68年式フォード・マスタングで東京の街を走る事約10分後。乃亜は都内の某有名ハンバーガーチェーン店にて朝食を取っていた。
乃亜はチーズバーガーとポテトMサイズ、コーラを注文し、それを受け取り空いている席に座る。
尚DAが何処から監視しているか分からない為、監視カメラの死角になっている位置を予め把握している。その為にこうして安心して食事を取る事が出来るのだ。
「さてと・・・そろそろ行くか」
乃亜はそう言って席を立ち、店を出て車に乗り込む。
そしてエンジンをかけようとした時にスマホに着信が入る。乃亜はスマホを手に取り画面を見る。するとそこには“ジュリウス”と表示されていた。
乃亜はその着信に応答し、スマホを耳に当てる。
「もしもし」
《ノア、今大丈夫か?》
「問題ない、それで?何かあったのか?」
乃亜はジュリウスにそう尋ねると、彼は少し間を置いてから話し出す。
《オーレアからの情報だ、不審な白いバンを監視カメラの映像で確認したらしい、乗っているのは確認出来ただけで男が5人、その全員がAKを持っている》
「AK・・・ロシアのアサルトライフルか」
乃亜はジュリウスからの報告に思わず眉を顰める。
《あぁ、恐らく以前俺達が首を突っ込んだ1,000丁の銃の取引相手、その一派だろう》
ジュリウスからの報告に乃亜は思わず舌打ちする。氷山の一角とはいえ手下を始末され手に入れるはずの銃も予定より下回った、当分大人しくなるかと思っていたが思ったより活動再開が早い。
「分かった、引き続き監視を続けてくれ。俺が行って確かめる」
《了解した》
「それと、万一に備えて応援も寄越してくれないか?」
乃亜は電話を切る前にジュリウスにそう尋ねる。すると少し間を置いてから答えが返ってくる。
《手の空いているICEYとセイバーを向かわせる、途中で合流してくれ》
「了解」
乃亜はそう言って通話を切りスマホをポケットに仕舞い、マスタングのエンジンを掛ける。
出発する前に車のグローブボックスからP99を取り出し、マガジンと薬室内の弾を確認。確認後すぐにP99にサプレッサーを取り付けてショルダーホルスターに収め、シートベルトを締めマスタングを発車させ、東京の街を走り抜けていく。
それから約30分後、都内を走る特急電車の中にその2人の姿はあった。
“ウォールナット”と呼ばれるハッカーの国外逃亡を手助けすべく喫茶リコリコから出発した千束とたきなの2人。現在2人はウォールナットとの合流予定地点へ向かっている。
・・・だがその依頼に向かう途中だと言う中で、千束は駅の売店で駅弁やら飲み物やらを購入している。
「たきな、何それ?」
「ゼリー飲料です」
今、千束の目の前にはゼリー飲料を啜っているたきなの姿があり、千束はそんなたきなに尋ねる。
「いやいや、たきなさん今の状況分かってるのかな?」
「依頼人に会う為に特急に乗っています」
千束の言葉にたきなはそう返す。だがそんなたきなに千束はジト目で言う。
その目は“分かってない”と物語っている。
「そう!その前にお昼ご飯食べとかないと!」
「今、食べてます」
千束の言葉に答えつつゼリー飲料を啜るたきな。そんなたきなに千束はジト目のまま詰め寄る。
「それがご飯?そんなんじゃ力出ないよ?」
「大丈夫です」
千束の言葉にそう返すたきなだが、千束は不満そうだ。
「え~、特急だよ?駅弁食べようよ~?」
「結構です」
「まーままま!そう言わないで、煮卵、美味しいよ?」
そう言って千束は自分が購入していた駅弁をたきなの目の前に出し、箸で中に入っている煮卵を1つ掴みたきなへ向ける。
「ほら、あ~ん」
だがそんな千束にたきなはジト目を向け、言う。
「・・・自分で食べれます」
「え~?良いじゃん、あ~ん」
「だから、自分で・・・」
「あ~ん!」
そんなやり取りがしばらく続き・・・
「・・・あ~ん」
結局折れたたきなが口を開け、それを見た千束はにんまりと笑顔を浮かべたきなの口元へ煮卵を運ぶ。
そしてたきながそれを受け取り咀嚼し、飲み込む。
「どう?美味しいでしょ?」
「・・・美味しいです」
「はい美味しい!」
若干諦め顔になりつつそう応えるたきな。そんなたきなに千束は嬉しそうだ。
すると突然、たきなが何やら鞄をゴソゴソと漁り始める。まだ何か買っていたのかと千束は首を傾げるが、たきなが鞄から取り出したのは丁寧に包装された小さな何か。
それを取り出したたきなは何処か少し嬉しそうにしており、小さな何かを見て千束も気付いたか目を見開いた。
「たっ、たきなそれって!?」
「これですか?今朝、神無月さんから頂きました」
小さな包装の中身は今朝、乃亜が差し入れにとリコリコへ持ってきた手作りマドレーヌ。たきなはそれを鞄に入れて持ってきたのだ。たきなはその包装を解き、綺麗に仕舞われたマドレーヌが姿を見せる。
突然目の前に現れたマドレーヌに千束は取り乱しかけたもののすぐに冷静になる。
「一口くださ「嫌です」いな~・・・ってえぇッ!?即答!?何でぇ!?」
食い気味に拒否してきたたきなに千束は思わず声を上げる。
「これは神無月さんがお店に差し入れてくれたものなので、まだお店に残ってる筈ですから千束さんも仕事が終わった後に召し上がっては?」
「いやいやいやいや!?今日持ってきたって事は夕方にはなくなってるかもしれないじゃん!?神無月君のお菓子って美味しいから先生にもウケ良くて無くなるの早いんだよ!?」
「そうですか、確かに美味しいですもんね」
「そう!そうなの!美味しいの!!」
「では、また今度作ってもらっては?」
「うが~ッ!ズルいよたきなだけ!」
千束はそう言って悔しがる中、たきなはマドレーヌを静かに口に運ぶ。
「・・・♪」
マドレーヌを食して幸せそうな顔をするたきなを見て千束は内心でハンカチを噛んでいた。自分はたきなを笑顔にした事が無いのに、乃亜のお菓子で簡単に笑顔になった事が悔しいのだろう。
だが乃亜の手作りお菓子の美味しさを知っている身としては、たきなのその気持ちも分からなくはない。
そんな時に車内アナウンスが流れる。
「次で降りますよ」
「えぇ~ッ!?もう!?」
「10分足らずで乗り換えなのでゼリーを選んだだけです」
「そうなの~?」
「やっぱり聞いてなかったんですね」
千束の慌て様にたきなは呆れた様子で溜め息をつき、千束を置いて電車から降りる。
「えっ、ちょっ!待ってくださいぃ」
たきなに置いて行かれた千束は慌てて荷物を纏め、電車から降りて行った。
もう先輩の威厳など欠片も感じられず、千束は地味に好感度を稼いでいる乃亜に対し敗北感を感じ地味なダメージを受けていた。
・・・・・・ちなみにこの後、たきなからマドレーヌを1個もらい、千束はたきなの優しさに心の中で涙を流しながら感謝したとか。
2nd ED:花の塔/さユり
Crossover Database
ジュリウス・ヴィスコンティ/【
ミア・カルンシュタイン/【
カサネ・ランドール/【
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロス
レイナ・プラウラー/【マクロス
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】
セイバー[沖田 総司]/【帝都聖杯奇譚
マイ=ナツメ/【
RO635/【ドールズフロントライン】
E-123 オメガ/【ソニック・ザ・ヘッジホッグ】
・・・何かスゲー久々に更新した気分だわ、そのおかげか今回は短めです。ご了承ください(-_-;)