東方外来録 博麗の神主の幻想入り 作:ロッド
昨日依頼されていた蕎麦屋に、お金が置かれている異変を調べているレイは、幻想郷に存在している人里とは、別の集落のことを調べる。だが、一切そのような存在がある情報が見つからなかった。
(情報が見つからない。それ以前に、人里以外に人間の集落はあるのか?)
蕎麦屋にお金を置いたのは、店主が話していた子供の可能性はあるが、人里では見掛けないような子供である。
(なら、お金を置いたのは妖怪だね。)
レイの仮説では、お金がなく空腹状態にあった子供に化けていた妖怪は、偶然に見つけたか通り掛かった蕎麦屋の店主に、蕎麦を食べさせて貰ったことを礼にお金を置いた…と、仮説している。
(仮説としては、矛盾ないよね。盗まれているものは、無かったようだし。)
問題なのが、誰がお金を置いたのかを調べなければならない。
(難しい…情報が少なすぎる。人間に化けた妖怪がいるのかすら怪しいし。)
レイは情報が集まらないので、昼を食べながらでも考えることにした。蕎麦屋に行って、昼食にする。
「おじさん、小を1つお願い。」
「来たかボウズ…しっかり食わねえと、元気でないからな!」
店主は笑いながら、蕎麦の準備に取り掛かる。すると、一匹の子狐が店内の前に現れる。店主は気づいていないようだが、レイはそれを見ている。
(子狐…?)
暫く、店の前にいるとその場から姿を消した。丁度ざるそば(小)が来たので、食べるのに集中する。
「おいしい。」
15分程度で、ざるそばを食べ終えたレイは、お金をテーブルに置いて、蕎麦屋を出て行こうとしたら、お金が店前に置かれていた。
(あの子狐が置いたのか?)
店主に置いてあったお金を渡して、鈴奈庵に向かうことにした。依頼されていること以外にも、調べるためである。
(そろそろ、本格的にヤバくなってきた。死ぬ覚悟はあるけど、バレたらヤバイ。特に霊夢と魔理沙に知られたら…無茶しかねない。)
鈴奈庵に到着したレイは、小鈴に呪いに関する本があるかどうかを聞いた。何冊か本を持ってきてレイに渡した。
「10冊はあるけど読めるの?」
「大体の文字なら読める。流石に、妖怪文字、古代文字は読めないけど…」
小鈴と会話しながら、本を読み進めていく。既に10分くらいで、3冊読み終えていた。その速さに、小鈴はレイが焦っているように見えた。
(…何か焦ってる?幻想郷を知りたくて、異変や妖怪を調べるのは…わかるんだけど。呪いは関係あるのかな?)
少しばかり、レイを怪しんでいる小鈴。暫くして、10冊の本を読み終えたレイは、お金を払うと出ていこうとする。小鈴は呼び止めて、話し掛けた。
「レイ君!今は予定あるかな?」
「………ごめん…また今度。」
鈴奈庵を出ていったレイは、直ぐに人気のない場所に移動すると、結界を発動してその場から消えた。
本の片付けをしている小鈴は、ソファー座ると溜め息をしている。すると、阿求と霊夢が入ってきた。
「阿求と霊夢さん…」
普段とは違う小鈴の雰囲気に、阿求と霊夢は何か異変でもあったのかと、心配しつつ気を引き閉める。
「小鈴ちゃん…何かあったの?」
「妖魔本じゃあないわよね?」
「今回は違います。レイ君のことなんですけど…」
「……レイに何かあったの?」
小鈴はレイが読んでいた本を取り出すと、霊夢と阿求に見せた。早速、本に触れて調べている。妖気の気配は感じないらしい。
「……この本を読んでたのよね?」
「はい。」
「妖気の気配はないから、妖魔本ではないわね。」
「呪い専門の本?これを10冊も…」
霊夢と阿求は本を読んで調べてみると、殆どの内容が軽い安全な呪いや危険で、死に至る呪いも記されてあった。
「レイが調べているとしたら、危険な呪いの方よね。」
「何のために、呪いを調べていたのか。」
「霊夢さん…」
「私が調べてみるわ。」(もし、レイが危険なことをする気なら、止めないと。)
レイは魔法の森に来ていた。何かを探しているようだが、目的はわからない。
(魔法の森なら、集まると思ったんだけど。薬草系は無いのかな?)
そろそろ、日が暮れてくるため、帰っていった。