東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
守矢神社の縁側で、お茶を飲んでいるレイと目の付いた黄色の帽子をしている洩矢諏訪子がまったりとしていた。
(……状況がよくわからない。)
諏訪子は何故か機嫌が良いらしく、お酒も飲んでいる。レイからしたら、面倒なことがなければ放置するつもりでいる。
「早苗と仲良しだよね~」
「………え!?」(何言ってるの…この神…まさか…酔ってる?)
「……おやすみ~」
諏訪子はレイの膝を枕代わりに寝てしまった。動けないので、早苗が帰ってくるまで、待たないといけない。
(慧音先生の依頼で、届けに来ただけなんだけど…動けない。)
すると、射命丸がやって来て、レイと寝ている諏訪子を見て立ち去ろうとした。直ぐ様、霊力の針を射命丸に飛ばした。翼に命中して、落ちてきた。
「酷いじゃ……ひ!?」
「もし、新聞とか変な噂を流したら…潰すよ?」
レイの殺気に、射命丸は気を失った。逃がさないように、器用に針を配置すると結界を張った。
(…後は、この酔っぱらい神が起きるのを待たないとね。面倒だよ……)
欠伸をするレイ。暖かい風を感じながら、早苗が帰ってくるのを待っていると、眠っていた諏訪子が目を覚ましたようだ。
「あれ?私は寝てたの?」
「やっと起きましたか?」
「………誰?」
諏訪子は酔っ払っていたため、記憶も飛んでいるようだ。ぶちギレ寸前のレイだが、冷静に届け物のことを話した。
「慧音から?ありがとね。」
「それでは、僕は帰りますね。用事があるので…」
守矢神社を出て、人里に戻る最中に巨大な蟷螂の妖怪がレイに襲い掛かってきた。鋭い鎌で斬り掛かると、後ろに下がって避ける。
(人里まで逃げたら…被害が出る。この場で、退治しないと…)
金属の針を4本投げて攻撃すると、蟷螂妖怪の鎌部分に命中するが、傷一つつかない。
(頑丈すぎる!?)
上に飛び上がると、風の刃が飛んできた。咄嗟に結界を張るが、結界の一部に亀裂が入った。
(結界でも駄目なのか!?)
レイは空が飛べないため、逃げることすら出来ない。すると、禍々しい声が語りかける。
『俺の力を使えば、あの妖怪を簡単に倒せるぞ。』
(誰が使うか!)
再び、風の刃が飛んできて、避けたりしているが、徐々に追い詰められているレイ。霊力の弾幕を放って、牽制している。
『ククク。だがな…俺の力を使わなければ、人里の人間は、確実にあの妖怪に殺されるぞ…必ずな!』
レイは選んでいる手段はないと決断して、右腕の包帯を取ると、結界を解除した。封印されている妖怪の力が、解放されていく。
「……力を貸して。」
『良いだろう…精神を保っていられるか?楽しみだ…』
レイの右の瞳が黒く染まって、闇のオーラが発生すると、周囲にいた妖精が恐怖で逃げていく。次第に、闇のオーラが消えるとレイの服が、黒く染まっていた。
蟷螂の妖怪は、レイの姿に逃げようとしている。
「………逃がさない。闇符【ダークホール】」
スペルカードを宣言すると、無数の闇の渦が発生して、蟷螂妖怪は渦に呑み込まれた。たが、闇のオーラが再度発生して、レイの精神を蝕んでいく。
『耐えられるか?小僧!』
「…………霊力術式結界展開…解放妖怪再度封印…術式対価…生命力を霊力に変換…」
闇のオーラが右腕に、吸い込まれていく。その存在は抵抗するが、結界に封印された。オーラが消えると、右目が充血していて、瞳が黒く染まった状態になっていた。
(力を使いすぎたか…寿命は…1年減ってる。残りは5年…いや、4年と半年くらいかな。)
淡々と右腕の包帯を巻き直すと、袖で隠して見えなくする。
(右目は誤魔化せないや…)
レイは傷だらけの状態で、博麗神社に帰っていった。