日々ノ魔法の練習日記   作:上殻 点景

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重いものを運ぶ魔法

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【魔法名】重いものを運ぶ魔法 国内正規品

4.6★★★★  30件の評価

過去20年で5000点以上購入されました


-50%1140税込


この魔法について

・150kg以下の重いものを運べます。

・5分で魔法の効力は消えます。

・破損した場合は後で値段が請求されます。

・簡単な詠唱で自然に唱えれます。

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購入した人のレビュー

 

家の物置小屋

 

暗い室内の中、多数の家具、荷物が放置されています。

 

埃をかぶった、大きめの荷物の前で、ぷかぷか浮くはスマホです。

 

「主ィ、早く運んでくださいよ」

 

22世紀なのでスマホは喋ります。

 

「うるさいわね、分かっているわよ、シリィっ」

 

横で押しても、引いてもどうにもならない表情をしているのは、主と呼ばれた少女です。

 

顔には喋るスマホこと、シリィにも手伝ってほしいと書いてあります。

 

「生憎、喋れるだけのスマホなので無理ですね」

「その貧相ない体で押しなさいよっ」

 

「主よりはありますよ」

「どこ照らしてるのよっ」

 

無駄にスマホ搭載のライトで、少女の胸を照らしてくるシリィ。

 

何時もならスマホを叩き落とすところですが、今日は必死に荷物を運ぼうとします。

 

「で、いつになったら終わるんですか、この仕事」

「この、荷物を、運んだらァ」

 

息、絶え絶えになりながらも話す少女。

 

親に荷物を出すまで遊ぶの禁止と言われてなければ、真面目にはやっていません。

 

「で、運べてますか?」

「1mmぐらいは」

「残念、動いたのは0.8㎜です」

「どっちにしろよっ」

 

「いや、おとなしく魔法使えばいいじゃないですか」

「こんなことにお金使いたくないんだけど、けどー」

 

荷物にへばりつくような少女。

 

仕方なく、いつも通りのサイトを開くのでした。

 

◇◆◇

 

「この魔法で、どうよ」

「どうよも何も、安直な名前ですね」

 

画面に表示された魔法は【重いものを運ぶ魔法】

 

検索をかけて最初にひっかかった魔法です。

 

「まあ運べれば問題なし────magi,magi,arca(重いものを運ぶ魔法)

 

極彩色の輝きが荷物をつつみ、

 

部屋の中で埃が舞い散ります。

 

「ゴホゴホっ、ってナニコレ……」

「何ッて、みたまんまでしょう」

 

そんなシリィのツッコミ通り、

 

大きな荷物の下には、台車が置かれていました。

 

「こう、思ってたのと違うというか」

「運ぶのは楽になったからいいんじゃないですか」

「まあ、それもそうだけど」

 

押して見ると力は要りますが、動きはします。

 

ギコギコと軋む木板とともに、倉庫の中を抜け、ようやく出入り口に────

 

「あれっ、出れない」

 

ドンドン。台車で出入り口を叩きますが、上手く通り抜けません。

 

「台車がひっかかってますね」

「えぇ」

 

「これって台車を小さくすることって」

「魔法のサイズは固定ですね」

 

「なら出口に台車を新しく出せば」

「荷物を基準に魔法が発動するので、壁に台車がめり込みますよ?」

 

まさに八方ふさがり。

 

あーだ、うーだ、少女は頭を悩ませますが妙案は思いつきません。

 

「ちなみにですが」

「まだなんかあるの?」

「この台車魔法、5分ぐらい発動しませんよ」

 

ズドンッ。埃が少女の顔に直撃します。

 

擦った目が捉えるは出入り口に鎮座する、大きな荷物。

 

シリィの液晶には、『八方ふさがり(物理)ですねw』と表示されます。

 

「いや、笑っとる場合かっ」

「もう笑うしかありませんし」

「倉庫に閉じ込められてんのよっ、アンタもちょっとは考えなさいよ」

 

慌てる少女。

 

ぐるぐると回るシリィ。

 

「いいから、ここから脱出する魔法を買うわよっ」

「それ必要あります?」

「あるに決まってるじゃないっ! 私の命がかかってるのよ!!」

 

シリィを掴みぶんぶんと振り回す、少女。

 

ジャイロセンサーをぐるぐると回しながらシリィは反論します。

 

「私スマホですよ」

 

ですが、少女には通じなかったようで。

 

「ただの喋れるスマホじゃないっ」

「いやー、親に電話すればいいと思うんですが……」

 

ピタッ。少女の動きは止まり、冷静に電話ボタンがタップされます。

 

通話が終わり、数分たった後。

 

「確かに、シリィってスマホだったわね、ありがとっ」

「確かにも何も、最初からスマホです」

 

 

 

  オモオモ

★★★★便利ではあった

2024年〇月〇日に日本でレビュー済み

 

台車のサイズが調整できた方がもっと便利だった。

来る台車のサイズは幅40cm×奥行66cmです。

出入口に引っ掛かる可能性があります。

 

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