東方外来録 博麗の神主の幻想入り    作:ロッド

11 / 79
11

幻想郷のとある家の一室で、レイが目を覚ましたようだ。気を失う直前の記憶を思い出したレイは、右腕を見るが、巻かれている包帯が新しくなっていた。

 

(包帯が…変わってる…)

 

青ざめた表情になった時、藍が部屋に入ってきた。お粥が入っている鍋を持っている。

 

「目を覚ましたようだな。」

 

「藍さん…この部屋は…」

 

「幻想郷にある紫様の家の一室だ。この家の場所を知っているのは、紫様と私だけだ。」

 

茶碗にお粥を盛ると、レイに差し出した。出来たばかりのようで、湯気がたっている。お粥を一口食べると、涙を流した。

 

「大丈夫か!?」

 

「ち、違うんです…これは…」

 

誤魔化すかのように、茶碗に盛られているお粥を全部食べきると、藍がとりあえずおかわりを入れた。

 

「とりあえず食べろ。体が弱ってる…食べれるだけ食べて、休むんだ。幻想郷に来てから…寝ていないだろう?」

 

「…………余り眠れなくて。」

 

幻想郷に来てからは、余り睡眠がとれていない。眠れたとしても、真夜中に目が覚めてしまい、朝になるまで寝ていない毎日だ。レイの体は寝不足と無理矢理の修行で、弱ってしまっていた。

 

「霊夢からは、君が朝の4時に修行していると聞いている。」

 

「前の幻想郷での日課だったので…」

 

「まだ君の体は…環境の変化に追い付いていない。当分の間は、修行をやらないように。」

 

藍の発言に、レイが目を見開いた。右腕の包帯を取ると、見せたのである。

 

「修行をやめたら…妖怪の封印が解かれて、幻想郷が壊される。紫さんと藍さんは…僕の状況を知っていますよね?包帯が新しくなっていました。何処かで…見ていたんじゃないんですか?」

 

レイは右腕の違和感に気づくと、黒い何かが出ようとするが、瞬時に霊力の針を作り、右腕に結界を構築すると封印を施した。その後、爪で右腕を傷つけて、痛みを発生させて、無理矢理意識を保たせた。

 

「……………」

 

「大丈夫か!?」

 

「藍さんは…僕の右腕に封印されている妖怪は知っていますか?」

 

「紫様は隙間で、監視なされていたからな。レミリアとの会話内容を知っている。」

 

それを聞いたレイは、黒く染まっている右腕を見ながら、言ったのである。

 

「妖怪を封印していますが、その影響で…僕の寿命はゆっくりでありますが、減り続けています。」

 

「な!?なんとかならないのか!」

 

レイは笑みを浮かべながら、包帯を巻き直しながら、説明を続ける。

 

「無理ですよ。生物の心の闇の集合体に、この幻想郷管理者である紫さんの能力は、通用するんですか?少なくとも、僕がいた幻想郷…紫の能力は通用しなかった。僕が弱いのが…原因だけど。」

 

「たが、無茶をする理由にはならないぞ。」

 

「紫さんから妖怪の能力…聞いてませんか?封印している妖怪の名前は、ダークアバターと呼ばれている妖怪です。」

 

 

ダークアバターの容姿は、黒い球体である。レミリアとの会話でもあったが、生物の姿と能力を模倣する能力を持った妖怪である。生物の心の闇を喰らうことで、強くなる妖怪だ。

 

レイが無茶をする理由は、幻想郷が滅びないようにするためである。

 

「倒す方法はなかったので、右腕に封印させたんです。」

 

「全く、レイは何も言わずに自分で、終わらせるつもりだったのか?」

 

「封印された状態で、僕の命が尽きれば…奴を倒せます。後、お願いがあります…」

 

レイのお願いに、藍は縦には振らなかった。誰にも言わないで…とお願いされたが、聞き入れるはずがない。

 

「それを倒す方法は考える。君のやり方は紫様は認めないだろう。皆に頼むべきだ。」

 

「…………」

 

すると、急に眠気が来たようで、レイは眠ってしまった。疲労が溜まっていたようだ。

 

(レイは無茶をする。自己犠牲が激しいのか…目を離せないな。だが、幻想郷の崩壊か…調べてみるか。)

 

 

「藍…彼は寝ているみたいね。」

 

天井に隙間が開いて、紫が顔を出した。藍はレイが話していたことを伝えた。

 

「…………霊夢には伝えずに、様子を見ましょう。封印の解放は…まだ、やらない方がいいわ。幻想郷が崩壊されかねない。」

 

「……………畏まりました。」

 

少し、納得がいかないが、主である紫の命令に従ったのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。