉にセイバーは「あ、そうでした」と呟く。そして乃亜達は廃車場の調査を開始した。

万一に備えジュリウスは別行動を取り、車の調達に行っている。

 

「2人は倉庫の中を見ててくれ。俺は倉庫の反対側を見てくる」

 

「分かりました」

 

「分かった」

 

2人は乃亜の指示に従い倉庫の中を捜索する。

 

「・・・」

 

セイバーとマイが黙々と倉庫内を探索する中、乃亜は黙々と倉庫の反対側のオフィスを調べる。

するとオフィスの1つに鍵が掛かっている事に気付いた。

 

「・・・」

 

乃亜は無言でその鍵をP99で撃って壊すと、扉を開けて中に入った。

 

「・・・」

 

乃亜は無言で室内を調べる。すると机の上にあるノートパソコンが起動している事に気付く。

どうやら誰かがついさっきまでこのパソコンを使用していたらしい。

 

「・・・ん?」

 

P99を構えながらキーボードを操作していると、とあるファイルを見つけた。

そこには何かのリストらしき表が書かれているが、簡単に読み取れないようにする為の対策か全てドイツ語表記になっている。

 

「・・・」

 

P99をホルスターに戻すと乃亜はパソコンを操作してパソコンの電源を落とす。

そして電源コードを抜きパソコンをバッグに入れる。

 

「・・・戻るか」

 

乃亜はそう言って部屋を出るが・・・

 

「おい!」

 

「!?」

 

いきなり右肩を掴まれ振り向かされたと思いきや、現れたスキンヘッドの男から右拳を顔面に喰らう。

 

「がっ!?」

 

殴られ怯む乃亜に男は懐から拳銃を取り出すと乃亜の額に突き付けた。

 

「動くな!」

 

「っ!」

 

男は拳銃を乃亜に突き付けながら叫ぶように言う。するとセイバーとマイが駆け付ける足音が聞こえてきた。

 

『マスター/ノア!?』

 

2人は男に拳銃を突き付けられている乃亜を見て驚きの声を上げる。だが、そんな2人に男は言った。

 

「お前らも動くなよ?もしこいつが死んでも良いなら動いても良いぜ?」

 

男の挑発めいた言葉にセイバーは悔しそうに唇を嚙み締めるが、男が顔を逸らした瞬間、乃亜が男に飛び掛かった。

 

「なっ!?」

 

男は驚きの声を上げる。だが乃亜は男の拳銃を持った腕を掴むとそのまま男の手から拳銃、[ベレッタ 92FS]を奪い取り右手に納めた。

 

「くっ!このガキ!」

 

男は乃亜を振り払おうとするが、乃亜は男の腕を掴んだまま右手の92FSを男に向け立て続けに2発発砲。

頭に2発もの弾丸を受けた男はそのまま倒れるが、その内の1発がそのまま流れ倉庫に据え付けられているガスタンクに命中しガスに引火。

 

「なっ!?」

 

「っ!」

 

2人は驚きの声を上げ、慌てて倉庫から脱出する。そしてそれと同時に倉庫は轟音と共に爆発を起こした。

 

『うわぁっ!!』

 

2人は爆風に煽られその場に倒れるが怪我は無さそうだ。

 

「マスター!」

 

セイバーが叫ぶように乃亜を呼ぶが返事が無い。セイバーとマイが周辺を捜索すると、やがて地面に倒れた状態の乃亜を発見する。

 

『マスター/ノア!!』

 

2人は乃亜に駆け寄る。幸い乃亜は意識がはっきりしている。

 

「マスター!大丈夫ですか!?」

 

セイバーが心配そうに声を掛けると乃亜は痛みを堪えながら言う。

 

「・・・ああ、大丈夫だ」

 

「良かった・・・」

 

2人は安堵し、乃亜は服に付いた砂埃を払いながら立ち上がった。

 

《ノア!そっちで爆発があったが何があった!?》

 

トランシーバーから叫ぶように聞こえるジュリウスの声に乃亜は答える。

 

「倉庫に敵がまだ残ってたんだ。そいつと揉み合いになった時に撃った弾がガスタンクに当たって爆発した」

 

《・・・分かった。こちらは車を確保した、すぐにそっちに戻る》

 

そう言うとジュリウスからの通信が切れる。乃亜はセイバーとマイに視線を向けると言った。

 

「2人とも、怪我は無いか?」

 

「はい、大丈夫です」

 

「私も大丈夫だけど・・・」

 

2人は乃亜の身体を見る。すると彼は頭から血を流していた事に気付く。

どうやら爆発の際に飛んだ破片が当たったようだ。

 

「・・・マスター!血が!」

 

「ああ、これぐらい大丈夫だ」

 

「大丈夫じゃないよ!早く手当てしないと!」

 

2人はそう言うと乃亜の手を引いて車へと急いだ。

遠くからは近づいてくるパトカーのサイレンも聞こえる。パトカーが到着する前に現場を離れなければならない。

乃亜はセイバーとマイに引っ張られるまま廃車場の入り口へと急ぐ。そして入り口に着くと、そこには既にジュリウスと彼が調達してきたであろう車が停まっていた。

 

 

大柄なボディに横長のテールライトをあしらったワイド&ローなスタイリングの4ドアセダン。それは[2020年式 ダッジ チャージャー スキャットパック]、6.4L(リッター)のV8エンジンを搭載するモデルだ。

 

 

「乗れ!早く!」

 

ジュリウスに促され、乃亜はセイバーとマイと共に車に乗り込む。

全員乗った事を確認するとジュリウスはギアをD(ドライブ)に入れアクセルを踏み込む。それに応えるかのように車は急発進しその場から逃走した。

 

「マスター!大丈夫ですか!?」

 

セイバーが心配そうに声を掛けるが、助手席に座る乃亜は問題無いと答える。そしてトランシーバーでジュリウスはアジトに控える仲間達に連絡を取った。

 

「ジュリウスよりHQ。ノアが負傷した、これから戻るから手当の用意を頼む」

 

《了解!》

 

仲間達の返事に頷きながらジュリウスはアクセルを踏み込みアジトへと急いだ。




ED:トリカゴ/戸松 遥、市ノ瀬 加那、山下 七海、早見 沙織、石上 静香

Crossover Database

ジュリウス・ヴィスコンティ/【GOD EATER(ゴッドイーター) 2】【GOD EATER(ゴッドイーター) 2 RAGE BURST(レイジバースト)
ICEY(アイシー)/【ICEY(アイシー)
ミア・カルンシュタイン/【CODE VEIN(コードヴェイン)
カサネ・ランドール/【SCARLET NEXUS(スカーレットネクサス)
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロスΔ(デルタ)
レイナ・プラウラー/【マクロスΔ(デルタ)
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】

-New!!-
セイバー[沖田 総司]/【帝都聖杯奇譚 Fate/type Redline(フェイト タイプレッドライン)】【Fate/Grand Order(フェイト グランドオーダー)
マイ=ナツメ/【BLAZBLUE(ブレイブルー)
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