日々ノ魔法の練習日記   作:上殻 点景

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知らない空を見る魔法

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【魔法名】知らない空を見る魔法 国内正規品

4.5★★★★  800件の評価

過去5年で1000点以上購入されました


-90%219税込


この魔法について

・知らない空を見ることができます。

・横になって使用してください。

・使用後に軽い頭痛に襲われることがあります。

・簡単な詠唱で自然に唱えれます。

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購入した人のレビュー

 

 

暗闇の室内で灯りをともすの一台のテレビ。

ピコピコ。ひたすらにテレビのキャラが動く。

 

しゃがみ、キック、ガード────

 

「あがっ、シリィ、そうやってすぐ投げるうぅ゙」

 

少女はたまらず叫びます。

 

「主がガードばっかりするからです」

 

シリィと呼ばれた喋るスマホは、正論をいいます。(22世紀なのでスマホは喋ります)

 

「もう一戦、もう一戦よっ」

「それより少しは外の空気吸いません?」

 

「それは外に出ろニートって遠回しに言ってるのかしら」

「捉え方は主の感性次第です」

 

いじける主と呼ばれた少女。

 

しかしながら、2日間徹夜でゲームというのは人として終わった生活をしています。

 

流石に、少女も考える所があったのでしょうか。

 

しぶしぶと動き出し────

 

「分かった。窓を開けてるわ」

「だからァ、外に出て体ぐらい動かせ、たわけって言ってんですよ」

 

少女はカーテンを少しだけ動かします。

 

外は明るいです。

どうしようもないほど雲はなく、嫌になるようなほど快晴でした。

 

子供がいれば公園ではしゃぎ回る。

 

今日はそんな日でした。

 

「確かにいい天気ね」

「そうですから「だが外には出ない」────えぇ」

 

呆れるシリィの視線。

 

コレだから拗らせた逆張りオタクはといった視線です。

 

「外なんて子供が遊ぶところでしょ」

「自分の年齢考えて言ってます?」

 

少女の年齢は、中学二年生です。

 

「体が若返ったら外にでる」

「で、本音のところは」

「ゲームで負けたまま遊べるかっ」

 

少女の目に映るは、ゲーム画面です。

 

硬派ではない、必殺技有りのゲーム。

 

「てか何よ、このゲームはっ」

 

少女はゲームにキレます。

 

先行必殺技ブッパすれば、ガードされ。

 

とりあえずブッパすれば、隙にコンボをねじ込まれます。

 

「なぜっ、私に気持ちよくブッパさせてくれないっ」

「対人ゲームしないからです」

 

「対人ゲーって必殺技をパなすゲームでしょっ」

「読みあって技を通すゲームです」

 

「うぐぐぐぐっ」

 

少女に突き刺さるは。

 

ですが、正論ではゲームをしたい好奇心までは止められません。

 

「でもっ! 今止めるこそ負けよっ!!」

「もうすでに無数の敗北の上ですが」

「これから偉大な勝利の礎になるんだから、誤差よ、誤差っ!!」

 

少女は再びコントローラーを握り込みます。

 

そんな少女を見て、シリィ

 

「で、そんな主にいい魔法があるんですよ」

「しょうもないヤツだったらゲーム内でハンデを要求するわよ」

 

あまりにもゲームに囚われている少女。

 

画面のカーソルは既にハンデキャップに置かれています。

 

「この魔法です」

「何よ────」

 

見せられた画面にうつる文字は、

 

【知らない空を見る魔法】

 

「ずいぶん、ロマンチックな魔法ね」

「魔法はロマンを追い求めるものですから」

 

「ならネットでも開いて、好きな空でも見れば」

「わかってないですねー、目で見るからイイんですよ」

 

少女の冷たい視線。

 

「スマホの癖にぃー、生意気じゃない」

「知らないんですか? 最近のスマホは目も見えるんですよ」

 

カシャリとシリィはカメラを動かします。

 

それはまるで、スマホにも目はあるぞと主張するようでした。

 

「────ふっ、ふふっ」

 

思わず笑ってしまう少女。

 

シリィは故意にでしょうが、そんな故意をする人間くさいスマホのおかしさに。

 

「私、何か変なことをしましたか?」

「いいや、何でもないわよ~」

 

少女は画面から視線を外します。

 

この生意気なスマホのことです。

 

どうせいつもの、魔法の実験をしたいから程にしか思っていないのでしょう。

 

「もしかして私の事、心配してくれた」

「えぇ、早く魔法の実物がみたいからですけど?」

 

シリィは当然のように言います。

 

ですが、ならわざわざ、外に出ろなんて言わないので、そういうことです。

 

「ふっ、では息抜きにいっちょやりますか」

「早くしてください、日が暮れちゃいますよ」

「はいはい」

 

仕方ないので、少女はスマホを構えて、詠唱を始めます。

 

「では、magi,magi,arca(知らない空を見る魔法)

 

部屋に広がるは、極彩色。

 

寒い。それが最初に感じた気持ちです。

 

◇◆◇

 

輝かしく今にも落ちてきそうな夜空の中、少女は息をすいました。

 

『ふぅ────』

 

雲一つない夜空、が地平の彼方までつづいていた。

 

眼に映るは、粗く細かい、無数、無限大ともいえる輝き。

 

『────っ』

 

いつも見上げている空は、ひどく陳腐に感じる、万人の感受性ではそんな思いが限度。

 

言葉にしてしまうと、星々の輝きが失われそうで、息を継ぐ音だけがひびきます。

 

『────』

 

息をすうたびに、少女は、ゆっくりと星空に融けていく────

 

『どうですか、綺麗でしょ』

 

シリィの無神経な声が聞こえます。

 

少女には星空の輝度が落ちた残念感と、自分がいるというちょっとした安心感が生まれました。

 

『そうね、綺麗ね』

『なんだって私の自慢の空ですから』

 

自信満々な声を響かせるシリィ。

 

『まるで吸い込まれそうな夜空ね』

『知ってるのは私だけなんで、実際は私の物ですよ』

 

『生意気なスマホね』 

『そこは物知りなスマホって言ってくれません』

 

やっぱりにゃまいきなスマホじゃにゃい......、と少女は寝言を呟きます。

 

言葉から察するに、いい夢を見ているようです。

 

「いやー、上手くいきましたね」

 

睡眠魔法の初級。

別名、知らない空を見る魔法。

詠唱者本人が綺麗と空を夢でみる魔法です。

 

「本来は魔法と実物を見破る為に使うもんなんですけどねー」

 

魔法経験の浅い少女は、まだまだ夢と見破れなかったようです。

 

「にしても、私も年を取りましたかね」

 

ダルそうに体を動かす、シリィ。

 

「たった二日間起きとくだけでこんなに疲れるとは……」

 

仕方ないので画面をマナーモードにして、

 

疲れたとばかりにゆっくりと充電器にくっつきます。

 

「あっ、そうでした、感想を書かくんでしたっけ────」

 

 

 

  オモオモ

★★★☆☆ 30点

2024年〇月〇日に日本でレビュー済み

 

原本と比べて、魔法経路に粗があります。起動してから第一発動を起こすまでに、無駄な経路をたどりすぎです。少なくとも......。最後に、この魔法は役に立ちました。

 

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