会議室のドアが開き、警備員らしき男が2人室内へ入ってくる。
「0時に始まるはずじゃ?」
「ああ、変更があったそうだ」
入室した警備員が呟くように言い、それに別の警備員が答える。
そして2人の警備員に続くように今度きスーツ姿の男が6人程室内へ入ってくる。
「こちらにどうぞ諸君、くつろいてくれ」
そう言ってスーツの男達を室内へ案内したのは赤いスーツに色付き眼鏡をかけた男。
案内された男達は持ってきたジュラルミンケースを椅子のすぐ近くへ置き座るが、カウンター席のテーブルに着いたグレーのスーツの男が室内を見渡しながら問う。
「石田の奴も来るんじゃなかったのか?」
問いに答えたのはカウンター席の一番左の席近くに立つ黒いスーツの男だった。
「石田だが・・・来ない」
「急用だそうだ」
黒スーツの男の答えに赤スーツの男が付け加える言うがそれをグレーのスーツの男は信じない。
「急用?そこまで偉い立場でもないだろ、サボりに決まってる」
グレーのスーツの男がそう呟くが、黒スーツの男が放った言葉に周囲が凍り付いた。
「石田は既に消えてる、正式に、だから会合の時間を早めた」
「は?お前達が守ってたんじゃなかったのか?・・・」
グレーのスーツの男が黒スーツの男に問い返すが、黒スーツの男は表情も態度も変えずに言葉を続ける。
「我々の契約にはランクがある」
黒スーツの男は態度を変えずにそう言う。
「誰がやった?お前か?」
グレーのスーツの男が黒スーツの男に詰め寄る。だが、黒スーツの男は何も答えない。
「俺は降りる」
その男の態度に不信感を持ったのかグレーのスーツの男はテーブルに置いたジュラルミンケースを持ち退室しようとし、他の男達も同様の行動を取ろうとするが、そこに警備員の男2人が拳銃を取り出し退室しようとする男達に向ける。その様子にグレーのスーツの男も立ち止まり、黒スーツの男を睨む。
「諸君、座りたまえ、黙って彼の話を聞くんだ」
赤スーツの男が立ち上がりスーツの男達を宥めるように言うが、グレーのスーツの男は黒スーツの男から視線を外さない。
そして黒スーツの男が口を開く。
「いいか別に難しく考える事はない、日本で貴様等のようなクズの調停を行っている」
黒スーツの男はグレーのスーツの男は少し反応するが、黒スーツの男は構わず言葉を続ける。それはまるで演説のようだった。
「問題はすべてこうやって話し合い解決、お前達の縄張りも武器も麻薬も必要ない、私達が提供するのは警察、警備会社、空港警備隊、そして我々DAのネットワーク・・・」
黒スーツの男はそこで一旦言葉を切り、再び口を開く。
乃亜とミアもクローゼットの中でその会話を聞いているが、特に何もする事はない。だが1つ気になる事があった。それは黒スーツの男が口にした“DA”という単語だ。
そして黒スーツの男が続きを話し始める。
「しかるべき対価でネットワークにアクセスできる」
黒スーツの男がそう言い終え、今度は赤スーツの男が口を開く。
「東京では成功している、そこでだ、地元の顔役の諸君ならば、このビジネスの意味が分かってもらえるはずだ」
赤スーツの男はそう言い終えると、男達にゆっくり視線を送る。するとスーツの男達は持っていこうとしていたジュラルミンケースから手を放す。
それを見た赤スーツの男が左腕を軽く軽く上げると警備員の男2人がジュラルミンケースを回収する。
「それでいい」
黒スーツの男は頷き、赤スーツの男は男達に笑みを向ける。
「それでは諸君、今こちらに東京で最高の占い師のお嬢様方がリムジンで向かっている所だ、諸君もぜひ素晴らしい未来を占ってもらえ」
赤スーツの男がそう言い終え、グレーのスーツの男を初めとする4人は警備員に案内され会議室を退室する。そして残された黒スーツの男はカウンター席に座り、赤スーツの男も椅子に座りグラスにウィスキーを注ぐ。
だが、赤スーツの男がウィスキーを一口飲んだ所で表情が真剣な物に変わり、ウィスキーの入ったクラスを置き黒スーツの男に問う。
「説明・・・してもらえるんだろうね?」
黒スーツの男はグラスをカウンターに置くと、口を開く。
「石田をやったのはアメリカのビジネス仲間、ロックフェラーをやった奴らかもしれん」
黒スーツの男はそう言うと、赤スーツの男が驚きの表情を見せる。そして黒スーツの男は更に言葉を続ける。
「何人かに話をしておく必要がある」
黒スーツの男はそう言うと、グラスに残っているウィスキーを一気に飲み干し立ち上がる。
赤スーツの男はウィスキーの入ったグラスを持って立ち上がり、黒スーツの男について行くように歩き出す。
「君達の金は私の特別室に収めてある、安心したまえ」
赤スーツの男はそう言い、黒スーツの男と共に会議室を退室。そして会議室の照明が落とされる。
そして足音が遠ざかり近くに誰もいなくなったタイミングで、クローゼットから乃亜とミアが出てくる。乃亜はすぐさま盗聴器を回収し録音も録れている事を確認。
「なんて事、日本の闇事情にDAも1枚噛んでたなんて・・・!」
ミアは信じられないといった表情で呟く。
日本の治安を裏から守っている筈のDAが裏でのビジネスとやらにまで首を突っ込んでいるなど。
「けどこれはチャンスだ」
乃亜は盗聴器をしまいながらそう言うと、ミアに視線を向ける。
そしてしまった盗聴器と入れ替えるように懐から出したのは小さなボタン状の物が2つ。
「それは?」
「マキナとレイナがもしもの為にって作ってくれた発信機だよ、信号も探知されない優れものだけど2個しか用意出来なかったって」
ミアの問いに乃亜は答えながら2つの発信機の内1つをミアに渡す。
「あの黒スーツとケースに発信機を仕込めば追跡できる」
乃亜はそう言って発信機を再び懐にしまう。対してミアは乃亜の言葉から彼が何をしようとしているのか分かった。
「DAの拠点を突き止めるだけじゃなくて、アイツらの汚れたお金を洗浄前に奪って手に入れようって事?」
ミアの問いに乃亜は頷く。すると2人は互いに顔を見合わせる。
そして、2人の顔には不敵な笑みが浮かぶ。
「俺はケース」
「私はDAのお偉い様ね」
乃亜とミアはそう言い合う。
そして2人は互いに頷きあうと、手分けして行動を開始する。
乃亜はケースがあるという特別室に、ミアはDAの幹部と思われる黒スーツの男に向かう。
特別室は豪邸の2階、日本庭園を臨む露天風呂をガラスで仕切っている寝室だ。パーティ用に大音量の音楽を掛けたり夜食の準備をしたりしている警備員達を躱して乃亜は特別室へ入り、ベッドの上に置いてある4つジュラルミンケースの内1つを音を立てないようにそっと開ける。ケースの中には札束がぎっしり。乃亜は懐から件の発信機を取り出し、電源スイッチを入れ静かにケースに忍ばせるとケースの蓋を静かに閉め特別室を出る。
そしてミアは警備員やスーツ姿の男達、そしてグレーのスーツの男から身を隠しながら豪邸の敷地内を移動し、やがて豪邸の駐車場へ出る。駐車場には高級車が数台止まっており、ミアは周囲を警戒しながら駐車場を進む。
そして豪邸の1階部分にあたるにシャッターが開いている車庫に辿り着き、中に黒スーツの男が乗っている高級セダンを発見、車内から誰かに電話しているようでミアには気づいていない。ミアは男とセダンの運転手に気づかれぬ様に身を隠しながら移動しセダンの車体下に発信機を取り付け、すぐにその場を離れる。そして黒スーツの男が電話を終えると、運転手に指示を出しセダンが発車する。ミアは黒スーツの男が乗るセダンが行った事を確認し、豪邸から外へ出る。
そして外で待機していた乃亜と合流。
乃亜はミアが無事戻ってきた事を確認すると、尾行を警戒しつつすぐに豪邸を離れる。
そして2人は乗ってきたマスタングが止まっているコインパーキングに向かい、すぐにマスタングに乗り込み、乃亜の運転で隠れ家へ戻る。
2nd ED:花の塔/さユり
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
カサネ・ランドール/【
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロス
レイナ・プラウラー/【マクロス
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】
セイバー[沖田 総司]/【帝都聖杯奇譚
マイ=ナツメ/【
RO635/【ドールズフロントライン】
E-123 オメガ/【ソニック・ザ・ヘッジホッグ】
前回に続き今回も気持ち短いかもですが、キリが良いので