銃取引の翌日・・・日も高く昇っている時間帯で乃亜達の姿は隠れ家である廃ビルの中にあった。
銃の取引を防ぐ為とはいえ流石に緊張の糸を張り詰めていた事に堪えたのだろ、その証拠に取引当日に銃取引を妨害してからの乃亜達は口数が少なく、今こうして乃亜以外の全員も熟睡しており起きる気配が無い。
空腹で目覚めた乃亜はそんな全員を起こさないように静かに1人、隠れ家の屋上へと足を運んだ。
「・・・」
屋上から見える景色に乃亜は目を細める。この廃ビルがある場所は東京から離れた千葉だが、屋上からは東京の街並みが見えている。
そんな光景を見つつ朝日と浴びながら乃亜は軽く体操をして体をほぐした。
「さて・・・」
乃亜は体操を終えると屋上を後にし、隠れ家1階のキッチンへ歩を進める。
しばらくすると香ばしい匂いがアジト内に漂い始める。その匂いに釣られたのかセイバーが欠伸をしながらキッチンへ入ってきた。
「マスター?・・・あ、おはようございます!」
「おはよう、セイバー」
乃亜はそう言いながらフライパンで焼いていた目玉焼きを皿に移し、セイバーに差し出す。
「丁度良かった、そろそろ出来るから配膳を手伝ってくれるか?」
「はい!任せてください!」
2人はそんなやり取りをしながら朝食の準備を進めていく。そして数分後にはテーブルの上に人数分の料理が並んでいた。
トーストと目玉焼き、焼いたベーコンにサラダと牛乳というオーソドックスな洋食系朝食だ。
「さて、皆を起こしに行くか」
「はい!」
朝食を配膳し終えた2人はそう言うと、ガブリエル達を起こしに皆が寝る4階へ向かった。
そして全員が起き、食事を始める。朝食のメニューはセイバーと乃亜が用意した物と同じだった。
「ノアさん、料理上手ですよね」
トーストを齧りながらガブリエルが彼にそんな言葉を返した。
「そうか?まぁ1人暮らしも長かったし・・・」
乃亜はガブリエルの言葉にそう返し、ベーコンを口に運ぶ。そして朝食を食べ終わるとセイバーが口を開いた。
「マスター、この後はどうされますか?」
「・・・そうだな・・・」
乃亜は少し思案する素振りを見せる。
「・・・手に入れるはずの武器が予定より少なくなっただけじゃなく人員まで失ったんだ、テロリストも少しは大人しくなるだろう」
乃亜はそう言いながら食後のコーヒーを啜る。そして彼は言葉を続けた。
「だから俺達も少し休もうか」
「分かりました!」
ガブリエルが元気良く返事する。他の3人も異論は無いようで乃亜の言葉に頷いている。
「じゃあ、今日は自由行動にしよう」
そう締めくくり乃亜はコーヒーを飲み終えたコップをキッチンのシンクに置き、アジトの1階に下りる。
「じゃあ、俺は出掛けてくる」
乃亜はガブリエル達にそう告げ隠れ家を出ていった。
他の面々も食事を終え各々の時間を過ごそうと準備する中、マキナとレイナは2人でコソコソと何かを話していた。
「?」
その様子にガブリエルが首を傾げていると、マキナとレイナが4階へ戻ろうとする。
「レイレイ、すぐ始めよう♪」
「・・・お楽しみの時間」
2人はそう言い残して4階へと上がっていった。
『?』
その2人の様子に今この場にいないオメガと1人黙々と食器洗いに務めるジュリウス以外の全員が首を傾げた。
日本国内:某所
「例のハッカーが割れました」
綺麗に整えられた執務室でキノコのような形に纏めた赤い短髪の中年女性が秘書の女性に渡された資料に目を通していた。
「ウォールナット・・・」
そこには年齢・性別共に不詳と表記され、“対象者の呼称”という欄にのみ「ウォールナット」という名前が記載された資料である。
・・・今資料に目を通している中年女性こそ【DA】内にて統括を行う司令官だ。
DAも今回は1000丁もの銃の取引の摘発を計画していたのだが、その作戦行動中にDAのブレインとも言えるAIが外部からのハッキングによりダウン。
その影響により各構成員との通信に障害が起こり確保を予定していた取引の売人も構成員1人が機関銃を斉射した事で死亡した結果作戦は失敗に終わり、取引物品である銃火器の所在も掴めていない。
更にハッキングの影響かは不明だがそのAIのデータファイルがコピーされ外部へ流出した形跡も確認された。
「情報を統括するAIがハッキングされた上、それが外部へ流出するなどあってはならん、当面この件は内密にとの上層部からの命令だ」
「了解しました」
秘書の女性はそう答えつ、司令官の女性は息を整え言葉を続ける。
「何としてもそのハッカーを捜し出して殺せ、コピーされた”ラジアータ”のファイルも処分しろ」
司令官の女性はそう言い終えると秘書の女性へ視線を送る。すると秘書の女性は頷きで返し資料を閉じ、執務室から退出した。
隠れ家を出て東京へ繰り出した乃亜は駅近くの繁華街にある喫茶店でコーヒーを飲んでいた。
乃亜の服装はいつもの赤いジャケットではなく、目立たないように普通のシャツとジーンズに着替えている。
街をぶらついている内に時刻も昼を回り、そろそろ昼食時なのだが朝食を取るのが午前8時と少し遅かった時間故か空腹をあまり感じていない乃亜はコーヒーだけを飲み続けていた。
しかしコーヒーも飲み終えてしまい、店に長居する訳にもいかない乃亜は会計を済ませ店を出る。
その後も本屋に立ち寄ったりゲームセンターに寄ったりで時間を潰している内に日が傾いてきた。
「遊びすぎたかな・・・」
乃亜は苦笑しながらスマホを取り出し、ジュリウスへ連絡した。
《ノアか、どうした?》
すぐに返事があり、乃亜は口を開く。
「そろそろ帰るけど何か買ってく物はあるか?」
《いや、特には無いな》
乃亜は了解とだけ返し通話を切りスマホをポケットへしまった。そして彼はモール内のスーパーへ足を運ぶ。
特に買ってきて欲しい物は無いとジュリウスは言っていたが食材の買い出しはしておいた方が良いだろうという乃亜の考えだ。
スーパーで食材を買い終えた乃亜はモールの出口から外へ出て足を進める。
そして彼が隠れ家への帰路についている時だ。
「・・・ん??」
それなりに人の往来がある交差点にスマホが落ちている。
周りの歩行者は人混みでスマホに気付いていない様子でいつ踏まれてもおかしくない状況である。
乃亜は人混みを縫うようにそのスマホへと近付き、それを拾い上げた。幸いな事に液晶にヒビは無く無事な様で強いて言えば落とした衝撃でピンク色のケースに付いたと思われる傷だけだ。
当然そのような物を使うのは乃亜では無い。
「・・・誰のだろう?」
乃亜はスマホの持ち主を捜す為に周囲を見回す。だが、それらしい人物は見当たらず乃亜は溜め息を吐いた。
ここは大人しく定番の預け先である交番か警察署へ届けた方が良いだろう。
乃亜はスマホを手に再び歩き出そうとした時だ。
「あった~!私のスマホ~!!!」
人混みを掻き分けながらスマホの持ち主であろう少女が大声を上げながら乃亜に近付いてきた。
大声を出したのは光の当たり具合によってはプラチナブロンドにも見えなくもない黄色味かかった白髪をボブカットにし左前側だけ巻き髪にし赤いリボンで纏めた髪型に、赤を基調とした制服を着ている。
・・・しかしその赤い制服には見覚えがあった。
乃亜がジュリウス達と合流し銃取引を阻止しようと動く前にDAからの刺客として自分達を襲撃してきた武装女子高生の分隊、そのリーダーである“九条 若葉”が同じ制服を着ていた。
乃亜は内心驚き警戒つつもそれを表に出さぬよう努めるが、そんな心情を余所に赤い制服の少女は乃亜の目の前で急ブレーキをかけたように立ち止まると、彼女は乃亜にスマホを返すよう手を差し出す。
彼女から自分の物だと公言したあたり本当に自分の物なのだろう、乃亜は素直に拾ったスマホを少女に渡す。
「ありがとう!助かったよ~!」
少女は乃亜からスマホを受け取ると嬉しそうに笑う。その笑顔につられ乃亜も僅かに笑みを浮かべた。
ED:トリカゴ/戸松 遥、市ノ瀬 加那、山下 七海、早見 沙織、石上 静香
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
カサネ・ランドール/【
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロス
レイナ・プラウラー/【マクロス
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】
セイバー[沖田 総司]/【帝都聖杯奇譚
マイ=ナツメ/【
RO635/【ドールズフロントライン】
E-123 オメガ/【ソニック・ザ・ヘッジホッグ】
ようやっと原作と繋げられました( ̄▽ ̄;)
こっからが本番だ~