東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
魔理沙とのデートから数日。レイは魔理沙との約束通り、誰にも話していない。だが、霊夢、早苗、小鈴に何故か怪しまれているが、誤魔化しつつ、今度一緒に遊ぶ約束で納得してもらえた。
(その条件が、二人きりでいる…か。まさかね…)
人里に来ているレイは、依頼主の家に向かっている最中だ。最近、頻繁に発生している謎の異変を調べてほしいと、依頼されたのである。
依頼主は人里で、施設を運営している若い男性職員である。
(何の異変だろう。)
依頼主である男性の家に到着すると、レイは出迎えられた。早速だが、事情を話してもらうことに。
「俺は被害を受けてないんだがな。知り合いに相談されてよ…被害と言うより…何て言えば…」
「どのような異変なんですか?」
男性の話だと、特定お店の前にお金が置かれていることが、頻繁に発生しているとのことである。
「お金ですか?」
「そうなんだよ。調べてくれねえか?」
「因みに聞きますが、無くなっていた物とかは?」
「無いな。」
レイは異変の調査をするため、人里の住人に聞き込みをしながら、情報を調べていた。だが、異変発生は最近になってからなので、余り情報は集まらない。
(特定のお店にお金…訳がわからない。)
お金が置かれたと言われるお店…蕎麦屋に入り、店主に話を聞くが、お金を置かれるようなことは、見に覚えがないらしく、わからないようだ。
「だが、前に人里に来ていた子供に蕎麦を食わせたよ。親もいなかったな…」
「あれからその子供には?」
「無いな。人里にも、見掛けない子供だ。もしかしたら、人里とは別の集落からきたかも知れねえな。」
(人里とは別の集落から…?)
話を聞き終え、次いでに蕎麦屋でお昼を済ませると、情報を集めるために、人里の住人への聞き込みを続けた。
何の進展もない中、博麗神社に帰ってきたレイ。霊夢がいないことに気づくと、書き置きが卓袱台に置かれていた。
内容は、妖怪退治の依頼が入ったので、帰りは真夜中になる…との内容だった。
(今は17時…何処かで、夕食を済ませないとね。人里に今から行くのも、面倒だし。)
最悪霊夢の夕食だけを作って、そのまま寝ようかと考えていたら、隙間が開いたと思ったら藍が出てきた。片手には、いなり寿司が山盛に乗せられている皿が…
「作りすぎてしまって…お裾分けに来た。」
「ありがとうございます。夕食どうしようかと、困ってたので…」
「霊夢はどうしたんだ?」
「妖怪退治の依頼で、夜遅いみたいです。」
いなり寿司を食べながら、藍と会話をしている。紫は外の世界での調査に出掛けているため、家には藍だけだったようだ。
「橙は用事でいないしな。」
「藍さんの式…でしたね。」
「レイに式は、いないのか?」
4つ目のいなり寿司を食べ終えて、お茶を飲み終えたレイは頷いている。そもそも、人間に式神が出来ることすら知らないのだ。残り8つのいなり寿司に結界を張ると、異空間に入れ込んだ。
「レイの結界は、異空間にも入れれるのか?」
「出来るよ。この方法は…僕のいた幻想郷で、開発した術式。結界術しか才能ないし…」
「それでも…話し相手ありがとう。余り、無理するんじゃないぞ!」
藍からの忠告にレイは右腕に触れて、悲しげな笑みを浮かべる。
「もう、手遅れだと思うけどね。」
「だが、まだ時間はあるんだ。このまま封印を続けたら…」
「わかってます。だから、方法を調べてるんです!」
レイは不可視結界を解除して、右腕の包帯を藍に見せる。右腕から右手首近くまで、黒く染まっていた。封印の影響が既に進んでいて、右手も黒く染まりつつある。
「この後、全身が黒く染まれば…僕の命は尽きます。そうなれば…同時にこの妖怪を殺せます。いつ、死んでもおかしくないです。」
「寿命は4年ちょっと…だが…」
「はい。無理はしませんよ…ですが、ゆっくりはしていられません。」
無言で藍は、隙間に入り帰っていった。レイは不可視結界を張り直して、新しい包帯に巻き直す。
(僕だって、死にたいわけじゃない。)
夕食後に少しだけ仮眠すると、霊夢が帰ってくるまで、修行をするのだった。