OP:新世界/南條 愛乃
「きゃわわ~!!」
アジトへ帰還後、乃亜達を出迎えたのはそんなマキナの一声だった。ただし彼女が飛び付いたのは乃亜ではなく彼の後方に控えるオメガの方だ。
「理解不能、“きゃわわ”とは何カ説明を要求スル」
そんなマキナにオメガは首を傾げるように胴体を傾ける。するとマキナはオメガに頬擦りしながら言った。
「きゃわわはきゃわわだよ~!」
そんなマキナとオメガのやり取りを見て乃亜と仲間達は苦笑。
「マキナ、オメガが困ってるだろ?」
そんな乃亜の言葉にも彼女は耳を貸さない。
「ん~?でもぉ、きゃわわなんだもん」
そんなマキナにオメガは乃亜と仲間達に視線を送る。すると皆一斉に視線を逸らした。
どうやら誰も助け船を出すつもりはないらしい・・・そんな状況にROが口を開く。
「あの、私はどうすれば?」
そんな状況の中で乃亜が口を開いた。
「・・・とりあえず皆を集めてくれ」
彼の言葉にROは頷くとアジト内へと駆けて行く。そして仲間達も彼女に従い移動を始めた。
皆が行動に移った為に全員が集まるのに時間は掛からなかった。
「さて、皆揃ったな」
隠れ家の2階に乃亜と仲間達が集まっている。そして彼等の前にはROとオメガが立っている。
「まずは皆に紹介する、彼女はRO635 コルト9mmサブマシンガンだ」
乃亜の紹介に仲間達の視線が一斉に彼女に集まる。だが当のRO本人は動じる事なく全員に辞儀をする。
そんな彼女の隣でロボットであるオメガも声を発した。
「ワタシハ E-123 オメガ」
ROとオメガの挨拶が終わると今度は乃亜が口を開く。
「次に俺達が工場で手に入れた情報だ」
そう言って乃亜は床に地図を広げる。それは東京都の地図で既に取引が行われる場所にチェックが付けられている。
その数、10ヵ所。
「俺達が手に入れた情報だと、この10ヵ所で取引が行われる事が分かった」
乃亜の言葉に仲間達は地図を覗き込む。そしてレイナが口を開いた。
「・・・1つ聞いていい?」
そんな彼女の疑問に乃亜は答えた。
「何だ?」
「・・・10か所ある取引現場を全部押さえるの?」
レイナの質問に乃亜は首を横に振る。
「今の俺達は全部で15人、マキナとレイナは後方支援だから実質13人で現場は10ヵ所、それだと7ヵ所は1人で現場を押さえないといけなくなる」
乃亜の言葉に仲間達は納得したように頷く。そしてレイナが口を開いた。
「じゃあどうするの?」
そんな質問に彼は答える。
「押さえる取引現場を2つに絞る」
乃亜の言葉に仲間達はまた地図を覗き込んだ。そして彼は2ヵ所の取引現場を指差す。1つは江東区、もう1つは中央区だ。
「この2ヵ所を押さえる。1つの現場に6人ずつ、2ヵ所で12人。これならなんとかなるだろう」
彼の言葉に仲間達は地図を見下ろしながら考え込む。そしてカサネが口を開いた。
「少なくとも何もしないよりはずっとマシね」
彼女の言葉に仲間達は頷き乃亜に視線を送る。その視線を受け彼は口を開いた。
「OK、作戦開始だ!」
『了解!』
乃亜の言葉に全員が同時に返事をする。そして作戦が始まった・・・。
乃亜の言葉に全員が同時に返事をする。そして作戦が始まった・・・。
時刻は午前2時、夜明け前の未だ暗い時間帯。
江東区の港湾倉庫街、その倉庫街の内の1つの倉庫の屋上に乃亜達の姿があった。
現行犯で取引現場を押さえる為、彼らはこの時間帯に行動を開始したのだ。
乃亜はICEY、オメガ、セイバー、マイ、優利、ガブリエルと共に屋上から双眼鏡で取引現場の様子を見ている。
「・・・」
倉庫街は静まり返っている。だが、この静寂が嵐の前の静けさである事を乃亜達は知っていた。そしてそれはすぐに現実となる・・・双眼鏡で見ていたマイが声を上げた。
「・・・来た!」
彼女が指さす方向を見ると1台の古い車を先頭に黒塗りの4ドアセダン3台と黒塗りのバン3台が姿を現し、データに記された通りの取引予定場所の倉庫前に止まった。
「よし・・・行くぞ!」
乃亜の言葉に全員が頷く。そして彼等は一斉に行動を開始。
倉庫の屋上から降り取引場所の倉庫のドア正面に移動、乃亜に付いているのはICEY、優利、ガブリエルの3人。
セイバーとマイは倉庫の裏手に回り挟撃。オメガは万一に備え待機させている。
「・・・」
乃亜は倉庫のドアに耳を当て中の様子を探ると中からは微かに話し声が聞こえる。
「・・・」
乃亜はハンドサインで合図を送ると、優利が彼の隣で拳を握る。ガブリエルも[USSR PKP ペチェネグ]軽機関銃に弾薬を装填し
「ノアさん、準備出来ました」
そんなガブリエルの言葉に彼は頷き指示を出す。
「よし・・・ICEY、やってくれ」
「了解」
ICEYは頷くとドアの正面に立ち右手に持つ納刀状態の剣に左手を添え目を閉じる。
「・・・」
そして一呼吸置き、彼女は剣を抜き放つ。
「!」
ICEYの剣が倉庫のドアを真っ二つに切り裂いた。
「行くぞ!」
3人は切り裂かれたドアを蹴破り中へ突入する。それと同時にマイとセイバーも裏手から中へと入った。
「な、何だ!?」
突然の物音に中にいた者の視線が3人に集中する。その混乱の最中に先手を取ったのは乃亜達だ。
乃亜は即座に手に収めているM4A1の銃口を敵に向け引き金を引く。
「ぐあっ!」
1人を倒した乃亜はすぐさま次の標的に狙いを定めると再び引き金を引いた。
「ぎゃっ!」
「うぐっ!」
次々に倒れていく敵を見てICEYが口を開いた。
「・・・弱い」
そんな彼女の感想に乃亜も頷いた。だが油断はしない・・・彼はすぐに次なる目標へと銃口を向ける。
そんな彼に負けじとガブリエルもPKPを敵に向け引き金を引き一斉射をお見舞いする。
「クソ、取引の途中だってのに・・・仕方ない、退却だ!」
リーダーらしき男がそう叫ぶと敵は倉庫の窓を突き破り外へ飛び出した。そしてそれを追うように仲間達も窓から飛び出すが、乃亜はそんな敵の動きを見逃さなかった。
「逃すか!」
そんな彼の呟きにICEYが口を開く。
「任せて」
彼女はそう言うと外へ逃げた男達を追う。
「ICEY、無理はするなよ!」
乃亜の言葉に彼女は振り返らず手だけ振って答えた。そして2人の男の前にICEYが立ち塞がる。
「な、何だてめぇ!?」
男達の1人がそう叫ぶとICEYは剣を抜き放ち切っ先を敵に向けたまま口を開いた。
「・・・投降して」
そんな彼女の一言にリーダーらしき男はニヤリと笑う。
「はっ!女一人で何が出来るってんだ?」
そんな男の態度にICEYは溜息を吐いた。
「・・・仕方ない」
彼女はそう呟くと剣を構え直す。そして次の瞬間、目にも止まらぬ速さで敵に肉薄する。
「ぐあっ!」
そんな叫び声を上げたのはリーダーらしき男ではなくもう1人の男だった。彼の左腕がICEYの剣によって切り裂かれる。
「な、何!?」
リーダーらしき男はICEYのスピードに驚きを隠せない。だがそんな男の事など気にも留めずICEYは剣を横に構える。そしてそのまま男に向かって剣を振り抜いた・・・すると彼女の剣が男を切り裂く前に彼の体が真っ二つに切り裂かれてしまった。
「・・・」
その光景を見てリーダーらしき男が言葉を失う中、もう1人の男は悲鳴を上げながら逃げようとした。だがそのまま見逃す程ICEYは甘くない。
「逃がさない」
彼女は逃げる男を追いかけて剣を振り抜いた。そして・・・その一撃は男の体を上半身と下半身とで二つに切り裂いた。
「このアマぁ・・・」
男は怒りの表情をICEYに向けるが、彼女は臆する事なく剣を再び構えた。
「・・・もう1度言う、投降して」
彼女の言葉に男は忌々し気に舌打ちをすると懐から拳銃を取り出し銃口をICEYに向ける。
「・・・」
そんな男の様子にICEYは動じる事なく剣を構えたまま動かない。そして男は表情を歪めながら言葉を放つ。
「誰が投降なんてするかぁッ!!」
男はそのまま引き金を引こうとするが、それよりも早く彼女の剣が男の銃を持つ手を切り裂いた。
「ぐあっ!・・・こ、このアマぁ!」
怒りの声を上げる男にICEYは再び剣を振り下ろす。だが今度は男が攻撃を避けた。
「ちっ!」
舌打ちをしながら逃げる男、だがICEYはそんな彼に剣を振り抜く。
「があっ!」
そんな声と共に男の体が切り裂かれ血飛沫が飛ぶ。そしてそのまま男は地面に倒れ伏した。
「・・・終わった」
ICEYはそう呟くと剣に付いた血を払い、乃亜達のいる倉庫の窓の方に向かって歩き出した。
その頃、倉庫の方では抵抗を続ける敵勢力と乃亜達との戦闘が続いていた。
「マイ、セイバー!そっちはどうだ!?」
乃亜は戦闘を続けながら2人に声を掛ける。すると彼の耳にスマホから返事が返ってきた。
《こっちは制圧したよ!》
《こちらもです!待っててくださいマスター、すぐ加勢に行きます!》
セイバーとマイの返事に乃亜は安堵の息を吐く。だが、すぐに気を引き締め直した。
M4A1は弾切れで無用の長物と化している為、ガブリエルのPKPによる援護を頼りにM627で敵を倒しながら前進していく。
やがて敵の抵抗も小さくなってきた所でイレギュラーが起きた。残った敵兵が銃火器を積載していると思われる黒いトラックに乗り込み逃走を試みたのだ。
「クソッ!逃がすか!」
乃亜はそう叫ぶとトラックのタイヤにM627を向け引き金を引くが、放たれた銃弾がタイヤに命中したにも関わらずタイヤはパンクしていない。
「防弾タイヤか・・・!」
乃亜は舌打ちし、M627から空薬莢を排出しスピードローダーで新しい弾丸8発を装填する。
ガブリエルと優利も乃亜を追って外で出てきたが彼女等の武器では有効打にならない。
「どうしましょうノアさん!?逃げられちゃいますよ!」
そんなガブリエルの言葉に乃亜はM627をホルスターに戻しながら口を開いた。
「大丈夫、策はある・・・!」
乃亜がそう言うとスマホで通信を繋ぐ。相手は・・・待機中のオメガ。
「オメガ、聞こえるか?密輸組織の手下が逃走しようとしてる!ターゲットは黒のトラック!ナンバーは・・・」
乃亜がオメガに密輸組織の手下のトラックの特徴とナンバーを通信で伝える。
《了解、ターゲットを設定、追跡を開始スル》
オメガはそう言って通信を切り、乃亜はスマホをポケットにしまうとガブリエルと優利に指示を出す。
「俺たちは万一に備えてオメガのバックアップだ!」
「分かりました!」
「分かった」
2人はそう返事をするとそれぞれ別の方向へ走っていった。
敵組織構成員が乗る黒いトラックは倉庫街を突っ切り公道へ出ようとしているが、その進路上に異形の影が現れ、トラックのヘッドライトに照らされ姿が露わになる。
乃亜から連絡を受けトラックの予想進路に先回りしていたオメガだ。
「接近中のトラックを識別・・・ターゲットと確認、制止行動ヲ施行」
彼はそう言うと両腕を正面に構える。トラックの運転手はオメガを気にせず全速で突っ込んでくる。
やがてトラックとオメガが激突する・・・しかし表情が驚愕に染まったのはトラックの運転手の方だった。
オメガと正面衝突した時に襲ってきた衝撃は理解できる。しかしその後徐々にトラックの加速が鈍り始めた。
「な、何だ!?一体・・・!」
運転手は原因を探ろうとトラックの周囲を見回す。そして彼は信じられない物を目にした。
「!?」
なんとトラックと正面衝突した筈のオメガがトラック正面に平然と立っており、彼はトラックを真正面から受け止めているではないか。
彼が元々持つ機械故の怪力と背中のスラスター推力が重なりトラックは前に進む力を失っていく。
運転手は苦虫を嚙み潰したような顔を一瞬浮かべるがすぐに運転席下のアクセルペダルを目一杯踏み込む。
「クソッ!進め!」
そんな運転手の願いも空しくトラックはオメガに受け止められたまま徐々に減速していく。そして遂には完全に停止した。
後はエンジンが無駄に轟音を上げタイヤも前に進もうと空転して足掻くだけ。
「・・・」
オメガはトラックが停止するとスラスターを停止させ、右手をトラックのフロントバンパーから離す。
すると右手が腕の中に格納され、代わりに顔を出したのは6銃身タイプのガトリング砲。オメガはガトリング砲の銃身をトラックに向け発砲。
放たれた弾丸はフロントバンパー、ラジエーターを貫通しエンジンに命中。エンジンに穴が空き、そして・・・炎上し始めた。
その様子を受け運転席から慌てて運転手が降りてくる。
「!た、助けてくれ!」
しかしオメガはそんな彼の訴えを無視し、ガトリング砲の銃口を運転手に向け発砲。
放たれた弾丸は運転手に命中。彼は全身を挽肉のようにズタズタにされ死亡した。
オメガはトラックが完全に停止し炎上する様子をただじっと見ており、やがて宣言する。
「任務完了」
オメガがそう言ったタイミングで乃亜達がオメガに追い付いた。
「オメガ、ご苦労さん」
乃亜の労いの言葉にオメガは頷きで答える。
「ノア、任務は完了シタ」
「あぁ・・・後は・・・」
乃亜が何か言おうとしたがそこでエンジン音が言葉を遮る。
音のする方を見ると密輸組織の人間とは別の・・・恐らく組織の取引相手であろう側の人間の古い車と黒塗りの4ドアセダン1台がフェンスを突破して逃走しようとしていた。
「!この・・・!」
ガブリエルが逃走した2台を追おうとするがそれを止めたのは、意外にも乃亜だった。
「ノアさん・・・?」
ガブリエルが困惑するように呟くと彼は首を横に振りながら言葉を発する。
「今追ったところで奴らの仲間に潰されるのがオチだ、こっちは戦闘を続ける余力はもう無い」
「・・・分かりました」
ガブリエルは渋々といった様子で頷く。一先ずは取引をぶち壊し密輸組織とその取引相手のテロリストに打撃を与えられただけでも良しとすべきだろう。
「オメガ、セイバー達と合流するぞ」
「了解シタ」
乃亜はスマホを取り出しセイバーへ連絡を取る。
「俺だ、そっちの状況は?」
《はい!こちらは制圧しました!》
「よし・・・なら俺達も戻る」
《了解です!》
通信を切り乃亜達は倉庫へと戻って行った。倉庫へ戻ってきた乃亜達を出迎えたのはマイとセイバーだった。
「お帰り、ノア!」
「お疲れ様です、マスター!」
2人が笑顔でそう言うと乃亜もそれに答えるように軽く手を上げる。
「あぁ、お疲れさん」
そして乃亜は倉庫内を見渡した。そこには既に制圧した密輸組織の構成員とテロリストの構成員の屍が転がっている。
ガブリエルと優利も乃亜に合流し、これで今回の作戦は終了だ。
乃亜が取引物品である銃器の回収を命じ撤収しようとした時にスマホが鳴った。相手はジュリウスだ。
《ノア、取引はどうなった?》
ジュリウスを始め乃亜に付くいている者以外のメンバーはもう1つの取引現場である中央区にいる。
乃亜はジュリウスに答えた。
「あぁ、片付いたよ」
《そうか、こちらもだ、構成員は全員死亡し取引される予定の銃火器も確保した》
乃亜はジュリウスの言葉に頷くと言葉を続ける。
「よし、なら警察かDAに嗅ぎ付けられる前に撤収しよう」
《了解した》
ジュリウスはそう答えると通信を切った。乃亜もスマホをしまい、ガブリエル達の方へ向き直る。
「ジュリウス達も無事作戦が成功したらしい、俺達も早いところ撤収するぞ」
乃亜の言葉にガブリエル達は頷き、テロリスト構成員の死体から車の鍵を取り上げて黒塗りのバンを奪取。密輸組織とテロリストから押収した銃器をバンに積み込み撤収準備に入った。
「ノアさん、これで全部です」
ガブリエルはそう言いながらバンのトランクに押収した銃器を乗せ閉める。
「あぁ・・・よし、撤収だ!」
乃亜の言葉にガブリエル達が頷きで返す。
乃亜がバンに乗り込むと続くようにセイバー達もそれぞれの車に乗り込み、倉庫を後にする。
静寂が訪れた倉庫街に残されたのは弾痕だらけの倉庫と人間の死体、そして炎上し焼け焦げたトラックだけだった。
ED:トリカゴ/戸松 遥、市ノ瀬 加那、山下 七海、早見 沙織、石上 静香
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
カサネ・ランドール/【
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
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AIのべりすとにも頼ってるとはいえ、体調不良と想像力不足で執筆に手間取った結果お待たせする形になってしまい、申し訳ございません・・・(-_-;)