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【魔法名】知らない空を見る魔法 国内正規品
暗闇の室内で灯りをともすの一台のテレビ。
ピコピコ。ひたすらにテレビのキャラが動く。
しゃがみ、キック、ガード────
「あがっ、シリィ、そうやってすぐ投げるうぅ゙」
少女はたまらず叫びます。
「主がガードばっかりするからです」
シリィと呼ばれた喋るスマホは、正論をいいます。(22世紀なのでスマホは喋ります)
「もう一戦、もう一戦よっ」
「それより少しは外の空気吸いません?」
「それは外に出ろニートって遠回しに言ってるのかしら」
「捉え方は主の感性次第です」
いじける主と呼ばれた少女。
しかしながら、2日間徹夜でゲームというのは人として終わった生活をしています。
流石に、少女も考える所があったのでしょうか。
しぶしぶと動き出し────
「分かった。窓を開けてるわ」
「だからァ、外に出て体ぐらい動かせ、たわけって言ってんですよ」
少女はカーテンを少しだけ動かします。
外は明るいです。
どうしようもないほど雲はなく、嫌になるようなほど快晴でした。
子供がいれば公園ではしゃぎ回る。
今日はそんな日でした。
「確かにいい天気ね」
「そうですから「だが外には出ない」────えぇ」
呆れるシリィの視線。
コレだから拗らせた逆張りオタクはといった視線です。
「外なんて子供が遊ぶところでしょ」
「自分の年齢考えて言ってます?」
少女の年齢は、中学二年生です。
「体が若返ったら外にでる」
「で、本音のところは」
「ゲームで負けたまま遊べるかっ」
少女の目に映るは、ゲーム画面です。
硬派ではない、必殺技有りのゲーム。
「てか何よ、このゲームはっ」
少女はゲームにキレます。
先行必殺技ブッパすれば、ガードされ。
とりあえずブッパすれば、隙にコンボをねじ込まれます。
「なぜっ、私に気持ちよくブッパさせてくれないっ」
「対人ゲームしないからです」
「対人ゲーって必殺技をパなすゲームでしょっ」
「読みあって技を通すゲームです」
「うぐぐぐぐっ」
少女に突き刺さるは。
ですが、正論ではゲームをしたい好奇心までは止められません。
「でもっ! 今止めるこそ負けよっ!!」
「もうすでに無数の敗北の上ですが」
「これから偉大な勝利の礎になるんだから、誤差よ、誤差っ!!」
少女は再びコントローラーを握り込みます。
そんな少女を見て、シリィ
「で、そんな主にいい魔法があるんですよ」
「しょうもないヤツだったらゲーム内でハンデを要求するわよ」
あまりにもゲームに囚われている少女。
画面のカーソルは既にハンデキャップに置かれています。
「この魔法です」
「何よ────」
見せられた画面にうつる文字は、
【知らない空を見る魔法】
「ずいぶん、ロマンチックな魔法ね」
「魔法はロマンを追い求めるものですから」
「ならネットでも開いて、好きな空でも見れば」
「わかってないですねー、目で見るからイイんですよ」
少女の冷たい視線。
「スマホの癖にぃー、生意気じゃない」
「知らないんですか? 最近のスマホは目も見えるんですよ」
カシャリとシリィはカメラを動かします。
それはまるで、スマホにも目はあるぞと主張するようでした。
「────ふっ、ふふっ」
思わず笑ってしまう少女。
シリィは故意にでしょうが、そんな故意をする人間くさいスマホのおかしさに。
「私、何か変なことをしましたか?」
「いいや、何でもないわよ~」
少女は画面から視線を外します。
この生意気なスマホのことです。
どうせいつもの、魔法の実験をしたいから程にしか思っていないのでしょう。
「もしかして私の事、心配してくれた」
「えぇ、早く魔法の実物がみたいからですけど?」
シリィは当然のように言います。
ですが、ならわざわざ、外に出ろなんて言わないので、そういうことです。
「ふっ、では息抜きにいっちょやりますか」
「早くしてください、日が暮れちゃいますよ」
「はいはい」
仕方ないので、少女はスマホを構えて、詠唱を始めます。
「では、
部屋に広がるは、極彩色。
寒い。それが最初に感じた気持ちです。
◇◆◇
輝かしく今にも落ちてきそうな夜空の中、少女は息をすいました。
『ふぅ────』
雲一つない夜空、が地平の彼方までつづいていた。
眼に映るは、粗く細かい、無数、無限大ともいえる輝き。
『────っ』
いつも見上げている空は、ひどく陳腐に感じる、万人の感受性ではそんな思いが限度。
言葉にしてしまうと、星々の輝きが失われそうで、息を継ぐ音だけがひびきます。
『────』
息をすうたびに、少女は、ゆっくりと星空に融けていく────
『どうですか、綺麗でしょ』
シリィの無神経な声が聞こえます。
少女には星空の輝度が落ちた残念感と、自分がいるというちょっとした安心感が生まれました。
『そうね、綺麗ね』
『なんだって私の自慢の空ですから』
自信満々な声を響かせるシリィ。
『まるで吸い込まれそうな夜空ね』
『知ってるのは私だけなんで、実際は私の物ですよ』
『生意気なスマホね』
『そこは物知りなスマホって言ってくれません』
やっぱりにゃまいきなスマホじゃにゃい......、と少女は寝言を呟きます。
言葉から察するに、いい夢を見ているようです。
「いやー、上手くいきましたね」
睡眠魔法の初級。
別名、知らない空を見る魔法。
詠唱者本人が綺麗と空を夢でみる魔法です。
「本来は魔法と実物を見破る為に使うもんなんですけどねー」
魔法経験の浅い少女は、まだまだ夢と見破れなかったようです。
「にしても、私も年を取りましたかね」
ダルそうに体を動かす、シリィ。
「たった二日間起きとくだけでこんなに疲れるとは……」
仕方ないので画面をマナーモードにして、
疲れたとばかりにゆっくりと充電器にくっつきます。
「あっ、そうでした、感想を書かくんでしたっけ────」
★★★☆☆ 30点
2024年〇月〇日に日本でレビュー済み
原本と比べて、魔法経路に粗があります。起動してから第一発動を起こすまでに、無駄な経路をたどりすぎです。少なくとも......。最後に、この魔法は役に立ちました。 違反を報告する
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