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【魔法名】ラーメンの麺をうどんに変える魔法 国内正規品
「まーたクソ魔法買ってるよ、この主は」
「うるさいっ。今回の評価値は4.5」
「1件で高評価は地雷なんですよ」
「うるさい!さっさとインストールしなさい」
「はいはい、分かりましたよ」
少女は、しゃべるスマホ【シリィ】を急かします。
(22世紀になった現代では、スマホがしゃべるのは当たり前です)
現代において魔法はスマホにインストールしないと使えません。
時代が進むにつれて魔法使いの本も電子化した弊害とも言えます。
という訳で、今日も、【nyamazon】から少女は魔術をポチるのです。
「インストール終わりましたよ」
「では、早速ラーメン屋に行くわよ」
調子のいい少女は、手を高々に振り上げて、ドアを出るのでした。
ちなみに時刻は昼。なぜなら少女は引きこもりだからです。
◇◆◇
豚骨のいい匂いと、油でコーティングされた床が特徴な、地元のラーメン屋。
慣れた手つきで少女は注文をします。
「大将、豚骨醤油、硬め」
「私は味噌で、ついでに替え玉もお願いします」
スマホの癖に豪華な注文をするシリィ。
どうやって食べているのかは今年一番の謎です。
あいよっ、とばかりに威勢のいい声が聞こえ、麺をゆでる音が聞こえます。
「よく飽きませんね」
「ラーメンなんか三食食っても行けるわよ」
まるでオッサンみたいな事をいう少女。
いや、おっさんが三食ラーメンだとお腹を間違いなく壊すので、若いのかもしれません。
「ここ、ラーメンライス頼んでも1000円を超えないのがいいのよ」
「最近のラーメンは高くなりましたよね」
そんなこんなな会話をしていると、豚骨醬油ラーメンがやってきます。
こんなうまそうなものに、魔法をかけるのは食への冒涜な気がします。
気がしますが、少女は欲望には抗えないので魔法を行使します。
「それでは、
音声認識を受け、しゃべるスマホ【シリィ】が発光。
極彩色の光りが、ラーメンを包み、ゆっくりと魔法の効果が現れます。
具体的には、麺が太くなったことで、スープが溢れそうです。
「では、さっそく」
「結構、箸で掴みにくそうですね」
うどんの麺は太いです。
ラーメンの様に一気にすするということは難しそうです。
「いざ、実食っ」
パクリ。大きくすすった、口の中。
まずは噛み切れないほどの麺のコシ。
そして広がる北海道産の小麦の味。
こ、これは────
「び、微妙……」
すすればすするほど、思いますが小麦の味しかしません。
ラーメンにおいて大事なスープの味がまったくというほどしません。
「麺にスープが全く絡まなくなってなんというか」
「そりゃまあ、うどんなんで」
麺が太いので、スープは少ししか絡みません。
「しかも小麦の味しかしない」
「そりゃまあ、うどんなんで」
麺が太いので、必然的に食べた時の麺の割合も大きくなります。
「しかも、替え玉を初手から頼んだ気分なんだけど」
「そりゃまあ、うどんなんで」
麵が太いから、全部を食べた時の腹持ちも違います。
シリィは呆れたい気持ちですが、この主は何を言っても基本無駄です。
我が道を行くとは聞こえがいいですが、話を聞かないとも取ることができあます。
「うぐぐぐぐ」
そうやってうなりながら、何とかラーメンうどんを完食するのでした。
少女の結論としては、ラーメンは、ラーメンの麺が一番おいしいらしいです。
何を当たり前の事を言ってんだ、というシリィの視線は次の日まで続きました。
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