隠れ家へ戻った2人は、盗聴器の録音内容と豪邸で2人がしてきた行動と目的を皆に話した。そして、マキナとレイナが作った発信機の反応が確認でき次第行動を起こす事が決まる。だがそれには日数がかかる為、それまでは隠れ家で大人しくしている事になった。
その後はまた普通の日常を過ごし、乃亜がまた喫茶リコリコに顔を出したりとして1週間が経過した頃。
いつもの通り乃亜が皆の休憩用にとクッキーを焼いていた時だ。
「ノア」
焼けたクッキーをオーブンから取り出していた時に声が掛かった。声がした方にはミアがいた。
「レイナとマキナが呼んでるわよ」
「え、2人が?」
乃亜は首を傾げながらミアに問う。それにミアが答える。
「もう成果が出たみたいよ」
「分かった」
乃亜は頷くと、焼けたクッキーを皿に盛り付けテーブルの上に置く。それからエプロンを外し3階へ向かう。ミアもその後について行く。
3階には既にマキナとレイナを始め皆が集まっており、乃亜とミアの到着を待っていた。
「来たか」
乃亜とミアが皆の前に並ぶと、ジュリウスがそう言ってレイナとマキナに話を始めるよう促す。
「ノア、話の前に確認、ノアが高輪でDAの事を言ってたっていう黒スーツの男ってこいつ?」
そう言ってレイナがパソコンの画面に出したのは1人の男の写真。
黒いスーツでなかったり髪型が違っていたりと差異こそあるが、その顔付きと黒髪の中に白髪の混じっている変わった生え方の毛髪は高輪の豪邸で見た黒スーツの男と一致していた。
「間違いない、コイツだ」
乃亜は頷きながら答える。するとレイナがパソコンを操作し、男の身元情報を画面に表示する。
「名前は“
レイナが表示した画面をマキナとミアも覗き込み、乃亜はパソコンの画面に表示されている情報を読み取る。
「民間警備会社?」
「表向きは」
首を傾げる乃亜にレイナが答える。そして更に言葉を続ける。
「実際には、松永は警察の民間委託を計画して、その為に深閃を企業した」
乃亜はレイナの言葉に眉を顰める。
警察の民間委託、それはつまり、警察業務を民間企業に委託するという事か。
だとすれば松永が何を企んでいるのかが朧気ながら見えてくる。
そして乃亜が考えを纏めるのを待つ事無く、レイナは更に続ける。
すると今度はパソコンの画面が切り替わり、深閃のホームページに切り替わる。そこには会社概要や業務内容等が書かれているのだが、内容はどこもかしこも当たり障りのない物だ。だが最後の方に気になる文言があった。それは“当社では警察OBを多数雇用しております”という一文だった。
恐らく松永の最終目的は警察を資本で雇い、自分達の思い通りに動かす事。
つまり、民間警備会社というのは隠れ蓑に過ぎない。
だがそこでレイナがパソコンの画面を切り替えて別のページを表示する。乃亜はそれに視線を向けると、そこに表示されていたのは“深閃採用案内”と書かれたパンフレットだった。その表紙には“警察OB多数在籍!”と書かれており、乃亜は思わず顔を顰める。そして更にレイナがパソコンを操作すると今度は動画サイトに繋がり、ある動画が流れ始める。それには松永が堂々と映っており、動画内の彼は演説するように喋り始めた。
「私が目指すのは、より清廉潔白な日本です。ささやかな実績ですが全ては皆様の協力があってこそ」
松永はそう言って一息置き、更に続ける。
「しかし過去に警察に勤めた事のある私としては・・・恥ずかしながら認めざるを得ません、今の警察のやり方は役に立っていないと、何より事故に対する対応はあまりにも前時代的です」
松永はそこで一旦言葉を切り、そして更に続ける。
「今こそ皆様の投資が必要です、共に未来の警察を築き上げましょう!」
松永はそう言って動画を終了させる。
乃亜は顔を顰めたままパソコンの画面から視線を逸らし、そしてレイナに視線を向ける。
すると彼女は無言で頷き、再びパソコンを操作すると今度はあるホームページが表示され、そこに書かれた文字を読む。
それは“深閃”という警備会社の求人ページだ。そこには応募条件や勤務地等が書かれており、最後に“警察OB多数在籍!”という一文があった。
どうやら警察OBがいるという面を強調し社会からの信用を得ようとしているらしい。
乃亜はパソコンの画面から視線を外し、テーブルの前にいる皆に目を向ける。
すると皆も乃亜の方を向いており、その視線には覚悟の色が見て取れた。
そして皆が無言で頷くのを見て、乃亜も頷き返すと口を開いた。
「皆、俺は決めたよ。深閃を・・・松永を潰す、ついでにバックでふんぞり返ってるDAにも一泡吹かせてやる」
乃亜はそう言うと、レイナがパソコンを操作して深閃のホームページから今度は日本地図を表示し、それを皆に見せる。
それには地図上に重なるように赤い点が2ヵ所表示されている。
「ノアとミアが仕掛けた発信機の信号」
そう言ってレイナは地図上の赤い点を指差す。
「発信機の追跡に成功したの?」
ゼロツーからの問いにレイナは頷き、まずは富士山の麓付近にある信号の場所を指差す。
「これはミアの仕掛けた発信機の場所、恐らくは・・・」
「DAの拠点?」
レイナの言葉を引き継ぐようにミアがそう問い、それにレイナは頷く。
そして次に指差したのは、地図上の東京にある信号だ。
「これはノアが仕掛けた発信機の信号、六本木にある松永の会社の本社ビル」
乃亜が発信機を仕掛けた場所は、日本最大の繁華街・六本木にあるビルだった。
そしてレイナは再び画面を切り替え、今度は何かの書類を画面に映し出す。
「これがビル最上階のペントハウスに設置された金庫の発注書」
レイナがそう言って画面に映し出した書類には、最上階のペントハウスに設置された金庫の寸法と材質を記した図面と発注書が載っていた。
そしてそれを見ながらマキナが言う。
「高さ3.5メートル奥行15メートル、鋼鉄製の扉と高熱カッター対策に銅の芯、100×100のダイヤルロックとてんこ盛りだね」
「ならそれを吹っ飛ばせばいいんだね?」
マキナがそう言ったのを聞いてゼロツーが金庫を開ける案を出すがそれにレイナとマキナがほぼ同時に首を横に振る。そしてレイナが口を開く。
「それだとビル丸ごと爆破する程の爆薬が要る」
「それに金庫の素材はガチガチの鋼鉄製、しかも高熱に耐えられるとなると爆薬だけじゃちょっと無理かな?」
レイナとマキナの言葉に皆が黙り込む。するとマキナが口を開いた。
「ノアノア、ちょっと時間を頂戴?」
「何か思いついたのか?」
乃亜の言葉にマキナは笑顔で頷き、そして言う。
「マキマキとレイレイにお任せあれ~♪」
「任せるって、何を?」
「まぁまぁ、それは後のお楽しみって事で♪」
乃亜の問いにマキナは笑顔でそう答え、レイナを除き全員が頭に?マークを浮かべた。
そして乃亜達が目的を決めてから3日が経ったある日。
乃亜は皆の分の朝食の用意を済ませてすぐに今日の皆の休息用のお菓子にマドレーヌを焼いている。生地にメープルシロップを混ぜほんのりメープル風味に。
せっかくという事で少し余分に作り、喫茶リコリコに差し入れとして持っていこうかと考えながら焼いたマドレーヌを更に盛り付け、残りは差し入れ用としてラッピングして紙袋へ。
「これでOKっと」
乃亜はそう言うとエプロンを外し、紙袋を持って外出する。
自分が外出する事はジュリウスにメールで伝えている為、特に問題はない。
乃亜は紙袋を片手に持ちながら、喫茶リコリコへ向かう。
68年式フォード・マスタングを運転し、乃亜は喫茶リコリコへ着いた。乃亜はマスタングを駐車スペースに停めて車から降り、店の中へ。
「ん?おぉ、おはよう神無月君」
「おはようございます、店長」
カウンターで準備を進める店長のミカに乃亜は挨拶を返すが、そのミカはどこか渋い表情だ。
「すまないな神無月君、まだ開店前なんだ」
「いや別にお客さんとして来た訳じゃないんですよ」
乃亜はそう言って紙袋をカウンターに置き、中からラッピングされたマドレーヌを取り出し見せる。
「これ差し入れです」
そう言って乃亜はマドレーヌを紙袋に戻しミカに渡す。するとミカはそれを受け取り、そして微笑む。
「ありがとう神無月君」
「いえ、いつも美味しいコーヒーとお菓子をご馳走になってますからそのお礼ですよ」
乃亜がそう言うとミカは微笑み、それからふと思い出したように口を開く。
「そう言えば千束が言っていたぞ?また君のクッキーが食べたいそうだ」
「それ今言います?それで勘弁してもらえませんか?」
乃亜の言葉にミカは苦笑し、そして頷く。
「分かったよ、千束には内緒にしておくさ」
「ありがとうございます」
そう言って乃亜は微笑み返すと紙袋を持って店を出ようとするが、そこで丁度リコリコの店内に入ろうとしていたたきなとバッティングする。
「あ、おはようございます神無月さん」
「おはよう井ノ上」
乃亜はたきなに挨拶を返すが、たきなはミカが持っている紙袋を見て首を傾げる。
「おはようございます店長、その紙袋は?」
「あぁ、これは神無月君が差し入れにと持ってきてくれたんだ」
ミカは紙袋をたきなに見せながらそう言い、そして乃亜の方に視線を向ける。それに釣られてたきなも乃亜の方を見る。
「そうなんですか?ありがとうございます神無月さん」
「いや良いって、いつも世話になってるお礼なんだからさ」
そう言って乃亜は微笑み返し、改めて店を出ようとするが・・・
「まぁ待て神無月君、コーヒーでも飲んで行ってくれ」
そう言ってミカは乃亜を引き留め、カウンターの椅子に座らせる。
「いえ、さっきも言いましたけど今の俺は客として来てる訳じゃ・・・」
「差し入れをくれた客人にもてなしの1つもしないのは気分が悪い、ここは私の頼みとしてな」
「・・・分かりましたよ」
乃亜はそう言って頷き返すと、たきなが用意したカップにコーヒーを注いでもらい飲む。
そんな2人のやり取りを見ながらミカは再び紙袋からマドレーヌを取り出し包装を解いて小皿に盛る。
「これは、マドレーヌ?ですか?」
「そうだけど、もしかして井ノ上、マドレーヌ食べた事ない?」
乃亜はたきながマドレーヌを知らなかった事に驚き、そしてたきなはそんな乃亜に頷く。
「はい、初めてです」
「マジか・・・まぁいいや、食べてみなよ。美味しいからさ」
乃亜にそう言われたきなはマドレーヌを1つ手に取り口に運ぶ。するとその美味しさから自然と顔が綻ぶ。
「美味しい・・・!」
そんな呟きがたきなの口から漏れ出すのを聞きつつ、乃亜はコーヒーを口に含む。
「店長に袋を渡してあるから、食べたくなったらそこから出してくれ」
「分かりました!」
珍しく少し興奮気味のたきなはそう返事してマドレーヌをもう1つ口へ運ぶ。そんな2人のやり取りを見てミカが微笑ましそうにする。
そして乃亜がコーヒーを飲み終え、カップをカウンターに置き席を立ち上がる。
「それじゃあ俺はこれで」
そう言って乃亜は店から出ようとする。
「あぁ、またいつでも来てくれ」
「はい。それじゃあな井ノ上」
そう言って乃亜は喫茶リコリコを出て車に乗り込みエンジンをかけ、愛車のマスタングを発進させた。
2nd ED:花の塔/さユり
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
カサネ・ランドール/【
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロス
レイナ・プラウラー/【マクロス
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】
セイバー[沖田 総司]/【帝都聖杯奇譚
マイ=ナツメ/【
RO635/【ドールズフロントライン】
E-123 オメガ/【ソニック・ザ・ヘッジホッグ】