緋色の魔武士   作:栗頭をかしまる

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ども、栗頭をかしまるでっす。
今回、初投稿でめっちゃ頑張りました。
和と魔法在り来りな設定に流派を合わせることにより、よりリアリティーな作品に仕上げています。
今後共どうぞよろしくお願いします。


第零話 ちゃおっす、お番でござる

「キャー」

小望月が鈍く光る夜の裏路地に町娘ノ甲高い悲鳴が響く。

「やっ、やめて!」

「動くな。さっさとこっちにこい!!」

大柄な男達が絹のような肌の娘を引っ張る。しかし、どこからか小石が飛んできて男達にあたって娘を離してしまう。

「くっそ、何だこの小石」

娘が奥へ奥へと逃げる。それを男達が追いかける。娘が逃げた先は不幸なことに行き止まりだった。

「ヘッヘッヘ。やっと追い詰めたぜを諦めて俺と寝床につくんだな」

「うぅ…」

娘は絶望した、このような男に犯されるのかと

その時、月明かりに影が現れた。

「しばし待たれよ、外道ども」

「ア゛ァ?!誰だお前?」

橙色の長髪、青い目、赤い羽織物を持った男が現れた。

「ちゃおっす、お番でござる。拙者魔法の国から和の心を学びにやってきた魔武士でござる。」

名乗りを終えた瞬間その場から消えたと思った。しかし、娘を担いで男達の背後にまわっていた。「大丈夫ですか、お嬢さん。」

「その娘を返せ!!」

「そなたの娘ではなかろう」

娘がコクンと頷く。大声をあげる男達を横目に、娘を逃がす。

「さっ、街灯が見えるところまでお逃げ。」

「ありがとうございます」

娘はスタスタと逃げていく。相手は大柄の男、しかも3人全員刀を持っている。対してこちらは刀を持っているが一人。圧倒的に不利な状況だ。しかし彼には、絶対と言って良いほどの勝算があった。リーダーの男が叫ぶ。

「かかれ!」

子分の男二人が刀を振りかざし迫ってくる。それをヒラリと避け、鞘で脚を叩き態勢を崩す。

「俺は争いは好まない。娘は諦めこの場から立ち去れ」

長髪の男が弁解の余地を与える。しかしヤヤコを突っぱねるように

「貴様を殺せば、娘も、貴様の刀も手に入る。このような、美味しい機会逃すまい」

「なら仕方あるまい」

男達の答えに呆れるように言った。長髪の男は緋色の鞘から、鶴の羽のような銀鼠色の刃を抜刀した。一瞬、龍のような雰囲気が漂い、少年心が混じった笑みを浮かべた。男達は瞬時に理解した。今目の前にいる奴は強いと。

「参る」

そういった瞬間、刀を大きく振り上げた。一人の子分が前にでて防ごうとした。しかし防ぐのが遅かった。子分が頭上に刀を上げようとした瞬間にはもう、刀は脳天に当たっていた。

「?!」

「安心して、みね打ちだよ」

直後に二人に視線を向け、斜に構え、刀を平らにした。

(平晴眼?!まさか、天然理心流…まずいな。最悪の場合゛アレ゛を使うか…)

男が子分に指示をだす。

「お前は左から行け」「ヘイッ」

子分が叫びながら迫る。

「ダァァァァァ」

勢い良い左袈裟斬り。それを容易く防ぐ。即座に子分を跳ね除け腹部に傷をつける。男の強烈な一撃。しかしそれも容易く避ける。野蛮な荒々しい一撃、子分の素早い連撃、互い違いにやってくる攻撃がペースを乱し、体力を著しく消費させる。「2体1の長期戦。流石に厳しいな…なら!」

淡い青色の気が長髪の男を覆う

「天然理心流 魔剣技【電光剣】」

詠唱を終えた瞬間、姿が消え雷鳴の如き轟音が響いた。

「おいおいビビらせ上がって、尻尾を巻いて逃げやがったw」

子分が煽る。しかし男は驚愕する。

「お、おい。その傷…」

「えっ…」

子分の上半身に雷のような大きな傷がついていた。傷に気づいたときにはもう子分は地面に倒れていた。

「二人目」

男は距離を取り懐を漁る。

(こうなったら…こいつを使ってやる!!)

「パァァァァン」

鳴り響く爆発音、鼻を擽る火薬の香り。男は最新式の小型銃を懐から取り出し発砲した。左頬に弾丸が掠れる。額の薄皮が削られ紅い血が垂れる。もし、命中していたら致命傷は免れなかっただろう。隙をついて男が逃げ、それを追う。男がなにかに気づき小道に入る。その先には先程逃げた娘がいた。男は絶好と思い娘を人質に取り、銃口を突きつけた。

「この娘の命が欲しければ、刀を置きその場にとどまれ。」

「くっ…卑劣極まりない。外道め」

彼は刀を地面に置く。

「お侍さん!」

「安心してくだされ。必ずやお助けする」

不利な状況だと裏付けるように小望月が雲に隠れる。

「形勢逆転だな。俺は今気分がいい。2発で済ましてやる」

男が左肩と右脚に一発ずつ打ち込む。男は勝利を確信した。相手は手負いで脇差ししか持っていない。それに比べてこちらは、五体満足であり、銃、人質を持っている。

「もう、刀を拾ってもいいかな。お嬢さんが怖がってる。」

「あぁ、さっさと刀を持ってどっか行け」

「すぐに行くよ。お嬢さんを助けたらね」

拾った刀を再度構える。普通の人間なら銃口を向けられたら降参するだろう。しかし、彼は違った。彼には魔法と和の心がある。

「冥土の土産に聞いていくと良い。構える姿は土の如し。願う心は火の如し。心の刃は風の如し。滾る力は水の如し。」

先ほどまで、隠れていた小望月は彼の言葉に呼応するように明るくなる。

「天然理心流 極意 千変万化臨機応変之位 魔剣技 奥義【無明剣】」

「クソガァァァァァ」

男が発砲する。しかし弾き返す。刃は娘をすり抜け、男に引き付けられるように篭手、胴、面を貫いた。その光景はまるで仏が裁きを与えているようだった。

「破邪成敗」

刃についた血を払い納刀し、娘に声をかける。

「誠に頑張った。怖かっただろう。もう大丈夫だ。安心したまえ。」

娘は抱きつき泣き崩れる。

「ほ、本当にありがとうございました。」

娘を今まで送る帰り道、娘が尋ねる。

「お、お名前は…」

はにかむような笑顔で答える。

「ちゃおっす。お番でござる。拙者、魔法の国から和の心を学ぶため留学中、県の道を歩み、建築を学ぶ魔武士。武咲シューノ。以後、お見知りおきを。」

娘が家に入るまで見届け、彼もまた寝床についた。彼はいつだって僕たちに勇気と希望の魔法をかけてくれる。

 

 

《次回に続く》

 




『緋色の魔武士』を読んでくださりありがとうございます。
初投稿で拙い部分もありましたがこれから成長していきますのでよろしいお願いします。
天然理心流 極意 千変万化臨機応変之位はどうでした?!これめっちゃカッコいいでしょ!!いやぁ~こう見ると眼福ですね。
推しがバッサバッサと悪漢を倒していく姿!!最高です。
次回はより深く流派についての説明が出てきます!!
次回もお楽しみに!!バイバイ
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