東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
レイから出されたお茶を飲み終えた魔理沙は、右腕の秘密には触れずに、別の話を聞いてみた。
「レイの住んでいた幻想郷…聞いてもいいか?」
少しくらいなら話しても大丈夫のようで、お茶を飲んで、冷静になってから話始めた。
「僕が住んでいた幻想郷は、この幻想郷より平和では無かったんだ。少なくとも、妖怪と人間のバランスは均等だった。」
「霊夢が考えたスペルカードルールは、無かったのか?」
魔理沙の質問に小さく頷いたレイは、思い出しながら話を続ける。
「僕は…幻想郷にある博麗大結界の守護を紫から任されて以降、修行の日々が続いたんだ。妖怪から人間を守護するために…勿論だけど、妖怪や妖精のストレスの発散も、しないといけないから、妖怪や妖精達とも遊んだりして…」
「それは…大変だな。レイは1人で、妖怪と人間の相手をしてたのか?」
「詳しい話は省くけど…仲間はいたよ。人間と妖怪の仲間だよ。妖怪側の方が多かったけど…」
思出話を楽しそうに話すレイに、魔理沙は真剣に話を聞いている。すると、急にレイの顔色が悪くなると、魔理沙はレイに声を掛けると、正気に戻ったようだ。
「あれ、魔理沙…僕は…思出話をして…」
「そうだぜ。急に、顔色が悪くなったんだぜ。大丈夫か?」
「……だ、大丈夫だよ。魔理沙さん…」
無理して、笑みを浮かべているレイに、魔理沙は見ていられなくなったのか言った。
「無理して、笑みを浮かべても信用できないぜ。少しは、素直になれ…霊夢には黙っといてやる。」
魔理沙はレイの頭を撫でると、我慢できなくなったようで、顔を下にすると涙を流し始めた。
「……泣き顔は見られたくないだろ?部屋から出てるぜ。」
「……ごめんなさい。暫く…一緒に…」
「レイは男の子だろ?仕方ないぜ…少しだけだぜ?」
泣き出してしまったレイを魔理沙は、抱き締めたのである。泣き止もうとしたレイだが、涙は止まらなかった。
暫くして、レイは泣き止んだのだが、恥ずかしくなったようだ。顔を下にしゃがみこんでしまった。
「……魔理沙さん…ごめんなさい…何で、僕はあんなに泣いて…」
「レイは悪くないぜ!?これは…そうだ。事故だぜ…だからな…誰にも言わないから、落ち着こうぜ。」
漸く冷静になったレイは、小さく頷いた。だが、レイの顔が若干赤くなっている。恥ずかしさは残っていた。
「…………境内の掃き掃除をして来ます。魔理沙さんは、霊夢が戻ってくるまで、ゆっくりしててください。」
「え……私は……わかったぜ。霊夢が帰ってくるまで、ゆっくりしとくぜ。」
「それでは…」
レイは立ち上がると境内に出て、掃き掃除をする。魔理沙は持ってきていた魔導書を読んで、時間を潰す。
境内を掃除しているレイだが、まだ恥ずかしさは残っているようで、動作が止まっていた。
(何で、あんなに泣いて……恥ずかしい…やっぱり、最近…無理したのがいけなかった。)
レイは透明な結界の一部を解除して、取り出した物は、紐の付いた勾玉である。それを握り締めて静かに呟いた。
「皆…僕が…弱かったから、幻想郷が…ごめん。」
気持ちを落ち着けたレイは、勾玉を結界で封印すると、境内の掃き掃除の続きをした。すると、霊夢が人里の用事から帰って来たようだ。
「レイ…ただいま。」
「おかわり霊夢。人里の方は、大丈夫だったの?」
「解決したわ。妖怪の異変じゃないから…」
境内の掃除を終えたレイは、霊夢と魔理沙と一緒にお茶会をするのだった。