東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
幻想郷のとある家の一室で、レイが目を覚ましたようだ。気を失う直前の記憶を思い出したレイは、右腕を見るが、巻かれている包帯が新しくなっていた。
(包帯が…変わってる…)
青ざめた表情になった時、藍が部屋に入ってきた。お粥が入っている鍋を持っている。
「目を覚ましたようだな。」
「藍さん…この部屋は…」
「幻想郷にある紫様の家の一室だ。この家の場所を知っているのは、紫様と私だけだ。」
茶碗にお粥を盛ると、レイに差し出した。出来たばかりのようで、湯気がたっている。お粥を一口食べると、涙を流した。
「大丈夫か!?」
「ち、違うんです…これは…」
誤魔化すかのように、茶碗に盛られているお粥を全部食べきると、藍がとりあえずおかわりを入れた。
「とりあえず食べろ。体が弱ってる…食べれるだけ食べて、休むんだ。幻想郷に来てから…寝ていないだろう?」
「…………余り眠れなくて。」
幻想郷に来てからは、余り睡眠がとれていない。眠れたとしても、真夜中に目が覚めてしまい、朝になるまで寝ていない毎日だ。レイの体は寝不足と無理矢理の修行で、弱ってしまっていた。
「霊夢からは、君が朝の4時に修行していると聞いている。」
「前の幻想郷での日課だったので…」
「まだ君の体は…環境の変化に追い付いていない。当分の間は、修行をやらないように。」
藍の発言に、レイが目を見開いた。右腕の包帯を取ると、見せたのである。
「修行をやめたら…妖怪の封印が解かれて、幻想郷が壊される。紫さんと藍さんは…僕の状況を知っていますよね?包帯が新しくなっていました。何処かで…見ていたんじゃないんですか?」
レイは右腕の違和感に気づくと、黒い何かが出ようとするが、瞬時に霊力の針を作り、右腕に結界を構築すると封印を施した。その後、爪で右腕を傷つけて、痛みを発生させて、無理矢理意識を保たせた。
「……………」
「大丈夫か!?」
「藍さんは…僕の右腕に封印されている妖怪は知っていますか?」
「紫様は隙間で、監視なされていたからな。レミリアとの会話内容を知っている。」
それを聞いたレイは、黒く染まっている右腕を見ながら、言ったのである。
「妖怪を封印していますが、その影響で…僕の寿命はゆっくりでありますが、減り続けています。」
「な!?なんとかならないのか!」
レイは笑みを浮かべながら、包帯を巻き直しながら、説明を続ける。
「無理ですよ。生物の心の闇の集合体に、この幻想郷管理者である紫さんの能力は、通用するんですか?少なくとも、僕がいた幻想郷…紫の能力は通用しなかった。僕が弱いのが…原因だけど。」
「たが、無茶をする理由にはならないぞ。」
「紫さんから妖怪の能力…聞いてませんか?封印している妖怪の名前は、ダークアバターと呼ばれている妖怪です。」
ダークアバターの容姿は、黒い球体である。レミリアとの会話でもあったが、生物の姿と能力を模倣する能力を持った妖怪である。生物の心の闇を喰らうことで、強くなる妖怪だ。
レイが無茶をする理由は、幻想郷が滅びないようにするためである。
「倒す方法はなかったので、右腕に封印させたんです。」
「全く、レイは何も言わずに自分で、終わらせるつもりだったのか?」
「封印された状態で、僕の命が尽きれば…奴を倒せます。後、お願いがあります…」
レイのお願いに、藍は縦には振らなかった。誰にも言わないで…とお願いされたが、聞き入れるはずがない。
「それを倒す方法は考える。君のやり方は紫様は認めないだろう。皆に頼むべきだ。」
「…………」
すると、急に眠気が来たようで、レイは眠ってしまった。疲労が溜まっていたようだ。
(レイは無茶をする。自己犠牲が激しいのか…目を離せないな。だが、幻想郷の崩壊か…調べてみるか。)
「藍…彼は寝ているみたいね。」
天井に隙間が開いて、紫が顔を出した。藍はレイが話していたことを伝えた。
「…………霊夢には伝えずに、様子を見ましょう。封印の解放は…まだ、やらない方がいいわ。幻想郷が崩壊されかねない。」
「……………畏まりました。」
少し、納得がいかないが、主である紫の命令に従ったのだった。