「いや~ホント見つかってよかったよ」
乃亜は隣で自分のスマホに頬擦りしながら呟く赤い制服の少女と共に歩いている。
「踏まれなくて良かったな?見たところ、あそこ人通り多そうだし」
振り向きながら乃亜は少女にそう言う。スマホが落ちていたのはそこそこに人通りの多い交差点の真ん中、何時踏まれ壊れてもおかしくなかった。
すると少女はスマホをしまいながら答えた。
「あ~、ホントそれ!踏まれてたら絶対壊れてたよ!」
少女はそう言うと再び乃亜に顔を向ける。
「本当にありがとうね!私、
「俺?」
乃亜は目の前の赤い制服の少女に自分の名前を教えていいものか悩むが、何の疑いも無しにまっすぐ乃亜を見つめる瞳に彼は正直に名乗る事にした。
本名を名乗っても特に問題は無いだろうと判断した結果だ。
「神無月 乃亜」
少女は乃亜の名前を聞くと嬉しそうに笑った。
「神無月君ね!よろしく!」
「あぁ、よろしく」
乃亜は千束の笑顔に釣られ僅かに微笑む。そして2人は他愛もない会話を続けながら隠れ家への帰路を歩んでいく。
「じゃあ、神無月君はこの辺に住んでるの?」
「いや、友達の家に厄介になってる」
そして2人はしばらく歩いた後に丁字路に差し掛かる。
「ごめんね、私はこっちだから」
どうやら千束とはここまでらしい。すると彼女は思い出したかのように手をポンッと叩きながら声を上げた。
「あ、そうだ!まだお礼をしてなかったよね?」
そう言うと彼女はポケットの中を漁り始め、そして中から何かを取り出した。
「はいコレ!」
そう言って千束が差し出したのは“喫茶リコリコ”と書かれた名刺と1枚のメモ用紙だった。乃亜はそれを受け取りながら口を開く。
「喫茶・・・リコリコ?」
「そ!私のバイト先なの!」
千束はそう言うと名刺を乃亜に渡し、メモ用紙を指差す。そこには地図が書かれていた。
「時間がある時に来てよ!コーヒーおごるよ、他に何か困った事があったらいつでも来ていいからね!」
彼女はそう言い残すと手を振りながら走り去っていった。その背中を見送りつつ乃亜も隠れ家へと足を向けるのだった。
「ただいま」
隠れ家に帰ってきた乃亜はリビングでくつろいでいた4人にそう声をかけた。
「おかえりなさい」
ガブリエルがそう言いながら乃亜の方へ顔を向ける。他の3人も彼に目を向けた。
「随分遅かったですね、何かあったんですか?」
1番最初に口を開いたのはセイバーだった。彼女は乃亜の手にあるビニール袋を見て首を傾げる。
「・・・買い物ですか?」
「あぁ、ちょっとな」
そんなやり取りをしていると今度はジュリウスが声をかけてきた。
「何か収穫はあったか?」
「まぁ・・・」
乃亜はジュリウスの問いに曖昧な返事を返すが全員からの視線に耐え切れず、素直に白状する事にした。
『DAの赤服に会ったぁ!?』
乃亜が赤い制服の少女、錦木 千束と会った事を話した瞬間全員が驚きの声を上げた。
その声量に思わず耳を塞いだ乃亜は溜め息を吐きながら口を開く。
そして彼は今日あった出来事を話し始めた。
「・・・で、そのスマホは彼女が落とした物だったって訳だ」
乃亜が話し終えるとジュリウスが口を開く。
「つまりお前は今日DAに襲撃される事も無くその赤服・・・・錦木 千束と接触した、という事か?」
「あぁ、そうなるな」
乃亜はそう答えるとビニール袋から買ってきた食材を取り出し冷蔵庫に入れていく。そして最後に残ったコーヒーの缶を取り出すとプルタブを開け口をつけた。
そんな乃亜を他所にガブリエル達は何やら話し合いをしている。
「どうします?」
「・・・とりあえず様子見、かな」
「まぁ・・・それが無難かな・・・」
何人かは小声で話し合っている為乃亜には聞こえていないのだが何やら不穏な空気が流れている事は感じ取れた。
しかし彼女等は何を話し合っているのだろう?と気になった乃亜は4人へ声をかける。
「どうしたんだ?」
「あ、いえ・・・」
乃亜に声をかけられたガブリエルは言葉を濁す。
「何でもありません」
「・・・?」
ガブリエルの返答に乃亜は首を傾げるがそれ以上追及する事はしなかった。そして彼は再び缶コーヒーに口をつける。
くぅ~・・・
するとここで今までの雰囲気をぶち壊すような間の抜けた音が部屋に響いた。
それはガブリエルの腹の音であった。
「・・・あ」
ガブリエルは恥ずかしそうに腹を抑え顔を赤くしながら俯いてしまう。
そんな彼女の様子を見た乃亜は小さく笑うと口を開いた。
「少し遅くなったけど晩飯にするか」
「・・・すいません」
ガブリエルは消え入りそうな声でそう言うと更に顔を赤くして俯くが、そんな彼女を励ますように乃亜は言う。
「気にするなよ」
「はい・・・」
ガブリエルは恥ずかしそうにしながら乃亜に答える。そんな2人のやり取りを見ていた他の3人も笑みを浮かべた。
その後、夕食の準備を始めた4人は仲良く談笑をしながら料理をするのだった。
3時間後、時刻は午後9時を回ろうとしていた頃。
夕食を終え、片付けも終えた後乃亜達はリビングでくつろいでいた。
「ふぁ~・・・」
そんな乃亜の欠伸にガブリエルがクスリと笑う。
「眠たいですか?」
「・・・ん?あぁ、ちょっとな」
乃亜は目を擦りながらそう答える。そんな彼の様子を見た他の3人も小さく笑った。そしてジュリウスが口を開く。
「まだ疲れが取れていないんだろう、後の事は俺達に任せてお前は先に寝てくれ」
「・・・そうさせて貰うよ」
乃亜はそう言うと立ち上がりリビングを後にする。
「おやすみなさい」
ガブリエルは乃亜の背中にそう声をかけながら小さく手を振った。
翌朝、乃亜は目を覚ますと1階へ降りた。
『おはよう』
彼がリビングへ入るなりイチゴと優利が声をかける。
どうやら皆で既に朝食の準備を始めていたようで2人共フライパンを片手に持っていた。
キッチンでは緊張した表情で包丁を握っているウリエルとそれを見守るガブリエル、そしてジュリウスが立っている。
「おはよう」
乃亜は軽く挨拶を返すとソファに腰を下ろした。
「だからウリエルさん!その持ち方は危ないですってば!」
「わかってるわよ!けど・・・」
ガブリエルに注意されたウリエルはそう言いながらも包丁を持つ手を震わせている。そしてそんな2人のやり取りをジュリウスが苦笑しながら見守っていた。
そんな彼等を見て乃亜は小さく笑う。
「怪我するなよ~?」
乃亜がそう言うとガブリエルとウリエルは同時に彼の方へ顔を向けた。そして2人共頬を膨らませる。
「子供扱いしないでください!」
「そうよ!私達だってやれば出来るんだから!」
2人はそう言うなり再び調理に戻った。そんなやり取りを見ていたジュリウスは小さく笑う。
そして彼は乃亜の方に振り向くと口を開いた。
「2人の事は俺が見ておく、心配するな」
「助かるよ」
乃亜はそう言うと新聞を広げ、内容を読みつつ料理が出来上がるのを待つ事にした。
それから30分後、朝食の準備を終えたガブリエル達はテーブルに料理を並べていく。メニューはトーストにサラダ、スクランブルエッグとベーコンというシンプルなもの。
野菜の切り方が雑でまばらだったりスクランブルエッグとベーコンには焦げも少し見れるが彼女達なりに頑張って作った物だ。
「どう?上手くできたと思うんだけど・・・」
ウリエルが自信なさげに乃亜に尋ねる。
「あぁ、よく出来てると思うぞ?」
乃亜はそう言いながら微笑む。そんな彼の笑みを見たウリエルとガブリエルも嬉しそうに笑った。
そして全員が席につくと食事を始める事にした。
ウリエルとガブリエルが作ったスクランブルエッグは少し塩味が強かったが乃亜が初めて料理した時の物と比べれば遥かにマシな出来だ。
「俺が初めて作った時はこんなもんじゃなかったからな、焼き鮭は真っ黒焦げにするし炊いた米だって芯が残ってたりする有様だったんだ」
「そうなんですか?」
ガブリエルが意外そうな顔で聞き返す。乃亜は苦笑しながら頷いた。
「あぁ、あの時の事を思い出すと今でも笑えてくるよ」
そう言って笑う彼の姿にウリエル達は驚きを隠せない様子だった。そんな彼女達に気付きながらも乃亜は話を続ける。
「そこから何度も経験と試行錯誤を重ねて、今は皆知っての通り上手く作れるようになったんだ」
「凄いですね・・・」
ガブリエルは感心したように呟く。他の皆も乃亜の話を聞いて驚いている様子だった。
するとガブリエルはフンスと気合を入れ、そのまま口を開く。
「私も頑張ってもっと上手に作れるように頑張ります!」
「えぇ、私も頑張るわ」
ウリエルもガブリエルに続いてそう言う。
そんな2人を見てジュリウスは笑い無言で乃亜に親指を立てていた。そして乃亜もそんな彼女等を見て乃亜は小さく笑うのだった。
それから更に1時間後、朝食を食べ終えた乃亜達はリビングでくつろいでいた。そんな中ガブリエルが口を開く。
「今日はどうしましょうか?」
「そうだな・・・」
乃亜はそう呟きながら考え込む。そんな乃亜の様子を見たガブリエルが首を傾げた。
「何か予定でもあるんですか?」
「いや、特に無いけど・・・」
乃亜はそう言うと再び考え込む。そんな彼の様子を見たガブリエル達4人は顔を見合わせた。そしてウリエルが口を開く。
「だったらさ、皆で買い物に行かない?」
「・・・買い物?」
「えぇ、せっかくだから皆で行きましょうよ」
ウリエルの提案を聞いた乃亜は小さく首を傾げるが他の3人はすぐに賛成したようだ。するとガブリエルも目を輝かせながら口を開いた。
「良いですね!行きましょう!」
ガブリエルの勢いに押し負けたのか乃亜は苦笑しながら頷いた。
しかし何時までもこうして遊んでていいのか?と乃亜は考える。
考えに耽っている乃亜を見てガブリエルとウリエルが揃って首を傾げるが、そこに何やらドタドタと階段を凄い勢いで降りてくる足音が。
そしてリビングの扉が勢いよく開いた。
「皆聞いて~!!」
部屋に突撃してきたのはマキナだった。
「・・・マキナ速すぎ」
マキナに続いて部屋に入ってきたのは何やら息が上がっているレイナ。
「・・・どうした?」
乃亜がそう尋ねると彼女は満面の笑みを浮かべながら答えた。
「レイレイから発表があります!どうぞレイレイ~!」
「・・・?」
乃亜は首を傾げる。するとレイナがマキナを押し退けて前に出た。そして彼女は乃亜達の方へ向き直り口を開く。
「私達の活動をサポートしてくれるAIが出来た」
「・・・AI?」
乃亜は更に首を傾げる。そんな乃亜にマキナは舌をチロッと出し両手を合わせ謝罪する。
「ごめんねノアノア~、驚かせたくて」
「いや、別に構わないけど・・・」
乃亜は苦笑しつつ答える。するとレイナが口を開いた。
「紹介するからついてきて」
「あぁ、わかった」
乃亜は立ち上がるとレイナの後に続く。そしてリビングを出て階段を上がり3階へ。
3階は皆の活動スペースと化しており、そこには当然レイナが仕事で使っているノートPCもある。
「これ」
レイナはそう言うとノートPCを開き画面を点ける。
画面には黄色い円が書かれており、時折波打っている。
「これがそうなのか?」
「そう、AI“オーレア”」
乃亜の問いにレイナが答える。彼女はそのまま続けた。
「オーレアは私達の活動をサポートできるAI、今はパソコンのスペックの都合で都市規模での監視は無理だけど、情報収集はもちろん作戦のサポートから日常会話までなんでもこなせる」
「・・・凄いな」
「うん、だけどまだ未完成だからこれからもっと改良していくつもり」
「そうか・・・」
レイナの説明を聞いた乃亜は小さく笑う。そして画面に映る円を優しく撫でた。すると円が波打ち始める。どうやら起動したようだ。
「ノア、オーレアに声を掛けてみて」
「・・・わかった」
乃亜は頷くと画面に映る円に向かって話しかけた。するとオーレアが反応を見せる。
“はじめまして”
「おぉ・・・」
オーレアと名付けられたAIがPC画面にテキストを表示して返事を返した事に乃亜は小さく驚きの声を上げると、再び画面へ目を向ける。そして彼は口を開いた。
「初めまして、俺は神無月 乃亜だ」
“はい、存じ上げておりますマスター神無月”
「お、おう・・・」
乃亜はオーレアの言葉に思わず苦笑する。
「オーレア、俺の事は乃亜でいい」
“わかりました、では乃亜様と”
「・・・ん?様?」
乃亜が首を傾げるとレイナが言う。
「オーレアにとって私達は主人だから敬称を付けた方がいいと思って」
「・・・なるほど」
乃亜は小さく笑いながら納得する。
「レイナ、よくこれだけのAIを個人で作れたな?」
テキストでとはいえ会話まで出来るAIを作り上げた彼女の手腕を素直に称賛する乃亜だったが、レイナから帰ってきたのは意外な答えだった。
「私が全部作った訳じゃない、基本構造はDAが使ってるAIと同じ」
「・・・何だって?」
乃亜は驚きの表情を浮かべながらレイナを見る。
「オーレアはDAの作ったAIをベースに私が改良を加えた物、だから私が1から作った訳じゃない」
“私は元々
「・・・そうか」
乃亜は小さく呟くと改めて画面に映る円へ視線を移す。そして再び口を開いた。
「これからよろしく頼むよ?オーレア」
“はい、よろしくお願いします乃亜様”
こうして乃亜達の仲間にAIオーレアが加わった。
それから皆は今日の活動に向け準備するのだが、その最中にジュリウスがレイナに近づき問う。
「・・・DAのAI情報などという代物、何処で手に入れた?」
「・・・」
レイナは無言のまま視線を逸らす。どうやら話したくないらしい。そんな彼女の様子を見たジュリウスは小さくため息を吐くと再び口を開いた。
「・・・まぁいい、だがあまり無茶をするんじゃないぞ?」
「うん」
レイナが頷くとマキナもジュリウスに同意するように頷く。
「そうだよレイレイ、私達に黙って危ない事はしないでね?」
「・・・わかってる」
2人の心配そうな言葉にレイナは苦笑しながら答える。
「でも・・・もし何かあったらすぐに言って、絶対に助けるから」
「・・・うん、ありがとう」
レイナはマキナの言葉に小さく微笑むと再び準備を始めた。
それから数十分後、乃亜達は出かける準備を終えて玄関にいた。そして彼等の前にはガブリエルが立っている。彼女は乃亜達を見回して口を開いた。
「それでは行きましょう!」
彼女の言葉に乃亜達は頷くとガブリエルに続いて外へ出る。
ED:トリカゴ/戸松 遥、市ノ瀬 加那、山下 七海、早見 沙織、石上 静香
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
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天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
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マキナ・中島/【マクロス
レイナ・プラウラー/【マクロス
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ガブリエル/【モンスターストライク】
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