Crossover Recoil   作:天羽々矢

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OP:新世界/南條 愛乃


#05

「間もなく、羽田空港へ到着致します。シートベルトの着用をお願い致します」

 

機内で寛ぐ事約12時間。機内アナウンスを聞き、乃亜達はシートベルトを着用する。そして飛行機はゆっくりと着陸態勢に入った。

 

「着いたわね」

 

「ああ」

 

ウリエルの言葉に頷きながら窓の外を見ると羽田空港に着陸しようとしていた。

こうして4人は日本へやって来たのだった。

日本に降り立った4人は空港を出て、タクシーに乗り込む。

 

「お客さん、どこまで?」

 

運転手が尋ねてくると乃亜はパンフレットで見た旧電波塔の近くまで行くように頼んだ。

 

「お客さん、旧電波塔と延空木を見るのは初めてで?」

 

運転手が尋ねてくると乃亜は頷いた。

 

「ええ、初めてです。何せ小さい頃からアメリカにいたものでして」

 

「なるほど。それは珍しいお客さんだ」

 

運転手はそう言って笑った。それからは他愛のない話をして、タクシーは目的地へ到着した。料金を払い終えた4人はタクシーから降りると旧電波塔を見上げる。

 

「・・・」

 

10年前の爆発事故とやらで見るも無残な姿となっているが、どことなく前世での東京スカイツリーに見えなくもないそれを目にしながら乃亜は感慨に耽る。

 

(まさか、また日本に来れるなんてな)

 

かつて自分が住んでいた国、日本。この光景を再び見られる日が来るとは思わなかった。

 

「ノア?」

 

そんな乃亜の様子を疑問に思ったウリエルが声を掛けてくる。

 

「ああ、悪い」

 

我に返った乃亜は3人と共に宿泊先のホテルへ向かう事にした。ホテルにチェックインを済ませた4人は荷物を置くと早速、東京観光を開始。

 

「悪いけど私は別行動を取らせてもらうわ」

 

ところがここへ来てカサネが別行動を取ると言い出した。

 

「どうしてだ?」

 

「野暮用よ」

 

乃亜が理由を尋ねるとカサネはそれだけ言ってさっさとホテルを出て行ってしまった。残された3人は顔を見合わせる。

 

「・・・どうする?」

 

「・・・とりあえず、私達だけで観光を楽しんでから後で合流しましょう」

 

3人はそう決めると東京観光を開始した。

 

観光客が東京で回る所は山ほどあり、3人がまず寄ったのは浅草。浅草寺でお参りをした3人は途中の老舗の和菓子屋でお団子を食べながら休憩していた。

 

「美味しいね、このお団子」

 

イチゴが幸せそうに頬張りながら言うとウリエルも頷いて言った。

 

「ええ、日本に来て良かったと思える味ね」

 

3人はその後も浅草寺でお土産を買ったり食べ歩きをしながら東京観光を満喫した。

 

「・・・?」

 

しかしここで乃亜が妙な物を発見する。

 

ベージュ色の制服を着た女子高生らしき人物が何人もいる。

時刻は既に昼過ぎ、自由登校にしても学生が出歩くには少しおかしい時間帯だ。

気になった乃亜は彼女達の後を付けてみる事にした。

 

「ちょっと、ノア?」

 

「悪い、少し気になる事があって」

 

乃亜は一旦ウリエルとイチゴと別れ、少女達を追って浅草寺から少し離れた場所にあるビルへと入って行った。

そこで乃亜は驚くべき光景を目にする事になる。

何と女子高生達が拳銃で武装し、バッグを持っていた男を容赦なく射殺した。

 

「なっ!?」

 

乃亜はその光景を見て驚愕する。まさか日本でこんな光景を見る事になるとは思わなかったからだ。

女子高生達は男を射殺してすぐ男が持っていた黒いバッグを回収し何処かへ移動する。

 

(どういう事だ?)

 

疑問に思いながらも乃亜は少女達を止めようと懐に手を伸ばし・・・た所で気づいた。

 

ここは日本。アメリカと違い銃の携帯は警察か免許所有者以外には認められておらず、無許可で銃を携帯する時点でアウト、ましてや発砲は重罪だ。

当然、海外からの銃の持ち込みも禁止されている。その為、今の乃亜は武器が無い丸腰の状態だ。

 

(そうだった・・・クソッ!)

 

乃亜は内心で悪態を吐くが少女達とは言え拳銃を持つ相手に丸腰で挑むのは分が悪い。乃亜は仕方なく少女達を追うのを諦め、ウリエル達と合流する事にした。

 

「ノア!」

 

「大丈夫?」

 

合流した3人は乃亜の様子を見て心配そうに声を掛けてくる。

 

「・・・ああ、大丈夫だ」

 

しかし乃亜は先程見た光景を話す事は出来なかった。

 

(まさか日本で銃による殺人が起きるなんて、日本の治安は世界1位じゃなかったのか・・・?)

 

3人は気づいていない様だが彼女達が男から回収したバッグには爆弾が入っていた。恐らく男は何処かを爆破するつもりだったのだろう。

それを何処かから聞きつけた女子高生達が男を始末し、爆弾を回収した。

そして彼女達は何処かへ消えたという訳だ。

 

(この日本で、一体何が起きているんだ?)

 

乃亜が頭を悩ませているとウリエルが尋ねてくる。

 

「ノア、どうしたの?」

 

「・・・いや、何でもない」

 

3人はとりあえず観光を続ける事にした。

その日の夜、ホテルで別れて以来別行動を取っていたカサネが帰ってきた。

 

「ただいま」

 

「おかえり、カサネ。何処に行っていたの?」

 

ウリエルが尋ねるとカサネは首を横に振った。

 

「別に?野暮用よ」

 

そう言うとカサネはさっさと自分の部屋へ戻って行った。

 

(何か怪しいな)

 

そんなカサネの様子に乃亜達は不信感を抱くのだった。

 

翌日、4人は朝食を食べると東京観光を再開した。

 

「・・・」

 

しかし乃亜は昨夜見た光景が忘れられず、心ここにあらずと言った様子だ。

そんな様子の乃亜にウリエル達が声を掛けてくる。

 

「ノア?どうしたの、今日ずっとボーっとしてるわよ?」

 

「何か気になる事でも?」

 

2人に尋ねられた乃亜は正直に話すか迷ったが結局話す事にした。

 

「・・・実は昨日」

 

そして昨夜目撃した事を打ち明ける。すると2人の表情が険しくなった。

 

「それは本当なの?」

 

「ああ、この目で見たんだ、間違いない」

 

乃亜が肯定すると2人は考え込んだ。

やはり女子高生達が拳銃で武装し、男を射殺した事は異常な事だったのだろう。

 

「これは・・・一度アメリカに居る皆に話した方がいいかもしれないね」

 

「ええ、そうね。場合によっては私達も動く事になるかもしれないわ」

 

2人はそう言うと乃亜に提案する。

 

「ノアは先にホテルへ戻っていて?私達は少し寄る所があるから」

 

「ああ、分かった。2人共気をつけてな?」

 

2人が頷くのを見てから乃亜は1人でホテルへ戻った。

 

ホテルへ戻った乃亜はスマホのテレビ電話機能でアメリカにいるレイナと通話を繋ぐ。

 

《どうしたの?ノア》

 

乃亜が通話を繋ぐとレイナは尋ねてくる。

 

「実は昨日、日本で銃による殺人が起きたんだ」

 

《・・・え?》

 

乃亜の言葉にレイナは一瞬固まる。そして少しして口を開いた。

 

《どういう事なの?日本はアメリカと違って銃の携帯は禁止されてる筈》

 

当然の反応だった。アメリカと違い日本では銃の所持は法律で禁止されている上に警察や自衛隊といった機関でもない限り銃を所持する事は余程の理由が無い限り出来ない筈だからだ。

 

「ああ、俺もそう思ったんだが昨日、東京で女子高生達が銃を持ってバッグを持ってた男を射殺しているのを見たんだ」

 

乃亜の言葉にレイナは目を見開いた。そして少し考えてから言った。

 

《・・・分かった。調べてみる》

 

「頼む」

 

通話を切った乃亜はレイナからの連絡を待つ事にした。

それから数時間後、再びレイナから通話が掛かってきた。

 

「どうだった?」

 

乃亜が尋ねるとレイナは首を横に振った。

 

《ダメ、全然情報が出てこない》

 

「・・・そうか」

 

やはり日本の警察も自衛隊も銃の所持は禁止している以上、情報を得るのは難しい様だ。

 

《でも諦めない。ノア、何か分かったらまた連絡する》

 

レイナの言葉に乃亜は頷いた。それから暫くして通話を切った乃亜は考える。

 

(さて、これからどうするか)

 

今のところ日本で起きた事件の手がかりは無いに等しい。しかし諦める訳にもいかないだろう。どうしたものかと悩んでいると部屋のドアがノックされたので開けるとウリエルが立っていた。

 

「どうした?」

 

「ちょっといいかしら?」

 

ウリエルはそう言うと乃亜を部屋の中に押し込んでドアを閉める。

 

「どうしたんだ?何か分かったのか?」

 

乃亜が尋ねるとウリエルは首を横に振った。

 

「いいえ、まだ何も」

 

「・・・そうか」

 

どうやら進展は無い様だ。

 

「でも、1つだけ分かった事があるわ」

 

しかしウリエルはそう言うと乃亜に耳打ちした。

 

「・・・本当か?」

 

「ええ、間違いないわ」

 

ウリエルの言葉に乃亜が驚くと彼女は頷いた。

 

 

 


 

 

 

その日の夜、カサネも合流し乃亜達は夜の東京を歩いていた。目的はウリエルが仕入れた情報、暴力団が銃を日本に持ち込んだ可能性の確認だ。

 

「・・・」

 

乃亜は周囲の気配を探った。

 

(・・・まあ、暴力団って言っても銃に関しては素人だろうし、襲って来たら返り討ちにすればいいか)

 

銃の所持が禁止されている日本で銃を密輸する以上、素人なのは間違いない。乃亜はそう判断するとウリエル達と共に夜の東京を探索した。

 

「・・・」

 

そして深夜帯、人気の無い路地裏にやって来た4人は周囲を確認する。するとカサネが乃亜の腕を掴んだ。

 

「こっちよ」

 

カサネに連れられて廃ビルの裏口から中へ入る。そのまま階段を上がり屋上へ。

 

「・・・」

 

ウリエルが無言で指差す方向を見るとそこには銃で武装した見張りらしき男達の姿があった。

 

「行くぞ」

 

乃亜はそれだけ言うと気付かれないよう男達の背後からゆっくりと近づく。そして背後から1人ずつ締め上げ気絶させていった。

 

「ぐっ!?」

 

見張りの最後の1人を気絶させた所で乃亜はようやく男達が暴力団員である事を確認した。

 

(さて、どうして銃を持っているのか聞き出すとするか)

 

ウリエルとイチゴが銃を確保する中、乃亜はカサネを連れて男達の下へ近づくとカサネが口を開いた。

 

「貴方達、どうしてこんな物を持って日本へ来たのかしら?」

 

すると男の一人が答えた。

 

「な、何って・・・お前らこそ何者だ!」

 

男はそう叫ぶと懐から拳銃を取り出して発砲した。しかしカサネは弾を難なく避け、男の鳩尾に拳を喰らわせた。

 

「がっ!?」

 

男は倒れ込み拳銃を落とす。

そしてカサネがその拳銃[H&K VP9]を拾い銃口を男に向ける。

 

「もう一度聞くわ。貴方達、どうしてこんな物を持って日本へ来たのかしら?」

 

カサネが尋ねると男は冷や汗を流しながら答えた。

 

「そ、それは・・・お、俺達だって好きでこんな物持ってる訳じゃねえ!上からの命令なんだよ!」

 

「・・・上?誰よ?」

 

カサネが尋ねると男は言った。

 

「そ、それは言えねえ!言ったら殺される!」

 

(なるほどな)

 

4人の中で乃亜だけは男の言葉に納得した様子を見せる。恐らくこの暴力団員達は上からの命令で銃を密輸したのだろう。

 

「なら、もう用済みね」

 

カサネがそう言って男の額に拳銃を突きつける。

 

「や、やめろ!やめてくれ!!」

 

男は命乞いするがカサネは躊躇う事無く引き金を引いた。乾いた銃声が響き渡り男の額から血が噴き出す。

 

「・・・ふぅ」

 

そしてカサネは男の死体に布を被せる。

 

「・・・問答無用だなカサネ」

 

その様子を見ていた乃亜は苦笑い。

 

「ええ、銃の密輸をするような連中よ。生かしておく価値は無いわ」

 

カサネはそう言うと男の死体からホルスターと弾薬を奪い、ホルスターを腰につけ銃をホルスターに仕舞う。

ついでに言うと乃亜達も気絶させた暴力団の男達から銃と弾薬を奪っている。

 

ウリエルは[アーセナルファイアアームズ ストライクワン]を、イチゴは[グロック19]を、乃亜は何の因果かアメリカで使った物と同じ[S&W PC M627 5インチ]を入手した。

 

「こいつらは警察に任せよう。見たところ、こいつらはタダの下っ端だろう」

 

乃亜の言葉にウリエルとイチゴは頷く。そして4人は気絶した暴力団員達を一ヶ所に集める。

暴力団が持っていた武器は持てる分は乃亜達が回収して使う事に決めた。

 

「じゃあ、行きましょうか」

 

ウリエルが言うと4人はその場を後にしようとするが、突然カサネが足を止めた。

 

「カサネ?」

 

「・・・お客さんよ」

 

カサネがそう言って振り返ると乃亜達の背後から足音が響いてきた。

 

「・・・」

 

乃亜が構えると足音の主は姿を現した。

 

「!」

 

その人物を見て乃亜は驚く。そこに現れたのは乃亜が見たベージュ色の制服を着た女子高生達だった。

女子高生達は現場と乃亜達を見ると、背中のサッチェルバッグからグロック21拳銃を取り出し乃亜達に向け躊躇なく引き金を引いた。

 

「・・・っ!」

 

乃亜達は咄嗟に避けると、先程まで4人がいた場所に銃弾が撃ち込まれる。そして女子高生達はさらに発砲してきた。

 

「っ!」

 

乃亜達は慌てて物陰に隠れる。女子高生達の銃撃は止まらない。

 

「くそっ!カサネ、ウリエル!」

 

乃亜が叫ぶと2人は頷き物陰から飛び出した。そして女子高生達に向けて発砲する。

彼女達の内1人の右腕に当たり、その女子高生は倒れるが残りの3人は構わず発砲してくる。

 

「・・・」

 

乃亜は物陰から彼女達の様子を窺うと、カサネとウリエルが女子高生達の銃撃を躱しながら反撃しているのが見えた。しかし多少訓練しているとはいえ2人共銃の扱いにはまだ慣れておらず中々命中しない様だ。

 

(・・・仕方ない)

 

このままでは埒が明かない為、乃亜も物陰から出る事にした。そして走りながらPC M627を構えると1人の女子高生に銃口を向ける。

 

「っ!?」

 

1人が乃亜の接近に気付いたがもう遅い。乃亜は引き金を引き女子高生の肩を撃ち抜いた。

 

「うっ!」

 

肩を撃たれた女子高生はその場に倒れ込むと、持っていた拳銃を手放した。

 

「くっ!このっ!」

 

1人倒された事に焦ったのか別の女子高生が乃亜に向けて発砲してくる。しかし弾道を見切った乃亜はそれを避けると逆に発砲して彼女の右腕を撃ち抜く。

 

「うっ!」

 

女子高生は持っていた拳銃を落とすとその場に蹲った。

 

「チッ!」

 

そして最後の1人になった女子高生は形勢不利を悟ったか舌打ちすると逃げ出した。

 

「っ!待て!」

 

しかし乃亜は逃げる女子高生を追いかけようとするが、それに気付いたウリエルとカサネに止められる。

 

「危険よ!深追いしちゃダメ!」

 

「そうよ、当初の目的は果たしたから私達も引き揚げましょう」

 

2人の言葉に乃亜は渋々頷いた。そして地面に落ちている彼女達が持っていた拳銃を拾い上げる。

 

その拳銃は[グロック21]。イチゴが拾って使用したグロック19のフルモデルバージョン[グロック17]の45口径モデルだ。

そして乃亜はカサネとウリエルに視線を向ける。2人も乃亜と同じ事を考えていたのか頷き合った。

 

(・・・彼女達は何者なんだ?)

 

謎が尽きないが、今はこれ以上考えても仕方ないだろう。

じきに警察も来るだろうと、4人は急いでその場を後にしたのだった。




ED:トリカゴ/戸松 遥、市ノ瀬 加那、山下 七海、早見 沙織、石上 静香

Crossover Database

ジュリウス・ヴィスコンティ/【GOD EATER(ゴッドイーター) 2】【GOD EATER(ゴッドイーター) 2 RAGE BURST(レイジバースト)
ICEY(アイシー)/【ICEY(アイシー)
ミア・カルンシュタイン/【CODE VEIN(コードヴェイン)
カサネ・ランドール/【SCARLET NEXUS(スカーレットネクサス)
天翔 優利/【出会って5秒でバトル】
ゼロツー[Code:002]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
イチゴ[Code:015]/【ダーリン・イン・ザ・フランキス】
マキナ・中島/【マクロスΔ(デルタ)
レイナ・プラウラー/【マクロスΔ(デルタ)
ウリエル/【モンスターストライク】
ガブリエル/【モンスターストライク】
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